ロシア難民受入移送居住センター:難民22人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は580,678人に(2020年6月9日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月9日付)を公開し、6月8日に難民22人(うち女性7人、子供12人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民22人(うち女性7人、子供12人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は580,678人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者185,430人(うち女性55,769人、子ども94,292人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,706,751人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は809,958人(うち女性243,045人、子供412,783人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 9, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍が前日に続いてイドリブ県を激しく爆撃(2020年6月9日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから96日目となる6月9日、ロシア軍戦闘機が、イドリブ県のザーウィヤ山地方やハマー県のガーブ平原に対して爆撃を実施した。

ロシア軍による大規模爆撃は2日連続。

8日深夜から9日未明にかけて、イドリブ県のカンスフラ村、バルユーン村、バーラ村、マウザラ村、ファッティーラ村、カフル・ウワイド村などが爆撃を受け、バルユーン村で住民1人が死亡した。

シリア人権監視団によると、ロシア軍の爆撃に対して、反体制武装集団は県南部のシリア軍拠点複数カ所を砲撃しした。

一方、サルミーン市近郊の街道では、最近になってシャーム解放機構を離反し、トルキスタン・イスラーム党に参加した男性1人が爆弾の爆発に巻き込まれて死亡した。

**

ハマー県では、「信者を煽れ」作戦司令室は声明を出し、マナーラ村(タンジャラ村)から戦術的に撤退したと発表した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を2件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, June 9, 2020、ANHA, June 9, 2020、AP, June 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 9, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 9, 2020、Reuters, June 9, 2020、SANA, June 9, 2020、SOHR, June 9, 2020、UPI, June 9, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ジェフリー米国務省シリア問題担当特使「アサド大統領が国民に関心を示しているのなら、彼は申し出を受け入れるだろう」(2020年6月8日)

ジェームズ・ジェフリー米国務省シリア問題担当特使は「彼(アサド大統領)が国民に関心を示しているのなら、彼は申し出を受け入れるだろう。我々はロシアをはじめとする主要なアクター、さらにはシリアの反体制派と常に連絡をとりあっている」と発表した。

ジェフリー特使は「申し出」の内容については言及しなかったが、最近のシリア・ポンドの下落が、米国がこれまでに講じてきた一連の措置によるものだとの見方を示し、「この下落は、ロシアとイランがもはやアサド政権を浮上させることができないことを示すものだ…。アサド政権自体も効果的な経済政策を打つことができなくなっている…。政権は危機に苦しむレバノンの銀行でマネーロンダリングができなくなっている」と述べた。

そのうえで「我々は政治プロセスを目にしたいと思っている。それは体制転換をもたらさないかもしれない。なぜなら、我々は国連の傘下で行動しており、体制転換を要求することはないからだ」と付言、「我々は政権の振る舞いを正し、テロ組織に温床を与えないよう、そして国民や隣国に化学兵器を使用しないよう、地域諸国に覇権を伸張しようとするイランに基地を与えないよう求めている…。米国の目的は、イランの全部隊をシリアから排除することにある。なぜならそれがシリアで起こっている悪行の多くの原因だからだ」と強調した。

なお、米国は、2019年12月にシーザー・シリア市民保護法を施行、6月17日に発動される予定。

AFP, June 8, 2020、ANHA, June 8, 2020、AP, June 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 8, 2020、Reuters, June 8, 2020、SANA, June 8, 2020、SOHR, June 8, 2020、UPI, June 8, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍と国民軍がハサカ県、ラッカ県、アレッポ県を砲撃(2020年6月8日)

ハサカ県では、ANHA(6月8日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、タッル・タムル町近郊のカースィミーヤ村の農地に放火した。


一方、ANHAやシリア人権監視団によると、ハサカ市の南に位置するガルブ村ではオートバイに仕掛けられていた爆弾が爆発し、乗っていた2人組が死亡した。

**

ラッカ県では、ANHA(6月8日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、タッル・アブヤド市近郊のアフマディーヤ村を砲撃、農地で火災を発生させた。

**

アレッポ県では、ANHA(6月8日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のハルバル村、タッル・ジージャーン村、タッル・マディーク村、シーラーワー町近郊のバースィラ村、スーガーニカ村、アキーバ村を砲撃した。

AFP, June 8, 2020、ANHA, June 8, 2020、AP, June 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 8, 2020、Reuters, June 8, 2020、SANA, June 8, 2020、SOHR, June 8, 2020、UPI, June 8, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

保健省は政府支配地域で新たに3人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者4人が完治したと発表(2020年6月8日)

保健省は政府支配地域で新たに3人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者4人が完治したと発表した。

感染者が確認されたのは、前日に続いてダマスカス郊外県のラアス・マアッラ町の住民。

これにより、6月7日現在の同地での感染者数は計144人、うち死亡したのは6人、回復したのは62人となった。

SANA(6月8日付)が伝えた。


AFP, June 8, 2020、ANHA, June 8, 2020、AP, June 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 8, 2020、Reuters, June 8, 2020、SANA, June 8, 2020、SOHR, June 8, 2020、UPI, June 8, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍がイドリブ県のザーウィヤ山地方やハマー県のガーブ平原を激しく爆撃(2020年6月8日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから95日目となる6月8日、ロシア軍戦闘機が、イドリブ県のザーウィヤ山地方やハマー県のガーブ平原に対して爆撃を実施した。

**

ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(6月8日付)やシリア人権監視団によると、新興のアル=カーイダ系組織のフッラース・ディーン機構が主導する「信者を煽れ」作戦司令室が、ファターティラ村、マナーラ村(別名タンジャラ村)に配置されているシリア軍の拠点複数カ所を襲撃、シリア軍兵士多数を殺害、士官1人を捕捉、激しい戦闘の末に両村を制圧した。

これを受けて、ロシア軍戦闘機が、両村やザクーム村などガーブ平原一帯とイドリブ県ザーウィヤ山地方のファッティーラ村、カンスフラ村、カフル・ウワイド村、マウザラ村、スフーフン村、クーフキーン村、アイン・ラールーズ村などに対して爆撃を実施した。

爆撃は30回以上におよび、住民1人が死亡、多数が負傷した。

爆撃と並行して、シリア軍もファターティラ村、マナーラ村、イドリブ県のルワイハ村、バイニーン村近郊の森林地帯を砲撃した。

戦闘の末、シリア軍は拠点を奪還、「信者を煽れ」作戦司令室の戦闘員22人(シリア人司令官1人を含む)を殲滅した。

SANA(6月8日付)は、ガーブ平原のシリア軍拠点に対して、「テロ集団」が爆弾を積んだ自動車で自爆攻撃を試みたが、シリア軍がこれを迎撃、「テロ集団」を殲滅したと伝えた。

シリア人権監視団によると、戦闘では、シリア軍兵士も19人が死亡した。


一方、イバー・ネット(6月8日付)によると、「信者を煽れ」作戦司令室の侵攻に先立って、シャーム解放機構が装甲車や兵員輸送車など20輌からなる増援部隊をザーウィヤ山地方に派遣、シリア人権監視団によると、シリア軍も部隊を集結させていた。

他方、シリア人権監視団によると、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌15輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

なお、サウジアラビアの衛星テレビ局アラビーヤ・チャンネル(6月8日付)は、この戦闘に関して、戦闘でシリア軍と「過激派」合わせて41人が死亡したと伝えた。

アラビーヤ・チャンネルが反体制派を「過激派」と呼ぶのは異例で、ドゥラル・シャーミーヤ(6月
8日付)は、SNS上ではシリア人活動家らが怒りの声があげていると伝えた。

ドゥラル・シャーミーヤは「信者を煽れ」作戦司令室を「革命諸派」と評している。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を5件(イドリブ県3件、ラタキア県0件、アレッポ県2件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

AFP, June 8, 2020、ANHA, June 8, 2020、AP, June 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 8, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 8, 2020、Reuters, June 8, 2020、SANA, June 8, 2020、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, June 8, 2020、SOHR, June 8, 2020、UPI, June 8, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民37人と国内避難民(IDPs)1人が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は580,656人、2019年以降帰還したIDPsは65,841人に(2020年6月8日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月8日付)を公開し、6月7日に難民37人(うち女性12人、子供19人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民37人(うち女性12人、子供19人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は580,656人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者185,408人(うち女性55,762人、子ども94,280人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,706,751人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は809,936人(うち女性243,038人、子供412,771人)となった。

**

一方、国内避難民1人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは1人(女性1人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した1人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は1人(女性1人)だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は65,841人(うち女性22,984人、子供27,078人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,334,437人(うち女性405,543人、子供670,844人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 8, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロイター通信:ロシアが5月に入って「自由シリア軍」元戦闘員を「傭兵」として教練し、リビアに派遣する動きを強めている(2020年6月7日)

ロイター通信(6月7日付)は、ロシアが5月に入って、ハリーファ・ハフタル将軍率いるリビア国民軍を支援するため、「自由シリア軍」の元戦闘員を「傭兵」として教練し、リビアに派遣する動きを強めていると伝えた。

長年反体制活動を続けているシリア人2人(匿名)によると、「自由シリア軍」元戦闘員の教練・派遣を行っているのは、ロシアの民間軍事会社のワグナー・グループ。

ワグナー・グループはロシア軍の監督のもとに、2019年からリビアにシリア人戦闘員の派遣を開始。

これまでシリア人1,200人がリビアに送り込まれているという。

ロシア政府はこれを否定している。

AFP, June 7, 2020、ANHA, June 7, 2020、AP, June 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 7, 2020、Reuters, June 7, 2020、SANA, June 7, 2020、SOHR, June 7, 2020、UPI, June 7, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

所属不明の航空機複数機がダイル・ザウル県南東部にある「イランの民兵」の拠点を8回にわたって爆撃、12人死亡(2020年6月7日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、所属不明の航空機複数機が、県南東部のマイーズィーラ村にある「イランの民兵」の拠点を8回にわたって爆撃した。

この爆撃で、イラク人やアフガン人少なくとも12人が死亡した。

AFP, June 7, 2020、ANHA, June 7, 2020、AP, June 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 7, 2020、Reuters, June 7, 2020、SANA, June 7, 2020、SOHR, June 7, 2020、UPI, June 7, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

カーミシュリー市で爆弾ベルトを身につけた20代の男性が自爆(2020年6月7日)

ハサカ県では、ANHA(6月7日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるカーミシュリー市で爆弾ベルトを身につけた20代の男性が自爆した。

一方、シリア人権監視団によると、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所から米主導の有志連合の貨物車輌など約30輌からなる車列が、シリア領内に進入した。

**

ANHA(6月7日付)は、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、ダイル・ザウル県やハサカ県のイラク国境地帯でダーイシュ(イスラーム国)に対する大規模摘発作戦を継続し、11人を逮捕したと伝えた。

これにより、4日以降に逮捕したダーイシュ・メンバーの数は66人となった。

AFP, June 7, 2020、ANHA, June 7, 2020、AP, June 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 7, 2020、Reuters, June 7, 2020、SANA, June 7, 2020、SOHR, June 7, 2020、UPI, June 7, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍と国民軍がハサカ県タッル・タムル町近郊の民家に放火、農地で火災発生(2020年6月7日)

ハサカ県では、ANHA(6月7日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、タッル・タムル町近郊のライラーン村の民家に放火、農地で火災が発生した。

AFP, June 7, 2020、ANHA, June 7, 2020、AP, June 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 7, 2020、Reuters, June 7, 2020、SANA, June 7, 2020、SOHR, June 7, 2020、UPI, June 7, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ県でシリア軍と反体制派が激しく交戦(2020年6月7日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから94日目となる6月7日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を4件(イドリブ県3件、ラタキア県1件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室支配下のカンスフラ村、ファッティーラ村、バイニーン村、ルワイハ村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカフル・アンマ村に進攻を試み、「決戦」作戦司令室と激しく交戦した。

AFP, June 7, 2020、ANHA, June 7, 2020、AP, June 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 7, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 7, 2020、Reuters, June 7, 2020、SANA, June 7, 2020、SOHR, June 7, 2020、UPI, June 7, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民24人と国内避難民(IDPs)3人が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は580,619人、2019年以降帰還したIDPsは65,840人に(2020年6月7日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月7日付)を公開し、6月6日に難民24人(うち女性7人、子供12人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民24人(うち女性7人、子供12人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は580,619人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者185,371人(うち女性55,750人、子ども94,261人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,706,751人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は809,899人(うち女性243,026人、子供412,752人)となった。

**

一方、国内避難民3人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは3人(子供2人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した3人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は3人(子供2人)だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は65,840人(うち女性22,983人、子供27,078人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,334,436人(うち女性405,542人、子供670,844人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 7, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍によるイスラーム国摘発続く(2020年6月6日)

ANHA(6月6日付)は、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がハサカ県とダイル・ザウル県内で、ダーイシュ(イスラーム国)メンバーの大規模摘発作戦を継続し、6日の1日だけで12人を逮捕、武器弾薬を押収と伝えた。

シリア民主軍による摘発活動は3日連続で続けられている。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所から米主導の有志連合の貨物車輌など約50輌からなる車列が、シリア領内に進入し、米軍の基地が設置されているタッル・バイダル村に向かった。

AFP, June 6, 2020、ANHA, June 6, 2020、AP, June 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 6, 2020、Reuters, June 6, 2020、SANA, June 6, 2020、SOHR, June 6, 2020、UPI, June 6, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県でシリア軍と反体制派が激しく交戦(2020年6月6日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから93日目となる6月6日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(イドリブ県3件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を1件(イドリブ県0件、ラタキア県1件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が5日深夜から6日未明にかけて、フライフィル村、サーリヒーヤ村一帯を砲撃、「決戦」作戦司令室と激しく交戦した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シリア軍はまた、「決戦」作戦司令室支配下のバイニーン村、ルワイハ村、ハントゥーティーン村を砲撃した。

砲撃は、ロシア軍の無人偵察機が上空を旋回するなかで行われた。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約15輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

AFP, June 6, 2020、ANHA, June 6, 2020、AP, June 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 6, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 6, 2020、Reuters, June 6, 2020、SANA, June 6, 2020、SOHR, June 6, 2020、UPI, June 6, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民15人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は580,595人に(2020年6月6日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月6日付)を公開し、6月5日に難民15人(うち女性5人、子供8人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民15人(うち女性5人、子供8人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は580,595人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者185,347人(うち女性55,743人、子ども94,249人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,706,751人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は809,875人(うち女性243,019人、子供412,740人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 6, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ占領下のラッカ県タッル・アブヤド市で住民が抗議デモ、トルコ軍の装甲車を襲撃(2020年6月5日)

ラッカ県では、ANHA(6月5日付)、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるタッル・アブヤド市近郊のアイン・アルース村で、国民軍に所属するシャーム戦線が女性1人を含む住民多数を拘束したことを受け、タッル・アブヤド市で抗議デモが発生した。

シャーム戦線の本部前で始まった抗議デモは、シャーム戦線が住民の釈放を拒否したことを受けて市内各所に拡大し、一部住民が市内に展開するトルコ軍の装甲車を襲撃した。

AFP, June 5, 2020、ANHA, June 5, 2020、AP, June 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 5, 2020、Reuters, June 5, 2020、SANA, June 5, 2020、SOHR, June 5, 2020、UPI, June 5, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県でトルコ軍が何者かの襲撃を受けて兵士1人死亡、1人が重傷(2020年6月5日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから92日目となる6月5日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を4件(イドリブ県0件、ラタキア県0件、アレッポ県4件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構の支配下にあるイドリブ市とサルミーン市を結ぶ街道沿いに設置されているトルコ軍拠点の近くで、トルコ軍兵士2人が何者かの攻撃を受け、1人が死亡、1人が重傷を負った。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ貨物車輌43輌からなる車列をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に2回に分けて新たに進入させた。

このほか、ザーウィヤ山地方のルワイハ村近郊では、シリア軍の偵察用無人航空機(ドローン)が墜落した。

墜落は故障が原因だという。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ウンム・マヤーズィン町とダルアー市を結ぶ街道で、第4師団の兵士2人が何者かの襲撃を受けて死亡した。

また、ダルアー市のダム街道地区でも、2人が遺体で発見された。

AFP, June 5, 2020、ANHA, June 5, 2020、AP, June 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 5, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 5, 2020、Reuters, June 5, 2020、SANA, June 5, 2020、SOHR, June 5, 2020、UPI, June 5, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民17人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は580,580人に(2020年6月5日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月5日付)を公開し、6月4日に難民17人(うち女性5人、子供9人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民17人(うち女性5人、子供9人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は580,580人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者185,332人(うち女性55,738人、子ども94,241人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,706,389人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は809,860人(うち女性243,014人、子供412,732人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 5, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍戦闘機がレバノン領空を侵犯、ハマー県ミスヤーフ市近郊の防衛工場をミサイル攻撃(2020年6月4日)

シリア軍筋は、レバノン領空を侵犯したイスラエル軍戦闘機が午後9時25分、ハマー県ミスヤーフ市一帯に配置されているシリア軍の拠点1カ所を狙ってミサイル攻撃を行ったが、シリア軍防空部隊が迎撃し、ミサイル多数を撃破したと発表した。

SANA(6月4日付)が伝えた。

シリア人権監視団によると、イスラエル軍がミサイル攻撃を加えたのは、ミスヤーフ市西のザーウィー村にある防衛工場で、シリア人4人を含む少なくとも9人が死亡、武器弾薬庫複数棟が破壊されたという。

AFP, June 4, 2020、ANHA, June 4, 2020、AP, June 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 4, 2020、Reuters, June 4, 2020、SANA, June 4, 2020、SOHR, June 4, 2020、UPI, June 4, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍がイドリブ県内の5カ所に新たな拠点を設置するも、M4高速道路沿線で爆発発生(2020年6月4日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから91日目となる6月4日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を5件(イドリブ県4件、ラタキア県0件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍が3日晩から4日にかけて、カイヤーサート村、ブサンクール村近郊の自動車学校、マルイヤーン村、マアッラータ村、タフタナーズ市に新たな拠点を設置した。

これにより、シリア領内のトルコ軍監視所・拠点は66カ所となった。
(シリア人権監視団の計算だと62)

トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り:

監視所

イドリブ県:サルワ村、タッル・トゥーカーン村、サルマーン村、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡、シャイフ・アキール山、アナダーン山、アレッポ市ラーシディーン地区(南)、アイス村(アイス丘)
ハマー県:ムーリク市、シール・マガール村
ラタキア県:ザイトゥーナ村

拠点

イドリブ県:マアッル・ハッタート村、サラーキブ市(3カ所)、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ軍事キャンプ、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(3カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、アブザムー町、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村、ビダーマー町(2カ所)、ナージヤ村、ズアイニーヤ村(2カ所)、ガッサーニーヤ村、クファイル村、バクサルヤー村、フライカ村、バルナース村、アリーハー市、ジャンナト・クラー村、バサーミス村、カイヤーサート村、マルイヤーン村、マアッラータ村、タフタナーズ市
アレッポ県:アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラ・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
ハマー県:ムガイル村

なおこのほかにも、トルコ軍はM4高速道路沿線に監視ポスト14カ所を設置している。

しかし、シリア人権監視団によると、アレッポ市とラタキア市を結ぶM4高速道路沿線のアリーハー市近郊で、大きな爆発が発生した。

爆発は、ロシア・トルコ軍の合同パトロール実施直後に発生、トルコ軍部隊が警戒態勢を強化した。

一方、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、カンスフラ村、スフーフン村、バーラ村一帯、ハルーバ村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シリア軍はまた、アーフィス村を砲撃、農地で火災が発生、子供1人が死亡した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、インヒル市で住民1人が何者かに撃たれて死亡した。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(6月4日付)によると、軍事情報局がサナマイン市で元反体制武装集団メンバーの住居2カ所に対する強制捜査を行ったが、元メンバーが抵抗し戦闘となり、シリア軍兵士1人が死亡、2人が負傷した。

AFP, June 4, 2020、ANHA, June 4, 2020、AP, June 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 4, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 4, 2020、Reuters, June 4, 2020、SANA, June 4, 2020、SOHR, June 4, 2020、UPI, June 4, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民27人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は580,563人に(2020年6月4日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月4日付)を公開し、6月3日に難民27人(うち女性8人、子供14人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民27人(うち女性8人、子供14人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は580,563人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者185,315人(うち女性55,733人、子ども94,232人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,706,389人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は809,843人(うち女性243,009人、子供412,723人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 4, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコのチャヴシュオール外務大臣「ロシアと意見の相違はあるが、対話を通じて問題を解決したい」(2020年6月3日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、TV24のインタビュー(6月3日付)に応じ、シリア情勢をめぐってロシアとの意見の相違があることを認めた。

チャヴシュオール外務大臣は「アンカラとモスクワの間には地域問題や国際問題をめぐって意見や見解の相違があるが、トルコは対話を通じて問題を解決することを望んでいる…。我々は、シリア危機、リビア情勢、クリミア問題、ウクライナ情勢といった多くの問題で、ロシアと合意に至っていない。だが、我々はモスクワとの対話を続ける」と述べた。

AFP, June 3, 2020、ANHA, June 3, 2020、AP, June 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 3, 2020、Reuters, June 3, 2020、SANA, June 3, 2020、SOHR, June 3, 2020、UPI, June 3, 2020、24 TV, June 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハサカ県で米軍がロシア軍の進行を阻止する一方、ロシア軍は基地建設を進める(2020年6月3日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米軍部隊が、マーリキーヤ(ダイリーク)市に入ろうとしたロシア軍パトロール部隊の進行を阻止した。

一方、ロシア軍は、前日に続いて新たな軍事基地の設営を勧めているカスル・ディーブ村に部隊を派遣した。

部隊にはヘリコプター2機が随行し、上空を旋回して警戒活動にあたり、うち1機が村の近くに着陸したという。

新たな軍事基地は、村の学校を転用して設営されている。

ロシア軍部隊は2日にもカスル・ディーブ村とカーサーン村に入り、基地の設営を勧めようとしたが、住民の抵抗にあって断念していた。

AFP, June 3, 2020、ANHA, June 3, 2020、AP, June 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 3, 2020、Reuters, June 3, 2020、SANA, June 3, 2020、SOHR, June 3, 2020、UPI, June 3, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍がシリア北西部を2日連続で爆撃(2020年6月3日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから90日目となる6月3日、ロシア軍が爆撃を実施した。

ロシア軍が北西部を爆撃するのは2日に続いて2日連続。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を5件(イドリブ県5件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を1件(イドリブ県0件、ラタキア県1件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団、ANHA(6月3日付)によると、ロシア戦闘機が未明に、ガーブ平原のカルクール村からイドリブ県のザイズーン火力発電所にいたる地域を4回にわたって爆撃した。

ロシア軍戦闘機はまた、晩にもガーブ平原に爆撃を行った。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山一帯のクーフキーン村、ハッルーズ村、バーラ村砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

ロシア軍の爆撃とシリア軍の砲撃を受け、ザーウィヤ山地方の住民が避難を開始した。

AFP, June 3, 2020、ANHA, June 3, 2020、AP, June 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 3, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 3, 2020、Reuters, June 3, 2020、SANA, June 3, 2020、SOHR, June 3, 2020、UPI, June 3, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民23人と国内避難民(IDPs)57人が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は580,536人、2019年以降帰還したIDPsは65,837人に(2020年6月3日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月3日付)を公開し、6月2日に難民23人(うち女性7人、子供12人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民23人(うち女性7人、子供12人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は580,536人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者185,288人(うち女性55,725人、子ども94,218人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,706,389人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は809,816人(うち女性243,001人、子供412,709人)となった。

**

一方、国内避難民57人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは57人(女性19人、子供26人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した57人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は57人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は65,837人(うち女性22,983人、子供27,076人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,334,433人(うち女性405,542人、子供670,842人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 3, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコがリビアに派遣したシリア人傭兵(国民軍)が音声声明でトルコへの不満を表明(2020年6月2日)

リビア国民軍(リビア武装部隊)総司令部は、トルコによってリビアに派遣されたシリア人傭兵(国民軍戦闘員)の音声声明を公開した。

音声声明は、国民軍に所属するハムザート師団の戦闘員がメディア関係者向けに発信したもの。

声明のなかで、この戦闘員は、トルコがリビアに派遣したシリア人戦闘員を見捨てたとしたうえで、「合意された契約では、そもそも(派遣期間は)3ヶ月だけだったが、誰からも見向きもされないままに、6ヶ月近くも駐留を余儀なくされている…。給与の受け取りでも問題が生じており、契約では、戦闘員1人に対して2,000ドルが支払われる予定だったが、現時点で6,000トルコ・リラしか受け取っていない」と訴えた。

そのうえで、トルコ軍の命令を受けてリビアに派遣され、首都トリポリ南のアイン・ザーラ町一帯での戦闘に加わっているシリア人を救出する呼びかけた。

AFP, June 2, 2020、ANHA, June 2, 2020、AP, June 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 2, 2020、Reuters, June 2, 2020、SANA, June 2, 2020、SOHR, June 2, 2020、UPI, June 2, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍と国民軍の砲撃でハサカ県で火災発生(2020年6月2日)

ハサカ県では、ANHA(6月2日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、タッル・タムル町近郊のアッブーシュ村、アブー・ラースィーン(ザルカーン)町近郊のマスラタ村、小カブル村を砲撃した。

トルコ軍と国民軍はまた、アブー・ラースィーン町近郊のヒルバト・ヒルバト・シャイール村、ヒルバト・ジャンムー村一帯の農地を砲撃し、火災を発生させた。

AFP, June 2, 2020、ANHA, June 2, 2020、AP, June 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 2, 2020、Reuters, June 2, 2020、SANA, June 2, 2020、SOHR, June 2, 2020、UPI, June 2, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米軍とロシア軍のパトロール部隊が住民の抵抗に合う(2020年6月2日)

ハサカ県では、SANA(6月2日付)によると、シリア軍兵士と住民が、アブー・ラースィーン(ザルカーン)町近郊の街道で、米軍装甲車8輌からなるパトロール部隊の進行を阻止し、退却させた。

https://youtu.be/9tMtOdCmrXY

シリア人権監視団によると、米軍部隊は、街道をタッル・タムル町に向かって進んでいたが、アブー・ラースィーン(ザルカーン)町西のダルダーラ村で進行を阻止された。

部隊は、側道を迂回し、ロシア軍基地の後背地に到達、同地の街道上に新たな検問所を設置したという。

**

同じく、ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍装甲車約15輌からなるパトロール部隊が、トルコ国境に面するマーリキーヤ(ダイリーク)市に近いカーサーン村に新たな軍事基地を建設する目的で入ったが、地元の住民の抵抗を受けて、撤退を余儀なくされた。

ロシア軍パトロール部隊はその後、5月28日に基地を設置したばかりのカスル・ディーブ村に向かったが、そこでも住民の抵抗にあった。

AFP, June 2, 2020、ANHA, June 2, 2020、AP, June 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 2, 2020、Reuters, June 2, 2020、SANA, June 2, 2020、SOHR, June 2, 2020、UPI, June 2, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍が89日ぶりにシリア北西部を爆撃(2020年6月2日)

英国を拠点に活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから89日目となる6月2日、ロシア軍が爆撃を実施した。

ロシア軍が北西部を爆撃するのは停戦発効以降初めて。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を4件(イドリブ県2件、ラタキア県1件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を3件(イドリブ県2件、ラタキア県1件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団、ドゥラル・シャーミーヤ(6月2日付)によると、ロシア軍とトルコ軍がM4高速道路で合同パトロールを実施した。

両軍合同部隊はタルナバ村を出発し、アリーハー市西のアウラム・ジャウズ村までの区間を巡回したが、途中、住民らからの投石を受けた。

一方、ザーウィヤ山地方では、「決戦」作戦司令室が、ルワイハ村一帯に侵攻しようとしたシリア軍を撃退した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

また、国民解放戦線に所属するシャームの鷹旅団は、ザーウィヤ山地方を軍事地区に指定、住民の立ち入りを禁止すると発表した。


一方、トルコ軍は、戦車、自走多連装ロケット砲など20輌からなる車列をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原を砲撃した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機複数機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカッバーナ村一帯を爆撃した。

シリア軍もまた同地を砲撃した。

これに関して、ドゥラル・シャーミーヤ(6月2日付)は、ラタキア県フマイミーム航空基地を離陸したロシア軍戦闘機3機が、カッバーナ村一帯ではなく、ハマー県ガーブ平原一帯を爆撃したと伝えた。

同サイトによると、3機の戦闘機のうち、2機はハマー県との県境に位置するイドリブ県西のザイズーン火力発電所近くを、3機目は、タッル・アアワル村を爆撃したという。

AFP, June 2, 2020、ANHA, June 2, 2020、AP, June 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 2, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 2, 2020、Reuters, June 2, 2020、SANA, June 2, 2020、SOHR, June 2, 2020、UPI, June 2, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.