ダイル・ザウル市スポーツ・サロンで指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが始まる一方、ラッカ市では「和解プロセス」を拒否するデモが行われ、政治組織4団体が声明発表(2022年1月19日)

ダイル・ザウル県では、SANA(1月19日付)によると、ダイル・ザウル市スポーツ・サロンに新たに和解センターが設置され、指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが開始された。

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ラッカ県では、SANA(1月19日付)によると、1月12日にサブハ町に設置された和解センターで指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続けられた。

一方、ANHA(1月19日付)によると、北・東シリア自治局の支配地域で活動する政治組織4団体が共同声明を発表し、シリア政府がラッカ県サブハ町とダイル・ザウル県各所で行っている指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続き(いわゆる「和解プロセス」)を拒否すると表明した。

共同声明を発表したのは、シリア・ムスタクバル党、民主統一党(PYD)、クルディスタン友愛党、クルディスタン共和党。

4団体の代表者数十名は、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるラッカ市のバグダード門前に集まり、クルディスタン共和党政治局のマシュラブ・ダルウィーシュ氏が代表で声明文を読み上げ、「和解プロセス」を機の政治的解決を求めた国連での諸決議に反した人権侵害などと非難し、これを拒否、自由と自治の実現、国際社会による自治商人に向けてまい進すると表明した。

また、ラッカ市のシャンマース広場でも、住民ら数十人が抗議デモを行い、「和解プロセス」拒否を訴えた。

AFP, January 19, 2022、ANHA, January 19, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 19, 2022、Reuters, January 19, 2022、SANA, January 19, 2022、SOHR, January 19, 2022などをもとに作成。

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