アラビー・ジャディード(7月10日付)は、シリアの反体制派の監視追跡部隊で活動しているという複数筋の話として、「イランの民兵」、ロシア軍、シリア軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のマンナグ航空基地に部隊を派遣、増強し、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が駐留していた同基地は、シリア軍の管理下に置かれていると伝えた。
記事は「イランの民兵」(親政権民兵)がマンナグ航空基地を掌握したとしているが、増派されたのはシリア軍部隊。
トルコがシリア北部への新たな軍事侵攻作戦の実施を計画していることを受けた動きで、アサド大統領の弟であるマーヒル・アサド少将が実質指揮するシリア軍第4師団の部隊を派遣し、基地一帯に拠点や陣地を設置したことで、シリア軍が基地を掌握したという。
増派されたのは2個大隊(600人)、戦車15輌、BMS装甲車複数輌、BM-21グラート自走多連装ロケット・システム複数基、Golan-1000短距離自走式多連装ロケット・システム複数基で、うち60%が第4師団、40%が第1師団と第2師団だという。
AFP, July 11, 2022、ANHA, July 11, 2022、al-‘Arabi al-Jadid, July 10, 2022、al-Durar al-Shamiya, July 11, 2022、Reuters, July 11, 2022、SANA, July 11, 2022、SOHR, July 11, 2022などをもとに作成。
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