シリアを公式訪問中のライースィー大統領は、アサド大統領、アルヌース首相、ミクダード外務在外居住大臣らと会談(2023年5月4日)

シリアを公式訪問中のエブラーヒーム・ライースィー大統領は、ホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務大臣ら同行している使節団とともに、首都ダマスカスの滞在先で、首都ダマスカスのイスラーム教の高位のウラマーらと会談した。

会談にはムハンマド・アブドゥッサッタール・サイイド宗教関係大臣も同席した。

ウラマーらは、中東地域やアラブ・イスラーム諸国の国民に対する米国とシオニストのテロに対抗するためにシリアとイランが手を携えて、戦略的関係を築くことの重要性を強調、アサド大統領の不屈の方針が、タクフィール、テロ、米国やイスラエルなど西側の計略のすべてを阻止していると述べた。

これに対して、ライースィー大統領は、シリアの指導部および国民の不屈の精神を讃え、シリアとの連帯、戦略的関係の強さを表明した。

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ライースィー大統領はまた、首都ダマスカスの滞在先を訪れたファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣および外務在外居住者省の代表らと会談し、シリアの主権、独立、領土の一体性への支持を改めて表明するとともに、中東諸国の外交関係の改善によって、アサド大統領の知恵や、シリアが直面する諸問題や課題への対処法の正しさを高く評価した。

これに対して、ミクダード外務在外居住者大臣は、アラブ諸国への訪問の成果などを披露した。

会談には、イラン側からアブドゥッラフヤーン外務大臣、ホセイン・アクバリー駐シリア・イラン大使、シリア側からアイマン・スーサーン外務在外居住者省次官らが同席した。

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ライースィー大統領はさらに、滞在先で、フサイン・アルヌース首相と会談し、両国の協力強化の方途について意見が交わされ、前日に調印された覚書や議事録を実施するための適切な仕組みを創り出すことの必要を確認した。

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ライースィー大統領は続いて、シリア商業会議所がシリア・イラン商業会議所とともに外務在外居住者省で開催したビジネスマン・フォーラムに出席し、今回の公式訪問がシリアとイランの関係発展にとって前向きな好機となり、両国と地域全体の経済関係に良い影響を与えるだろうと述べた。

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ライースィー大統領は最後に、アサド大統領と改めて会談し、2日にわたる訪問中に調印された覚書・議事録や会談で示された提案の活性化や実施、さまざまな分野での連携と協議の継続について意見を交わした。

また、電力、エネルギー、観光、投資などの分野における今後の取り組み、両国の通商促進を目的とした共同銀行の設立に必要な手続きについても議論した。

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イヤード・ムハンマド・ハティーブ通信技術大臣は、ライースィー大統領とともにシリアを公式訪問中のイーサー・ザーレア=ブール通信大臣を代表とする使節団と会談し、通信、情報技術分野での両国の協力の強化・発展の方途について意見を交わした。

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キナーン・ヤーギー財務大臣は、ライースィー大統領とともにシリアを公式訪問中のエフサーン・ハンドーズィー経済金融大臣を代表とする使節団と会談し、保険、銀行、税関、税金・手数料の分野での両国の協力強化の方途について意見を交わした。

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ムハンマド・ラーミー・ラドワーン・マルティーニー観光大臣は、ライースィー大統領とともにシリアを公式訪問中のアッバース・ホセイニー巡礼訪問機構代表と会談し、観光訪問分野にかかる覚書に調印した。

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フィラース・ハサン・カッドゥール石油鉱物資源大臣は、ライースィー大統領とともにシリアを公式訪問中のジャヴァード・オージー石油大臣を代表とする使節団と会談し、前日に調印された石油分野での協力にかかる覚書を活性化する方途について意見を交わした。

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SANA(5月4日付)が伝えた。

AFP, May 4, 2023、ANHA, May 4, 2023、al-Durar al-Shamiya, May 4, 2023、Reuters, May 4, 2023、SANA, May 4, 2023、SOHR, May 4, 2023などをもとに作成。

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