トルコで活動するシンクタンクのジュスール研究センターは、米軍がアレッポ県のハッラーブ・ウシュク村近郊の基地(ラファージュ・セメント工場)に再展開したと発表した。
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ラファージュ・セメント工場は、ハッラーブ・ウシュク村およびジャラビーヤ村の近郊に位置し、2016年3月に米軍が基地としての転用を開始した。
面積は35平方キロ。
民主統一党(PYD)が基地建設に必要な土地の70%を無償で提供、残りの30%は農地1ドゥーナム(当時の地価は100米ドル)を3,000米ドルで買収して地敷地を確保した。
ヘリポート、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍戦闘員の教練キャンプが併設され、当初は米軍兵士・技術者約45人が駐留、その後300人以上に増員され、駐留米軍最大の拠点となった。
また、フランス軍兵士も駐留した。M4高速道路沿線、ティシュリーン・ダム、ユーフラテス川河畔、マンビジュ市一帯、アイン・アラブ市一帯、ラッカ市一帯の監視が主要な任務だった。
米軍は2019年10月に撤退、その後はシリア民主軍が駐留していた。
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米国は5月12日、財務省がシリア政府の支配が及ばないシリア北部に対する外国の投資を認める決定を下している。
投資解禁は、この地域の経済の安定化を通じて、イスラーム国を根絶するための戦略の一環で、農業、建設、金融など12のセクターが対象。
シーザー・シリア市民保護法(シーザー法)など米国による一連の経済制裁の対象となっているシリア政府支配への送金は引き続き認めないとしている。
AFP, May 18, 2022、ANHA, May 18, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 18, 2022、Markaz al-Jusur li-l-Dirasat, May 15, 2022、Reuters, May 18, 2022、SANA, May 18, 2022、SOHR, May 18, 2022などをもとに作成。
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