【トルコ・シリア大地震】米財務省は対シリア制裁を180日間凍結することを決定(2023年2月10日)

米財務省外国資産管理室(OFAC)は一般許可(General License;LC)第23号を発出し、シリアに対する制裁規則(SySR)をによって、6日に発生したトルコ・シリア大地震に対する救援措置が阻害されないとして、東部時間9日午後12時(シリア時間10日午前8時)に地震救済にかかるすべての取引を180日間に限って許可すると発表した。

発表に際して、ウォーリー・アディエモ財務省副長官は、「壊滅的な地震による悲劇的な人命の喪失と破壊について、トルコとシリアの人々に心からお悔やみを申し上げます」としたうえで、以下の通り述べた。

国際的な同盟国や人道的パートナーが被災者を支援するために動員をかけているなか、シリアに対する米国の制裁がシリアの人々の命を救う努力を妨げるものではないことを明確にしたい。米国の制裁プログラムは、すでに人道的取り組みを厳然と免除してきたが、財務省今日、は地震救援活動を承認する包括的なGLを発行し、支援を提供する人々がもっと必要とされているもの、つまり人命の救助と再建に集中できるようにした。 米国の制裁プログラムは、地震災害救援活動を含む正当な人道支援を対象とはしていない。米国政府は長い間、SySRに基づいて、国連、米国政府、またはNGOが政府支配地域を含むほとんどの人道支援を許可する複数のGLを出してきた…。この新しい承認は、NGO、国際機関、および米国政府に対して、SySRの下ですでに有効になっているこれらの広範な人道的承認を拡張するものだ。このGLは、進行中の地震危機を通じてシリアの人々を支援するという米国の対応を反映している。制裁緩和だけでは、長年にわたる構造的課題とアサド体制の残忍な戦術を覆すことはできないが、制裁が災害への必要な救命支援を妨げないようにすることはできる。 OFACのGL23 は、シリアでの緊急の災害救援活動を支援するために必要な幅広い権限を提供する。財務省は引き続きシリアの状況を監視し、NGO、国際機関、主要なパートナーや同盟国を含む主要な人道支援および災害支援の利害関係者と協力して、サービス提供が直面するであろう新たな課題を把握していく。米国および仲介金融機関は、すべての地震救援取引を即座に処理するために必要なものをGL23において用意する必要がある。

AFP, February 10, 2023、ANHA, February 10, 2023、al-Durar al-Shamiya, February 10, 2023、Reuters, February 10, 2023、SANA, February 10, 2023、SOHR, February 10, 2023などをもとに作成。

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