イスラエル軍がガザ地区、ダマスカス国際空港近くをミサイル攻撃し、パレスチナ・イスラーム聖戦機構のメンバー2人、「イランの民兵」6人が死亡(2020年2月23日)

SANA(2月24日付)は、軍情報筋の話として、イスラエル軍戦闘機が23日午後11時25分、シリア領空外および占領下ゴラン高原上空から首都ダマスカス一帯に対してミサイル攻撃を行い、シリア軍防空部隊がこれを迎撃、そのほとんどを撃破したと伝えた。


**

一方、シリア人権監視団は、このミサイル攻撃で、ダマスカス国際空港に近いパレスチナ・イスラーム聖戦機構とイラン・イスラーム革命防衛隊の拠点が狙われ、イスラーム聖戦機構のパレスチナ人メンバー2人、「イランの民兵」6人(うちシリア人は1人、それ以外の国籍は不明)が死亡したと発表した。

**

イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ報道官は、ツイッターのアカウント(https://twitter.com/avichayadraee)で、パレスチナのガザ地区からのロケット弾攻撃への報復として、首都ダマスカス南のイスラーム聖戦機構の拠点複数カ所、およびガザ地区の拠点数十カ所を狙ったことを明らかにした。

https://twitter.com/AvichayAdraee/status/1232009609428205570

うち、ダマスカス郊外県に近いアーディリーヤ村の拠点は、シリア領内やガザ地区への攻撃で使用される兵器を開発するためのイラン・イスラーム革命防衛隊の拠点だったという。

**

パレスチナのイスラーム聖戦機構は声明を出し、シリア領内へのイスラエル軍のミサイル攻撃でメンバー2人が死亡したと発表した。

AFP, February 24, 2020、ANHA, February 24, 2020、AP, February 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 24, 2020、Reuters, February 24, 2020、SANA, February 24, 2020、SOHR, February 24, 2020、UPI, February 24, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ラッカ県タッル・アブヤド市近郊でトルコ軍・国民軍がシリア軍と砲撃戦(2020年2月23日)

ラッカ県では、ANHA(2月23日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・アブヤド市近郊のジャルバ村、シャルカラーク村を砲撃、シリア軍がこれに応戦した。

トルコ軍と国民軍はまた、ヒルバト・バカル村、ビールザナール村、ラクラクーク村、クール・ハサン村、ルースファーン村、カズアリー村、マブルージャ村、サファーナー村を砲撃した。

**

アレッポ県では、ANHA(2月23日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のアキーバ村、ズィヤーラ村、ダイル・ジュマイイル村を砲撃した。

AFP, February 23, 2020、ANHA, February 23, 2020、AP, February 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 23, 2020、Reuters, February 23, 2020、SANA, February 23, 2020、SOHR, February 23, 2020、UPI, February 23, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍はイドリブ県カフルナブル市に展開しようとしていたトルコ軍の車列を砲撃し、兵士複数負傷(2020年2月23日)

イドリブ県では、SANA(2月23日付)、シリア人権監視団などによると、シリア軍がシャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)との戦闘の末、マアッラト・ヌウマーン市西北のシャイフ・ダーミス村、ハントゥーティーン村を制圧した。

これにより、シリア軍はカフルナブル市一帯地域の包囲・制圧とシャフシャブー山、ザーウィヤ山への進攻に向けた前哨地を確保した。

また、ロシア軍戦闘機はイフスィム町、カンスフラ村、カフルサジュナ村、カフルナブル市、アブディーター村、バーラ村、ダイル・サンバル村、トルコ軍の拠点が設置されているバアス前衛キャンプ一帯などを爆撃、シリア軍戦闘機もザーウィヤ山、アルバイーン山、アリーハー市を爆撃した。

これに対して、トルコ軍はマアッラト・ヌウマーン市、ハントゥーティーン村、シャイフ・ダーミス村、マダーヤー村、ハーン・スブル村、ヒーシュ村、アルマナーヤー村を砲撃した。

また、トルコ軍は、ヒルバト・ジャウズ村の通行所から戦車や装甲車約10輌からなる車列を、カフルルースィーン村の通行所から戦車や装甲車約60輌からなる車列をシリア領内に進入させた。

しかし、シリア軍は、カフルナブル市に展開するためにバーラ村近郊に停車中のトルコ軍の車列を砲撃、これを撤退させた。

この砲撃により、トルコ軍兵士複数が負傷した。

このほか、シリア軍はとラカーヤー村、カフルサジュナ村で「決戦」作戦司令室と交戦した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が、トルコ軍監視所が設置されているシール・マガール村一帯を爆撃した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーラト・イッザ市を砲撃し、住民1人が死亡した。

**

シリア人権監視団によると、一連の戦闘で、シリア軍兵士8人、「決戦」作戦司令室側戦闘員11人が死亡した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を22件(イドリブ県12件、ラタキア県7件、アレッポ県3件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を18件(イドリブ県16件、ラタキア県0件、アレッポ県2件、ハマー県0件)確認した。

AFP, February 23, 2020、ANHA, February 23, 2020、AP, February 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 23, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 23, 2020、Reuters, February 23, 2020、SANA, February 23, 2020、SOHR, February 23, 2020、UPI, February 23, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民815人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は560,305人に(2020年2月23日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月23日付)を公開し、2月22日に難民815人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは204人(うち女性62人、子供104人)、ヨルダンから帰国したのは611人(うち女性183人、子供312人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は560,305人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者177,193人(うち女性53,554人、子ども90,665人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者383,112人(うち女性114,978人、子ども195,380人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,568,303人(うち女性1,970,491人、子供3,349,835人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は789,585人(うち女性237,190人、子供402,967人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 23, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米軍がハサカ県のM4高速道路を封鎖、ロシア軍の通行を妨害(2020年2月22日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米軍の車輌複数台がアレッポ市とハサカ市を結ぶM4高速道路を封鎖、ロシア軍の車輌6輌からなる車列の通行を妨害した。

ロシア軍の車列はアームーダー市方面にパトロール活動に向かう予定だった。

AFP, February 22, 2020、ANHA, February 22, 2020、AP, February 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 22, 2020、Reuters, February 22, 2020、SANA, February 22, 2020、SOHR, February 22, 2020、UPI, February 22, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ラッカ県タッル・アブヤド市近郊でシリア軍とトルコ軍の支援を受ける国民軍が交戦(2020年2月22日)

ラッカ県では、ANHA(2月22日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、トルコ占領下のタッル・アブヤド市近郊のサールージュ村、クーバルラク村、カズアリー村にあるシリア軍拠点に対して砲撃を行い、これを迎撃したシリア軍とビールカヌー村一帯で交戦した。

トルコ軍と国民軍はまた、アイン・イーサー市近郊のファーティサ村を砲撃し、住民1人が負傷した。

**

アレッポ県では、ANHA(2月22日付)によると、トルコとその支援を受ける国民軍が、シリア政府の支配下にあるマンビジュ市近郊を砲撃した。

トルコ軍と国民軍はまた、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるカフル・アントワーン村、ファイサル穀物粉砕工場を砲撃した。

AFP, February 22, 2020、ANHA, February 22, 2020、AP, February 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 22, 2020、Reuters, February 22, 2020、SANA, February 22, 2020、SOHR, February 22, 2020、UPI, February 22, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県ナイラブ村での砲撃戦で、トルコ軍兵士が重傷を負い、死亡(2020年2月22日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がカフルナブル市、ハザーリーン村、バーラ村、イフスィム町、バイニーン村、ファッティーラ村、サルジャ村、ジューズィフ村を、シリア軍戦闘機がザーウィヤ山一帯を爆撃、ジューズィフ村で子ども1人が死亡した。

また、シリア軍地上部隊は、タッル・ナール村一帯、シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室と交戦、ハーッス村、カフルサジュナ村、ザーウィヤ山、ダイル・サンバル村、カフルナブル市、ハーッス村、バスカラー村を砲撃した。

これに対して「決戦」作戦司令室は、マダーヤー村を砲撃した。

一方、ナイラブ村一帯では、シリア軍が、トルコ軍、「決戦」作戦司令室と砲撃戦を行い、ガジアンテップ県が発表した報道向け声明によると、トルコ軍兵士1人が重傷を負い、その後死亡した。

これに対して、トルコ軍は、戦車、装甲車など80輌からなる車列を新たにシリア領内に進入させた。

なお、SANA(2月22日付)によると、シリア軍はダイル・サンバル村、ジューズィフ村、スフーフン村、カフル・ウワイド村、カンスフラ村、イフスィム町、バイニーン村、ファッティーラ村、バーラ村、サルジャ村、マストゥーマ村、カフルナブル市、ハーッス村、バスカラー村*で「決戦」作戦司令室の拠点を砲撃した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がアターリブ市一帯を爆撃した。

シリア軍もアターリブ市一帯、ダーラト・イッザ市一帯を砲撃した。

SANA(2月22日付)も、シリア軍がアターリブ市一帯、ダーラト・イッザ市一帯で「決戦」作戦司令室の拠点を砲撃したと伝えた。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を25件(イドリブ県11件、ラタキア県6件、アレッポ県5件、ハマー県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を14件(イドリブ県13件、ラタキア県0件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認した。

AFP, February 22, 2020、ANHA, February 22, 2020、AP, February 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 22, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 22, 2020、Reuters, February 22, 2020、SANA, February 22, 2020、SOHR, February 22, 2020、UPI, February 22, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民732人と国内避難民(IDPs)12人が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は559,490人、2019年以降帰還したIDPsは788,770人に(2020年2月22日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月22日付)を公開し、2月21日に難民732人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは178人(うち女性53人、子供91人)、ヨルダンから帰国したのは554人(うち女性166人、子供283人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は559,490人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者176,989人(うち女性53,492人、子ども90,561人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者382,501人(うち女性114,795人、子ども195,068人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,568,303人(うち女性1,970,491人、子供3,349,835人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は788,770人(うち女性236,945人、子供402,551人)となった。

**

一方、国内避難民12人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは12人(うち女性4人、子ども7人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した12人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は54,851人(うち女性18,373人、子供23,458人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,323,447人(うち女性400,932人、子供667,224人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 22, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコのエルドアン大統領はリビアにシリア人戦闘員(国民軍)を派遣していることを初めて認める(2020年2月21日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は報道向け声明を出し、リビア領内にシリア人戦闘員(国民軍)を派遣していることを初めて認めた。

エルドアン大統領は「リビアに駐留しているトルコ軍部隊は、リビアの国民合意政府の部隊、そしてシリアの国民軍の人員を教練するために活動している…。リビア政府の要請を受け、治安・軍事教練に関する合意を交わした。我々はこのようにしてリビアに向かった」と述べた。

また「リビアには、ハフィーファ・ハフタル将軍側にロシアのワグナー・グループやスーダンの戦闘員などのテロリスト15,000人がいる…。質問したい。ロシア軍部隊が2,500人の人員とともに駐留しているのに、なぜそのことについて話題にならないのか。彼らがいることを示すビデオもある。スーダンとその傭兵もいる。それらを合わせると10,000人のテロリストがいることになる。そのことを誰も話題にしない」と批判した。

AFP, February 22, 2020、ANHA, February 22, 2020、AP, February 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 22, 2020、Reuters, February 22, 2020、SANA, February 22, 2020、SOHR, February 22, 2020、UPI, February 22, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコのアカル国防大臣「イドリブ県でロシアとことを構えるつもりはない」(2020年2月21日)

トルコのフルシ・アカル国防大臣はCNN Turk(2月21日付)のインタビューに応じ、イドリブ県でロシアとことを構えるつもりはないと述べた。

アカル国防大臣は「ロシアと対決する意思はない…。トルコ政府はあらゆる努力を通じて、シリアでロシア軍との戦闘が発生するのを阻止してきたし、今もこうした努力を続けている」と述べるとともに、「我々が望んでいるのは、(シリアの)体制が停戦を遵守することだ」と述べた。

AFP, February 21, 2020、ANHA, February 21, 2020、AP, February 21, 2020、CNN Turk, February 21, 2020 、al-Durar al-Shamiya, February 21, 2020、Reuters, February 21, 2020、SANA, February 21, 2020、SOHR, February 21, 2020、UPI, February 21, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍・国民軍はシリア軍拠点が設置されているハサカ県タッル・タムル町近郊に潜入し、シリア軍と交戦(2020年2月21日)

ハサカ県では、ANHA(2月21日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、タッル・タムル町近郊に展開するシリア軍の拠点を砲撃、シリア軍が応戦した。

シリア人権監視団によると、国民軍が、シリア軍拠点が設置されているダルダーラ村一帯に潜入、交戦になったという。

**

ラッカ県では、ANHA(2月21日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、タッル・アブヤド市近郊のカズアリー村を砲撃した。

AFP, February 21, 2020、ANHA, February 21, 2020、AP, February 21, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 21, 2020、Reuters, February 21, 2020、SANA, February 21, 2020、SOHR, February 21, 2020、UPI, February 21, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

SANA:シリア軍戦闘機がイドリブ県ナイラブ村の反体制派拠点に対して行ったピンポイント爆撃の写真・映像を公開(2020年2月21日)

SANA(2月21日付)は、シリア軍戦闘機がイドリブ県ナイラブ村に対する爆撃で、トルコ軍の支援を受ける「テロ組織」の拠点をピンポイントで破壊したと伝え、航空写真やビデオを公開した。

https://youtu.be/5ZSo9aZz-z4


AFP, February 21, 2020、ANHA, February 21, 2020、AP, February 21, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 21, 2020、Reuters, February 21, 2020、SANA, February 21, 2020、SOHR, February 21, 2020、UPI, February 21, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県でシリア軍とトルコ軍・「決戦」作戦司令室が砲撃戦(2020年2月21日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がナイラブ村一帯、ダーディーフ村一帯、アーフィス村一帯に展開するトルコ軍と、その支援を受けるシャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室の拠点を砲撃、トルコ軍と「決戦」作戦司令室がこれに応戦し、砲撃戦となった。

同監視団によると、シリア軍地上部隊はまた、M4高速道路沿線のフライカ村、マルジュ・ズフール村、バーラ村、ダイル・サンバル村、イフスィム町、カフルナブル市、マストゥーマ村を砲撃した。

SANA(2月21日付)も、シリア軍が、クマイナース村、アルバイーン山、アリーハー市一帯、カフルナブル市、ハーッス村で活動を続ける「決戦」作戦司令室の拠点に対して集中的に攻撃を加えたと伝えた。

一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機は、サルミーン市、クマイナース村、アリーハー市、アルバイーン山を爆撃、シリア軍戦闘機もザーウィヤ山などを爆撃した。

これに対して、トルコ軍は、カフルルースィーン村から戦車、装甲車など20輌を新たに進入させ、マストゥーマ村近郊に展開した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がアターリブ市、ダーラト・イッザ市一帯、カフル・ヌーラーン村、タカード村、シャイフ・スライマーン村、アブザムー町、タワーマ村を爆撃した。

SANA(2月21日付)も、シリア軍がアターリブ市一帯、ダーラト・イッザ市一帯で活動を続けるシャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室の拠点に対して集中的に攻撃を加えたと伝えた。

一方、シリア軍とシャーム解放機構はアンジャーラ村近郊で捕虜・遺体交換を行った。

シャーム解放機構は「イランの民兵」の遺体一体を、シリア軍は戦闘員2人を引き渡したという。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を35件(イドリブ県16件、ラタキア県10件、アレッポ県5件、ハマー県4件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を6件(イドリブ県6件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

AFP, February 21, 2020、ANHA, February 21, 2020、AP, February 21, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 21, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 21, 2020、Reuters, February 21, 2020、SANA, February 21, 2020、SOHR, February 21, 2020、UPI, February 21, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民960人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は558,758人に(2020年2月21日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月21日付)を公開し、2月20日に難民960人が新たに帰国したと発表した。

https://syria.mil.ru/images/11-bul-refugees-09012019-1000-new-en.jpg

このうちレバノンから帰国したのは232人(うち女性70人、子供118人)、ヨルダンから帰国したのは728人(うち女性218人、子供371人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は558,758人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者176,811人(うち女性53,439人、子ども90,470人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者381,947人(うち女性114,629人、子ども194,785人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,568,303人(うち女性1,970,491人、子供3,349,835人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 788,038人(うち女性236,726人、子供402,177人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 21, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコはイドリブ県へのシリア・ロシア軍の進行を阻止するため米国にパトリオット・ミサイル2基の配備を要請(2020年2月20日)

ブルームバーグ(2月20日)はトルコの匿名高官の話として、トルコがイドリブ県に対するシリア・ロシア軍の進軍を阻止するために、米国に対してパトリオット・ミサイル2基を配備するよう要請したと伝えた。

同匿名高官は、パトリオット・ミサイルが配備された暁には、米軍はF-16戦闘機を投入して、シリア政府への攻撃を行うことになるだろうと付言している。

AFP, February 20, 2020、ANHA, February 20, 2020、AP, February 20, 2020、Bloomberg, February 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 20, 2020、Reuters, February 20, 2020、SANA, February 20, 2020、SOHR, February 20, 2020、UPI, February 20, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍と国民軍はアレッポ県、ハサカ県、ラッカ県を砲撃(2020年2月20日)

アレッポ県では、ANHA(2月20日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市、イルシャーディーヤ村、カフル・アントゥーン村、シャワーリガ村、マルアナーズ村、マーリキーヤ村を砲撃した。

**

ハサカ県では、ANHA(2月20日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、タッル・タムル町近郊を砲撃した。

**

ラッカ県では、ANHA(2月20日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、アイン・イーサー市近郊のフーシャーン村を砲撃した。

AFP, February 20, 2020、ANHA, February 20, 2020、AP, February 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 20, 2020、Reuters, February 20, 2020、SANA, February 20, 2020、SOHR, February 20, 2020、UPI, February 20, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アル=カーイダとトルコ軍はイドリブ県ナイラブ村奪還に向けた作戦を実施するも失敗、トルコ軍兵士2人死亡(2020年2月20日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(2月20日付)、SANA(2月20日付)、シリア人権監視団などによると、シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室が、2月3日にシリア軍によって制圧されたM4高速道路沿線上のナイラブ村の奪還を目的とする大規模作戦の開始を発表、同地に侵攻した。

作戦開始に合わせて、トルコ軍も、ナイラブ村東西に設置している拠点から、シリア政府支配下のサラーキブ市、アーフィス村、マアーッラト・ウルヤー村を砲撃した。


「決戦」作戦司令室は、作成開始とともにナイラブ村に突入し、シリア軍部隊との激し交戦の末、その大部分を制圧した。

だが、戦闘でトルコ軍兵士2人が死亡、3人が負傷、数時間の戦闘の後に、「決戦」作戦司令室はナイラブ村一帯から撤退した。

トルコ国防省はツイッターのアカウントを通じて声明を出し、トルコ軍部隊が爆撃を受け、兵士2人が死亡、5人が負傷したと発表した。

これに対して、トルコ軍もシリア軍兵士50人を殲滅、戦車5輌、兵員輸送用の装甲車2輌、武装したピックアップ・トラック2輌、大砲1門を破壊したという。


トルコ軍は、カフルルースィーン村に違法に設置された国境通行所から戦車、装甲車など55輌からなる増援部隊を新たに派遣、ナイラブ村西に設置している拠点を強化した。

なお、戦闘では、シリア軍兵士11人、「決戦」作戦司令室側戦闘員14人が死亡した。

一方、ロシア軍戦闘機は、マアーッラト・ナアサーン村、シャフシャブー山一帯を爆撃し、マアーッラト・ナアサーン村では住民1人が死亡した。

このほか、反体制武装集団はマダーヤー村一帯のシリア軍拠点を砲撃した。

**

アレッポ県では、ロシア軍戦闘機がタワーマ村、タカード村、カフル・ヌーラーン村、アターリブ市一帯、ダーラト・イッザ市一帯を爆撃、シリア軍地上部隊もアターリブ市を砲撃した。

シリア軍の砲撃で住民1人が死亡した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を37件(イドリブ県9件、ラタキア県10件、アレッポ県12件、ハマー県6件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を17件(イドリブ県11件、ラタキア県0件、アレッポ県6件、ハマー県0件)確認した。

AFP, February 20, 2020、ANHA, February 20, 2020、AP, February 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 20, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 20, 2020、Reuters, February 20, 2020、SANA, February 20, 2020、SOHR, February 20, 2020、UPI, February 20, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民860人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は557,798人に(2020年2月20日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月20日付)を公開し、2月19日に難民860人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは284人(うち女性85人、子供145人)、ヨルダンから帰国したのは576人(うち女性173人、子供294人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は557,798人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者176,579人(うち女性53,369人、子ども90,352人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者381,219人(うち女性114,411人、子ども194,414人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,568,303人(うち女性1,970,491人、子供3,349,835人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 787,078人(うち女性236,438人、子供401,688人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 20, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシアはイドリブ県での戦闘停止を求める安保理議長声明の採択を拒否(2020年2月19日)

国連安保理でシリア情勢への対応を協議する会合が開かれた。

会合ではイドリブ県情勢に議論が集中、トルコのフェリドゥン・ハディ・シュィニルィオール国連大使は「ダマスカスの屠殺(とさつ)人たちは2019年5月1,700人以上の民間人を殺している。こうした違反行為は戦争犯罪、人道に対する犯罪だ」としたうえで、「トルコは、シリア政府に、最近の戦闘で制圧したイドリブ県の緊張緩和地帯から撤退するため、2月末まで猶予を与えている…。もし撤退しなければ、イドリブ県で脅威となっているすべての標的に打撃を与える。監視所は変更しない」と述べた。

一方、ロシアのワシーリー・ネベンジャ国連大使はイドリブ県での停戦を求める議長声明の採択を拒否した。

会合後、ネベンジャ国連大使は「テロとの戦い」を行うシリア政府への支援を続けると強調した。

AFP, February 20, 2020、ANHA, February 20, 2020、AP, February 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 20, 2020、Reuters, February 20, 2020、SANA, February 20, 2020、SOHR, February 20, 2020、UPI, February 20, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハサカ県の街道で米軍装甲車がロシア軍車列の進行を妨害する映像が公開される(2020年2月19日)

ハサカ県カーミシュリー市東の高速道路で米軍装甲車が走行中のロシア軍の車列の進行を妨げようとする様子を撮影した映像がユーチューブで公開された。

映像を公開したのはSyria TVを名乗る反体制活動家によると思われるアカウント。

スマートフォンで撮影された映像には、ロシア軍ジープの前で蛇行したり、幅寄せしたして、進攻を妨げる米軍装甲車が写っている。

撮影日時は不明。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるラアス・アイン市でオートバイに仕掛けられていた爆弾が爆発した。

また、トルコ軍はタッル・タムル町近郊のハッラース村、マナージール村、シブリーヤ村から撤退した。

**

アレッポ県では、ANHA(2月19日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のスーガーニカ村、アキーバ村を砲撃した。

AFP, February 19, 2020、ANHA, February 19, 2020、AP, February 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 19, 2020、Reuters, February 19, 2020、SANA, February 19, 2020、SOHR, February 19, 2020、UPI, February 19, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア大統領府のペスコフ報道官「トルコによるイドリブ県での軍事作戦は最悪のシナリオ」(2020年2月19日)

ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、トルコがイドリブ県での軍事作戦を行う意思を示していることに関して「この軍事作戦は最悪のシナリオになる」とする一方、トルコ政府と引き続き連絡を取り続けると述べた。

AFP, February 19, 2020、ANHA, February 19, 2020、AP, February 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 19, 2020、Reuters, February 19, 2020、SANA, February 19, 2020、SOHR, February 19, 2020、UPI, February 19, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

反体制派がシリア駐留ロシア軍司令部のあるフマイミーム航空基地一帯に設置されているシリア軍の拠点を攻撃(2020年2月19日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室が、シリア駐留ロシア軍司令部のあるフマイミーム航空基地一帯に設置されているシリア軍の拠点に向けてミサイル4発を打ち込んだのに対して、防空部隊(所属不明)がこれを迎撃した。

ミサイル攻撃による被害は不明だという。

これに関して、SANA(2月19日付)は、シリア軍防空部隊がラタキア県のフマイミーム航空基地に近いジャブラ市に向かって飛来してきた「武装テロ集団」の無人航空機複数機を撃墜したと伝えた。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がフマイミーム航空基地に対する攻撃を受けて、ジスル・シュグール市、マルアンド村、ナージヤ村、ビダーマー町、バルナース村、サッラト・ズフール村を激しく砲撃した。

SANA(2月19日付)によると、シリア軍はまた、ダイル・サンバル村、マアッラト・ヌウマーン市一帯、ラカーヤー村一帯にあるシャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室の拠点を攻撃、これを破壊した。

一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍は、トルコ軍の拠点が設置されているマアーッラト・ナアサーン村、クマイナース村のほか、ムハムバル村、マンタフ村、ダイル・サンバル村、ラカーヤー村一帯、M4高速道路沿線、アルバイーン山一帯、アリーハー市を爆撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(2月19日付)によると、爆撃により、タルマーニーン村で2人が死亡した。

これに対して、トルコ軍とシャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室が、サラーキブ市やナイラブ村のシリア軍拠点を砲撃した。

トルコ軍はまた、戦車、装甲車など約80輌からなる増援部隊をカフルルースィーン村に違法に設置されている通行所を経由してシリア領内に派遣し、ラタキア県との県境に位置するナビー・アイユーブ丘(峰)、ザーウィヤ山地方のバザーブール村、M4高速道路沿線のブサンクール村に新たな拠点を設置した。

これにより、シリア領内のトルコ軍の監視所・拠点は以下38カ所となった。

アスタナ9会議(2018年5月)での合意に基づいて設置された監視所:イドリブ県サルワ村、タッル・トゥーカーン村、サルマーン村、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)、アレッポ県登塔者聖シメオン教会跡、シャイフ・アキール山、アナダーン山、アレッポ市(南)ラーシディーン地区、アイス村(アイス丘)、ハマー県ムーリク市、シール・マガール村、ラタキア県ザイトゥーナ村

その後に設置された監視所:アレッポ県アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区、ジーナ村、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラト・イッザ市、イドリブ県マアッル・ハッタート村、サラーキブ市、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ軍事キャンプ、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ハマー県ムガイル村。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がフマイミーム航空基地に対する攻撃を受けて、ガーブ平原各所を激しく砲撃した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が、トルコ軍の拠点が設置されているカフル・ヌーラーン村、アターリブ市一帯、ダーラト・イッザ市一帯のほか、バーラー村、サッハーラ村、タカード村を爆撃した。

一方、SANA(2月19日付)によると、シリア軍がアターリブ市、カフル・ヌーラーン村、ダーラト・イッザ市一帯、バーラー村一帯、サッハーラ村、タカード村にあるシャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室の拠点を砲撃した。

AFP, February 19, 2020、ANHA, February 19, 2020、AP, February 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 19, 2020、Reuters, February 19, 2020、SANA, February 19, 2020、SOHR, February 19, 2020、UPI, February 19, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県の処遇をめぐるロシア・トルコ軍・治安・外交関係高官が決裂(2020年2月18日)

ロシアの首都モスクワで17日から行われていたロシアとトルコの軍・治安・外交関係高官は2日目となる18日も続けられたが、イドリブ県の処遇について合意にいたらないまま閉会した。

アナトリア通信(2月18日付)は、セダト・オナル内務副大臣率いるトルコ側代表団が2時間にわたる会合を終えモスクワを後にしたとしたうえで、ロシア側がシリア政府への支援継続と、シリア北部全域の掌握に固執したと伝えた。

これに対して、トルコ側は、ソチでの合意に基づいて、シリア軍側が戦闘を停止し、撤退しなければ、軍事作戦を行うと答えたという。

トルコのイブラヒム・カリン大統領府報道官は会合の決裂を受けて、報道向け声明を出し、「イドリブ県での我々の主な目的はソチ合意の復活であり、同県におけるトルコ軍監視所の変更は考えれないことだ」と述べた。

カリン報道官はまた「我々はイドリブ県の民間人を保護するため、増援部隊の派遣を続ける。我が軍が攻撃を受けた場合、我々は最近行ったのと同じように、もっとも強硬な手段で報復する」と付言した。

AFP, February 18, 2020、Anadolu Ajansı, February 18, 2020、ANHA, February 18, 2020、AP, February 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 18, 2020、Reuters, February 18, 2020、SANA, February 18, 2020、SOHR, February 18, 2020、UPI, February 18, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエルの民間衛星画像企業ISIは13日のミサイル攻撃で破壊されたとされるイラン・イスラーム革命防衛隊の施設の衛星写真を公開(2020年2月18日)

イスラエルの民間衛星画像企業イメージサット・インターナショナル(ISI)は、13日にイスラエル軍が行ったミサイル攻撃による被害情報を撮影した衛星写真を公開した。

『エルサレム・ポスト』(2月18日付)やイディオト・アハロノト(2月18日付)によると、写真で破壊が確認された施設は、ダマスカス国際空港近くに設置されているイラン・イスラーム革命防衛隊の兵站拠点、司令部、武器弾薬庫だという。

AFP, February 18, 2020、ANHA, February 18, 2020、AP, February 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 18, 2020、The Jerusalem Post, February 18, 2020、Reuters, February 18, 2020、SANA, February 18, 2020、SOHR, February 18, 2020、UPI, February 18, 2020、Yedioth Ahronoth, February 18, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍と国民軍はラッカ県、アレッポ県、ハサカ県への砲撃を続ける(2020年2月18日)

ラッカ県では、ANHA(2月18日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるアイン・イーサー市近郊のアイン・イーサー穀物サイロ、シャルカラーク、タッル・アブヤド市近郊のクーバルラク村、アフドゥーラク村、ビールカヌー村、アリーダ村、フーリーヤ村を砲撃した。

**

アレッポ県では、ANHA(2月18日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のマルアナーズ村、マーリキーヤ村、シャワーリガ村、クワンディー・マーズィン村を砲撃した。

**

ハサカ県では、ANHA(2月18日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・タムル町近郊のウンム・カイフ村を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、カーミシュリー市工業地区で爆発が発生した。

AFP, February 18, 2020、ANHA, February 18, 2020、AP, February 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 18, 2020、Reuters, February 18, 2020、SANA, February 18, 2020、SOHR, February 18, 2020、UPI, February 18, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア・ロシア軍はイドリブ県、アレッポ県西部への攻撃を続け、国内避難民(IDPs)2人を含む5人が死亡(2020年2月18日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がタルマーニーン村を爆撃し、住民3人が死亡、8人が負傷した。

ロシア軍戦闘機はまた、マアーッラト・ナアサーン村一帯を爆撃し、国内避難民(IDPs)の男性1人が死亡、多数が負傷した。

ロシア軍戦闘機はこのほかにも、アリーハー市、ムハムバル村、アルバイーン山一帯を爆撃した。

シリア軍戦闘機もM4高速道路一帯を爆撃、地上部隊がサルミーン市、クマイナース村、ザーウィヤ山一帯を砲撃した。

一方、トルコ軍の戦車、装甲車など約90輌からなる増援部隊がカフルルースィーン村に違法に設置されている通行所からシリア領内に入り、サルミーン市一帯に展開した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がダーラト・イッザ市を爆撃し、同市に避難しようとしていた住民1人が死亡した。

ロシア軍戦闘機はまた、アターリブ市を爆撃した。

**

なお、シリア人権監視団やアラビー21(2月18日付)などをもとに、トルコ軍がシリア領内に設置した監視所・拠点を確認すると、2月18日現在、その数は33カ所に達しており、うち12カ所がシリア軍によって包囲されている。

場所は以下の通り:

アスタナ9会議(2018年5月)での合意に基づいて設置された監視所:イドリブ県サルワ村(第1監視所)、タッル・トゥーカーン村(第5監視所)*、サルマーン村(第6監視所)*、ジスル・シュグール市(第12監視所)、アレッポ県登塔者聖シメオン教会跡(第2監視所)、シャイフ・アキール山(第3監視所)*、アナダーン山(第7監視所)*、アレッポ市(南)ラーシディーン地区(第10監視所)、アイス村(アイス丘)(第4監視所)*、ハマー県ムーリク市(第9監視所)*、シール・マガール村(第11監視所)*、ラタキア県ザイトゥーナ村(第8監視所)

その後に設置された監視所:アレッポ県アレッポ市ラーシディーン地区*、ジーナ村、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラト・イッザ市、イドリブ県マアッル・ハッタート村*、サラーキブ市*、タルナバ村*、ナイラブ村*、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ軍事キャンプ、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を29件(イドリブ県7件、ラタキア県11件、アレッポ県6件、ハマー県5件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を17件(イドリブ県4件、ラタキア県0件、アレッポ県13件、ハマー県0件)確認した。

AFP, February 18, 2020、ANHA, February 18, 2020、AP, February 18, 2020、Arabi 21, February 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 18, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 18, 2020、Reuters, February 18, 2020、SANA, February 18, 2020、SOHR, February 18, 2020、UPI, February 18, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民1,023人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は556,044人に(2020年2月18日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月18日付)を公開し、2月17日に難民1,023人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは229人(うち女性69人、子供117人)、ヨルダンから帰国したのは794人(うち女性238人、子供405人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は556,044人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者175,983人(うち女性53,190人、子ども90,048人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者380,061人(うち女性114,063人、子ども193,823人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,568,303人(うち女性1,970,491人、子供3,349,835人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 785,324人(うち女性235,911人、子供400,793人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 18, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

モスクワで、ロシア・トルコ高官会合が開かれ、イドリブ県の情勢への対応協議(2020年2月17日)

ロシアの首都モスクワで、ロシアとトルコの軍・治安・外交関係高官会合が開かれ、イドリブ県の情勢への対応が協議された。

トルコ外務省は発表した声明によると、会合において、セダト・オナル内務副大臣を代表とするトルコ側代表団は、ロシア側に対して、イドリブ県での緊張緩和のために必要なあらゆる措置を直ちに講じ、人道状況のさらなる悪化を回避する必要があると強調した。

会合ではまた、2018年9月のソチでの両国首脳による合意(非武装地帯設置合意)を実施するための対応についても話し合われた。

トルコ外務省によると、会合は18日にも継続される。

AFP, February 17, 2020、ANHA, February 17, 2020、AP, February 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 17, 2020、Reuters, February 17, 2020、SANA, February 17, 2020、SOHR, February 17, 2020、UPI, February 17, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍と国民軍はアレッポ県北部とラッカ県北部を砲撃(2020年2月17日)

アレッポ県では、ANHA(2月17日付)によると、トルコ軍が北・東シリア自治局とシリア政府の合同統治下にあるズィヤーラ村(シーラーワー町近郊)、タッル・リフアト市近郊のハルバル村、タッル・ジージャーン村、ハリーサ村、ダイル・ジャマール村、バイナ村、アキーバ村を砲撃した。

**

ラッカ県では、ANHA(2月17日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、タッル・アブヤド市近郊のカズアリー村、アイン・イーサー市機能のサイダー村、ムシャイリファ村、アイン・イーサー・キャンプ、M4高速道路沿線一帯を砲撃した

AFP, February 17, 2020、ANHA, February 17, 2020、AP, February 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 17, 2020、Reuters, February 17, 2020、SANA, February 17, 2020、SOHR, February 17, 2020、UPI, February 17, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア・トルコ軍が中止していたハサカ県での合同パトロールを再開(2020年2月17日)

ハサカ県では、ANHA(2月17日付)、シリア人権監視団によると、ロシア軍とトルコ軍がダルバースィーヤ市からアブー・ラースィーン(ザルカーン)町に至る国境地帯で合同パトロールを実施した。

両国の合同パトロールは、10日にイドリブ県タフタナーズ航空基地に対する攻撃でトルコ軍兵士5人が死亡して以降、トルコ側が参加を拒否し、実施されていなかった。

AFP, February 17, 2020、ANHA, February 17, 2020、AP, February 17, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 17, 2020、Reuters, February 17, 2020、SANA, February 17, 2020、SOHR, February 17, 2020、UPI, February 17, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.