イナブ・バラディー(11月15日付)などによると、同地の軍事・治安権限を握るシャーム解放機構の総合治安機関が、イタリアの4大マフィアの一つカモッラのメンバーで麻薬密売人のブルーノ・カルボーネ容疑者を逮捕したと発表した。
総合治安機関のディヤー・ウマル報道官の発表によると、国際指名手配を受けているカルボーネ容疑者は数ヵ月前に逮捕され、麻薬密売、資金洗浄、違法送金などの国際犯罪への関与を認めているという。
ウマル報道官はまた、カルボーネ容疑者が、名前や国籍を偽り、賄賂や違法な方法を駆使して、多くの国に出入国を繰り返し、逃亡を続けていたと付言した。
カルボーネ容疑者は、シャーム解放機構の支配下にあるシリア北西部を経由して、シリア政府支配地に向かおうとしたところを拘束された。
拘束時、カルボーネ容疑者は、スペイン語を操り、ロレックスの腕時計の偽物を取引したことの捜査を逃れて、メキシコから逃亡したメキシコ人だと装っていた。
シリア北西部に入ろうとした際、総合治安機関は入国の日付を確認できなかったために拘束した。
そして、数ヵ月にわたる捜査を経て、カルボーネ容疑者であることを特定し、多くの国際犯罪に関与していたことをつきとめたという。
シリア政府の支配地への、ロシア国籍を取得して潜入を試み、同地を潜伏地として麻薬密売を続けようとしていたという。
カルボーネ容疑者は1977年2月23日生まれの45歳。
身長は186センチ、国籍はイタリア、麻薬密売人、麻薬や向精神薬を違法に取引する犯罪組織への参加の罪で2013年にイタリアで懲役20年の有罪判決を受けたが、逃亡したため、EUが国際指名手配していた。
ウマル報道官によると、イタリアから逃亡したカルボーネ容疑者は、長らくUAEで潜伏生活を続けた後、欧州、トルコ、「解放区」を経由して、シリア政府の支配地に入ろうとしていたという。
2021年8月にUAEのドバイで逮捕されたカモッラのメンバーで麻薬密売人のラファエル・インペリアーレ容疑者(ナポリ出身)の「右腕」と目される人物。
2019年にUAEの警察当局は、ドバイ国際空港でドミニコ・アルファーノを名乗るビジネスマンを逮捕、同人物はカルボーネ容疑者だと疑われたが、2020年11月に釈放されていた。
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なお、シリア救国内閣のムハンマド・サンカリー広報局長はフェイスブックのアカウント(https://mobile.twitter.com/mhmdsankary/)で、救国内閣内務省がこの3月に「解放区」を経由してシリア政府支配地に入ろうとしていたカルボーネ容疑者を逮捕し、イタリアに身柄を引き渡したと発表した。
https://twitter.com/mhmdsankary/status/1592527506665779201
また、イタリアのナポリ警察は、ローマ・チャンピーノ空港に移送されたブルーノ・カルボーネ容疑者の身柄を引き取ったと発表した。
AFP(11月16日付)が伝えた。
AFP, November 15, 2022、November 16, 2022、ANHA, November 15, 2022、al-Durar al-Shamiya, November 15, 2022、‘Inab Baladi, November 15, 2022、Reuters, November 15, 2022、SANA, November 15, 2022、SITE Intelligence Group, November 15, 2022、SOHR, November 15, 2022などをもとに作成。
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