【トルコ・シリア大地震】シリアのアサド大統領がオマーンを訪問し、首都マスカットでハイサム・ブン・ターリク国王と会談(2023年2月20日)

シリアのアサド大統領がオマーンを訪問し、首都マスカットの国際空港でハイサム・ブン・ターリク国王の出迎えを受け、その後バラカ・アーミル宮殿(スィーブ宮殿)で公式会談を行った。

会談のなかで、ハイサム国王は、アサド大統領とシリア国民に対して、改めてトルコ・シリア大地震の犠牲者への哀悼の意を示すとともに、オマーンが地震の被害、戦争や経済制裁の影響を克服しようとするシリアを支援し続けることを確認、こうした要因によってシリア国民が困難な状況下で暮らしていることに理解を示した。

これに対して、アサド大統領は、ハイサム国王およびオマーン政府、国民がシリアと連帯し、寄り添い、救援物資を提供してくれたことへの謝意を述べるとともに、オマーンがシリアに対するテロ戦争において、シリアとともにいてくれたことに最大の感謝の意を示した。

会談ではまた、二国間の協力関係について意見が交わされ、二国間協力を強化し、あらゆる分野での復興をめざすことで合意、アサド大統領は、両国が、相互信頼と、古くからの深淵な理解のもとに関係を織りなしていると述べた。

両首脳はさらに、地域情勢や国際情勢、中東地域における安全と安定の強化に向けた取り組みについても意見を交わし、アサド大統領は、オマーンが常にバランスのとれた信頼できる政策を維持してきたことを評価、中東地域が今日、オマーンのこうした役割を必要としており、それが両国民の利益につながり、相互互恵と内戦不干渉に基づいたアラブ諸国関係を強化すると述べた。

これに対して、ハイサム国王は、「シリアはアラブ姉妹国であり、我あれはシリアがすべてのアラブ諸国と関係正常化することを希求している」と応えた。

続いて、両首脳は非公式会談に臨み、その後、アサド大統領は帰国の途に着いた。

空港では、シハーブ・ブン・ターリク・アール・サイード国防担当副首相が見送りの言葉を述べた。

アサド大統領には、ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣、マンスール・アッザーム大統領府担当国務大臣、サーミル・ハリール経済対外通商大臣、ルーナー・シブル大統領府特別顧問(政治報道局長)、イドリース・マイヤー在オマーン・シリア大使が同行した。
















SANA(2月20日付)が伝えた。

AFP, February 20, 2023、ANHA, February 20, 2023、al-Durar al-Shamiya, February 20, 2023、Reuters, February 20, 2023、SANA, February 20, 2023、SOHR, February 20, 2023などをもとに作成。

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