トルコ諜報機関の命令を受け、シリア北部で活動するシリア国民軍所属5組織が完全統合し、新組織「シリア解放戦線」を結成(2021年9月9日)

トルコ占領下のシリア北部で活動するシリア国民軍所属5組織が完全統合し、新たな武装組織「シリア解放戦線」を結成した。

シリア解放戦線として完全統合したのは、ムウタスィム旅団、ハムザ師団、第20師団、北部の鷹旅団、スルターン・スライマーン・シャー師団。

司令官にはムウタスィム・アッバース氏(ムウタスィム旅団司令官)、副司令官にはサイフ・ブーラード氏(ハムザ師団司令官)、報道官にはムスタファー・スィージャリー氏(ムウタスィム旅団政治局長)がそれぞれ任命された。

シャーム・ネットワーク(9月9日付)などによると、兵力は約1万5000人で、「ユーフラテスの盾」地域、「平和の泉」地域各所に配置されるという。

シリア人権監視団によると、統合はトルコの諜報機関の命令を受けたもの。

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アナトリア通信(9月9日付)によると、結成式はアレッポ県バーブ市で執り行われ、5組織の司令官やメンバー多数が出席した。

 

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結成に合わせて発表された第1号声明によると、「解放区」における現状のさらなる改善、安全の拡充、安定化の支援、公的機関の役割強化、シリア革命反体制勢力国民連立傘下の暫定内閣の強化が目的。

5組織の軍事、治安、政治、財務、広報、渉外帰還を完全統合し、暫定内閣の国防省、憲兵隊、軍裁判所、文民警察を支援するという。

 

AFP, September 9, 2021、Anadolu Ajansı, September 9, 2021、ANHA, September 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 9, 2021、Reuters, September 9, 2021、SANA, September 9, 2021、Sham Network, September 9, 2021、SOHR, September 9, 2021などをもとに作成。

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