シリア軍と「決戦」作戦司令室がラタキア県、イドリブ県、アレッポ県で交戦(2022年8月12日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるクルド山地方のカッバーナ村一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、フライフィル村、スフーフン村を砲撃した。

一方、SANA(8月12日付)によると、シリア政府の支配下に復帰したマアッラト・ヌウマーン郡タマーニア区で「テロ」によって破壊された電力網の復旧作業が開始された。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のバーブ市に隣接するシリア政府支配下のターディフ市一帯で、シリア軍とシリア国民軍が交戦した。

一方、トルコ占領下のマーリア市近郊では、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配地から発射された対戦車ミサイルがシリア国民軍所属のシャーム戦線の車輌を直撃し、車が炎上、乗っていた戦闘員多数が負傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、地元の反体制武装集団がサイダー町の陸橋近くに設置されているシリア軍第15師団の検問所を襲撃した。

地元の反体制武装集団はまた、ムサイフラ町にいたる交差点に設置されている空軍情報部の検問所を襲撃した。

これに対して、シリア軍はタファス市南の平原一帯を砲撃、地元の反体制武装集団と交戦した。

一方、ダルアー市のダルアー市ダルアー・バラド地区のウマリー・モスク前では、「イランの民兵」とレバノンのヒズブッラーのタファス市からの退去を求める抗議デモが行われた。

また、ダルアー市のブスラー広場近くで、何者かによって銃で撃たれて殺害されたと見られるシリア軍兵士の遺体が発見された。

AFP, August 12, 2022、ANHA, August 12, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 12, 2022、Reuters, August 12, 2022、SANA, August 12, 2022、SOHR, August 12, 2022などをもとに作成。

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