イスラエル・メディア:アサド大統領はイラン・イスラーム革命防衛隊のガッファーリー・シリア駐留部隊総司令官がイスラエルとの域内戦争を誘発しようとしたため解任、後任はアリー・アッサーフなる人物(2021年11月11日)

『エルサレム・ポスト』(11月11日付)、『タイムズ・オブ・イスラエル』(11月11日付)、KAN 11チャンネル(11月11日付)などは、複数筋の話として、アサド大統領がイラン・イスラーム革命防衛隊のジャヴァート・ガッファーリー・シリア駐留部隊総司令官を解任したと伝えた。

『エルサレム・ポスト』によると、シリア国内でのガッファーリー総司令官の振る舞いが主権を侵害したというのが解任の理由。

同紙によると、ガッファーリー総司令官は、密輸、ブラック・マーケットでの武器密売、天然資源の搾取などに関与する一方、シリア政府の指示に反する場所に拠点を「イランの民兵」の拠点を設置し、これがイスラエル軍による爆撃を招いたという。

また、『タイムズ・オブ・イスラエル』は解任の理由に関して、ガッファーリー総司令官が、米軍やイスラエルに対して、シリア政府の指示に反する数々の活動を行い、シリア政府が望んでいないイスラエルとの域内戦争を誘発しそうだったためとしている。

ガッファーリー総司令官は、ガーセム・ソレイマーニー前総司令官がイラクで暗殺された2020年1月以降、シリア国内でのイラク・イスラーム革命防衛隊を含む「イランの民兵」を統括していたとされる。

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一方、KAN 11チャンネルは、イスラエル諜報機関から得た情報として、ガッファーリー総司令官の後任として、アリー・アッサーフなる人物が、シリアへの駐留と、イラクからシリアへの武器移送、戦闘員教練の筆頭責任者となったと伝えた。

ワッラー!(11月11日付)によると、アッサーフ新司令官は、シリア南部でのヒズブッラー戦闘員の活動を統括していた人物。

AFP, November 11, 2021、ANHA, November 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, November 11, 2021、The Jerusalem Post, November 11, 2021、KAN 11, November 11, 2021、Reuters, November 11, 2021、SANA, November 11, 2021、SOHR, November 11, 2021、The Times of Israel, November 11, 2021、Walla!, November 11, 2021などをもとに作成。

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