アレッポ県マンナグ航空基地のシリア軍拠点、ハサカ県ウガイビシュ村がトルコ軍ドローンの攻撃を受ける(2022年8月17日)

アレッポ県では、ANHA(8月17日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下のアイン・アラブ(コバネ)市近郊のズール・マガール村、シュユーフ・ファウカーニー町、アフマド・ムニール村、タッル・リフアト市近郊のウンム・クラー村、ワフシーヤ村、シャワーリガ村、タート・マラーシュ村を砲撃した。

トルコ軍はまた、無人航空機(ドローン)でマンナグ航空基地内のシリア軍拠点1ヵ所を攻撃した。

一方、SANA(8月17日付)によると、トルコ占領下のジャラーブルス市に面するトルコ領内(ガジアンテップ県)の国境に近い複数のモスクの拡声器から、トルコ軍が住民に対して外出を控えるよう警報を発した。

ハサカ県やラッカ県の複数の住民がSANAの特派員に明らかにしたところによると、警報はトルコ軍の偵察機が国境地帯を頻繁に旋回し、国境に隣接する地域で部隊が増強され、トルコ軍から「テロ傭兵」に厳戒態勢が発せられたのに合わせたもの、新たな軍事作戦の開始に備えたものと見られるという。

これに関して、『シャルク・アウサト』(8月17日付)は、アレッポ県北部に設置されているトルコ軍の複数の基地がシリア国民軍に対して最高レベルの厳戒態勢を発出するとともに、反乱者解放機構の総司令部が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍による攻撃激化に対処するための緊急会合を開催したと伝えた。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(8月17日付)によると、トルコのシュレイマン・ソイル内務大臣は、拡声器からの呼びかけに関して、目的を逸した度を超えたものだったとしたうえで、トルコ当局はこの地域に外出禁止令は発出してない。市民に警報を恐れないよう呼びかけたい、と述べた。

このほか、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるアアザーズ市で、シリア国民軍に所属する北の嵐旅団とハイヤーン町住民からなる民兵が交戦した。

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ハサカ県では、ANHA(8月17日付)によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町近郊のウガイビシュ村を砲撃し、住民1人が負傷した。

シリア人権監視団によると、ウガイビシュ村に対する攻撃は無人航空機(ドローン)によるもので、負傷したのはシリア民主軍に所属するタッル・タムル軍事評議会の兵士1人。

また、SANA(8月17日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がアルーク村一帯を砲撃し、同地の揚水所からハサカ市への水道水の供給が滞った。

AFP, August 17, 2022、ANHA, August 17, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 17, 2022、Reuters, August 17, 2022、SANA, August 17, 2022、al-Sharq al-Awsat, August 17, 2022、SOHR, August 17, 2022などをもとに作成。

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