2013年10月19日のシリア情勢

反体制勢力の動き

ラッカ県などで活動する「アナー新メディア機構」は、同県などでのイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の活動に関して「そのほとんどは、市民社会、とりわけシリア革命社会に利さない」と批判する声明を出した。

同声明によると、イラク・シャーム・イスラーム国は10月15日、ラッカ市内の同機構事務所に押し入り、機材、文書などを持ち去ったほか、10月1日には、同機構の幹部でジャーナリストのラーミー・ラズーク氏をラッカ市・タブカ市間で拘束したという。

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イスラーム軍広報局は、ヒムス県スフナ市での18日の戦闘で、多数のロシア軍兵士を殺害した、と発表した。

クッルナー・シュラカー(10月19日付)が伝えた。

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クッルナー・シュラカー(10月20日付)は、シリア民主主義者連合が執行部会合を開き、以下のメンバーを、各部局の責任者に任命したと報じた。

政治局:ミシェル・キールー代表、アブドズルアズィーズ・タンムー(執行部)、サーイル・ムーサー
広報局:ファーイズ・サーラ(執行部)、バヒーヤ・マールティーニー(執行部)、ウマル・クーシュ(執行部)、サミール・サイーファーン(書記長)
救済局:カータリーン・タッリー(執行部)
研究局:ザカリヤー・サッカール(執行部)
組織局:マーズィン・ハッキー(執行部)、バヒージャ・トゥラード

シリア政府の動き

シリア・アラブ・テレビ(10月19日付)は、化学兵器禁止機関の調査先遣隊の活動の様子を撮影したリポートを放映した。

al-Hayat, October 20, 2013

al-Hayat, October 20, 2013

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団などによると、ジャルマーナー市入り口の検問所で、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員が自爆テロを行った。リハーブ・ニュース(10月19日付)によると、この自爆テロで軍兵士16人が死亡、多数が負傷した。

シリア人権監視団によると、また反体制武装集団は、ジャルマーナー市に対して砲撃を行った。

これに対して、軍は、この爆発後、ジャルマーナー市郊外一帯を空爆した。

このほか、ムウダミーヤト・シャーム市では、軍が同市突入に向けて、激しい砲撃を加えたという。

一方、リハーブ・ニュース(10月19日付)によると、また反体制武装集団は、軍が拠点として使用していたTAMICO工場の施設を制圧したと発表した。

他方、SANA(10月19日付)によると、ハラスター市、ザマルカー回廊、ナシャービーヤ町郊外、バハーリーヤ市郊外、カースィミーヤ市郊外、ブワイダ市郊外、フジャイラ村、アドラー市郊外、ダイル・アティーヤ市郊外、ナバク市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺害、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、リハーブ・ニュース(10月19日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺で、軍とシャームの民のヌスラ戦線が交戦した。

一方、SANA(10月19日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、タッル・ハースィル村、タッルアラン村、ナイラブ村東方、アブー・ダンナ村、クワイリス村、アレッポ市ジュダイダ地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員らを殺害、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、リハーブ・ニュース(10月19日付)によると、「自由シリア軍」がラシュディー地区、文学部一帯を制圧した。

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ラッカ県では、リハーブ・ニュース(10月19日付)によると、「自由シリア軍」が第17師団本部周辺での軍との戦闘で、軍のシャラフ・イブラーヒーム・シャアバーン准将を殺害した。

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ダマスカス県では、SANA(10月19日付)によると、カーブーン区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺害、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(10月19日付)によると、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺、ハーミディーヤ村、アブー・ズフール航空基地周辺、カフルナブル市、マジュダリヤー村、サルジャ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺害、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(10月19日付)によると、ヒムス市ワルシャ地区、ハミーディーヤ地区、ダール・カビーラ村、シューマリーヤ山地一帯、タッルカラフ市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺害、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(10月19日付)によると、ナマル町、タッル・マハッス市、ダルアー市、タファス市、シューマラ市、ナスィーブ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺害、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(10月19日付)によると、サルマー町、ドゥーリーン村、カフルダルバ村、ザーヒヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺害、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

2012年5月にアレッポ県アアザーズ市でシリアの反体制武装集団に拉致されたレバノン人巡礼者9人が、トルコのイスタンブール国際空港を経由し、ベイルートのラフィーク・ハリーリー国際空港に到着した。

AFP(10月19日付)が報じた。

複数のメディアによると、解放されたレバノン人巡礼者9人を載せたカタール航空機には、レバノンのアッバース・イブラーヒーム総合治安局長とカタールのハーリド・アティーヤ外務大臣が同乗していたという。

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NNA(10月19日付)は、アレッポ県アアザーズ市で2012年5月に誘拐されたレバノン人巡礼者9人の解放を受けるかたちで、同年8月にレバノンで誘拐されたトルコ航空パイロット2人が解放され、ベイルートのラフィーク・ハリーリー国際空港に向かっていると報じた。

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2012年5月にアレッポ県アアザーズ市で拉致されたレバノン人巡礼者9人の解放に向けた動きは、レバノンのアッバース・イブラーヒーム総合治安局長とカタールのハーリド・アティーヤ外務大臣のトルコ訪問により、一気に加速した。

これに関して、ナハールネット(10月19日付)は、カタールが1億5,000万ドルの身代金を支払うなどして仲介者の役割を果たらことで、レバノン人巡礼者9人の解放が実現した問題が解決したと報じた。

また、LBCI(10月19日付)、ジャディード(10月19日付)などによると、レバノン人巡礼者9人の釈放をめぐってはまた、2012年8月にレバノンで拉致されたトルコ航空パイロットら2人の釈放を補償するよう求める一方、シリア政府が、女性収監者282人の釈放を求めていた誘拐犯である北の嵐旅団の要求に沿うかたちで、女性収監者多数を釈放した。

なお、イブラーヒーム総合治安局長はトルコ訪問に先立って、シリアのダマスカスを訪問していた。

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NNA(10月19日付)によると、アッカール県アッブーディーヤ村で、住民がシリア領内からの砲撃に抗議して、国際幹線高速道路を一時封鎖した。

諸外国の動き

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、中東歴訪の第1の訪問国エジプトで、ナビール・ファフミー外務大臣と会談、シリア情勢について協議した。

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『テレグラフ』(10月19日付)は、シリア国内の某所で5週間にわたって医療ボランティア活動に参加していた英国人外科医のデヴィッド・ノート氏が、シリア軍狙撃手たちが妊婦の腹部など、体の一部分を狙い撃つ「ゲーム」をやっていたと証言した、と伝えた。

AFP, October 19, 2013、The Telegraph, October 19, 2013、al-Hayat, October 20, 2013、al-Jadeed, October 19, 2013、Kull-na Shuraka’, October
19, 2013, October 20, 2013、LBCI, October 19, 2013、Naharnet, October 19,
2013、NNA, October 19, 2013、Reuters, October 19, 2013、Rihab News, October
19, 2013、SANA, October 19, 2013、UPI, October 19, 2013などをもとに作成。

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