国連安保理決議第2642号採択後初となる越境(クロスボーダー)での支援物資が行われ、WFPのトレーラー14輌が反体制派支配地に入る(2022年7月28日)

イドリブ県では、イナブ・バラディー(7月28日付)などによると、人道支援物資を積んだ世界食糧計画(WFP)の大型トレーラー14輌が、バーブ・ハワー国境通行所を通じてトルコから、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るシリア領内の反体制派支配地に入った。

国連安保理決議第2642号(6月12日)が採択されて以降、初めての越境(クロスボーダー)での支援物資の搬入となる。

シャーム解放機構が事実上統轄するバーブ・ハワー国境通行所の総務関係広報局長を務めるマーズィン・アッルーシュ氏によると、搬入されたのは医療物資、国内避難民(IDPs)用のキャンプ関連の設備など約300トン。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のスフーフン村、フライフィル村、ファッティーラ村、バイニーン村、バーラ村一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、「決戦」作戦司令室はシリア政府の支配下にあるミラージャ村、ダール・カビーラ村一帯を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるバルナター村、マクラビース村を砲撃した。

AFP, July 28, 2022、ANHA, July 28, 2022、al-Durar al-Shamiya, July 28, 2022、‘Inab Baladi, July 28, 2022、Reuters, July 28, 2022、SANA, July 28, 2022、SOHR, July 28, 2022などをもとに作成。

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