「決戦」作戦司令室とシリア軍がイドリブ県、ハマー県で交戦(2021年11月19日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるマアッラト・ヌウマーン市西に位置するダイル・サンバル村一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村、スフーフン村、ファッティーラ村、フライフィル村を砲撃した。

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ハマー県では、SANA(11月19日付)、シリア人権監視団によると、イドリブ県で活動を続ける「テロ組織」がガーブ平原のジューリーン村にある民家複数棟を狙って砲撃を行い、物的被害が出た。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ムサイフラ町で正体不明の武装集団の襲撃を受けて重傷を負っていた軍事情報局に協力する男性1人が死亡した。

また、フラーク市でも男性1人が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(イドリブ県3件、ラタキア県2件、アレッポ県3件、ハマー県0件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は0件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を7件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, November 19, 2021、ANHA, November 19, 2021、al-Durar al-Shamiya, November 19, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, November 19, 2021、Reuters, November 19, 2021、SANA, November 19, 2021、SOHR, November 19, 2021などをもとに作成。

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