シャーム解放機構は米軍がダーイシュのアブー・イブラーヒーム・クラシー指導者暗殺作戦を敢行したトルコ占領地との境界地で密輸に関与する女性、子供に発砲、住民多数を拘束(2022年2月10日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るいわゆる「解放区」の北端に位置するアティマ村一帯地域に展開し、トルコ占領下のアレッポ県ダイル・バッルート村の通行所一帯に至る街道を封鎖、同地にある国内避難民(IDPs)キャンプ(シュハダー・キャンプ、スフーフン・キャンプ)で活動するメディア活動家を含む住民多数を拘束した。

ダイル・バッルート村の通行所の襲撃を企てていたというのが拘束の理由。

シャーム解放機構はまた、これに先立ち、トルコ占領地から燃料を密輸しようとしてた女性と子供からなるグループに発砲、これにより女性1人と子供1人が負傷したが、これが襲撃未遂のきっかけになったという。

アティマ村は、2月2日から3日にかけて米軍が特殊作戦を行い、ダーイシュ(イスラーム国)のアブー・イブラーヒーム・クラシー指導者、女性と子供を含む13人を殺害した地。

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これに関して、イドリブ県中部、ラタキア県北東部、アレッポ県西部、ハマー県北西部の反体制派支配地の自治を執り行う「解放区自治局」は声明を出し、アティマ村の通行所で、治安要員が麻薬などを密輸を取り締まろうとしたところ、密輸グループと交戦となり、女性1人が巻き添えとなって負傷したと説明した。

声明によると、治安要員は密輸グループのメンバー全員を拘束したという。

AFP, February 10, 2022、ANHA, February 10, 2022、al-Durar al-Shamiya, February 10, 2022、Reuters, February 10, 2022、SANA, February 10, 2022、SOHR, February 10, 2022などをもとに作成。

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