トルコのエルドアン大統領「トランプ米大統領は電話会談での約束通り、シリア北東部からの米軍撤退を開始した」(2019年10月7日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はセルビア訪問に先立って行った記者会見で、ドナルド・トランプ米大統領が北・東シリア自治局の支配下にあるシリア北東部からの米軍部隊の撤退を決定し、対トルコ国境地帯の駐留部隊を撤退させたことについて、6日の電話会談でドナルド・トランプ米大統領が約束した通り、米軍のシリア北東部からの撤退が開始されたと述べた。

AFP, October 7, 2019、ANHA, October 7, 2019、AP, October 7, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 7, 2019、Reuters, October 7, 2019、SANA, October 7, 2019、SOHR, October 7, 2019、UPI, October 7, 2019などをもとに作成。

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米国防総省報道官「シリア北部に対するトルコの作戦を是認しないとトルコに明確に伝えた。米軍は作戦を支援しないし、参加もしない」(2019年10月7日)

米国防総省のジョナサン・ホフマン報道官は、「国防総省は、大統領と同様、シリア北部に対するトルコの作戦を是認しないとトルコに明確に伝えた…。国防総省はトルコ軍との対話を通じて、連携と協力が、この地域における安全保障に向けた最善の方途だと一環して強調してきた…。米軍はトルコがシリア北部で実施を決意している作戦に参加も支援もしない」と表明した。

AFP, October 7, 2019、ANHA, October 7, 2019、AP, October 7, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 7, 2019、Reuters, October 7, 2019、SANA, October 7, 2019、SOHR, October 7, 2019、UPI, October 7, 2019などをもとに作成。

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SANAはトルコ軍がYPG主体のシリア民主軍が展開するシリア北東部を爆撃したと伝えるが、シリア人権監視団はこれをフェイクと断じる(2019年10月7日)

SANA(10月7日付)は、ハサカ県の特派員からの情報として、トルコ軍が7日晩、ハサカ県東部とイラク領内を結ぶスィーマルカー国境通行所一帯とマーリキーヤ市近郊のタッル・タウィール村一帯に対して爆撃を行ったと伝え、その映像を公開した。

爆撃が行われた地域には、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の拠点が複数設置されていたという。

これに関して、英国を拠点とするシリア人権監視団は、トルコ軍による爆撃はシリア領内ではなく、イラク領内に対して行われたと発表、SANAの報道がフェイクだと断じた。

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ロイター通信(10月8日付)が、トルコの匿名治安筋から得た情報によると、この爆撃は、スィーマルカー国境通行所にいたるイラク領内の街道がシリア北東部の拠点を強化するための兵站路として利用されるのを阻止することが目的だったという。

AFP, October 7, 2019、ANHA, October 7, 2019、AP, October 7, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 7, 2019、Reuters, October 7, 2019、October 8, 2019、SANA, October 7, 2019、SOHR, October 7, 2019、UPI, October 7, 2019などをもとに作成。

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トランプ米大統領「トルコが限度を超えたことをすれば、その経済を破壊する!」(2019年10月7日)

ドナルド・トランプ米大統領はツイッターのアカウント(https://twitter.com/realDonaldTrump/)で、「トルコが限度を超えたことをすれば、その経済を破壊する」と綴った。

ツイッターの書き込みは以下の通り:

「前にも言った通り、繰り返しになるが、私が自らの大で比類ない知恵をもって、限度を超えていると考えるようなことをトルコがすれば、トルコの経済を完全に破壊するだろう(前にもそうした!) 彼らは欧州などとともに見守れねばならない…」。

「…捕らえられているISIS(ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員と家族をだ。米国は誰もが期待していなかったようなことをやった。ISISのカリフ国を100%捕獲することも含めてだ。この地域の裕福な別の誰かが自分たちの領土を守る時が来た。米国は偉大だ!」。

AFP, October 7, 2019、ANHA, October 7, 2019、AP, October 7, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 7, 2019、Reuters, October 7, 2019、SANA, October 7, 2019、SOHR, October 7, 2019、UPI, October 7, 2019などをもとに作成。

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フランス外務省はシリア北東部国境地帯からの米軍撤退に踏み切ったトランプ大統領の決定を批判(2019年10月7日)

フランス外務省は声明を出し、ドナルド・トランプ米大統領が北・東シリア自治局の支配下にあるシリア北東部からの米軍部隊の撤退を決定し、対トルコ国境地帯の駐留部隊を撤退させたことに関して、「いかなる一方的な行為も人道危機と失望をもたらし、難民が安全且つ自発的に帰還するのに必要な状況を作り出さない」と表明し、シリア北東部への侵攻を企図するトルコを牽制した。

フランス外務省はまた「拘束されているテロリストは、外国籍を持つ者も含めて、彼らが罪を犯した場所で裁かれねばならない…。彼らがテロ集団の隊列を強化するのを阻止するため、シリア北東部で彼らを拘置することが治安上の必要である」と強調した。

AFP, October 7, 2019、ANHA, October 7, 2019、AP, October 7, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 7, 2019、Reuters, October 7, 2019、SANA, October 7, 2019、SOHR, October 7, 2019、UPI, October 7, 2019などをもとに作成。

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マクガーク米大統領特使はシリア北東部国境地帯からの米軍撤退に踏み切ったトランプ大統領の決定を批判(2019年10月7日)

ブレット・マクガーク米大統領特使はツイッターのアカウント(https://twitter.com/brett_mcgurk/)で、ドナルド・トランプ米大統領が北・東シリア自治局の支配下にあるシリア北東部からの米軍部隊の撤退を決定し、対トルコ国境地帯の駐留部隊を撤退させたことに異議を唱える書き込みを連投した。

マクガーク特使は「トルコがシリア北東部に進入すれば、シリア民主軍を粉砕し、かつてのダーイシュの拠点が奪われ、ダーイシュ・メンバーを拘置している刑務所施設が破棄され、米軍部隊が小規模なまま駐留し続けることを不可能とする」、「これは戦争と平和、生と死にかかわる問題だ。我が国の軍高官、友好国、同盟国は決定が下される前に、慎重になるべきだ…。常軌を逸した揺れは、モスクワ、北京、テヘランにいる忍耐強い敵どもに利する」などと批判した。

AFP, October 7, 2019、ANHA, October 7, 2019、AP, October 7, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 7, 2019、Reuters, October 7, 2019、SANA, October 7, 2019、SOHR, October 7, 2019、UPI, October 7, 2019などをもとに作成。

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シリア北東部の国境地帯から米軍撤退、放棄された基地の写真が公開される(2019年10月7日)

ANHA(10月7日付)は、北・東シリア自治局の支配下にあるハサカ県(いわゆるジャズィーラ地方ハサカ地区)、ラッカ県タッル・アブヤド市一帯(ユーフラテス地域)の対トルコ国境地帯から米主導の有志連合が撤退を開始したと伝え、映像や写真を公開した。

同サイトはまた、ラアス・アイン(スィリー・カーニヤ)市の西約10キロの場所に位置するタッル・アルカム村にある有志連合の基地から、米軍部隊が完全に放棄したと伝え、写真を公開した。

ザマーン・ワスル(10月7日付)も、米軍がタッル・アブヤド市から撤退したとしたうえで、放棄された米軍基地の航空写真を掲載した。


ドゥラル・シャーミーヤ(10月7日付)も、米軍がトルコ国境地帯から撤退したと伝えた。

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ドゥラル・シャーミーヤ(10月7日付)は複数の地元情報筋の話として、トルコ軍の侵攻が予想されるハサカ県ラアス・アイン市、ラッカ県タッル・アブヤド市などトルコ国境に近い都市の住民数十世帯が北・東シリア自治局支配地域を南に向かって避難したと伝えた。

避難した住民のなかには人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のメンバーやその家族だという。

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スマート・ニュース(10月7日付)によると、タッル・アブヤド市で活動を続けてきた「国境なき医師団」の医療スタッフが同地から撤収した。

AFP, October 7, 2019、ANHA, October 7, 2019、AP, October 7, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 7, 2019、Reuters, October 7, 2019、SANA, October 7, 2019、SOHR, October 7, 2019、UPI, October 7, 2019などをもとに作成。

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シリア北東部国境地帯からの撤退表明にもかかわらず、米国は北・東シリア自治局支配地域に80輌からなる車列を派遣(2019年10月7日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、貨物車輌など約80輌からなる米主導の有志連合の車列が、ティグリス川のスィーマルカー国境通行所を通じてイラクからハサカ県の北・東シリア自治局支配地域に入った。

https://www.facebook.com/syriahro/videos/435528837314001/

米ホワイト・ハウスは6日、ドナルド・トランプ大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の電話会談を受けるかたちで声明を出し、「トルコはまもなくシリア北部で長らく計画してきた作戦を推し進めるだろう。米軍はこの作戦を支援することも、参加することもない…。ダーイシュを敗北させた米軍は隣接地域(国境地帯のこと)にはいない」と表明し、トルコ軍が計画しているシリア北東部への侵攻作戦に不快感を示しつつ、トルコとの国境地帯から撤退する意思を表明した。

AFP, October 7, 2019、ANHA, October 7, 2019、AP, October 7, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 7, 2019、Reuters, October 7, 2019、SANA, October 7, 2019、SOHR, October 7, 2019、UPI, October 7, 2019などをもとに作成。

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トルコ占領下のアレッポ県ラーイー村、アアザーズ市で相次いで爆発が発生し、20人以上が負傷(2019年10月7日)

アレッポ県では、ANHA(10月7日付)によると、トルコの占領下にあるラーイー村でオートバイに仕掛けられていた爆弾が爆発した。

爆発は反体制武装集団の車輌を狙ったもので、戦闘員2人が負傷した。

またその直後、今度はアアザーズ市内でも同様の爆発が起き、反体制武装集団戦闘員1人を含む10人が負傷した。

一方、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のバイナ村を、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が砲撃した。

このほか、アフリーン解放軍団が声明を出し、10月2日と4日にトルコ占領下のマーリア市近郊とバーブ市近郊のトゥワイス村近くでトルコ軍の支援を受ける反体制武装集団を攻撃し、戦闘員少なくとも1人を殺害したと発表した。

ANHA(10月7日付)が伝えた。

AFP, October 7, 2019、ANHA, October 7, 2019、AP, October 7, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 7, 2019、Reuters, October 7, 2019、SANA, October 7, 2019、SOHR, October 7, 2019、UPI, October 7, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから387人、ヨルダンから997人の難民が帰国、避難民0人が帰宅(2019年10月7日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(10月7日付)を公開し、10月6日に難民1,384人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは387人(うち女性117人、子供197人)、ヨルダンから帰国したのは997人(うち女性299人、子供508人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は427,638人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者135,083人(うち女性40,906人、子ども69,191人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者292,555人(うち女性87,806人、子ども149,190人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,655,584人(うち女性1,996,675人、子供3,394,348人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 656,918人(うち女性197,370人、子供335,303人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 7, 2019をもとに作成。

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米ホワイト・ハウスはシリア北東部に対するトルコ軍の侵攻作戦に不快感を示しつつも、国境地帯から撤退する意思を表明(2019年10月6日)

米ホワイト・ハウスは、ドナルド・トランプ大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の電話会談を受けるかたちで声明を出し、「トルコはまもなくシリア北部で長らく計画してきた作戦を推し進めるだろう。米軍はこの作戦を支援することも、参加することもない…。ダーイシュを敗北させた米軍は隣接地域(immediate area、国境地帯のこと)にはいない」と表明し、トルコ軍が計画しているシリア北東部への侵攻作戦に不快感を示しつつ、トルコとの国境地帯から撤退する意思を表明した。

AFP, October 7, 2019、ANHA, October 7, 2019、AP, October 7, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 7, 2019、Reuters, October 7, 2019、SANA, October 7, 2019、SOHR, October 7, 2019、UPI, October 7, 2019などをもとに作成。

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フランスはアサド政権の正統性を認めるための四つの条件を提示、その内容とは?(2019年10月6日)

シャルク・アウサト(10月6日付)は、フランスが欧米諸国に対して、アサド政権の正統性を認める四つの条件を示した文書を回付したと伝えた。

文書の回付は、制憲委員会(憲法委員会)の設置を受けたもので、同紙によると、そこには、2020年に予定されている第3期人民議会選挙、そして2021年の大統領選挙の結果を受け入れるための以下四つの条件が示されているという。

1. 選挙の実施前、実施中、そして実施後に、安全且つ中立的な空気と環境を準備するため、選挙が行われる現場で信頼醸成のための措置を講じること。これによって、充分な治安状況が整い、当事者の権利が完全に保障され、選挙プロセスが信頼を得ることができる。また、停戦や逮捕者釈放も、こうした信頼醸成の措置に含まれる。

2. 難民、国内避難民(IDPs)が投票場に足を運び、投票に参加することを保障すること。また、そのための意識向上キャンペーンが行われること。

3.多元主義に基づく投票が実施されるのにふさわしい法制度が保障されること。とりわけ、12万人に達する難民、IDPsがいるなかで、すべてのシリア人に投票、あるいは立候補できるようにすること。

4. 国連機関が選挙監視を行い、選挙プロセスの中立性を確保すること。具体的には、あらゆる操作を阻止し、選挙準備を万全なものとし、選挙の全プロセスを国連が完全且つ包括的に監視すること。

AFP, October 6, 2019、ANHA, October 6, 2019、AP, October 6, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 6, 2019、Reuters, October 6, 2019、SANA, October 6, 2019、al-Sharq al-Awsat, October 6, 2019、SOHR, October 6, 2019、UPI, October 6, 2019などをもとに作成。

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イランのザリーフ外務大臣はトルコ・シリア政府を仲介する意志を表明、アダナ合意に沿ったシリア軍の国境地帯への展開を主唱(2019年10月6日)

イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣は、シューラー議会(国会)で、北・東シリア自治局支配下のシリア北東部に侵攻しようとするトルコの安全保障上の懸念に理解を示しつつ、シリア軍が国境地帯に展開する必要があると述べた。

ザリーフ外務大臣は「我が国はトルコの安全保障を維持するための唯一の方法がいわゆる「中央軍」の国境地帯への駐留にあると見ている」と述べた。

「中央軍」とはシリア軍のこと。

ザリーフ外務大臣はまた、アダナ合意に従ってシリア軍が北・東シリア自治局の支配地域に展開する必要があることをトルコ側に伝えたうえで、トルコの安全保障を唯一保障するのが、シリアの国土統一であると強調したことを明らかにした。

そのうえで、ザリーフ外務大臣は、イランがトルコ政府とシリア政府を仲介し、国際法に従って、ティグリス・ユーフラテス川の水利など、両国間の問題を解決する用意があると述べた。

AFP, October 6, 2019、ANHA, October 6, 2019、AP, October 6, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 6, 2019、Reuters, October 6, 2019、SANA, October 6, 2019、SOHR, October 6, 2019、UPI, October 6, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍がシリア国境に増派、YPG主体のシリア民主軍、米軍はトルコの侵攻に備える(2019年10月6日)

アナトリア通信(10月6日付)によると、トルコ軍が5日晩、シャンルウルファ県に装甲車、兵員輸送車9輌からなる車列を派遣した。

車列はラッカ県タッル・アブヤド市に面するアクチャカレ郡に配備された。

また、国民解放戦線を統合した国民軍のユースフ・ハンムード報道官(少佐)は、報道向け声明を出し、北・東シリア自治局の支配下にあるシリア北東部の国境地帯にトルコ軍が侵攻した場合、14,000人がこれに参加すると述べた。

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ハサカ県では、アナトリア通信(10月6日付)によると、トルコ国境に面する北・東シリア自治局支配下のラアス・アイン市で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、検問所を強化、国境近くの塹壕内にコンクリート・ブロックを設置するなどの措置を講じた。

これらの措置は、トルコ軍の侵攻に備えるためのもの。

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ラッカ県では、アナトリア通信(10月6日付)によると、米軍部隊がトルコ国境に面するタッル・アブヤド市の国境地帯で単独でパトロール活動を行った。

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トルコ大統領府は声明を出し、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領とドナルド・トランプ米大大統領が電話会談を行い、シリア北東部情勢への対応について意見を交わしたと発表した。

電話会談のなかで、エルドアン大統領は、「安全地帯」の設置が予定されている北東部での米国の軍事治安措置が不十分で、両国の合意が実施されていないとして不快感を示したという。

AFP, October 6, 2019、Anadolu Ajansı, October 6, 2019、ANHA, October 6, 2019、AP, October 6, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 6, 2019、Reuters, October 6, 2019、SANA, October 6, 2019、SOHR, October 6, 2019、UPI, October 6, 2019などをもとに作成。

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米主導の有志連合がYPG主体のシリア民主軍の支援を受けてダイル・ザウル県で空挺作戦を実施し、男性1人を拘束(2019年10月6日)

ダイル・ザウル県では、SANA(10月6日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、米主導の有志連合の支援を受けて、ズィーバーン町のハージム地区で住民多数を拘束した。

これに関して、DPN(10月6日付)は、米主導の有志連合軍ヘリコプターが、シリア民主軍の支援を受けて空挺作戦を実施し、ダーイシュ(イスラーム国)メンバーだとされる男性の自宅を襲撃、この男性を拘束したと伝えた。

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ラッカ県では、SANA(10月6日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、米主導の有志連合の支援を受けて、ラッカ市内の検問所で女性3人を拘束した。

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ハサカ県では、SANA(10月6日付)によると、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるハサカ市内の複数の検問所で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が住民が使用するオートバイ多数を没収した。

オートバイの没収は、北・シリア自治局・シリア民主軍のオートバイ使用・持ち込み禁止令を受けたもの

AFP, October 6, 2019、ANHA, October 6, 2019、AP, October 6, 2019、DPN, October 6, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 6, 2019、Reuters, October 6, 2019、SANA, October 6, 2019、SOHR, October 6, 2019、UPI, October 6, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市を砲撃(2019年10月6日)

アレッポ県では、ANHA(10月6日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市を砲撃した。

AFP, October 6, 2019、ANHA, October 6, 2019、AP, October 6, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 6, 2019、Reuters, October 6, 2019、SANA, October 6, 2019、SOHR, October 6, 2019、UPI, October 6, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから406人、ヨルダンから805人の難民が帰国、避難民0人が帰宅(2019年10月6日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(10月6日付)を公開し、10月5日に難民1,211人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは406人(うち女性122人、子供207人)、ヨルダンから帰国したのは805人(うち女性242人、子供411人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は426,254人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者134,696人(うち女性40,789人、子ども68,994人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者291,558人(うち女性87,507人、子ども148,682人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,655,584人(うち女性1,996,675人、子供3,394,348人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 655,534人(うち女性196,954人、子供334,598人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 6, 2019をもとに作成。

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『ウォールストリート・ジャーナル』:トルコ軍が侵攻したらトランプ大統領は米軍をシリア北東部から撤退させる(2019年10月5日)

米国防総省のショーン・ロバートソン報道官は、「米国はシリア北部での安全保障の仕組みをうまく機能させることに集中している…。なぜならそれが前進するためにもっとも良い道だからだ」としたうええで「トルコが(米国と連携せずに)軍事作戦を行うことは大きな懸念のもととなる。なぜなら、それはシリア北東部における我が国との共通の利益を損ねるからだ」述べた。
フッラ・チャンネル(10月5日付)が伝えた。

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『ウォールストリート・ジャーナル』(10月5日付)は、米政府の複数の高官の話として、ドナルド・トランプ米大統領がトルコによるシリア北東部への軍事侵攻への懸念を強めているとしつつ、トルコが実際に侵攻したら、大統領は衝突を避けるために駐留米軍を撤退させるだろうと伝えた。

AFP, October 5, 2019、ANHA, October 5, 2019、AP, October 5, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 5, 2019、Alhurra, October 5, 2019、Reuters, October 5, 2019、SANA, October 5, 2019、SOHR, October 5, 2019、UPI, October 5, 2019、The Wall Street Journal, October 5, 2019などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領「ユーフラテス川東岸で平和を確立するため、地上・航空作戦を実施する」(2019年10月5日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、シリアのユーフラテス川東岸で「平和を確立」するため、地上・航空作戦を実施する意志を表明した。

エルドアン大統領は「トルコ軍はユーフラテス川東部の前戦線において準備が整っており、これに関して必要な指示を下す」としたうえで、米国に対してクルディスタン労働者党(PKK)がテロ組織なのか否かについての姿勢を明示するよう求めた。


アナトリア通信(10月5日付)が伝えた。

AFP, October 5, 2019、Anadolu Ajansı, October 5, 2019、ANHA, October 5, 2019、AP, October 5, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 5, 2019、Reuters, October 5, 2019、SANA, October 5, 2019、SOHR, October 5, 2019、UPI, October 5, 2019などをもとに作成。

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トルコ占領下のアレッポ県北部各所で相次いで爆発が発生し14人が負傷(2019年10月5日)

アレッポ県では、シリア人権監視団、ANHA(10月5日付)によると、トルコ占領下にあるジャラーブルス市とカッバースィーン村で相次いでオートバイに仕掛けられた爆弾が爆発し、14人が負傷した。


ザマーン・ワスル(10月5日付)によると、ラーイー村近くでも爆発が発生したが、死傷者はなかった。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(10月5日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるマンビジュ市西に位置するウーラーシュリー村近郊で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍とトルコの支援を受ける国民軍が激しく交戦した。

AFP, October 5, 2019、ANHA, October 5, 2019、AP, October 5, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 5, 2019、Reuters, October 5, 2019、SANA, October 5, 2019、SOHR, October 5, 2019、UPI, October 5, 2019、Zaman al-Wasl, October 5, 2019などをもとに作成。

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ロシア軍が22日ぶりにイドリブ県で爆撃を実施し、新興のアル=カーイダ系組織のフッラースディーン機構の戦闘員ら9人を殺害(2019年10月5日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が、県東部のバリーサ村、タッル・アガル村東部にある新興のアル=カーイダ系組織のフッラースディーン機構の拠点を砲撃、少なくとも戦闘員9人(うちフッラースディーン戦闘員は6人)を殺害、8人を負傷させた。

ロシア軍が爆撃を行うのは22日ぶり。
https://hawarnews.com/ar//uploads//2019/10/05/085700_d8b7d98ad8b1d8a7d986-d8b1d988d8b3d98a2156.jpg

また、シリア軍地上部隊がイフスィム町、シャイム・ムスタファー村、ラカーヤー村、トゥラムラー村、カルサア村、ナキール村、カフルサジュナ村、ハザーリーン村を砲撃した。

一方、SANA(10月5日付)によると、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が、アブー・ズフール町に設置されている「人道回廊」への住民の接近阻止を続け、同回廊からシリア政府支配地域に脱出しようとする動きを妨害した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがカッバーナ村一帯を「樽爆弾」で爆撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がガーブ平原のマシャーリーウ地区一帯のシリア軍拠点を砲撃した。

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ダルアー県では、HFL(10月5日付)によると、シリア政府と和解した反体制武装集団の一つの部族軍のフサイン・アワド司令官がキヒール村とタイバ町を結ぶ街道で何者かに殺害された。

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ダイル・ザウル県では、ジュルフ・ニュース(10月5日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がダイル・ザウル氏南東の砂漠地帯でシリア軍の車列を襲撃し、兵士多数が死傷した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を29件(イドリブ県7件、ラタキア県8件、アレッポ県8件、ハマー県6件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を29件(イドリブ県7件、ラタキア県5件、アレッポ県2件、ハマー県6件)確認した。

AFP, October 5, 2019、ANHA, October 5, 2019、AP, October 5, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 5, 2019、HFL, October 5, 2019、Jurf News, October 5, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 5, 2019、Reuters, October 5, 2019、SANA, October 5, 2019、SOHR, October 5, 2019、UPI, October 5, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから365人、ヨルダンから822人の難民が帰国、避難民1人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年10月5日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(10月5日付)を公開し、10月4日に難民1,187人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは365人(うち女性110人、子供186人)、ヨルダンから帰国したのは822人(うち女性247人、子供419人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は425,043人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者134,290人(うち女性40,667人、子ども68,787人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者290,753人(うち女性87,265人、子ども148,271人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,654,208人(うち女性1,996,262人、子供3,393,646人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 654,323人(うち女性196,590人、子供333,980人)となった。

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一方、国内避難民1人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは1人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した1人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は36,194人(うち女性11,213人、子供16,481人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,304,790人(うち女性393,772人、子供660,247人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 5, 2019をもとに作成。

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トルコのチャヴシュオール外務大臣:「トランプ米大統領はシリア北東部から米軍を撤退させると述べた」(2019年10月4日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は「ドナルド・トランプ米大統領は先週、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領に対して「米軍はシリア北東部から撤退させる意思がある」と述べた」と述べた。

『サバフ』(10月4日付)が伝えた。

AFP, October 4, 2019、ANHA, October 4, 2019、AP, October 4, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 4, 2019、Reuters, October 4, 2019、Sabah, October 4, 2019、SANA, October 4, 2019、SOHR, October 4, 2019、UPI, October 4, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊を砲撃(2019年10月4日)

アレッポ県では、ANHA(10月4日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のシャワーリガ村、バイルーニーヤ村を砲撃した。

一方、アフリーン解放軍団が声明を出し9月30日と10月1日にトルコ占領下のアアザーズ市近郊のカフルハーシル村、シーラーワー町近郊のバースィラ村、シャッラー村近郊のアナーキバ村、アフリーン市でトルコ軍や反体制武装集団の拠点、車輌を攻撃し、トルコ軍兵士2人、武装集団戦闘員4人を殺害した、と発表した。

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ラッカ県では、ザマーン・ワスル(10月4日付)によると、タッル・アブヤド市東部の国境地帯で、トルコ・米国の両軍による合同パトロールが実施された。

AFP, October 4, 2019、ANHA, October 4, 2019、AP, October 4, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 4, 2019、Reuters, October 4, 2019、SANA, October 4, 2019、SOHR, October 4, 2019、UPI, October 4, 2019などをもとに作成。

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イドリブ県でシリアのアル=カーイダと共闘していた国民解放戦線が、トルコの要請を受けて、トルコ占領下のアレッポ県北部で活動する国民軍(シリア国民連合暫定内閣国防省指揮下)に統合される(2019年10月4日)

シリア革命反体制勢力国民連立の傘下で活動する暫定内閣のアブドゥッラフマーン・ムスタファー首班は、トルコ南部のシャンルウルファ市で記者会見を開き、国民解放戦線が暫定内閣国防省指揮下の国民軍に統合されたと発表した。

ムスタファー首班は「国民軍の目的は、腐敗、宗派主義、そして独裁からの国土解放であり、我々はイドリブ県、ハマー県、ラタキア県郊外を防衛するためにあらゆる努力を行い…、アサド政権によって掌握されている全土を回復するために行動する」と述べた。

記者会見には、暫定内閣国防大臣のサリーム・イドリーブ氏も同席し、「ユーフラテス川東部に関して、この地域はシリア領であり、崇高なるシリアの領土であるこの地域において闘うことは我々の義務だ」としたうえで、「我々は断固たる決意と力をもって、そしてまたトルコ共和国の同胞の支援をもって、クルディスタン労働者党(PKK)の悪党に代表されるあらゆるテロと闘う」と述べた。

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国民軍は2017年12月30日にシリア革命反体制勢力国民連立傘下の暫定内閣国防省がアレッポ県アアザーズ市の参謀委員会本部での会合で結成を宣言した反体制武装集団の連合体。

会合には、アレッポ県東部および北部で活動するすべての反体制武装集団(「家の者たち」作戦司令室、「ユーフラテスの盾」作戦司令室、ハワール・キリス作戦司令室所属組織)の幹部が参加した。

2017年9月に「ハワール・キリス作戦司令室」が設置した統合司令部がその原型。

統合司令部は「国民軍ブロック」、「スルターン・ムラード・ブロック」、「ナスル・ブロック」の三つに大別され、スルターン・ムラード師団、スルターン・ウスマーン旅団、精鋭軍、北部の鷹旅団、北部旅団、ハムザ旅団、第9師団、第23師団、ジャズィーラ革命家、末裔軍、スルターン・スライマーン・シャー旅団、シャームの鷹旅団、ムウタスィム旅団、特殊任務旅団、シャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍、覚醒師団、東部自由人、第1連隊、第5連隊、アサーラ・ワ・タンミヤ戦線、サマルカンド旅団、ムンタスィル・ビッラー旅団、ムハンマド・ファーティフ旅団、ワッカース旅団、第3旅団が参加していた。

これが、国民軍を構成する三つ軍団、すなわち第1軍団(国民軍)、第2軍団(スルターン・ムラード軍団)、第3軍団(シャーム戦線軍団)となった。

一方、国民解放戦線は2018年5月にイドリブ県で活動するが糾合して結成された武装連合体で、シリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団、アル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動、シャーム解放機構から分離した「穏健な反体制派」のヌールッディーン・ザンキー運動、自由イドリブ軍、第1沿岸師団、第2沿岸師団、第1歩兵師団、第2軍、精鋭軍、ナスル軍、ダーライヤー・イスラーム殉教者旅団、自由旅団、第23師団、殉教者ムハンマド・サッルーム大隊、ジュンキョウシャアリー・バッルー大隊、北部の鷹大隊、殉教者ラビーア・ハムシュー大隊、北部革命家大隊、ムバッシリーン大隊、殉教者フドル・ハムシュー大隊、アンダーン特殊任務大隊、北部の騎士大隊、殉教連隊、殉教者アブー・サルムー・シャッガール大隊、殉教者アフマド・アッルー大隊などからなる。

2019年5月、シリアのアル=カーイダと目されているシャーム解放機構、「穏健な反体制派」として知られていたイッザ軍とともに「必勝」作戦司令室を結成し、イドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北東部でシリア軍と交戦を続けている。

なお、「必勝」の戦いを構成するシャーム解放機構、イッザ軍は国民軍統合には参加しなかった。

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なお、シリア人権監視団、ドゥラル・シャーミーヤ(10月4日付)、スマート・ニュース(10月5日付)によると、国民軍に統合された国民解放戦線は、第4軍団、第5軍団、第6軍団、第7軍団へと改編にされた。

国民解放戦線と国民軍の再編はトルコの要請によるものだという。

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国民解放戦線に所属する武装集団の一つアフラール軍のアブー・サーリフ・タッハーン司令官は、国民解放軍の国民軍への統合に関して、ツイッターのアカウント(https://twitter.com/Abo_Saleh_4)を通じて、シリア軍への徹底抗戦継続への意志を表明した。

https://twitter.com/Abo_Saleh_4/status/1180085087028830208

https://twitter.com/Abo_Saleh_4/status/1180084931554369537

 

AFP, October 4, 2019、ANHA, October 4, 2019、AP, October 4, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 4, 2019、Reuters, October 4, 2019、SANA, October 4, 2019、SMART News, October 4, 2019、SOHR, October 4, 2019、UPI, October 4, 2019、Zaman al-Wasl, October 4, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから388人、ヨルダンから713人の難民が帰国、避難民4人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年10月4日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(10月4日付)を公開し、10月3日に難民1,101人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは388人(うち女性117人、子供198人)、ヨルダンから帰国したのは713人(うち女性214人、子供364人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は423,856人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者133,925人(うち女性40,557人、子ども68,601人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者289,931人(うち女性87,018人、子ども147,852人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,654,208人(うち女性1,996,262人、子供3,393,646人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 653,136人(うち女性196,233人、子供333,375人)となった。

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一方、国内避難民4人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは4人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した4人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は36,193人(うち女性11,213人、子供16,481人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,304,789人(うち女性393,772人、子供660,247人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, October 4, 2019をもとに作成。

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ドゥラル・シャーミーヤ:トルコはアレッポ県北部で活動する国民軍とイドリブ県で活動する国民解放戦線の統合を画策(2019年10月3日)

ドゥラル・シャーミーヤ(10月3日付)は、トルコに近い地元消息筋の情報として、アレッポ県北部のトルコ占領地域(いわゆる「ユーフラテスの盾」地域と「オリーブの枝」地域)で活動を続ける国民軍と、イドリブ県、ハマー県、ラタキア県、アレッポ県で活動を続ける国民解放戦線が近く統合されると伝えた。

統合に向けた動きは、トルコの後援のもとに推し進められていおり、シリアのアル=カーイダと目されているシャーム解放機構は合流しないという。

同消息筋は、統合に要する時間については明言しなかったが、トルコが北・東シリア自治局支配下のシリア北東部国境地帯での軍事作戦を開始しようとする動きがあると伝えられるなかで、「新たな措置の実施は非常に近い」としている。

なお、国民軍と国民解放軍は、いずれもシリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団、アル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動などといった同一の反体制武装集団から構成されている。

AFP, October 3, 2019、ANHA, October 3, 2019、AP, October 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 3, 2019、Reuters, October 3, 2019、SANA, October 3, 2019、SOHR, October 3, 2019、UPI, October 3, 2019などをもとに作成。

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ロシアのプーチン大統領「シリア国内での大規模な軍事行動は終わった」(2019年10月3日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、ヴァルダイ国際討論クラブでの年次全体会議で「シリア国内での大規模な軍事行動は終わった」と述べた。


RT(10月3日付)が伝えたところによると、プーチン大統領はまた、シリアでの危機を政治的に解決するための取り組みに注力しなければならないと付言した。

AFP, October 3, 2019、ANHA, October 3, 2019、AP, October 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 3, 2019、Reuters, October 3, 2019、RT, October 3, 2019、SANA, October 3, 2019、SOHR, October 3, 2019、UPI, October 3, 2019などをもとに作成。

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ドイツ外務省は今年に入ってイドリブ県への人道支援のために4200万ユーロを供与したと発表(2019年10月3日)

ドイツ外務省は報道声明を出し、2019年に入って以降、イドリブ県への人道支援のために4200万ユーロを供与したと発表した。

この額は昨年よりも500万ユーロ多いという。

AFP, October 3, 2019、ANHA, October 3, 2019、AP, October 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 3, 2019、Reuters, October 3, 2019、SANA, October 3, 2019、SOHR, October 3, 2019、UPI, October 3, 2019などをもとに作成。

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米主導の有志連合がダイル・ザウル県で空挺作戦を行い住民を拘束(2019年10月3日)

ダイル・ザウル県では、ユーフラテス・ポスト(10月3日付)によると、米主導の有志連合が、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の支援を受け、タヤーナ村で空挺作戦を実施し、住民を拘束した。

また、ダイル・ザウル・ネット(10月3日付)によると、ハジーン市でシリア民主軍が男性1人を逮捕しようとして、銃撃戦となり、この男性を殺害した。

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ハサカ県では、SANA(10月3日付)がカーミシュリー市の複数の住民の話として伝えたところによると、貨物車輌など数十台からなる米軍の車列が、ティグリス川のスィーマルカー国境通行所を通じてイラクからハサカ県の北・東シリア自治局支配地域に入った。

車列は、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に供与するための武器弾薬を積んでいるという。

AFP, October 3, 2019、ANHA, October 3, 2019、AP, October 3, 2019、DPN, October 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 3, 2019、Euphrates Post, October 3, 2019、Reuters, October 3, 2019、SANA, October 3, 2019、SOHR, October 3, 2019、UPI, October 3, 2019などをもとに作成。

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