ロシア外務省報道官「イドリブ県での混乱はソチでの合意をトルコが遵守していないのが原因」(2020年2月12日)

ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官はモスクワでの記者会見で「(イドリブ県での)現下の混乱の原因は、2018年9月17日に発効したソチでの覚書が定める誓約をトルコが遵守していないことにある」と批判した。

ザハロワ報道官はしかし、「ロシアは今もアスタナ・プロセスの一環として交わされた合意に従うつもりで、これを完全なかたちで実施するため、(トルコと)共同で取り組み続けるつもりである」と付言したうえで、「現状において基本的な任務は、現地での暴力のレベルを軽減し、緊張緩和地帯内外に駐留する(アスタナ・プロセスの)保証国の軍人の保護を確実なものとし、軽率な軍事作戦によって炎上している対立を抑えることであり…、ロシア・トルコ首脳がイドリブ県の問題を包括的に解決するために今後行動することを期待している」と強調した。

AFP, February 12, 2020、ANHA, February 12, 2020、AP, February 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 12, 2020、Reuters, February 12, 2020、SANA, February 12, 2020、SOHR, February 12, 2020、UPI, February 12, 2020などをもとに作成。

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ハサカ県タッル・タムル町・アブー・ラースィーン町間に展開していたトルコ軍部隊が撤退(2020年2月12日)

ハサカ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(2月12日付)やシリア人権監視団によると、タッル・タムル町・アブー・ラースィーン(ザルカーン)町間の村々に展開していたトルコ軍が部隊を撤退させた。

RT(2月12日付)によると、撤退は、同地で国家情報機関(MIT)のメンバー1人が殺害されたのを受けたものだという。

一方、ANHA(2月12日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・タムル町近郊の村々を砲撃した。

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アレッポ県では、ANHA(2月12日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のバイルーニーヤ村、アイン・ダクナ村、マルアナーズ村を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるバーブ市で、トルコの支援を受ける武装集団どうしが交戦した。

AFP, February 12, 2020、ANHA, February 12, 2020、AP, February 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 12, 2020、Reuters, February 12, 2020、RT, February 12, 2020、SANA, February 12, 2020、SOHR, February 12, 2020、UPI, February 12, 2020などをもとに作成。

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ハサカ県カーミシュリー市郊外で米軍と住民が衝突、有志連合が同地を爆撃、米軍車輌4輌が破壊され、住民1人死亡(2020年2月12日)

ハサカ県では、SANA(2月12日付)によると、シリア北東部に違法に駐留を続ける米軍部隊が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるカーミシュリー市の東に位置するヒルバト・アンムー村、ハームー村で住民に向かって発砲、1人が死亡、1人が負傷した。

住民は、ヒルバト・アンムー村、ハームー村に設置されているシリア軍の検問所前に集まり、米軍車輌4輌の通行を阻止しようとしたが、米軍が実弾や発煙弾を発射した。

両検問所前には数百人の住民が集まっていたという。

発砲を受けた住民は、軽火器などで応戦し、車輌4輌を破壊、米軍も戦闘機を派遣し、ヒルバト・アンムー村の農地を3回にわたって爆撃した。

なお、米軍兵士と破壊された車輌は、衝突の数時間後に現場に派遣された車輌5輌からなる米軍の別の部隊によって回収された。

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米主導の有志連合のマイルズ・コギンズ(Myles Caggins)報道官(米軍大佐)は事件に関して、ツイッターのアカウント(https://twitter.com/oirspox)を通じて以下のような声明を出した。

「2月12日、シリアのカーミシュリー市近郊でパトロールを行っていた有志連合は、親シリア体制部隊によって占領されたチェックポイントに遭遇した。有志連合は一連の警告と緊張緩和の試みを行ったものの、パトロール部隊は何者かから軽火器での発砲を受けた。自衛のため、有志連合は応戦した。事態は緩和し、調査が行われている。有志連合は基地に帰還した。

コギンズ報道官によると、この衝突で米軍兵士1人がかすり傷を負ったという。

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一方、北・東シリア自治局に近いANHA(2月12日付)は、事件に関して、シリア軍と国防隊がヒルバト・アンムー村でメディア関係者と米軍に対して発砲したと伝えた。

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また、シリア人権監視団は、米軍と交戦したのが「地元住民と体制軍寄りの地元武装集団」だとしたうえで、 米軍の爆撃が威嚇の目的としていたと発表した。

AFP, February 12, 2020、ANHA, February 12, 2020、AP, February 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 12, 2020、Reuters, February 12, 2020、SANA, February 12, 2020、SOHR, February 12, 2020、UPI, February 12, 2020などをもとに作成。

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シリア軍がアレッポ県の3カ村を新たに制圧、ロシア軍の爆撃で住民7人が死亡(2020年2月12日)

アレッポ県では、SANA(2月12日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構などからなる反体制武装集団との戦闘の末、M5高速道路の西側に位置するシャイフ・アリー村、アッラーダ村、アルナーズ村を制圧した。

シリア人権監視団によると、シリア軍はまた、戦車、軍用車輌約100輌からなる増援部隊を、アレッポ市ラーシディーン地区、ハラブ・ジャディーダ地区、M5高速道路沿線に派遣した。

一方、同監視団によると、ロシア軍がイッビーン村、カフル・アンマ村を爆撃し、イッビーン村で住民3人が、カフル・アンマ村で4人が死亡した。

ロシア軍はまた、シャイフ・アリー村、アウラム・クブラー町、カフルナーハー村、カフルタアール村、アスウース村、ジーナ村、アターリブ市、カフル・ヌーラーン村、アレッポ市ムハンディスィーン第1および第2地区、第46中隊基地一帯を爆撃した。

これに対して、反体制武装集団側は、シャーム解放機構がシャイフ・アリー村近郊でシリア軍の拠点に対して爆弾を積んだ車で自爆攻撃を行った。

また、カフル・ハラブ村、ミズナーズ村一帯でシリア軍への反撃を行った。

なお、シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍の攻勢を受けて、過去24時間の間に住民7万人以上が避難した。

これにより、2019年12月初め以降に発生した国内避難民(IDPs)の数は95万人を記録した。

このうちの52万人が1月半ば以降、さらに35万人が1月24日以降に避難を余儀なくされたという。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がマアーッラト・ナアサーン村、アレッポ市とバーブ・ハワー国境通行所を結ぶ街道の沿線一帯を爆撃した。

また、シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室が、トルコ軍の砲撃支援を受けて、マアーッラト・ナアサーン村一帯でシリア軍と交戦した。

一方、トルコ軍の戦車、装甲車など約350輌からなる増援部隊および特殊部隊がカフルルースィーン村に設置されている国境通行所からシリア国内に数回に分けて入った。

トルコ軍はまた、イドリブ県北のビンニシュ市・トゥウーム村間に新たな拠点を設置した。

これに対して、シリア軍も、戦車、軍用車輌など約100輌からなる増援部隊が県南部に派遣した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を22件(イドリブ県8件、ラタキア県9件、アレッポ県3件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を5件(イドリブ県3件、ラタキア県0件、アレッポ県2件、ハマー県0件)確認した。

AFP, February 12, 2020、ANHA, February 12, 2020、AP, February 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 12, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 12, 2020、Reuters, February 12, 2020、SANA, February 12, 2020、SOHR, February 12, 2020、UPI, February 12, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民695人と国内避難民(IDPs)2人が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は550,264人、2019年以降帰還したIDPsは49,962人に(2020年2月12日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月12日付)を公開し、2月11日に難民695人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは307人(うち女性92人、子供157人)、ヨルダンから帰国したのは388人(うち女性116人、子供198人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は550,264人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者173,844人(うち女性52,547人、子ども88,956人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者376,420人(うち女性112,970人、子ども191,966人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,569,742人(うち女性1,970,923人、子供3,350,568人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 779,544人(うち女性234,175人、子供397,844人)となった。

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一方、国内避難民2人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは2人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した2人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は49,962人(うち女性16,283人、子供21,666人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,318,558人(うち女性398,842人、子供665,432人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 12, 2020をもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領「明日、イドリブ県で我々がとるであろうステップを発表する」(2020年2月11日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、フアド・エクタイ副首相、メヴリュト・チャヴシュオール外務大臣、フルシ・アカル国防大臣、ヤシャル・ギュレル参謀総長、ハカン・フィダン国家諜報機構(MİT)長官と首都アンカラで安全保障会議を開き、イドリブ県での戦況への対応について協議した。

アナトリア通信(2月11日付)などが伝えたところによると、会合ではイドリブ県、アレッポ県に展開するトルコ軍に対するシリア軍の攻撃が繰り返された場合、断固として対抗するとともに、緊張緩和地帯での戦闘阻止、国境地帯の安全確保、難民流入と人道危機発生阻止のためにシリア領内での部隊駐留を継続することが確認された。

エルドアン大統領は「シリア政府はイドリブ県でトルコ軍兵士を攻撃したことの大きな代償を支払うことになる…。我々はシリア側に最大級の報復を実行した。イドリブ県でも同じく実行した。だが、これで充分だとは思っていない。我々は報復を継続する」としたうえで、「明日、我々がとるであろうステップを発表する」と述べた。

AFP, February 11, 2020、Anadolu Ajansı, February 11, 2020、ANHA, February 11, 2020、AP, February 11, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 11, 2020、Reuters, February 11, 2020、SANA, February 11, 2020、SOHR, February 11, 2020、UPI, February 11, 2020などをもとに作成。

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ジェフリー米国務省シリア問題担当特使がイドリブ県の戦況への対応を協議するためトルコに派遣される(2020年2月11日)

アナトリア通信(2月11日付)によると、ジェームズ・ジェフリー米国務省シリア問題担当特使が、イドリブ県の戦況への対応についてトルコ側と協議するため、トルコの首都アンカラに派遣された。

アンカラに到着したジェフリー特使は、シリア軍の攻撃を厳しく非難するとともに、同盟国であるトルコと密に連絡を取り続けると強調、「私はトルコ政府とともに現状を評価するためにアンカラにやって来た。我々はトルコを最大限支援したい。なぜなら、トルコ軍は米国の同盟者であり、イドリブ県で体制(シリア)とロシアがもたらす危機に直面しているからだ」と述べた。

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マイク・ポンペオ米国務長官は報道向け声明を出し、イドリブ県でのシリア軍の攻撃で死亡したトルコ軍兵士の遺族に弔意を示した。

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NATO(北大西洋条約機構)のヤンス・ストルテンベルグ事務総長はブリュッセルで予定されている加盟国国防大臣会合に先立って、シリア情勢について言及、「イドリブ県での攻撃を非難する。アサド体制とロシアに攻撃を停止するよう至急呼びかけたい」と述べた。

一方、ケイ・ベイリー・ハッチソン米NATO常駐代表は「我々はトルコがシリアで行っている措置すべてに同意はしていないが、ロシアによって支援されたシリアによるこの攻撃は限度を超えている」と非難、「我々はこの事態においてトルコを支援することを断固たる意志をもって検討している・我々はロシアにアサドへの支援を止め、シリアでの和平合意に向けて前進する可能性を創り出すよう求める」と述べた。

AFP, February 11, 2020、Anadolu Ajansı, February 11, 2020、ANHA, February 11, 2020、AP, February 11, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 11, 2020、Reuters, February 11, 2020、SANA, February 11, 2020、SOHR, February 11, 2020、UPI, February 11, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍はハサカ県タッル・タムル町近郊を激しく砲撃(2020年2月11日)

ハサカ県では、SANA(2月11日付)、ANHA(2月11日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がマーリキーヤ(ダイリーク)市近郊のスッカリーヤ村に反体制武装集団メンバー数十人を移送、タッル・タムル町近郊のルバイア村、ムジャイビラト・シャッラービーン村、ウンム・ハイル村、トゥワイラ村、ダルダーラ村を砲撃した。

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ラッカ県では、ANHA(2月11日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・アブヤド市近郊のカズアリー村を砲撃した。

AFP, February 11, 2020、ANHA, February 11, 2020、AP, February 11, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 11, 2020、Reuters, February 11, 2020、SANA, February 11, 2020、SOHR, February 11, 2020、UPI, February 11, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍はイドリブ県でシリア軍ヘリコプターを撃墜、アル=カーイダを砲撃支援、対するシリア軍はM5高速道路全線を掌握、イドリブ県バーブ・ハワー国境通行所に至る街道を寸断、ロシア軍もトルコ軍部隊を爆撃(2020年2月11日)

イドリブ県では、SANA(2月11日付)によると、シリア軍ヘリコプター1機が午前11時30分頃、ナイラブ村およびクマイナース村上空で地対空ミサイルを被弾し墜落、乗組員1人が死亡した。

https://youtu.be/uPsvsB0QFJQ

シリア軍ヘリコプターを撃墜したのはトルコ軍で、シリア人権監視団によると、死者は操縦士2人(大佐と大尉)、「樽爆弾」を投下する爆撃手1人の合わせて3人。

また、シリア人権監視団によると、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構、トルコが後援する国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室が、トルコ軍の砲撃支援を受けて、M4高速道路沿線に位置するナイラブ村に侵攻、シリア軍との戦闘の末、11日午後に同地を制圧した。

これに対して、シリア軍は反撃し、これを奪還した。

一方、シリア軍は早朝にシャイフ・ダーミス村に進攻し、「決戦」作戦司令室との戦闘の末に同地を一時制圧したが、「決戦」作戦司令室はほどなくこれを奪還、シリア軍兵士1人を捕捉した。

また、ロシア軍戦闘機は、トルコ軍と「決戦」作戦司令室が攻勢を強めるナイラブ村一帯やトルコ軍が展開するクマイナース村などM4高速道路沿線一帯を爆撃した。

この爆撃でが死傷が出て、トルコ軍ヘリコプターが負傷者を搬送した。

死傷者がトルコ軍兵士なのか、「決戦」作戦司令室の戦闘員なのかは不明。

シリア軍戦闘機もカフルナブル市、クマイナース村一帯、ビンニシュ市、カファルヤー町、フーア市、イドリブ市、サルミーン市を爆撃、ヘリコプターも同地などに「樽爆弾」を投下した。

このうち、イドリブ市に対する爆撃は、工業地区、ジャラー地区に対して行われ、子ども6人を含む12人が死亡、少なくとも32人が負傷した。

なお、トルコ国防省はイドリブ県での戦闘に関して声明を出し、シリア軍兵士51人、戦車2輌、対空砲1基、武器庫1棟を無力化したと発表した。

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アレッポ県では、SANA(2月11日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構などからなる反体制武装集団に対する攻撃の末、ハーン・アサル村、アレッポ市西部郊外のラーシディーン第4地区を制圧した。

これに関して、シリア人権監視団は、シリア軍が2012年以来初めて、M5高速道路全線を奪還したと発表した。

同監視団によると、シリア軍はまた、アレッポ市とイドリブ県のバーブ・ハワー国境通行所を結ぶ街道を寸断することに成功した。

バーブ・ハワー国境通行所は、国連安保理決議第2504号(2020年1月11日)でバーブ・サラーマ国境通行所とともに、クロスボーダーでの人道支援が認められている通行所。

一方、ロシア軍戦闘機は、イッビーン村方面に向かおうとしていたトルコ軍の車列を爆撃した。

ロシア軍戦闘機はまた、トルコ軍が拠点を設置したアレッポ市西部郊外にある第46中隊基地、アターリブ市、アブザムー町、アウラム・クブラー町、マンスーラ村、カフルハムラ村、カフル・ヌーラーン村一帯に対しても爆撃を加えた。

これに対して、トルコ軍部隊は、アターリブ市とジーナ村を結ぶ街道に新たな拠点を設置した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がクルド山を爆撃した。

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シリア人権監視団によると、トルコ軍の戦車、大型トレーラーなど200輌以上からなる増援部隊がイドリブ県カフルルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに入り、M4高速道路沿線やアレッポ県イッビーン村方面に向かった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を27件(イドリブ県15件、ラタキア県8件、アレッポ県2件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を2件(イドリブ県0件、ラタキア県0件、アレッポ県2件、ハマー県0件)確認した。

AFP, February 11, 2020、ANHA, February 11, 2020、AP, February 11, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 11, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 11, 2020、Reuters, February 11, 2020、SANA, February 11, 2020、SOHR, February 11, 2020、UPI, February 11, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民634人と国内避難民(IDPs)3人が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は549,569人、2019年以降帰還したIDPsは49,960人に(2020年2月11日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月11日付)を公開し、2月10日に難民836人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは202人(うち女性60人、子供103人)、ヨルダンから帰国したのは634人(うち女性190人、子供323人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は549,569人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者173,537人(うち女性52,455人、子ども88,799人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者376,032人(うち女性112,854人、子ども191,768人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,569,742人(うち女性1,970,923人、子供3,350,568人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 778,849人(うち女性233,967人、子供397,489人)となった。

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一方、国内避難民3人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは3人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した3人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は49,960人(うち女性16,283人、子供21,666人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,318,556人(うち女性398,842人、子供665,432人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 11, 2020をもとに作成。

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トルコ占領下のアフリーン市で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、住民3人死亡(2020年2月10日)

アレッポ県では、SANA(2月10日付)によると、トルコ占領下のアフリーン市で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、住民3人が死亡した。

一方、ANHA(2月10日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・マラーシュ村、シャワーリガ村、シャワーリガ砦、マルアナーズ村、マーリキーヤ村、イルシャーディーヤ村、アルカミーヤ村、カフル・アントワーン村、ファイサル穀物粉砕工場、ハルバル村を砲撃した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍がダルバースィーヤ市一帯の国境地帯でパトロールを実施した。

トルコ軍は参加しなかった。

AFP, February 10, 2020、ANHA, February 10, 2020、AP, February 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 10, 2020、Reuters, February 10, 2020、SANA, February 10, 2020、SOHR, February 10, 2020、UPI, February 10, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県タフタナーズ航空基地へのシリア軍の砲撃でトルコ軍兵士5人死亡、アレッポ県アターリブ市近郊での車列に対する爆撃でトルコ軍兵士多数負傷、トルコ軍はイドリブ県に対する軍事作戦を準備するも延期(2020年2月10日)

トルコ国防省は、トルコ軍部隊が新たに拠点を設置したイドリブ県タフタナーズ航空基地およびその一帯がシリア軍の砲撃を受け、兵士5人が死亡したと発表した。

シリア軍の砲撃に対して、トルコ軍は応戦し、政権側の標的115カ所を攻撃、戦車などを破壊し101人を殺害したと主張した。

ロイター通信(2月10日付)が伝えた。

シリア人権監視団によると、トルコ軍兵士の死者は6人。そのほか反体制武装集団戦闘員4人も死亡したという。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がアターリブ市近郊を移動中のトルコ軍の車列を爆撃し、トルコ軍兵士多数が負傷した。

トルコ軍がアレッポ市西部郊外の第46中隊基地に新たに展開した。

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スプートニク・ニュース(2月10日付)は、トルコ国防省の軍事筋から得た情報だとして、トルコ軍がイドリブ県内でシリア軍に対する軍事作戦を準備していると伝えた。

しかし、作戦実施の最終決定は下されていないという。

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一方、ドゥラル・シャーミーヤ(2月10日付)は、トルコ軍司令部が、イドリブ県での軍事作戦の延期を決定したと伝えた。

同サイトによると、作戦は「平和の支え」と名づけられ、緊張緩和地帯内のシリア政府支配地域に対して実施される予定だったが、8日のアンカラで行われたセルゲイ・ヴェルシネン外務副大臣を代表とするロシアの軍・諜報機関高官からなる使節団とセダト・オナル外務副大臣を代表とするトルコの軍・治安機関高官の会談を受けて、延期が決定されたという。

AFP, February 10, 2020、ANHA, February 10, 2020、AP, February 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 10, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 10, 2020、Reuters, February 10, 2020、SANA, February 10, 2020、SOHR, February 10, 2020、UPI, February 10, 2020などをもとに作成。

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アレッポ県・イドリブ県へのシリア・ロシア軍の爆撃で住民16人市死亡、シリア軍はアレッポ県の複数カ村を新たに制圧(2020年2月10日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍がイッビーン村、アターリブ市を爆撃し、イッビーン村では子ども6人と女性2人を含む9人が、アターリブ市では子ども1人を含む3人が死亡した。

また、シリア軍ヘリコプターがイッビーン村を「樽爆弾」で爆撃し、住民3人が死亡した。

さらにシリア軍戦闘機が、カフル・ハラブ村、カフル・ヌーラーン村、M5高速道路沿線一帯を爆撃した。

これに対し、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団はミーズナーズ村近郊のシリア軍拠点に対して、爆弾を積んだ車で攻撃を行い、シリア軍兵士7人を殺害した。

一方、SANA(2月10日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構などからなる反体制武装集団との戦闘の末、カフル・ハラブ村、カナーティル村、カマーリー村を新たに制圧した。

シリア人権監視団によると、シリア軍はまたカフル・ヌーラーン村、ヒルバト・ジャルラーヤー村を制圧した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がカフル・アルーク村にある国内避難民(IDPs)キャンプを爆撃し、子ども1人が死亡した。

ロシア軍戦闘機はこのほかにも、イドリブ市西部一帯、サルミーン市一帯、カフルナブル市を爆撃した。

またシリア軍戦闘機も、マアーッラト・ナアサーン村、シャラフ村を爆撃した。

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シリア人権監視団によると、一連の戦闘でシリア軍兵士19人、反体制武装集団戦闘員18人が死亡した。

これにより、1月24日以降の戦闘による死者数はシリア軍兵士445人、反体制武装集団493人となった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を21件(イドリブ県6件、ラタキア県12件、アレッポ県1件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を11件(イドリブ県8件、ラタキア県0件、アレッポ県3件、ハマー県0件)確認した。

AFP, February 10, 2020、ANHA, February 10, 2020、AP, February 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 10, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 10, 2020、Reuters, February 10, 2020、SANA, February 10, 2020、SOHR, February 10, 2020、UPI, February 10, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民622人と国内避難民(IDPs)1,448人が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は548,733人、2019年以降帰還したIDPsは49,957人に(2020年2月10日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月10日付)を公開し、2月9日に難民622人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは157人(うち女性47人、子供80人)、ヨルダンから帰国したのは465人(うち女性140人、子供237人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は548,733人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者173,335人(うち女性52,395人、子ども88,696人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者375,398人(うち女性112,664人、子ども191,445人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,569,742人(うち女性1,970,923人、子供3,350,568人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 778,013人(うち女性233,717人、子供397,063人)となった。

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一方、国内避難民1,448人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは1,448人(うち女性543人、子ども586人)、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は49,957人(うち女性16,283人、子供21,666人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,318,553人(うち女性398,842人、子供665,432人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 10, 2020をもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・アブヤド市近郊を砲撃(2020年2月9日)

ラッカ県では、ANHA(2月9日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・アブヤド市近郊のスライブ村を砲撃した。

AFP, February 9, 2020、ANHA, February 9, 2020、AP, February 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 9, 2020、Reuters, February 9, 2020、SANA, February 9, 2020、SOHR, February 9, 2020、UPI, February 9, 2020などをもとに作成。

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シリア・ロシア軍はアレッポ県、イドリブ県への爆撃・砲撃を再開し、住民多数が死傷、トルコ軍はM4高速道路沿線に新たな拠点を設置(2020年2月9日)

アレッポ県では、SANA(2月9日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と戦闘の末、M5高速道路西のバウワービーヤ村、カスィービーヤ村、タッル・ハディーヤ村、ズィルバ村、バルクーム村、ICARDA地区を制圧した。

ICARDA地区についてはシリア人権監視団が8日にシリア軍によって制圧されたと発表していた。


一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がカフル・ヌーラーン村、シャイフ・アリー村、アウラム・クブラー町を爆撃し、カフルヌーラーン村では女性1人を含む2人が、シャイフ・アリー村では2人が、アウラム・クブラー町では3人が死亡した。

ロシア軍戦闘機はまた、カフル・ハラブ村、アターリブ市、ズィルバ村、第46中隊基地、カフルナーハー村一帯、マンスーラ村を爆撃した。

シリア軍もシャイフ・アリー村でヘリコプターから「樽爆弾」を投下し、子ども1人を含む住民4人が死亡した。

シリア軍戦闘機も、ズィルバ村、ハーン・アサル村、M5高速道路沿線一帯を爆撃、ヘリコプターもズィルバ村に「樽爆弾」を投下した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がジスル・シュグール市を砲撃し、住民1人が死亡した。

シリア軍はまた、マルジュ・ズフール村、ズアイニーヤ村、ハムブーシーヤ村、ビダーマー町一帯を砲撃した。

ロシア軍戦闘機も、タフタナーズ市、シャラフ村、マアーッラト・ナアサーン村を爆撃した。

シリア軍戦闘機もタフタナーズ市、マアーッラト・ナアサーン村を投下した。

一方、トルコ軍の装甲車、戦車など約100輌からなる車列が新たにシリア領内に進入し、M4高速道路沿線のクマイナース村に新たな拠点を設置した。

同監視団によると、この1週間でシリア領内に派遣されたトルコ軍の車輌は1,450輌以上、兵員は約6,000人にのぼるという。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を20件(イドリブ県8件、ラタキア県10件、アレッポ県0件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を3件(イドリブ県3件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

AFP, February 9, 2020、ANHA, February 9, 2020、AP, February 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 9, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 9, 2020、Reuters, February 9, 2020、SANA, February 9, 2020、SOHR, February 9, 2020、UPI, February 9, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民637人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は548,111人に(2020年2月9日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月9日付)を公開し、2月8日に難民637人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは134人(うち女性40人、子供69人)、ヨルダンから帰国したのは503人(うち女性151人、子供257人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は548,111人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者173,178人(うち女性52,348人、子ども88,616人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者374,933人(うち女性112,524人、子ども191,208人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,569,742人(うち女性1,970,923人、子供3,350,568人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 777,391人(うち女性233,530人、子供396,746人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 9, 2020をもとに作成。

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ロシア・トルコの軍・諜報機関高官がアンカラでイドリブ県情勢への対応を協議するも、具体的な結論に達せず(2020年2月8日)

セルゲイ・ヴェルシネン外務副大臣を代表とするロシアの軍・諜報機関高官からなる使節団がトルコの首都アンカラを訪問し、セダト・オナル外務副大臣を代表とするトルコの軍・治安機関高官と会談、イドリブ県情勢への対応について協議した。

アナトリア通信(2月9日付)によると、会談は3時間に及び、イドリブ県での戦闘収束、政治プロセスの再開の方途について意見を交わし、数週間中に再度会合を持つことを確認したが、具体的な結論には達しなかった。

AFP, February 9, 2020、Anadolu Ajansı, February 9, 2020、ANHA, February 9, 2020、AP, February 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 9, 2020、Reuters, February 9, 2020、SANA, February 9, 2020、SOHR, February 9, 2020、UPI, February 9, 2020などをもとに作成。

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米軍が新たな基地を建設するためシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるハサカ市に車列を派遣(2020年2月8日)

ハサカ県では、ANHA(2月8日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・タムル町近郊のウンム・カイフ村を砲撃した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(2月9日付)が複数の地元筋の話として伝えたところによると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるハサカ市に、米軍の車列が入った。

北・東シリア自治局の支配下にあるハサカ市グワイラーン地区にある人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の施設に新たな基地を設置することが目的だという。

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トルコ国防省は声明を出し、トルコの占領下にあるシリア北東の「平和の泉」地域(ラッカ県タッル・アブヤド市一帯、ハサカ県ラアス・アイン市一帯)で交通事故が発生、トルコ軍兵士5人が死傷したと発表した。

AFP, February 8, 2020、ANHA, February 8, 2020、AP, February 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 8, 2020、Reuters, February 8, 2020、SANA, February 8, 2020、SOHR, February 8, 2020、UPI, February 8, 2020などをもとに作成。

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シリア軍はアレッポ市と首都ダマスカスを結ぶM5高速道路沿線全域の制圧を完了(2020年2月8日)

アレッポ県では、SANA(2月8日付)、シリア人権監視団によると、シリア軍が、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団の撤退を受けて、クースニヤー村、タッル・バージル村、ラスム・サフリージュ村、バーニス村、ラスム・アイス村、シャイフ・アフマド村、アブー・カンサ村、ジュッブ・カース村、ウンム・アトバ村、アイス村、アイス丘、ICARDA地区を制圧した。

これにより、M5高速道路沿線をイドリブ県から北進してきたシリア軍部隊と、アレッポ県の沿線を南進してきたシリア軍部隊が合流、シリア軍はアレッポ市から首都ダマスカスにいたるM5高速道路沿線全域を制圧した。

なお、アイス村にはトルコ軍監視所が設置されていたが、その処遇は不明。

一方、シリア人権監視団によると、トルコ軍の装甲車、戦車などからなる車列が複数回に分けてシリア領内に入り、イドリブ県各所に設置された拠点に向かった。

シリア領内に入った車列は8日だけで625輌以上に達したという。

シリア人権監視団によると、トルコ軍はイドリブ市とアリーハー市を結ぶM4高速道路沿線のバアス前衛キャンプに新たな拠点を設置したという。

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シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍の爆撃は実施されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を20件(イドリブ県6件、ラタキア県11件、アレッポ県0件、ハマー県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を10件(イドリブ県5件、ラタキア県0件、アレッポ県5件、ハマー県0件)確認した。

AFP, February 8, 2020、ANHA, February 8, 2020、AP, February 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 8, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 8, 2020、Reuters, February 8, 2020、SANA, February 8, 2020、SOHR, February 8, 2020、UPI, February 8, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民778人と国内避難民(IDPs)5人が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は547,474人、2019年以降帰還したIDPsは48,509人に(2020年2月8日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月8日付)を公開し、2月7日に難民778人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは211人(うち女性63人、子供108人)、ヨルダンから帰国したのは567人(うち女性170人、子供289人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は547,474人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者173,044人(うち女性52,308人、子ども88,547人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者374,430人(うち女性112,373人、子ども190,951人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,569,742人(うち女性1,970,923人、子供3,350,568人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 776,754人(うち女性233,339人、子供396,420人)となった。

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一方、国内避難民5人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは5人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した5人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は48,509人(うち女性15,740人、子供21,080人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,317,105人(うち女性398,299人、子供664,846人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 8, 2020をもとに作成。

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ロシア国防省報道官は、6日のイスラエル軍のシリア爆撃にロシアの民間航空機が巻き込まれそうになっていたと発表(2020年2月7日)

ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官は、6日のイスラエル軍によるシリア領内への爆撃(ミサイル攻撃)にロシアの民間航空機1機が巻き込まれそうになっていたと発表した。

コナシェンコフ報道官によると、6日未明にイスラエル軍のF-16戦闘機4機がシリア領空の外からダマスカス郊外県にあるシリア軍の拠点複数カ所に対してミサイル8発を発射、シリア軍防空部隊がこれを迎撃した。

イスラエル軍のミサイル攻撃は、ダマスカス国際空港の拠点複数カ所におよんだが、このとき、イランの首都テヘランを離陸したロシアの旅客機ボーイング320が172人を乗せて着陸態勢に入っていた。

ダマスカス国際空港の自動管制システムが作動することで、この旅客機は戦闘地域から退避させられ、シリア駐留ロシア軍司令部が設置されているラタキア県のフマイミーム航空基地、すなわちバースィル・アサド国際空港に緊急着陸、事なきを得たという。

AFP, February 7, 2020、ANHA, February 7, 2020、AP, February 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 7, 2020、Reuters, February 7, 2020、SANA, February 7, 2020、SOHR, February 7, 2020、UPI, February 7, 2020などをもとに作成。

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ハサカ県でのトルコ軍・国民軍の戦闘でシリア民主軍傘下のタッル・タムル軍事評議会の戦闘員6人死亡(2020年2月7日)

ハサカ県では、ANHA(2月7日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・タムル町一帯で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍傘下のタッル・タムル軍事評議会と交戦、タッル・タムル軍事評議会側の戦闘員6人が死亡した。

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ラッカ県では、ANHA(2月7日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・アブヤド市近郊のビールカヌー村、カズアリー村、クーバルラク村を砲撃した。

AFP, February 7, 2020、ANHA, February 7, 2020、AP, February 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 7, 2020、Reuters, February 7, 2020、SANA, February 7, 2020、SOHR, February 7, 2020、UPI, February 7, 2020などをもとに作成。

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シリア軍はイドリブ県とアレッポ県の4カ村を制圧しM5高速道路沿線で支配地を拡大、トルコ軍は移動式軍事用レーダーをシリア領内に投入(2020年2月7日)

アレッポ県では、SANA(2月7日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構などからなる反体制武装集団との戦闘の末、県南部のズィーターン村、バルナ村を制圧した。

一方、シリア人権監視団によると、これにより、シリア軍はアレッポ県内のM5高速道路の沿線全域を制圧した。

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イドリブ県では、SANA(2月7日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室との戦闘の末、マハーリーム村、タッル・カラーティーン村を制圧した。

一方、シリア人権監視団によると、トルコ軍の装甲車、戦車、そして移動式軍用レーダーなど約100輌からなる車列が、カフルルースィーン村からシリア領内に新たに進入した。

なお、トルコ軍はイドリブ市東、サルミーン市西に新たな拠点を設置した。

トルコ軍が移動式軍用レーダーを投入するのは初めて。

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なお、シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍による爆撃、シリア軍による砲撃は実施されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を25件(イドリブ県6件、ラタキア県11件、アレッポ県0件、ハマー県8件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を4件(イドリブ県4件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

AFP, February 7, 2020、ANHA, February 7, 2020、AP, February 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 7, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 7, 2020、Reuters, February 7, 2020、SANA, February 7, 2020、SOHR, February 7, 2020、UPI, February 7, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民953人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は546,696人に(2020年2月7日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月7日付)を公開し、2月6日に難民953人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは248人(うち女性75人、子供126人)、ヨルダンから帰国したのは705人(うち女性212人、子供360人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は546,696人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者172,833人(うち女性52,245人、子ども88,439人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者373,863人(うち女性112,203人、子ども190,662人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,569,742人(うち女性1,970,923人、子供3,350,568人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 775,976人(うち女性233,106人、子供396,023人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 7, 2020をもとに作成。

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イスラエル軍がシリア領内を爆撃するのと合わせて、トルコ軍がシリアに侵入、シリア軍はイスラエル軍を迎撃する一方、トルコ軍が新たに設置した監視所を爆撃(2020年2月6日)

シリア軍武装部隊総司令部は声明を出し、6日午前2時、イスラエル軍がシリア領空を侵犯、これと前後して、トルコ軍の車列が「オールナル」(Oglinar)地区からに侵入したと発表した。

トルコ軍の車列はその後、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構などの反体制武装集団を支援し、シリア軍の進行を阻止、武装集団支配下の住民を「人間の盾」とするため、ビンニシュ市、マアッラトミスリーン市、タフタナーズ市の前線に展開した。

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これに関して、SANA(2月6日付)はシリア軍筋の話として、イスラエル軍戦闘機複数機が占領下ゴラン高原上空およびレバノン南部を侵犯し、ダマスカス県郊外県やダルアー県に向けて多数のミサイルを発射、シリア軍防空部隊が迎撃し、そのほとんどを撃破したと伝えた。

ミサイル攻撃を受けたのは、ダマスカス郊外県のキスワ市、マルジュ・スルターン村、バグダード橋(スナーヤー村)、ダルアー県イズラア市南部。

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一方、シリア人権監視団は、イスラエル軍の爆撃はダマスカス郊外県キスワ市近郊の第91旅団基地、ムカイラビーヤ市近郊の第75旅団基地、ダルアー県イズラア市近郊南部にある農業用の空港を標的とし、拠点1カ所で火災が発生し、「イランの民兵」少なくとも15人(うちシリア人5人、イラン人3人)が死亡した、と発表した。

また、シリア人権監視団も、トルコ軍の戦車、装甲車など約50輌からなる車列がシリア領内に侵入したと発表し、タフタナーズ航空基地の敷地内に新たな拠点を設置した。

これに対して、シリア軍はタフタナーズ航空基地を爆撃し、対抗した。

AFP, February 6, 2020、ANHA, February 6, 2020、AP, February 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 6, 2020、Reuters, February 6, 2020、SANA, February 6, 2020、SOHR, February 6, 2020、UPI, February 6, 2020などをもとに作成。

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米軍車輌55輌がシリア領内に入る一方、トルコ軍は北東部でのロシア軍との合同パトロールを拒否(2020年2月6日)

ハサカ県では、SANA(2月6日付)によると、米軍の貨物車輌、四輪駆動車など55輌からなる車列が、イラクとの国境に違法に設置されているスィーマルカー国境通行所からシリア領内に入った。

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一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍がダルバースィーヤ市近郊に設置されているシーリーク国境通行所で、合同パトロールを実施するためにトルコ軍部隊の車列を待ったが、トルコ軍はこれを拒否、ロシア軍は単独でダルバースィーヤ市一帯でのパトロールを実施した。

AFP, February 6, 2020、ANHA, February 6, 2020、AP, February 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 6, 2020、Reuters, February 6, 2020、SANA, February 6, 2020、SOHR, February 6, 2020、UPI, February 6, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍はアレッポ県北部のシリア政府支配地を砲撃、シリア軍と交戦(2020年2月6日)

アレッポ県では、ANHA(2月6日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府の支配下にあるヌッブル市、ザフラー町を砲撃した。

トルコ軍と国民軍はまた、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のダイル・ジャマール村、シャワーリガ村、シャワーリガ砦、マルアナーズ村、マーリキーヤ村、シャフバー・ダム、タッル・マディーク村を砲撃した。

これに関して、シリア人権監視団は、シリア軍と国民軍がバザーア村一帯で激しく交戦したと発表した。

一方、アフリーン解放軍団は声明を出し、2月4日にシャッラー村近郊のマリーミーン村で反体制武装集団の拠点を攻撃、また5日にはマーリア市で武装集団を攻撃し、戦闘員2人を殺害した。

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ハサカ県では、SANA(2月6日付)によると、タッル・タムル町の「20/66/KF」変電所がトルコ軍が砲撃によって利用不能となった。

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ラッカ県では、ANHA(2月6日付)によると、トルコの「平和の泉」作戦に伴う国内避難民(IDPs)を収容しているアイン・イーサー市のキャンプで爆発が発生し、住民2人が負傷した。

またタッル・アブヤド市近郊のカズアリー村に対して、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が砲撃を行った。

AFP, February 6, 2020、ANHA, February 6, 2020、AP, February 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 6, 2020、Reuters, February 6, 2020、SANA, February 6, 2020、SOHR, February 6, 2020、UPI, February 6, 2020などをもとに作成。

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シリア軍がサラーキブ市を制圧、ロシア・シリア軍の爆撃で住民多数死亡、トルコの砲撃支援を受けるアル=カーイダが反撃(2020年2月6日)

イドリブ県では、SANA(2月6日付)によると、シリア軍地上部隊がサラーキブ市内に突入し、市内で地雷や爆発物の撤去作業を開始した。

これに関して、シリア人権監視団は、シリア軍地上部隊がイドリブ市内に入り、2011年の「アラブの春」は旧以来初めて同市を完全制圧したと発表した。

一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がイドリブ市を爆撃し、子ども2人を含む住民10人が死亡した。

また、シリア軍戦闘機がタフタナーズ市を爆撃し、子ども1人が死亡した。

両軍の爆撃は、クマイナース村、ナイラブ村一帯、サルミーン市、ムサイビーン村、サラーキブ市一帯、イドリブ市一帯、ビンニシュ市にも及んだ。

シリア軍はさらに地上部隊がイドリブ市を砲撃し、住民1人が死亡した。

これに対して、シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室は、トルコ軍の砲撃支援を受けて、ナイラブ村一帯のシリア軍に対して激しい攻撃を加えた。

ドゥラル・シャーミーヤ(2月6日付)によると、シャーム解放機構は爆弾を積んだ車で自爆攻撃を行い、シリア軍の第1防衛戦と第2防衛戦を突破することに成功したという。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がハイヤーン町を爆撃し、女性1人が死亡した。

ロシア軍はまたシリア軍戦闘機とともに、ズィルバ村、ズィーターン村、ハラサ村、M5高速道路沿線を爆撃した。

シリア軍はさらに、地上部隊がアウラム・クブラー町、アナダーン市を砲撃し、アウラム・クブラー町では女性1人を含む4人が死亡、アナダーン市ではアナダーン医療センターが利用不能となった。

一方、SANA(2月6日付)によると、シリア軍がハラサ村一帯、カルアジーヤ村一帯、アナダーン市、フライターン市で活動を続けるシャーム解放機構などからなる反体制武装集団への砲撃を続けた。

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なお、シリア人権監視団によると、一連の戦闘でシリア軍兵士15人、反体制武装集団戦闘員20人が新たに死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を31件(イドリブ県7件、ラタキア県14件、アレッポ県0件、ハマー県10件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を13件(イドリブ県6件、ラタキア県14件、アレッポ県0件、ハマー県10件)確認した。

AFP, February 6, 2020、ANHA, February 6, 2020、AP, February 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 6, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 6, 2020、Reuters, February 6, 2020、SANA, February 6, 2020、SOHR, February 6, 2020、UPI, February 6, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民885人と国内避難民(IDPs)545,743人が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は1,524人、2019年以降帰還したIDPsは48,504人に(2020年2月6日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月6日付)を公開し、2月5日に難民885人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは186人(うち女性56人、子供95人)、ヨルダンから帰国したのは699人(うち女性210人、子供356人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は545,743人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者172,585人(うち女性52,170人、子ども88,313人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者373,158人(うち女性111,991人、子ども190,302人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,569,742人(うち女性1,970,923人、子供3,350,568人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 775,023人(うち女性232,819人、子供395,537人)となった。

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一方、国内避難民1,524人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは1,524人(うち女性696人、子ども478人)、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は48,504人(うち女性15,740人、子供21,080人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,317,100人(うち女性398,299人、子供664,846人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 6, 2020をもとに作成。

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