アサド大統領がイランのアブドゥッラフヤーン外務大臣と会談:「占領の終了とテロ支援の停止なくして、トルコとの対話に前進はない」(2023年1月14日)

イランのホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務大臣がレバノンに続いてシリアを訪問し、アサド大統領と会談し、両国の歴史的友好関係、様々な分野における二国間協力のありようについて意見を交わした。

SANA(1月14日付)によると、会談でアサド大統領は、シリアがイランとの継続的な連絡や連携を望んでいるとしたうえで、イランがシリアでの「テロとの戦い」を当初から支援してきたことを高く評価、両国の連携が、地域情勢、国際情勢の動きのなかで、両国共通の利益を実現させるために、これまで以上に重要性を増していると強調した。

これに対して、アブドゥッラフヤーン外務大臣は、シリアの力や成長が中東地域、とりわけイランにとっても力、成長につながり、両国が一体となり、互いを支援し合っているとしたうえで、シリアとトルコの対話が真摯なものであるのなら、両国、そして地域に利益をもたらす前向きなステップとなるだろうと述べた。

アサド大統領はこれに対して、シリアが常にシリア国民の利益に基づいて行動しており、占領の終了とテロ支援の停止なくして、対話に前進はないと答えた。

会談では、イランの核開発問題、ヨルダンの首都アンマンで開催されたバグダードII会合などについて意見が交わされた。


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アブドゥッラフヤーン外務大臣はまた、ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣と会談し、両国の戦略的関係、経済協力などについて意見を交わした。

会談後の共同記者会見で、ミクダード外務在外居住者大臣は、トルコについて、シリアにおける部隊駐留を終わらせるべきだと述べるとともに、テロ組織の存在が、シリアとトルコの関係正常化を妨げてるもう一つの障害だと指摘した。

AFP, January 14, 2023、ANHA, January 14, 2023、al-Durar al-Shamiya, January 14, 2023、Reuters, January 14, 2023、SANA, January 14, 2023、SOHR, January 14, 2023などをもとに作成。

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