日本の外務省はWHOとの間で、6億7,700万円を供与額とするシリアへの無償資金協力に関する交換公文に調印したと発表(2021年12月17日)

日本の外務省は声明を出し、世界保健機関(WHO)との間で、6億7,700万円を供与額とする無償資金協力「紛争により甚大な被害を受けた地域の病院による救命サービスの復旧及び強化計画(WHO連携)」に関する交換公文の署名が行われたと発表した。

声明(シリア・アラブ共和国「紛争により甚大な被害を受けた地域の病院による救命サービスの復旧及び強化計画」(無償資金協力)に関する書簡の交換)の全文は以下の通り。

12月16日(現地時間同日)、世界保健機関(WHO)本部のあるスイス・ジュネーブにおいて、山崎和之在ジュネーブ国際機関日本政府代表部常駐代表・特命全権大使とテドロス・アダノムWHO事務局長(H. E. Dr. Tedros Adhanom, Director-General, World Health Organization)との間で、6億7,700万円を供与額とする無償資金協力「紛争により甚大な被害を受けた地域の病院による救命サービスの復旧及び強化計画(WHO連携)」に関する交換公文の署名が行われました。

1. 2011年3月のシリア危機発生から11年目に入り、同国では、国民の約90%が貧困層にあたるなど、人道危機と言われる状況が継続しており、国民の約79%にあたる約1,340万人が人道と保護の支援を必要としているといわれています。長引く紛争による被害のために一部機能していない病院は全体の約40%に上り、これまでに修復された一次医療センターにおいても、約50%の施設が何らかの機能不全を抱えています。更に、新型コロナウイルス感染症の影響により、既に極めて脆弱だった同国内の医療サービスは、より一層厳しい状況に陥っています。

2. この協力は、ダマスカス郊外県のドゥーマ国立病院及びアレッポ県のアル・ラージ病院に対し、医療サービス提供に必要な基礎インフラの修復及び医療関連機材を供与するものです。この協力により、国内避難民を含むシリア国民への安定的な外傷治療及び二次医療サービスの強化を図り、もってシリア国内の保健分野における人道状況の改善に寄与することが期待されます。

AFP, December 25, 2021、ANHA, December 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 25, 2021、Reuters, December 25, 2021、SANA, December 25, 2021、SOHR, December 25, 2021などをもとに作成。

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