シリア軍がアレッポ県・ハマー県を結ぶ要衝のハナースィル市をダーイシュ(イスラーム国)から奪還、兵站路は依然としてダーイシュが掌握(2016年2月25日)

アレッポ県では、SANA(2月25日付)によると、シリア軍が「支援部隊」とともに、ダーイシュ(イスラーム国)の侵攻によって23日に占拠されていたハナースィル市・イスリヤー村街道の要衝ハナースィル市で、ダーイシュに対する重点的な軍事作戦を実行し、同地を制圧、治安と安定を回復した。

シリア軍はまたハナースィル市近郊のマギーラート村、大シャッラーラ村も制圧した。

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、クドス旅団(パレスチナ人)、シリア人・非シリア人の民兵がハナースィル市近郊の丘陵地帯でダーイシュ(イスラーム国)と激しく交戦、過去3日間でダーイシュに忠誠を誓う武装集団の戦闘員65人が死亡したという。

またSNN(2月25日付)は、ロシア軍の夜間空爆の後、シリア軍が早朝ハナースィル市に突入したが、ハナースィル市・イスリヤー村街道は依然としてダーイシュによって寸断されたままで、ハナースィル市とラスム・ナフル村間の村々(ラーヒブ村、ルワイヒブ村、シャッラーラ村、ハバシュ村、ハルバキーヤ村、カルア村など)が依然としてダーイシュの支配下にあると伝えた。

一方、ARA News(2月25日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がサフィーラ市とハナースィル市間に位置するシリア軍防空大隊の拠点複数カ所を制圧した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカルヤタイン市周辺、タドムル市西部の柑橘園一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、SANA(2月25日付)によると、シリア軍がタドムル市およびその周辺(柑橘園一帯)、シャーイル・ガス採掘所一帯、ヒヤール山一帯、バーリダ地区一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、SANA(2月25日付)によると、シリア軍がワーディー・アズィーブ一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(2月25日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル航空基地一帯、ダイル・ザウル市農学部一帯、ウルフィー地区、ジュバイラ地区、マリーイーヤ村、アイヤーシュ村でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がシャッダーディー市近郊のアドラ村一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、バラダー渓谷のクファイル・ザイト村で、ジハード主義武装集団とダーイシュ(イスラーム国)を名乗る武装集団が交戦し、後者の戦闘員12人が死亡した。

AFP, February 25, 2016、AP, February 25, 2016、ARA News, February 25, 2016、Champress, February 25, 2016、al-Hayat, February 26, 2016、Iraqi News, February 25, 2016、Kull-na Shuraka’, February 25, 2016、al-Mada Press, February 25, 2016、Naharnet, February 25, 2016、NNA, February 25, 2016、Reuters, February 25, 2016、SANA, February 25, 2016、SNN, February 25, 2016、UPI, February 25, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ラタキア県、ハマー県、ヒムス県、アレッポ県でシリア軍、ロシア軍の爆撃、攻撃が続く(2016年2月25日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がロシア軍の指揮のもと、クルド山、トルクメン山一帯で、第1沿岸師団、シャーム自由人イスラーム運動、アンサール・シャーム、第2沿岸師団、トルキスターン・イスラーム党、シャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

この戦闘で、反体制武装集団側はダッラ村、サッラーフ村を奪還、キンサッバー町を砲撃したという。

ロイター通信(2月25日付)によると、反体制武装集団の攻勢に対して、ロシア軍も同地一帯を激しく空爆した。

一方、SANA(2月25日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに県北東部のアイン・バイダー村、ラシュー峰で反体制武装集団を掃討し、同地を制圧、治安と安定を回復した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がラターミナ町を17回にわたり空爆した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がティールマアッラ村を「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(2月25日付)によると、シリア軍がタルビーサ市、バルグースィーヤ村、ナジュマ丘、ラスタン市、ハラーリーヤ村でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がジャウバル地区を空爆、またシリア軍がジハード主義武装集団と交戦した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がハーン・シャイフ・キャンプ一帯、アイン・タルマー村一帯を空爆した。

またダーライヤー市では、シリア軍がジハード主義武装集団と交戦する一方、同市に「樽爆弾」50発以上を投下した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機がインヒル市一帯を8回にわたり空爆した。

一方、SANA(2月25日付)によると、シリア軍がウンム・ワラド村北部一帯、ヤードゥーダ村、ダルアー市バハール地区、バジャービジャ地区、避難民キャンプ南部で反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、ARA News(2月25日付)によると、県北西部のアナダーン市でシリア軍がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(2月25日付)によると、シリア軍がスィルバ村でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点を集中的に空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、アレッポ市バニー・ザイド地区で反体制武装集団と交戦した。

**

イドリブ県では、SANA(2月25日付)によると、シリア軍がアラブ・サイード村、アリーハー市一帯でシャームの民のヌスラ戦線などからなるファトフ軍の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, February 25, 2016、AP, February 25, 2016、ARA News, February 25, 2016、Champress, February 25, 2016、al-Hayat, February 26, 2016、Iraqi News, February 25, 2016、Kull-na Shuraka’, February 25, 2016、al-Mada Press, February 25, 2016、Naharnet, February 25, 2016、NNA, February 25, 2016、Reuters, February 25, 2016、SANA, February 25, 2016、UPI, February 25, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

国連はダーイシュ(イスラーム国)包囲下のダイル・ザウル市に人道支援物資21トンを投下、シリア軍が物資を受け取る(2016年2月25日)

ステファン・オブライエン国連人道問題担当事務次長は、世界食糧計画(WFP)の航空機1機がダーイシュ(イスラーム国)の包囲を受けるダイル・ザウル市に21トンの人道支援物資を投下したと発表した。

地元消息筋によると、支援物資はダイル・ザウル市近郊の第137旅団展開地域にパラシュートで投下され、同地に展開するシリア軍が物資を野営キャンプに移送されたという。

AFP, February 25, 2016、AP, February 25, 2016、ARA News, February 25, 2016、Champress, February 25, 2016、al-Hayat, February 26, 2016、Iraqi News, February 25, 2016、Kull-na Shuraka’, February 25, 2016、al-Mada Press, February 25, 2016、Naharnet, February 25, 2016、NNA, February 25, 2016、Reuters, February 25, 2016、SANA, February 25, 2016、UPI, February 25, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコのダウトオール首相は米露によるシリアでの敵対行為の停止に関する合意を「義務でない」と拒否、米露が支援するYPG主体のシリア民主軍への越境砲撃継続の意思を表明(2016年2月25日)

トルコのアフメト・ダウトオール首相は、米・ロシアによるシリアでの敵対行為の停止に関する合意について「義務ではない」としたうえで、「クルド人戦闘員によるトルコへの攻撃を完全に阻止」すべきだと述べた。

コンヤ市で記者団に対して、ダウトオール首相は「この停戦は(トルコにとっての)義務ではなく、シリアのみを対象としたものだ」述べたうえで、「事態がトルコの安全保障に関わる場合、我々は誰に許可を求めるわけでもなく、義務を実行する」と主張した。

AFP, February 25, 2016、AP, February 25, 2016、ARA News, February 25, 2016、Champress, February 25, 2016、al-Hayat, February 26, 2016、Iraqi News, February 25, 2016、Kull-na Shuraka’, February 25, 2016、al-Mada Press, February 25, 2016、Naharnet, February 25, 2016、NNA, February 25, 2016、Reuters, February 25, 2016、SANA, February 25, 2016、UPI, February 25, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

YPGおよびシリア民主軍はそれぞれ声明を出し、米露によるシリアでの敵対行為の停止に関する合意を遵守すると発表(2016年2月25日)

西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊のライドゥール・ハリール報道官はフェイスブックを通じて声明を出し、米・ロシアによる敵対行為の停止に関する合意について「我々は米・ロシアによって発表された戦闘停止プロセスを大いに重視している」としたうえで、「合意が発行されれば、たとえ我々が攻撃に曝されたとしても、正当な自衛権の範囲内での敵への報復を留保するだろう」と発表した。

**

人民防衛隊主体のシリア民主軍の総司令部は声明を出し、米・ロシアによる敵対行為の停止に関する合意について「我々はこの提案をシリアでの現下の危機の政治的・平和的解決に向けた前向きな一歩だとみなし、米国に対して我々の(遵守するという)決定を告知した」と発表した。

AFP, February 25, 2016、AP, February 25, 2016、ARA News, February 25, 2016、Champress, February 25, 2016、al-Hayat, February 26, 2016、Iraqi News, February 25, 2016、Kull-na Shuraka’, February 25, 2016、al-Mada Press, February 25, 2016、Naharnet, February 25, 2016、NNA, February 25, 2016、Reuters, February 25, 2016、SANA, February 25, 2016、UPI, February 25, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

リヤド最高交渉委員会は2週間の期限付きで米露による敵対行為停止合意を受諾すると支援国に通達(2016年2月25日)

リヤド最高交渉委員会は、サウジアラビアの首都リヤドでの会合後に、米・ロシアによる敵対行為停止に関する合意を受けるかたちで、「2週間だけ暫定的に停戦」することを決定したと発表した。

支援国の代表らに宛てた覚書において、リヤド最高交渉委員会は「相手がどの程度合意を真摯に遵守する機会を見極めるための機会を作るべく、2週間暫定的に停戦する」ことを決定したと表明した。

また「シリアの民間人に対する殺戮、砲撃、政権やそれに与する宗派主義的民兵の犯罪、ロシア軍による民間人への無差別空爆を停止させようとするすべての努力を前向きに評価する」との姿勢を示す一方、「ダーイシュ(イスラーム国)、アル=カーイダ、ヒズブッラー、イラク、レバノン、イラン、アフガニスタンからの宗派主義的テロ民兵、イラン・イスラーム革命防衛隊クドス軍団の行為を含むあらゆる形態のテロ、過激主義を完全拒否する」と明言した。

一方、米・ロシアによる敵対行為の停止に関する合意そのものについては「敵対行為においてロシアとイランが果たしている役割を無視している」と非難した。

さらに、シリア軍が「軍事作戦を継続する唯一の合法的な勢力」とみなされていると批判するとともに、「安保理決議がテロ組織と定める組織の支配下にあるとの理由で、停戦に含まれない領域が明確に限定されていない」と指摘、「停戦発効前にこの領域を確定する必要がある」と強調した。

そのうえで、国連安保理決議第2254号の第12~14項に沿って、シリア軍などの包囲に曝されている地域への人道支援物資の搬入、民間人への攻撃停止、難民帰還に向けた環境の整備、逮捕者釈放を改めて求めた。

AFP, February 25, 2016、AP, February 25, 2016、ARA News, February 25, 2016、Champress, February 25, 2016、al-Hayat, February 26, 2016、Iraqi News, February 25, 2016、Kull-na Shuraka’, February 25, 2016、al-Mada Press, February 25, 2016、Naharnet, February 25, 2016、NNA, February 25, 2016、Reuters, February 25, 2016、SANA, February 25, 2016、UPI, February 25, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線は米露による敵対行為停止合意発効を見据えてイドリブ県の拠点の一部を撤収するとともに、連携する諸勢力に停戦に応じた者を「裏切り者」とみなすと脅迫(2016年2月25日)

イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(2月25日付)によると、サルマダー市を占拠していたアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線が24日晩から、市内の拠点を包囲、退去した。

地元住民らによると、ヌスラ戦線は、法務局(裁判所)として使用していた施設、検問所などを住民に引き渡し、退去したという。

ヌスラ戦線はサルマダー市以外の一部地域からも退去を始めているという。

これに関して、クッルナー・シュラカーや『ハヤート』(2月26日付)は、米・ロシアによる敵対行為の停止に関する合意が発効する27日以降、ヌスラ戦線の駐留によって、ロシア軍、シリア軍が空爆を継続することを回避する動きだと伝えた。

**

『ハヤート』(2月26日付)によると、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線は、イドリブ県内の支配地域、およびファトフ軍諸組織の支配地域の活動家に対してインターネットなどを通じて、米・ロシアによる敵対行為の停止に関する合意に従った者を「裏切り者」とみなすとのメッセージを発信した。

AFP, February 25, 2016、AP, February 25, 2016、ARA News, February 25, 2016、Champress, February 25, 2016、al-Hayat, February 26, 2016、Iraqi News, February 25, 2016、Kull-na Shuraka’, February 25, 2016、al-Mada Press, February 25, 2016、Naharnet, February 25, 2016、NNA, February 25, 2016、Reuters, February 25, 2016、SANA, February 25, 2016、UPI, February 25, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ファトフ旅団は米露による敵対行為停止合意発効後のロシア軍、シリア軍の爆撃を逃れるべく、アル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動から離反(2016年2月25日)

アレッポ県で活動するファトフ旅団は、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動からの離反を宣言、アレッポ県郊外統合軍事評議会に合流することを決定した。

『ハヤート』(2月26日付)によると、シャーム自由人イスラーム運動からの離反は、米・ロシアによる敵対行為の停止に関する合意を受けた決定で、ファトフ旅団は停戦発効後のロシア軍、シリア軍からの空爆を回避しようとしている、という。

AFP, February 25, 2016、AP, February 25, 2016、ARA News, February 25, 2016、Champress, February 25, 2016、al-Hayat, February 26, 2016、Iraqi News, February 25, 2016、Kull-na Shuraka’, February 25, 2016、al-Mada Press, February 25, 2016、Naharnet, February 25, 2016、NNA, February 25, 2016、Reuters, February 25, 2016、SANA, February 25, 2016、UPI, February 25, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

「シリアの友連絡グループ」の軍事作戦司令室はシリア北部、南部の武装集団約50組織に米露による敵対行為停止合意の遵守を求める(2016年2月25日)

『ハヤート』(2月26日付)は、米国、サウジアラビア、トルコなど「シリアの友連絡グループ」諸国の諜報機関の代表からなる駐トルコおよび駐ヨルダンの軍事作戦司令室は、シリア北部で活動を続ける「穏健な反体制派」25組織と、南部で活動を続ける約30組織に対して書簡を送り、米・ロシアによる敵対行為の停止に関する合意に沿って、停戦に応じるよう要請した、と伝えた。

また、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動や非アル=カーイダ系のイスラーム軍を含む武装集団の幹部らは、米・ロシアによる敵対行為の停止に関する合意を受け、湾岸アラブ諸国を訪問し、対応を協議したという。

AFP, February 25, 2016、AP, February 25, 2016、ARA News, February 25, 2016、Champress, February 25, 2016、al-Hayat, February 26, 2016、Iraqi News, February 25, 2016、Kull-na Shuraka’, February 25, 2016、al-Mada Press, February 25, 2016、Naharnet, February 25, 2016、NNA, February 25, 2016、Reuters, February 25, 2016、SANA, February 25, 2016、UPI, February 25, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米国主導の有志連合はシリア領内で7回の爆撃を実施(2016年2月24日)

米中央軍(CENTCOM)は、2月24日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して22回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は7回で、ブーカマール市近郊(2回)、フール町近郊(5回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, February 25, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

最新論考「陰り見えてきたシリアのIS:米・ロ・アサド政権の「呉越同舟」が奏功」(Janet)

青山弘之「陰り見えてきたシリアのIS:米・ロ・アサド政権の「呉越同舟」が奏功(ISとの戦い・シリア編)」

Janet、2016年2月24日

http://janet.jw.jiji.com/apps2/do/contents/searchstory/6342eceba1f0ce2568df98402f8ae532/special/20160224/459/viewtemplate1/7

「ダーイシュ」(過激派組織「イスラム国」の通称)がイラクとシリアで勢力を伸長し、「国際社会最大の脅威」と目されるようになって1年半以上がたつ。・・・

ダーイシュ(イスラーム国)はアレッポ県東部、南部でシリア軍に対する反転攻勢を続ける(2016年2月24日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、2日前にダーイシュ(イスラーム国)によって寸断されたハナースィル市・イスリヤー村街道一帯地域の奪還をめざして、同地一帯を攻撃した。

シリア軍によると、これにより、ハナースィル市北部のラスム・ナフル村を奪還したという。

またシリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が同地一帯を空爆した。

シリア軍の攻撃とロシア軍の空爆により、ダーイシュ戦闘員35人とダーイシュに忠誠を誓う武装集団の戦闘36人が死亡したという。

一方、SANA(2月24日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、ハナースィル市・イスリヤー村街道一帯を占拠するダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、ARA News(2月24日付)によると、ダーイシュはシリア軍と交戦の末、バーブ市南西のファーフ村を制圧した。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シャッダーディー市近郊でのダーイシュ(イスラーム国)との戦闘で、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に従軍していたドイツ人戦闘員が死亡した。

**

ヒムス県では、SANA(2月24日付)によると、シリア軍がタドムル市一帯(柑橘園一帯)、カルヤタイン市一帯、ハクル・ガス採掘所一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, February 24, 2016、AP, February 24, 2016、ARA News, February 24, 2016、Champress, February 24, 2016、al-Hayat, February 25, 2016、Iraqi News, February 24, 2016、Kull-na Shuraka’, February 24, 2016、al-Mada Press, February 24, 2016、Naharnet, February 24, 2016、NNA, February 24, 2016、Reuters, February 24, 2016、SANA, February 24, 2016、UPI, February 24, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍がアレッポ市、イドリブ県アリーハー市、ダマスカス郊外県ダーライヤー市での攻勢を強める(2016年2月24日)

アレッポ県では、ARA News(2月24日付)によると、第16歩兵師団、スルターン・ムラード師団などからなる反体制武装集団がアレッポ市バニー・ザイド地区でシリア軍と交戦した。

一方、SANA(2月24日付)によると、シリア軍がアレッポ市ラーシディーン地区、ブスターン・カスル地区、シャッアール地区でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機が、シャームの民のヌスラ戦線やシャーム自由人イスラーム運動が主導するファトフ軍の支配下にあるアリーハー市を34度にわたり空爆し、子供2人と女性1人を含む住民8人が死亡し、30人余りが負傷した。

一方、SANA(2月24日付)によると、シリア軍がアリーハー市一帯でジュンド・アクサー機構に対して特殊作戦を実施し、戦闘員8人を殲滅した。

**

ラタキア県では、ドゥラル・シャーミーヤ(2月24日付)によると、反体制武装集団がワター農場、マズガリー村を奪還した。

シリア人権監視団によると、トルクメン山、クルド山一帯では、シリア軍、国防隊、アラブ系・アジア系民兵が、第1沿岸師団、シャーム自由人イスラーム運動、トルキスターン・イスラーム党、シャームの民のヌスラ戦線などとの戦闘を続けた。

一方、SANA(2月24日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、下バルザ村でジハード主義武装集団を掃討し、同地を制圧、治安と安定を回復した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーライヤー市に「樽爆弾」40発以上を投下、地対地ミサイル5発を撃ち込んだ。

一方、SANA(2月24日付)によると、シリア軍がダーライヤー市でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、同市南部の一帯(全長2キロ、幅800メートルの地帯)を制圧した。

このほか、シリア軍の包囲を受けるカフルバトナー町では、国連とシリア赤新月社が人道支援物資(貨物車輌15台分)を搬入した。

**

ハマー県では、SANA(2月24日付)によると、シリア軍がカスル・ブン・ワルダーン村、ラターミナ町で、シャームの民のヌスラ戦線、イッザ大隊などからなる反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, February 24, 2016、AP, February 24, 2016、ARA News, February 24, 2016、Champress, February 24, 2016、al-Durar al-Shamiya, February 24, 2016、al-Hayat, February 25, 2016、Iraqi News, February 24, 2016、Kull-na Shuraka’, February 24, 2016、al-Mada Press, February 24, 2016、Naharnet, February 24, 2016、NNA, February 24, 2016、Reuters, February 24, 2016、SANA, February 24, 2016、UPI, February 24, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ市内でヌスラ戦線とYPGが交戦を続けるなか、「穏健な反体制派」とシャーム自由人イスラーム運動はアレッポ県北西部からのYPGと革命家軍の撤退を求める(2016年2月24日)

アレッポ県では、ARA News(2月24日付)によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区、カースティールー街道地区などでは、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が交戦した。

この戦闘で人民防衛隊は、シャイフ・マクスード地区でヌスラ戦線の戦車1輌を破壊した。

**

アレッポ市およびアレッポ県北西部で活動する第1中隊、第16歩兵師団、シャーム自由人イスラーム運動などの反体制武装集団は共同声明を出し、西クルディスタン移行期民政局の拠点都市であるアフリーン市の住民に対して、人民防衛隊、革命家軍に圧力をかけ、アレッポ県北西部の制圧地域から撤退させるよう求めた。

AFP, February 24, 2016、AP, February 24, 2016、ARA News, February 24, 2016、Champress, February 24, 2016、al-Hayat, February 25, 2016、Iraqi News, February 24, 2016、Kull-na Shuraka’, February 24, 2016、al-Mada Press, February 24, 2016、Naharnet, February 24, 2016、NNA, February 24, 2016、Reuters, February 24, 2016、SANA, February 24, 2016、UPI, February 24, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍が西クルディスタン移行期民政局の拠点都市アフリーン市(アレッポ県)郊外の村々への越境砲撃を続ける(2016年2月24日)

アレッポ県では、ARA News(2月24日付)によると、トルコ軍が、西クルディスタン移行期民政局の拠点都市アフリーン市郊外のディクマーディシュ村、カスタル・ジュンドゥー村、シャーディヤー村を越境砲撃し、迫撃砲弾30発以上が同地に着弾した。

AFP, February 24, 2016、AP, February 24, 2016、ARA News, February 24, 2016、Champress, February 24, 2016、al-Hayat, February 25, 2016、Iraqi News, February 24, 2016、Kull-na Shuraka’, February 24, 2016、al-Mada Press, February 24, 2016、Naharnet, February 24, 2016、NNA, February 24, 2016、Reuters, February 24, 2016、SANA, February 24, 2016、UPI, February 24, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ県で活動するアル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動はラタキア県でロシア軍士官の拠点に対して爆弾攻撃を敢行したと発表(2016年2月24日)

アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動は声明を出し、21日にジャブラ市近郊のスヌーバル村でロシア軍士官らが駐留する拠点を爆弾を仕掛けた車で攻撃したと発表した。

爆発後、救急車両が死傷者を現場から搬送していったという。

AFP, February 24, 2016、AP, February 24, 2016、ARA News, February 24, 2016、Champress, February 24, 2016、al-Hayat, February 25, 2016、Iraqi News, February 24, 2016、Kull-na Shuraka’, February 24, 2016、al-Mada Press, February 24, 2016、Naharnet, February 24, 2016、NNA, February 24, 2016、Reuters, February 24, 2016、SANA, February 24, 2016、UPI, February 24, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ県で活動するシャーム戦線などの「穏健な反体制派」が「解放軍」を結成し完全統合(2016年2月24日)

アレッポ県で活動する反体制武装集団5組織が、ビデオ声明を出し、「解放軍」を結成すると発表し、アサド政権の打倒に向けて活動を継続すると表明した。

「解放軍」を結成したのは、シャーム戦線、第46師団、第312師団、第9旅団、第314ハック連隊で、組織を解体して完全統合すると宣言した。

AFP, February 24, 2016、AP, February 24, 2016、ARA News, February 24, 2016、Champress, February 24, 2016、al-Hayat, February 25, 2016、Iraqi News, February 24, 2016、Kull-na Shuraka’, February 24, 2016、al-Mada Press, February 24, 2016、Naharnet, February 24, 2016、NNA, February 24, 2016、Reuters, February 24, 2016、SANA, February 24, 2016、UPI, February 24, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イラクの人民動員隊副司令官「作戦がシリア国境に達すれば、我々はシリア軍と共同行動を行う用意がある」(2016年2月24日)

イラクの人民動員隊(ハシュド)のアブー・マフディー・ムハンディス副司令官はカルバラー市での記者会見で、シリア治安部隊との共同行動を行う用意があると発表した。

ムハンディス副司令官は「シリアの治安部隊との情報交換、協調が行われている。作戦が両国国境に達すれば、我々は同部隊との共同行動の用意がある…。我々は近日中に大規模な作戦を行う予定である」と述べた。

『ハヤート』(2月25日付)が伝えた。

AFP, February 24, 2016、AP, February 24, 2016、ARA News, February 24, 2016、Champress, February 24, 2016、al-Hayat, February 25, 2016、Iraqi News, February 24, 2016、Kull-na Shuraka’, February 24, 2016、al-Mada Press, February 24, 2016、Naharnet, February 24, 2016、NNA, February 24, 2016、Reuters, February 24, 2016、SANA, February 24, 2016、UPI, February 24, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコのエルドアン大統領は「ダーイシュ、ヌスラ戦線と同様、PYD、YPGを停戦から排除すべき」と述べ、米国、ロシア、EU、イランを非難(2016年2月24日)

レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は大統領府で国会議員を前に演説し、そのなかで米・ロシアによるシリアでの敵対行為の停止に関する合意に関して、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊や民主統一党を停戦の対象から除外するよう主唱した。

エルドアン大統領は「ダーイシュ(イスラーム国)やシャームの民のヌスラ戦線と同様、民主統一党、人民防衛隊は停戦から排除されねばならない。これらの組織はテロ組織だ」と述べた。

大統領は合意そのものに対しては原則歓迎するとしながらも、「米国、EU、国連、ロシア、イランが恥ずべきかたちで、アサド政権軍による民間人殺害を直接、間接に許している」と批判した。

AFP, February 24, 2016、AP, February 24, 2016、ARA News, February 24, 2016、Champress, February 24, 2016、al-Hayat, February 25, 2016、Iraqi News, February 24, 2016、Kull-na Shuraka’, February 24, 2016、al-Mada Press, February 24, 2016、Naharnet, February 24, 2016、NNA, February 24, 2016、Reuters, February 24, 2016、SANA, February 24, 2016、UPI, February 24, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア、シリア政府は「交渉プロセスが成功しなかった場合の代替案について様々な議論を行っている」とのケリー米国務長官の発言に反発(2016年2月24日)

ジョン・ケリー米国務長官はシリア情勢に関して上院で「交渉プロセスにおいて成功しなかった場合の代替案について様々な議論が行われている」と述べ、反体制武装集団への支援増大の可能性を示唆した。

**

シリア外務在外居住者省の高官筋は、ジョン・ケリー米国務長官の上院でのこの証言に関して、SANA(2月24日付)に対して「シリアの危機を長引かせ、分断をもたらそうとする可能性がある」と批判した。

**

ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、ジョン・ケリー国務長官の上院での証言に関しては、「ロシア政府は「プランA」に力を注いでおり、このプランを実施するために検討、行動することが我々が優先事項だと考えている」としたうえで、米国が「自らの支援する勢力に影響力を行使」するべきだと述べた。

またロシア外務省のマリヤ・ザハロワ報道官は、「米国が言う「プランB」については何も承知していない」としたうえで、「我々はできる限り(敵対行為の停止に関する合意を)実行するために努力しなければならず、米国側が前もって希望を失うことは許されない」と述べた。

さらにセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、米・ロシアによる敵対行為の停止に関する合意をロシアが履行しないとする欧米諸国の疑義に関して「和平宣言ではなく、宣戦布告に聞こえる」と批判した。

AFP, February 24, 2016、AP, February 24, 2016、ARA News, February 24, 2016、Champress, February 24, 2016、al-Hayat, February 25, 2016、Iraqi News, February 24, 2016、Kull-na Shuraka’, February 24, 2016、al-Mada Press, February 24, 2016、Naharnet, February 24, 2016、NNA, February 24, 2016、Reuters, February 24, 2016、SANA, February 24, 2016、UPI, February 24, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ラトニー米国務省シリア問題担当特使はリヤド最高交渉委員会に米・ロシアによるシリアでの敵対行為停止に関する合意を受諾・遵守するよう要請(2016年2月24日)

マイケル・ラトニー米国務省シリア問題担当特使は声明を出し、リヤド最高交渉委員会の委員長を務めるリヤード・ヒジャーブ元首相に対して、米・ロシアによるシリアでの敵対行為の停止に関する合意の詳細について伝え、停戦への参加、合意の受諾と遵守を決定するよう求めたことを明らかにした。

AFP, February 24, 2016、AP, February 24, 2016、ARA News, February 24, 2016、Champress, February 24, 2016、al-Hayat, February 25, 2016、Iraqi News, February 24, 2016、Kull-na Shuraka’, February 24, 2016、al-Mada Press, February 24, 2016、Naharnet, February 24, 2016、NNA, February 24, 2016、Reuters, February 24, 2016、SANA, February 24, 2016、UPI, February 24, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

YPG主体のシリア民主軍の政治母体「シリア民主評議会」は米・ロシアによる敵対行為停止をめぐる合意への支持を表明(2016年2月24日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会は声明を出し、米・ロシアによるシリアでの敵対行為の停止をめぐる合意に関して、正しい方向への第1歩で、政治的解決に向けた路線を成熟、進歩させ得ると高く評価した。

シリア民主評議会は、「ダーイシュ、シャームの民のヌスラ戦線といったテロ組織との戦いを「愛国的、人道的義務」としてきたとするとともに、いかなる勢力からの攻撃に対しても引き続き「自衛権の行使を遵守するだろう」と表明した。

AFP, February 24, 2016、AP, February 24, 2016、ARA News, February 24, 2016、Champress, February 24, 2016、al-Hayat, February 25, 2016、Iraqi News, February 24, 2016、Kull-na Shuraka’, February 24, 2016、al-Mada Press, February 24, 2016、Naharnet, February 24, 2016、NNA, February 24, 2016、Reuters, February 24, 2016、SANA, February 24, 2016、UPI, February 24, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米国主導の有志連合はシリア領内で14回の爆撃を実施(2016年2月23日)

米中央軍(CENTCOM)は、2月23日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して18回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は14回で、ハサカ市近郊(3回)、フール町近郊(7回)、アイン・イーサー市近郊(1回)、ダイル・ザウル市近郊(2回)、マンビジュ市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, February 24, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

サウジアラビアが後援するイスラーム過激派のイスラーム軍幹部のアッルーシュ氏「米・ロシアによる敵対行為の停止をめぐる合意への対応について最終的な決定を下そうとしている」(2016年2月23日)

リヤド最高交渉委員会の交渉責任者でイスラーム軍の幹部ムハンマド・アッルーシュ氏は声明を出し、米・ロシアによる敵対行為の停止をめぐる合意に関して、「委員会はこの問題について最終的な決定を下そうとしている」と発表した。

AFP, February 24, 2016、AP, February 24, 2016、ARA News, February 24, 2016、Champress, February 24, 2016、al-Hayat, February 25, 2016、Iraqi News, February 24, 2016、Kull-na Shuraka’, February 24, 2016、al-Mada Press, February 24, 2016、Naharnet, February 24, 2016、NNA, February 24, 2016、Reuters, February 24, 2016、SANA, February 24, 2016、UPI, February 24, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アル=カーイダ系組織のヌスラ戦線などがアレッポ市シャイフ・マクスード地区を砲撃し、民間人3人が死亡(2016年2月23日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区で、同地を実効支配する西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とジハード主義武装集団が交戦した。

両者の戦闘は、サカン・シャバービー地区、アシュラフィーヤ地区一帯にも拡大した。

ARA News(2月23日付)によると、砲撃を行ったのは、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団で、これにより民間人3人が死亡、10人以上が負傷した。

またアレッポ市ハラブ・ジャディーダ地区では、ジハード主義武装集団がシリア軍拠点などを砲撃し、シリア軍兵士が死傷した。

AFP, February 23, 2016、AP, February 23, 2016、ARA News, February 23, 2016、Champress, February 23, 2016、al-Hayat, February 24, 2016、Iraqi News, February 23, 2016、Kull-na Shuraka’, February 23, 2016、al-Mada Press, February 23, 2016、Naharnet, February 23, 2016、NNA, February 23, 2016、Reuters, February 23, 2016、SANA, February 23, 2016、UPI, February 23, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍はラタキア県北部でヌスラ戦線などとの戦闘を継続し、支配地域を拡大(2016年2月23日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊、アラブ系・アジア系民兵がロシア軍士官の指揮のもとにクルド山、トルクメン山一帯で、第1海外師団、シャーム自由人イスラーム運動、アンサール・シャーム、第2沿岸師団、トルキスターン・イスラーム党、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、アイン・ガザール村を制圧した。

一方、SANA(2月23日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに県北東部のアイン・ガザール村、マズアラ村で反体制武装集団を掃討し、同地を制圧、治安と安定を回復した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がジャウバル地区でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が地対地ミサイルと思われる砲弾でダーライヤー市を攻撃、また「樽爆弾」を投下した。

またファルザート丘一帯では、シリア軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍とジハード主義武装集団がカフルナーン村で交戦した。

一方、SANA(2月23日付)によると、シリア軍がティールマアッラ村、南マシュジャル村、タルビーサ市でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団とヒルブナフサ村一帯、アズィーザ村で交戦した。

一方、SANA(2月23日付)によると、シリア軍がサラミーヤ市郊外でシャームの民のヌスラ戦線を要撃し、戦闘員4人を殺害した。

**

イドリブ県では、SANA(2月23日付)によると、シリア軍がマアッラト・ハルマ村でファトフ軍の武器庫を攻撃し、戦闘員10人を殺害、武器庫を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(2月23日付)によると、シリア軍がサマーキーヤート村南部、ブスラー・シャーム市西部地区、ダルアー市アッバースィーヤ地区、電力会社南東部、サイダー町でシャームの民のヌスラ戦線、イスラーム・ムサンナー運動などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, February 23, 2016、AP, February 23, 2016、ARA News, February 23, 2016、Champress, February 23, 2016、al-Hayat, February 24, 2016、Iraqi News, February 23, 2016、Kull-na Shuraka’, February 23, 2016、al-Mada Press, February 23, 2016、Naharnet, February 23, 2016、NNA, February 23, 2016、Reuters, February 23, 2016、SANA, February 23, 2016、UPI, February 23, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュ(イスラーム国)がアレッポ県とハマー県を結ぶ要衝のハナースィル市を制圧(2016年2月23日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、アル=カーイダ系組織のジュンド・アクサー機構、トルキスターン・イスラーム党、チェチェン人大隊と連携して、ハマー県とを結ぶイスリヤー村・ハナースィル市街道一帯で、シリア軍、国防隊、クドス旅団(パレスチナ人)と交戦し、ハナースィル市を制圧した。

ダーイシュは爆弾を仕掛けた車を爆発させるなどして、ハナースィル市に突入し、同市を制圧したという。

またハナースィル市一帯でも戦闘が行われ、ロシア軍と思われる戦闘機が空爆を加えた。

SNN(2月23日付)によると、この戦闘でシリア軍の兵士数百人が死亡し、戦車、ロケット砲、武器庫などを失ったという。

一方、シリア軍消息筋はロイター通信(2月23日付)に対して、ダーイシュの攻撃を撃退するための作戦は継続されていると述べた。

なお、ダーイシュ(イスラーム国)は2月21日付でハナースィル市を制圧したと発表していた。image002

一方、ARA News(2月23日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がユーフラテス川西岸のティシュリーン・ダム一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、これを撃退した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)がカルヤタイン市一帯、タドムル市近郊のドゥーワ地区で交戦した。

AFP, February 23, 2016、AP, February 23, 2016、ARA News, February 23, 2016、Champress, February 23, 2016、al-Hayat, February 24, 2016、Iraqi News, February 23, 2016、Kull-na Shuraka’, February 23, 2016、al-Mada Press, February 23, 2016、Naharnet, February 23, 2016、NNA, February 23, 2016、Reuters, February 23, 2016、SANA, February 23, 2016、UPI, February 23, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米トナー国務省報道官はトルコにシリアへの越境爆撃停止を、YPGにアレッポ市進軍停止を求める(2016年2月23日)

マーク・トナー米国務省報道官は記者会見を開き、米・ロシアによるシリアでの「敵対行為の停止」をめぐる合意に関して、すべての紛争当事者にその遵守を求めるとともに、「ワシントンはトルコにシリア領内のクルド人部隊への砲撃を停止するよう要請した。また西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊に対してもアレッポ市および同県郊外での進軍が受け入れられず、事態悪化を招くと伝えた」と述べた。

人民防衛隊はアレッポ市シャイフ・マクスード地区、アレッポ県北西部アアザーズ市一帯で、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団との戦闘を続けている。

AFP, February 23, 2016、AP, February 23, 2016、ARA News, February 23, 2016、Champress, February 23, 2016、al-Hayat, February 24, 2016、Iraqi News, February 23, 2016、Kull-na Shuraka’, February 23, 2016、al-Mada Press, February 23, 2016、Naharnet, February 23, 2016、NNA, February 23, 2016、Reuters, February 23, 2016、SANA, February 23, 2016、UPI, February 23, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア人権監視団は「アラブの春」波及以降の死者総数が27万人を越えたと発表(2016年2月23日)

シリア人権監視団は「アラブの春」波及により、ダルアー県で最初の死者が出た2011年3月18日から2016年2月22日までの間の死者総数が27万人を越えたと発表した。

同監視団によると、2月22日時点の死者総数は27万1,138人で、その内訳は以下の通り:

1. 民間人:12万2,997人
18歳未満の子供1万3,597人
18歳以上の女性8,760人
戦闘部隊およびイスラーム主義部隊の戦闘員:4万3,891人

2. 離反兵:2,561人

3. シリア政府軍:5万5,042人

4. 国防隊、バアス大隊、人民諸委員会、シリア民族社会党、アレキサンドレッタ地方解放人民戦線、シャッビーハ、パレスチナ解放軍、体制への内通者:3万7,966人

5. レバノンのヒズブッラー:1,025人

6. イラン、アフガニスタン、その他のアジア諸国、アラブ諸国籍のシーア派の親体制民兵、パレスチナ人の句ドゥ旅団、アラブ人諸国籍の親体制民兵:3,809人

7. ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線、ジュヌード・シャーム、ジュンド・アクサー機構、ジュンド・シャーム機構、ハドラー大隊、トルキスターン・イスラーム党、チェチェン・ジュヌード・シャームなどのイスラーム主義運動に参加していたアラブ湾岸諸国、北アフリカ、エジプト、イエメン、イラク、レバノン、パレスチナ、ヨルダン、スーダン、そのほかのアラブ諸国、欧州諸国、ロシア、中国、インド、アフガニスタン、チェチェン、米国、オーストラリア国籍の戦闘員:4万4,254人

8. 身元不明:3,484人

このほかにも、シリア軍・治安機関に拘置されている行方不明者が2万人以上、ダーイシュ、戦闘部隊、イスラーム主義部隊に拘置されている民間人・戦闘員が1,500人以上、政府軍側の行方不明者6,000人以上、ダーイシュ、ヌスラ戦線を含む反体制武装集団側の行方不明者約2,000人、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊に参加したクルド人戦闘員(数不明)がいるという。

なお、シリア人権監視団による死者総数発表の読み解き方については、青山弘之・浜中新吾「シリア人権監視団発表の死者数統計に潜む政治的偏向」(2015年、7月17日、http://synodos.jp/international/14640)を参照されたい。


AFP, February 23, 2016、AP, February 23, 2016、ARA News, February 23, 2016、Champress, February 23, 2016、al-Hayat, February 24, 2016、Iraqi News, February 23, 2016、Kull-na Shuraka’, February 23, 2016、al-Mada Press, February 23, 2016、Naharnet, February 23, 2016、NNA, February 23, 2016、Reuters, February 23, 2016、SANA, February 23, 2016、UPI, February 23, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハモンド英外相はYPGとシリア軍、ロシア軍の連携に不快感を表明(2016年2月23日)

英国のフィリップ・ハモンド外務大臣は議会で、「過去数週間に我々が目にしている事態は、シリアのクルド人部隊、シリア政府軍、そしてロシア空軍が連携していることを示す極めて懸念すべき証拠であり、このことにおけるクルド人の役割に対して我々は快く感じない」と証言した。

ロイター通信(2月23日付)が伝えた。

AFP, February 23, 2016、AP, February 23, 2016、ARA News, February 23, 2016、Champress, February 23, 2016、al-Hayat, February 24, 2016、Iraqi News, February 23, 2016、Kull-na Shuraka’, February 23, 2016、al-Mada Press, February 23, 2016、Naharnet, February 23, 2016、NNA, February 23, 2016、Reuters, February 23, 2016、SANA, February 23, 2016、UPI, February 23, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.