米軍によるシリア爆撃:ダーイシュの簡易組立式製油所を爆撃(2014年9月24日追記)

米国防総省は25日、米軍、サウジアラビア軍、UAE軍が、ダイル・ザウル県マヤーディーン市、ブーカマール市周辺にあるダーイシュ(イスラーム国)の簡易組立式製油施設12カ所と車列を、戦闘機と無人戦闘機で13回にわたって空爆、破壊した、と発表した。

空爆は、米軍戦闘機6機、サウジアラビアとUAEの戦闘機10機によって行われ、精密誘導弾41発(米軍が18発、サウジアラビア、UAEが23発)が使用、で行われたという。

米中央軍によると、これらの製油施設は1日300~500バレルの石油(200万ドル掃討)の生産が可能だったという。

AFP, September 25, 2014、AP, September 25, 2014、ARA News, September 25, 2014、Champress, September 25, 2014、al-Hayat, September 26, 2014、Aljazeera.net, September 25, 2014、Kull-na Shuraka’, September 25, 2014、al-Mada Press, September 25, 2014、Naharnet, September 25, 2014、NNA, September 25, 2014、Reuters, September 25, 2014、SANA, September 25, 2014、UPI, September 25, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き:トルコはシリア爆撃への不関与を強調(2014年9月24日)

ARA News(9月24日付)は、トルコのアフメト・ダウドオール首相に近い高官筋が、「トルコは米軍などによるシリア空爆において、自国の領空も自国内のNATO基地も使用させなかったと」と述べた、と伝えた。

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バラク・オバマ米大統領は、国連総会で一般討論演説を行った。

演説でオバマ大統領は「我々が一体となり、凶暴な過激主義という「ガン」を拒むことができるかどうかが問われている…。米国は広範な有志連合とともに、この「死のネットワーク」を壊滅させる」と述べ、ダーイシュ(イスラーム国)掃討に向けた国際的な協力態勢構築の必要を強調した。

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フランスのフランソワ・オランド大統領はニューヨークでシリア革命反体制勢力国民連立のハーディー・バフラ議長と会談し、米軍などによるシリア空爆について意見を交わした。

『ハヤート』(9月25日付)によると、この会談でバフラ議長は、空爆でダーイシュ(イスラーム国)の支配を脱する地域に展開する部隊の結成、教練などに関する計画を示すとともに、これらの地域がシリア政府に制圧されることに警戒するという点でオランド大統領の理解を得たという。

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サウジアラビアのサルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ皇太子(副首相、国防大臣)は、「我が「我がパイロットたちは、自らの宗教、祖国、財産のため義務を果たした」と発表し、米軍などによるシリア空爆に参加したことを明らかにした。

またサウード・ファイサル外務大臣も「王国はイスラームのイメージをゆがめようとするテロに常に反対している…。こうした行動(テロとの戦い)を根絶するまで続ける…。それは1日や2日で終わるものではない」と述べた。

SPA(9月24日付)が伝えた。

AFP, September 24, 2014、AP, September 24, 2014、ARA News, September 24, 2014、Champress, September 24, 2014、al-Hayat, September 25, 2014、Kull-na Shuraka’, September 24, 2014、al-Mada Press, September 24, 2014、Naharnet, September 24, 2014、NNA, September 24, 2014、Reuters, September 24, 2014、SANA, September 24, 2014、SPA, September 24, 2014、UPI, September 24, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き:米軍によるシリア爆撃続く(2014年9月24日)

『ハヤート』(9月25日付)によると、米軍は、23日未明から24日早朝にかけて、シリア国内のダーイシュ(イスラーム国)拠点、武器弾薬庫に対して、無人戦闘機、有人戦闘機で20回にわたり空爆を行った。

攻撃は、ダイル・ザウル県ブーカマール市とイラクのアンバール県カーイム市間を移動中の車輌8輌などに対して行われた。

SANA(9月24日付)も、米軍などからなる有志連合軍がブーカマール市工業地区、ハジャーナ地区などのダーイシュ拠点、検問所10カ所以上を空爆した、と報じた。

SANAはまた、アレッポ県アイン・アラブ市一帯に対しても米軍などが空爆した、と報じた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、県北部のアイン・アラブ市周辺で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

また、アルシャーフ村周辺で、クルド人戦線旅団とジハード主義武装集団がダーイシュと交戦した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(9月24日付)によると、ダイル・ザウル市工業地区、旧空港地区、ラシュディーヤ地区、ハウィーカ地区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、ARA News(9月24日付)によると、アイン・アラブ市郊外のタッラト・イザーアで、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、ダーイシュ戦車を破壊、ダーイシュ戦闘員30人を捕捉した。

一方、SANA(9月24日付)によると、バーブ市、カッバースィーン村で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)を攻撃、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クッルナー・シュラカー(9月24日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)の貨物車輌4輌が武器・弾薬を積んでラッカ市からダイル・ザイル県方面に向かった。

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シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、ダイル・ザウル市の新ワーリーにチュニジア人戦闘員を任命した。

新ワーリー任命は、ダイル・ザウル市ハミーディーヤ地区で前任のワーリーが、シリア人戦闘員による暗殺未遂にあったことを受けた動きだという。

このシリア人戦闘員はダーイシュによって逮捕されたという。

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ハサカ県では、ARA News(9月24日付)によると、カーミシュリー市で、ダーイシュ(イスラーム国)によって包囲されているアイン・アラブ市(アレッポ県)との連帯を訴えるデモが2カ所で行われた。

うちムニール・ハビーブ通りで行われたデモは、シリア・クルド国民評議会の支持者が、ハラーリーヤ地区のデモは民主統一党支持者によって主催された。

AFP, September 24, 2014、AP, September 24, 2014、ARA News, September 24, 2014、Champress, September 24, 2014、al-Hayat, September 25, 2014、Kull-na Shuraka’, September 24, 2014、al-Mada Press, September 24, 2014、Naharnet, September 24, 2014、NNA, September 24, 2014、Reuters, September 24, 2014、SANA, September 24, 2014、UPI, September 24, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き:米国の爆撃を受け、ヌスラ戦線などが退避(2014年9月24日)

シャーム自由人イスラーム運動は声明を出し、米軍などによるイドリブ県のシャームの民のヌスラ戦線拠点への空爆を受け、同県にある本部、基地などを退避させる、と発表した。

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シャームの民のヌスラ戦線は、米軍などによるイドリブ県カフルダルヤーン村の拠点などに対する空爆を受け、「イスラーム教徒(一般市民)に近い」基地、拠点を退避させる、と発表した。

シリア人権監視団によると、これによりヌスラ戦線の戦闘員「数千人」が撤退したという。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、米軍などによるシリア空爆に関して、シャームの民のヌスラ戦線の拠点を狙ったイドリブ県カフルダルヤーン村攻撃での住民の犠牲者への弔意を示した。

またダーイシュ(イスラーム国)がアサド政権と同様、市街地に立て籠もり、住民を人間の盾としていると非難する一方、米軍などに対して、ダーイシュとシリア軍の拠点をともに空爆するよう要請した。

AFP, September 24, 2014、AP, September 24, 2014、ARA News, September 24, 2014、Champress, September 24, 2014、al-Hayat, September 25, 2014、Kull-na Shuraka’, September 24, 2014、al-Mada Press, September 24, 2014、Naharnet, September 24, 2014、NNA, September 24, 2014、Reuters, September 24, 2014、SANA, September 24, 2014、UPI, September 24, 2014などをもとに作成。

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米軍によるシリア爆撃:国内の反体制組織は爆撃が逆効果と非難(2014年9月23日追記)

シリア国内で活動する反体制組織、シリア国家建設潮流は声明を出し、米軍などによるシリア空爆に関して「いかなる効果もない」と批判、「ダーイシュ(イスラーム国)やシャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を数十人殺したことで、数百人の新たな戦闘員が参加するだけだ」と危機感を表明した。

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バラク・オバマ米大統領は、ニューヨークでシリア空爆に参加したアラブ諸国5カ国の代表らと会談した。

会談には、国連総会出席のためにニューヨークを訪問中のヨルダンのアブドゥッラー2世国王、サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣、カタールのタミーム・ビン・ハマド首長、イラクのハイダル・アバーディー首相も参加した。

会談で、オバマ大統領は「我々はイスラーム国だけでなく、流血の事態を引き起こす過激派を弱体化させ、壊滅させる」との意思を示したうえで、イスラーム国掃討が「時間を要し、軍事行動だけでは終わらない」と述べ、各国との協力を継続する考えを表明した。

また会談後、サウード・ファイサル外務大臣は、「この努力を実行するためのあらゆる行動に参加する」と述べた。

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サマンサ・パワー米国連代表大使は、米軍などによるシリア空爆に関して、潘基文国連事務総長に書簡を送り、国連憲章第51条が定める個別的・集団的自衛権を行使したとする自国の立場を説明した。

これに関して、潘事務総長は記者会見で「空爆はシリア政府からの直接の要請を受けたものではないが、同国政府は事前に知らされていた」と述べ、一定の理解を示した。

また「空爆は、シリア政府の実効支配がもはや及んでいない地域で行われた」と付言した。

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国連安保理は、アル=カーイダ系組織・個人への制裁に関する会合を開催し、ダーイシュ(イスラーム国)に参加する外国人戦闘員14人と二つの組織を新たな制裁対象に追加することを了承した。

追加制裁されたのは、フランス人2人(男女)、ノルウェー人など。

AFP, September 24, 2014、AP, September 24, 2014、ARA News, September 24, 2014、Champress, September 24, 2014、al-Hayat, September 25, 2014、Kull-na Shuraka’, September 24, 2014、al-Mada Press, September 24, 2014、Naharnet, September 24, 2014、NNA, September 24, 2014、Reuters, September 24, 2014、SANA, September 24, 2014、UPI, September 24, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力:米軍爆撃に合わせて、シリア軍もダマスカス郊外県などで攻勢(2014年9月23日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、タイバ村一帯でのシリア軍との戦闘で、ジハード主義戦闘員2人が、ハラスター市での戦闘で2人が、そしてアドラー市旧市街での戦闘で1人が死亡した。

またシリア軍はカラムーン地方の無人地帯、ザバダーニー市に対して10回以上にわたり空爆・砲撃を行った。

これに関して、カラムーン地方で活動するというシャームの民のヌスラ戦線の特派員はツイッターを通じて、米国の空爆により、ヌスラ戦線の捕虜収容所が攻撃されたと綴った。

この収容所には、レバノンで拉致した軍兵士、内務治安軍総局隊員が収容されているという。

一方、SANA(9月23日付)によると、カラムーン山地一帯郊外の対レバノン国境一帯(無人地帯)、ドゥッハーニーヤ町一帯、ザマルカー町、ビラーリーヤ村、ザマーニーヤ村、カースィミーヤ町、アドラー市旧市街、タイバ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(9月23日付)によると、ジャウバル区で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(9月23日付)によると、ガジャル村、ヒムス市ワアル地区農園地帯、マスアダ村、ウンム・ハワー村、ウンム・サフリージュ村、タルビーサ市西部郊外で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(9月23日付)によると、アレッポ市シャイフ・サアド地区、マシュハド地区、インザーラート地区、サラーフッディーン地区、アアザミーヤ地区、ジャンドゥール地区、ハンダラート・キャンプ、アウラム・クブラー町西部、フライターン市、ハーン・アサル村、バービース村、ムスリミーヤ村、アアザール市、マンスーラ村西部、クワイリス町で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(9月23日付)によると、サラーキブ市東部で、シリア軍がヌスラ戦線の車列を攻撃し、戦闘員18人を殲滅した。

またラーミー村、カフルシャラーヤー村、アブー・ズフール町、タッル・ウッズ村、マジャース村、タマーニア町、ハーン・シャイフーン市、フバイト村、イフスィム村、マダーヤー町、アイン・ハムラー村などで、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(9月23日付)によると、ダルアー市ジャバービジャ地区、旧税関地区、ティブナ村、西ガーリヤ村、サムリーン村周辺、ヒルバト・ガザーラ町西方で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(9月23日付)によると、カフルズィーター市、タッル・アース村、ラターミナ町、マサースィナ村、ムーリク市で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, September 23, 2014、AP, September 23, 2014、ARA News, September 23, 2014、Champress, September 23, 2014、al-Hayat, September 24, 2014、Kull-na Shuraka’, September 23, 2014、al-Mada Press, September 23, 2014、Naharnet, September 23, 2014、NNA, September 23, 2014、Reuters, September 23, 2014、SANA, September 23, 2014、UPI, September 23, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き:武装集団が自由シリア軍参謀委員会解散を歓迎(2014年9月23日)

反体制武装集団9組織が共同声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立による自由シリア軍参謀委員会解散決定に歓迎の意を示した。

共同声明を出したのは、アフファード・ビン・ワリード旅団、第1砲兵連隊、アフバーブ・ウマル旅団、第69師団特殊部隊、使徒末裔旅団、第1軍団、カシオン旅団連合、サラーフッディーン師団。

AFP, September 23, 2014、AP, September 23, 2014、ARA News, September 23, 2014、Champress, September 23, 2014、al-Hayat, September 24, 2014、Kull-na Shuraka’, September 23, 2014、al-Mada Press, September 23, 2014、Naharnet, September 23, 2014、NNA, September 23, 2014、Reuters, September 23, 2014、SANA, September 23, 2014、UPI, September 23, 2014などをもとに作成。

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米軍によるシリア爆撃:ダーイシュ、ヌスラ、ホラサンの拠点を攻撃(2014年9月23日)

米中央軍は23日未明から早朝にかけて、サウジアラビアなどアラブ諸国5カ国の軍とともに、シリア北部および東部のダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線、ホラサン拠点などに対して空爆を行った。

米国防総省が発表した。

空爆が行われたのは、ラッカ県、アレッポ県、ハサカ県、ダイル・ザウル県、イドリブ県郊外のダーイシュ、ヌスラ戦線、ホラサンの司令部、指揮系統・保管・資金・関連施設、車輌などで、複数の戦闘員が死傷したという。

BBC(9月23日付)によると、空爆はF-15Es、F-16s、FA-18s戦闘機、B-1爆撃機、F-22ステルス戦闘機、RQ-1無人戦闘機などが14回にわたって実施、また紅海、アラビア湾に展開する米軍艦艇からトマホーク・ミサイル47発が発射された。

『ハヤート』(9月24日付)によると、ダーイシュ拠点への空爆が14回、ホラサン拠点への空爆が8回行われ、160発以上のミサイルが使用され、またトマホーク巡航ミサイルによる攻撃も47回行われたという。

空爆には、米軍のほか、サウジアラビア、ヨルダン、カタール、UAE、バーレーンの5カ国が参加した。

シリア人権監視団によると、米軍によるシリア空爆で、ダーイシュ戦闘員70人以上(外国人を含む)が死亡、約300人が負傷した。

負傷したダーイシュ戦闘員のうち100人以上が重態で、その一部はイラク領内に搬送されたという。

また米軍の空爆では、ヌスラ戦線の戦闘員50人以上も殺害された。

死亡したヌスラ戦線戦闘員のほとんどは外国人なのだという。

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空爆の数時間前に、米国のサマンサ・パワー国連代表大使が、国連総会に出席するためにニューヨークを訪問しているイラクのイブラーヒーム・ジャアファリー外務大臣を通じて、シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表に、書簡で空爆を行う旨、通告した、という。

これに関して、ジェニファー・サキ米国務省報道官は、「空爆実施について軍事レベルでシリア政府には通告しなかった…。(9月10日のオバマ大統領の)演説以降、我々はシリア政府に直接、そしてパワー国連大使経由でシリアの国連代表に、行動する意思を知らせてきた」と述べた。

また、シリア外務在外居住者省は声明を出し、「米国とその同盟国が攻撃の数時間前に、シリア国内の複数地域でダーイシュに対する攻撃を行う報告がシリア国連代表に対して昨日(22日)なされた」と発表した。

そのうえで声明は「シリアは、主権を完全に尊重したかたちでテロとの戦いに協力すると折に触れ、表明してきた。また国連憲章を尊重する必要があるとする多くの国を支持してきた」と述べ、空爆への批判を明言することを避けた。

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ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(9月23日付)によると、米軍の空爆は20回以上(ラッカ市が18回、タブカ航空基地一帯が5回、タッル・アブヤド市が3回、アイン・イーサー市が3回)にわたって行われた。

標的となったのは以下の通り:

1. ラッカ市県庁

2. ラッカ市フルースィーヤ検問所・施設(市西部)

3. ラッカ市前哨基地(市南部)

4. ラッカ市総合情報部ラッカ支部(国立病院横)

5. タブカ航空基地

6. タブカ市東部

7. タッル・アブヤド市

8. 第93旅団基地(アイン・イーサー市)

一方、ラッカ報道センター(9月23日付)は、米軍の偵察機がラッカ市内の通信塔に衝突し、墜落したと報じ、倒壊した通信塔の写真を公開した。

RMC, September 23, 2014
RMC, September 23, 2014

他方、SANA(9月23日付)によると、ダーイシュによって制圧されているマアダーン町に対しても米軍は空爆を行った。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、米軍は、ダイル・ザウル市西方のダーイシュの軍事教練キャンプ、司令部、ブーカマール市などを9回にわたって空爆したという。

一方、SANA(9月23日付)によると、米軍は、ダーイシュが占拠するブーカマール市の農業高等学校、穀物サイロ、スワイイーア村、ティブニー町を空爆し、ダーイシュ戦闘員を殺傷、車輌などを破壊した。

また、ダイル・ザウル市ミウバーラ地区、スィヤーサ橋一帯、ハウィーカ地区で、シリア軍がダーイシュへの攻撃を続け、複数の戦闘員を殺傷した。

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イドリブ県では、ハラブ・ニュース(9月23日付)によると、米軍がカフルダルヤーン村にあるシャームの民のヌスラ戦線拠点を空爆し、ヌスラ戦線戦闘員15人のほか、子供4人を含む住民11人が死亡した。

また、Orient Net(9月23日付)によると、カフルダルヤーン村にあるヌスラ戦線戦闘員の住居や武器弾薬庫などを標的とした米軍によるこの空爆(2度にわたって行われたという)、「世界6強の狙撃手」の異名をとっていたクウェート人ヌスラ戦線戦闘員のアブー・ユースフ・クワイティー氏が死亡した。

Orient Net, September 23, 2014
Orient Net, September 23, 2014

一方、ARA News(9月23日付)によると、米軍はカフルダルヤーン村のほか、サルマダー市にあるヌスラ戦線の武器弾薬庫を空爆した。

また『ハヤート』(9月25日付)によると、米軍の空爆により、ヌスラ戦線の狙撃手アブー・ユースフ・トゥルキー市(アブー・バッラー)が死亡した。

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アレッポ県では、『ハヤート』(9月24日付)によると、米軍はアレッポ県郊外のホラサン拠点複数カ所に対して空爆を行った。

ARA News(9月23日付)によると、米軍はアウラム・スグラー村、アレッポ市郊外のムハディスィーン地区にあるヌスラ戦線、ムハーリジーン軍の拠点2カ所をミサイル3発で攻撃した。

また米軍はダーイシュが包囲するアイン・アラブ市西方のタアラク村一帯に対しても空爆を行った。

ARA News(9月25日付)が、複数の地元筋の情報として報じたところによると、米軍主導の有志連合は23時30分頃に、アイン・アラブ市周辺のダーイシュ(イスラーム国)の拠点複数カ所に対して空爆を行ったという。

この空爆は、同市東部のカラフ・ムーグ村一帯、南部のルーフィー村一帯、西部のスィフティク村一帯に及んだという。

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ハサカ県では、ARA News(9月23日付)によると、米軍は、イラク国境に近いフール村西方のハーヌーティーヤ湖畔にあるダーイシュの基地を空爆したが、ダーイシュは戦闘員を(ハサカ市方面へ)避難させており、死傷者はほとんどでなかった。

なお米軍による空爆に先だって、ハサカ県南部一帯で国籍不明の航空機が偵察活動を行い、また空爆の直後には、スホーイ戦闘機(シリア軍と思われる)による空爆が継続されたという。

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バラク・オバマ米大統領は、シリア領内での空爆開始に関して、「我々は米国民を脅かすテロリストに「聖域」を与えない」と強調した。

また米統合参謀本部のウィリアム・メイビル作戦部長は、シリアへの空爆が「始まりに過ぎない」と述べ、作戦が長期化する見通しを示した。

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ヨルダンのムハンマド・ムーマニー情報通信担当国務大臣(内閣報道官)は「シリア国内のダーイシュ拠点に対する米国の空爆にほかのアラブ諸国4カ国とともに参加した」ことを明らかにした。

これに関して、ヨルダン軍は声明を出し、戦闘機複数が作戦に参加し無事帰還したと発表した。

またヨルダン軍は声明を出し、「北部国境近く」(シリア南部)で、「テロ集団がヨルダン領内での作戦実施の拠点としていた複数カ所」を空爆したと発表した。

空爆がシリア領内、ヨルダン領内のいずれにおいて行われたかは不明。

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UAE外務省は声明を出し、同国空軍がダーイシュに対する空爆に参加したことを明らかにした。

さらに、バーレーン国営通信(9月23日付)は、バーレーン軍総司令部からの情報として、同国軍がダーイシュ拠点への空爆に参加した、と報じた。

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ロシア外務省は声明を出し、米軍によるシリア領内への空爆に関して「国際法に合致するかたちでのみ行うことができるが、一方の当事者からの正式の通知だけでなく、シリア政府との明確な合意、ないしは国連安保理決議での合意が必要」との見解を示し、異議を唱えた。

そのうえで「地域諸国の主権を侵害するような地政学的な目的を実現しようとする試みは、緊張と不安定を助長するだけだ」と批判した。

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イランのハサン・ロウハーニー大統領は、米軍によるシリア空爆に関して「主権国家に対するいかなる空爆も、国連安保理決議の枠内か、空爆対象国首脳からの正式要請のもとになされねばならない」と述べ、批判的な姿勢を示した。

IRNA(9月23日付)が伝えた。

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ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長はテレビ演説を行い、米軍によるシリア空爆に関して、「米国こそがテロの生みの親、元凶であり、シオニスト・テロ国家の絶対的な支援者だ…。我々は、ダーイシュを標的としようとしまいと、米国の軍事介入、国際的な同盟に反対する」と述べた。

またレバノン情勢をめぐっては、シリアとイラクでの軍事行動に参加している「国際的な同盟が、レバノン支援を望んでいるのなら、まずテロ組織への資金供与と教練を停止し…、レバノン軍に武器を供与し…、シリア人避難民の問題を解決すべきだ」と強調した。

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PKK元指導者で現在、終身刑を受けてトルコ国内で服役中のアブドゥッラ・オジャラン氏は弁護士を通じて声明を出し、「すべてのクルド人民に、広範にわたるこの戦争のなかで包括的な抵抗を開始することを呼びかける」と発表した。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、米国によるシリア領内への空爆に関して「バッシャール・アサド大統領に対する戦いに資するだろう」と歓迎の意を示した。

またシリア革命反体制勢力国民連立ハーディー・バフラ議長は、米軍によるシリア空爆に関して「シリア政府が民間人を攻撃しないよう飛行禁止空域を設置すべき」と述べる一方、「我々のパートナーの支援のもと、我々は早急に武装部隊を教練するための計画を実施し、現地での戦闘を担う」との希望を述べた。

『ハヤート』(9月24日付)が伝えた。

AFP, September 23, 2014、AP, September 23, 2014、ARA News, September 23, 2014、September 25, 2014、BNA、September 23, 2014、Champress, September 23, 2014、al-Hayat, September 24, 2014、September 25, 2014、HNN, September 23, 2014、IRNA, September 23, 2014、Kull-na Shuraka’, September 23, 2014、al-Mada Press, September 23, 2014、Naharnet, September 23, 2014、NNA, September 23, 2014、Orient Net, September 23, 2014、Reuters, September 23, 2014、RMC, September 23, 2014、SANA, September 23, 2014、UPI, September 23, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き:アドナーニー報道官、米仏人らの殺害を支持者に呼びかける(2014年9月22日)

ダーイシュ(イスラーム国)のアブー・ムハンマド・アドナーニー報道官と思われる人物が音声声明(https://www.youtube.com/watch?v=J63m2sBAJYc)を出し、イラクとシリアでダーイシュ掃討をめざす国際的同盟の参加者、とりわけ米国人とフランス人の殺害を支持者に呼びかけた。

アドナーニー報道官は「米国人、そしてイギリス人、フランス人といった欧州人、オーストラリア人、カナダ人といった背教者を一人でも殺すことができれば…、アッラーに身を委ね、いかなる手段を用いてでも殺せ…。背教者が民間人でも軍人でも、同じ裁きを受ける」と述べた。

アドナーニー報道官はシャームの民のヌスラ戦線の元報道官。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アイン・アラブ市郊外一帯で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、ダーイシュの車輌などへの攻撃を強化し、その進軍を止めた。

戦闘にはラッカ県でダーイシュから追放された非クルド人の反体制戦闘員も参加しているという。

なお、この戦闘で未明以降のダーイシュ戦闘員死者数は21人に達しているという。

また同監視団によると、アイン・アラブ市住民約5,000人が避難していたトルコから同市に戻ろうとしたが、トルコ領内で足止めされ、入国を阻止される一方、シリア領内からトルコ領への負傷者、病人の搬送が遅れているという。

トルコからシリアに戻ろうとする避難民の一部は、トルコ領内での処遇の悪さに不満を訴えているという。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ国境沿いのラアス・アイン市西部郊外で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、ダーイシュの装甲車2輌を破壊、複数の戦闘員を殺傷した。

一方、SANA(9月22日付)によると、アーリヤ村、アブドゥルアズィーズ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダイル・ザウル市カナーマート地区、ハラビーヤ交差点、スィヤーサ橋一帯、シャアファ市のダーイシュ(イスラーム国)拠点などを空爆した。

AFP, September 22, 2014、AP, September 22, 2014、ARA News, September 22, 2014、Champress, September 22, 2014、al-Hayat, September 23, 2014、Kull-na Shuraka’, September 22, 2014、al-Mada Press, September 22, 2014、Naharnet, September 22, 2014、NNA, September 22, 2014、Reuters, September 22, 2014、SANA, September 22, 2014、UPI, September 22, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き:自由シリア軍参謀委員会解任(2014年9月22日)

シリア革命反体制派勢力国民連立は声明を出し、自由シリア軍参謀委員会(最高軍事評議会)を解任、1ヶ月以内に新参謀委員会を発足することを決定した。

また連立は、9月17日にトルコのガズィアンテップ市で開催された参謀委員会会合での決定を無効とする判断を下した。

この会合は、開催日程が告知されないままに開かれ、アブドゥルイラーフ・バシール参謀長らが出席できず、シリア革命家戦線、シャーム軍団、ハズム運動、ハック戦線、カースィム・サアドッディーン大佐、ファーディー・アースィミー氏、ハラジュ・ハンムード氏が参謀委員会からの脱会を宣言していた。

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クッルナー・シュラカー(9月22日付)は、国連総会に併せてニューヨークを訪問中のシリア革命反体制勢力国民連立のハーディー・バフラ議長は、サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣、トルコのメルヴュト・チャウシュオール外務大臣と会談した、と報じた。

会談では、ダーイシュ(イスラーム国)への対応などについて協議がなされ、アサド政権に体現される独裁体制の打倒なくしてテロ撲滅は不可能だという点で意見が一致したという。

AFP, September 22, 2014、AP, September 22, 2014、ARA News, September 22, 2014、Champress, September 22, 2014、al-Hayat, September 23, 2014、Kull-na Shuraka’, September 22, 2014、al-Mada Press, September 22, 2014、Naharnet, September 22, 2014、NNA, September 22, 2014、Reuters, September 22, 2014、SANA, September 22, 2014、UPI, September 22, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き:米国が各国にダーイシュ関連情報の提供を要請(2014年9月21日追記)

ARA News(9月22日付)は、アルジェリア治安筋の話として、米国がアルジェリアをはじめとする各国にダーイシュ(イスラーム国)に関する諜報の提供を要請していると伝えた。

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ジョン・ケリー米国務長官は国連総会出席のためにニューヨークを訪れているイランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣と会談し、ダーイシュ(イスラーム国)への対応などについて協議した。

ARA News, September 22, 2014をもとに作成。

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諸外国の動き:ヨルダン国境警備隊がイラク領内で車輌を破壊(2014年9月21日)

ヨルダンのペトラ通信(9月21日付)は、イラクからヨルダン領内に不法入国しようとしたジープをヨルダン軍国境警備隊がイラク領内で破壊した、と報じた。

AFP, September 21, 2014、AP, September 21, 2014、ARA News, September 21, 2014、Champress, September 21, 2014、al-Hayat, September 22, 2014、Kull-na Shuraka’, September 21, 2014、al-Mada Press, September 21, 2014、Naharnet, September 21, 2014、NNA, September 21, 2014、Petra News Agency, September 21, 2014、Reuters, September 21, 2014、SANA, September 21, 2014、UPI, September 21, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き:ダーイシュがアイン・アラブ包囲(2014年9月21日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アイン・アラブ市(人口約45万人)周辺でダーイシュ(イスラーム国)が制圧した村は64ヵ村に達し、同市はダーイシュに「完全包囲」、同市10キロの地点まで到達した。

活動家によると、アイン・アラブ市の住民(女性、子供)は市外に避難し、市内にはクルド人戦闘員約8,000人がダーイシュの襲撃に備えているという。

アイン・アラブ市一帯では、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュと交戦し、ダーイシュ戦闘員10人以上、人民防衛隊隊員2人が死亡した。

過去48時間でのダーイシュ側の死者数は38人以上、人民防衛隊側は27人にのぼるという。

また戦闘激化を受け、これまでに15万人のシリア人(クルド人)がトルコ領内に避難したという。

一方、ARA News(9月21日付)によると、アイン・アラブ市南部のユーフラテス川に架かるカラフ・カウザーク橋が所属不明の戦闘機の空爆によって破壊された。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がブーカマール市で住民8人を逮捕した。

ダーイシュの戦闘員が要撃され、英国人、イラク人、チュニジア人のメンバー3人が殺害された事件への関与を疑われているという。

一方、SANA(9月21日付)によると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区、アルディー地区、工業地区、ジュバイラ地区、スィヤーサ橋近く、ブーライル村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、ARA News(9月21日付)によると、カーミシュリー市でクルド青年運動が、ダーイシュ(イスラーム国)によるアイン・アラブ市一帯への攻撃に抗議するデモを呼びかけ、多数の住民が参加した。

またARA News(9月22日付)によると、ハサカ市ムフティー地区で、シリア・クルド国民評議会が、ダーイシュ(イスラーム国)に包囲されているアイン・アラブ市(アレッポ県)との連帯を求めるデモを行い、多数の市民が参加した。

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ヒムス県では、SANA(9月21日付)によると、ジャズル・ガス採掘所北部で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, September 21, 2014、AP, September 21, 2014、ARA News, September 21, 2014、September 22, 2014、Champress, September 21, 2014、al-Hayat, September 22, 2014、Kull-na Shuraka’, September 21, 2014、al-Mada Press, September 21, 2014、Naharnet, September 21, 2014、NNA, September 21, 2014、Reuters, September 21, 2014、SANA, September 21, 2014、UPI, September 21, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き:「ホラサン」が欧米諸国へのテロを画策か?(2014年9月20日)

『ニューヨーク・タイムズ』(9月20日付)は、米高官の話として、シリア国内で結成された「ホラサン」を名乗る過激派が、ダーイシュ(イスラーム国)以上に米国およびその在外機関に対するテロを計画している、と報じた。

「ホラサン」は約1年前に、ウサーマ・ビン・ラーディンの側近の一人ムフスィン・ファドリー氏が結成した組織で、中東諸国、東南アジア、北アフリカ出身者から構成されており、欧米諸国でテロを行うために欧米の若者を戦闘員として勧誘しているという。

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トルコのヌマン・クルトゥルムシュ副首相は、18日にアイン・アラブ市(アレッポ県)郊外の対トルコ国境地帯へのダーイシュ(イスラーム国)の攻勢により、約4万5,000人のシリア人(クルド人)が8カ所の国境通行所を経由してトルコ領内に避難している、と発表した。

トルコ政府によると、トルコ領内に避難したシリア人(クルド人)の数は6万人に及んでいるという。

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トルコのアフメト・ダウトオール首相は、イラクのモスルでダーイシュ(イスラーム国)によって拘束されていたトルコ領事館の職員ら49人が、トルコの諜報機関との「作戦」によって解放されたと発表した。

49人はモスルで拘束されたのち、シリア領内に移送されていたという。

身代金の支払いはなされなかったという。

しかし、シリア・クルド・イェキーティー党の幹部マルワーン・イーディー氏は、ダーイシュ(イスラーム国)によるトルコ領事館職員らの解放に関して、ARA(9月20日付)に、「数日前、トルコはタッル・アブヤド市(ラッカ県)の国境通行所を経由して鉄道でダーイシュに武器を供与した」と主張、ダーイシュが武器入手と「イラクでのダーイシュ掃討のための国際的な同盟へのトルコの不参加」を条件に人質を釈放したとの見方を示した。

AFP, September 20, 2014、AP, September 20, 2014、ARA News, September 20, 2014、Champress, September 20, 2014、al-Hayat, September 21, 2014、Kull-na Shuraka’, September 20, 2014、al-Mada Press, September 20, 2014、Naharnet, September 20, 2014、The New York Times, September 20, 2014、NNA, September 20, 2014、Reuters, September 20, 2014、SANA, September 20, 2014、UPI, September 20, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き:ダーイシュのアイン・アラブ侵攻を受けトルコ、イラク方面からクルド人戦闘員が結集(2014年9月20日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アイン・アラブ市郊外の対トルコ国境地帯に、トルコ領内からクルド人戦闘員300人以上が未明に駆けつけ、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊に加わり、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

これによりダーイシュ戦闘員18人が死亡した。うち1人は中国人だった。

ロイター通信(9月20日付)によると、人民防衛隊に加わったクルド人戦闘員の所属は不明。

戦闘は、カッラ・ムーグ村などで激しく行われ、地元住民(クルド人)数千人がトルコ領内に避難した。

シリア人権監視団はまた、ダーイシュがアイン・アラブ市郊外でクルド人住民11人を処刑、またダーイシュの狙撃によって少女1人が死亡した。

UPI(9月20日付)は、イラク・クルディスタン地域高官の話として、キンディール山一帯に駐留するPKK戦闘員約600人が、シリア領内に入り、アイン・アラブ市に向かったと報じた。

一方、SANA(9月20日付)によると、アイン・アラブ市郊外のタッル・タイヤール村、サブト村、カフジャ村、ジャアダ村、タッル・クーン・アフタール村、のダーイシュ(イスラーム国)拠点を攻撃、複数の戦闘員を殺傷した。

ARA News, September 20, 2014
ARA News, September 20, 2014

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ハサカ県では、ARA News(9月21日付)によると、アームーダー市でシリア・クルド国民評議会が、ダーイシュ(イスラーム国)によるアイン・アラブ市一帯への攻撃に抗議するデモを呼びかけ、多数の住民が参加した。

AFP, September 20, 2014、AP, September 20, 2014、ARA News, September 20, 2014、September 21, 2014、Champress, September 20, 2014、al-Hayat, September 21, 2014、Kull-na Shuraka’, September 20, 2014、al-Mada Press, September 20, 2014、Naharnet, September 20, 2014、NNA, September 20, 2014、Reuters, September 20, 2014、SANA, September 20, 2014、UPI, September 20, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き:ヒズブッラー検問所への自爆攻撃で3人死亡(2014年9月20日)

NNA(9月20日付)によると、ベカーア県バアルベック郡フライバ村郊外にあるヒズブッラーの検問所に対して、武装集団が爆弾を積んだ車で自爆攻撃を行い、3人が死亡した。

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シャームの民のヌスラ戦線は、拘束していたレバノン軍兵士のムハンマド・ハミーヤ氏の処刑映像を公開した。

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NNA(9月20日付)によると、ベカーア県アルサール郡アルサール村郊外にある武装集団拠点をレバノン軍が砲撃し、複数の戦闘員を殺傷した。

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レバノンの声(9月20日付)によると、ベカーア県バアルベック郡で、武装集団(シャームの民のヌスラ戦線、ダーイシュ(イスラーム国)に拉致されているレバノン軍、内務治安軍総局の家族が、武装集団に協力的だとされるフジャイリー家、フライティー家の子息5人を拉致した。

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ナハールネット(9月20日付)によると、ナバティーヤ県マルジャアユーン郡サルダー村にイスラエル軍の無人偵察機が侵犯、レバノン軍が撃墜した。

AFP, September 20, 2014、AP, September 20, 2014、ARA News, September 20, 2014、Champress, September 20, 2014、al-Hayat, September 21, 2014、Kull-na Shuraka’, September 20, 2014、al-Mada Press, September 20, 2014、Naharnet, September 20, 2014、NNA, September 20, 2014、Reuters, September 20, 2014、SANA, September 20, 2014、UPI, September 20, 2014、Voice of Lebanon, September 20, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き:イスラーム軍が反体制武装集団統合に疑義(2014年9月20日)

ダマスカス郊外県で活動するイスラーム軍のザフラーン・アッルーシュ司令官は「ダマスカス郊外特派員ネット」(DCRN)を通じて声明を出し、19日に同県で結成された「ウンマ軍」、「バドル軍団」に関して、「一つの体に二つの頭があることを私は許さない」と述べ、自身の指揮下で戦闘を行うよう求めた。

Kull-na Shuraka', September 20, 2014
Kull-na Shuraka’, September 20, 2014

 

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民主的変革諸勢力国民調整委員会執行部は声明を出し、シリアとイラクにおけるダーイシュ(イスラーム国)の攻勢に関して、「ジュネーブ合意に基づき、全権を有する移行期政府を樹立することが…独裁体制の民主主義に転換するだけでなく、ダーイシュなどのテロを根絶する唯一の方法」だと主張、シリア国内への米国による空爆に消極姿勢を示した。

AFP, September 20, 2014、AP, September 20, 2014、ARA News, September 20, 2014、Champress, September 20, 2014、al-Hayat, September 21, 2014、Kull-na Shuraka’, September 20, 2014、al-Mada Press, September 20, 2014、Naharnet, September 20, 2014、NNA, September 20, 2014、Reuters, September 20, 2014、SANA, September 20, 2014、UPI, September 20, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き:ダーイシュのアイン・アラブ一帯での攻勢への対応(2014年9月19日)

CNN Turk(9月19日付)などによると、ハサカ県アイン・アラブ市郊外一帯へのダーイシュ(イスラーム国)の拡大を受け、シリア人(クルド人)住民数百人(トルコ各紙によると3,000人)がトルコ領内に避難した。

クルド人住民の避難に際して、トルコ領内では避難民受け入れに抗議する100人規模のデモが発生したが、トルコ治安部隊が催涙弾などを使用して、強制排除し、避難民を受け入れたという。

アフメト・ダウトオール首相は、訪問先のアゼルバイジャンで「我々は国境を開放し、これらの人々に確実に支援を行う」と述べた。

またヌマン・クルトゥルムシュ副首相は、「ダーイシュ(イスラーム国)が対トルコ国境7~8キロまで迫っており、地元住民約4,000人に脅威を与えようとしている」としたうえで、アイン・アラブ市がダーイシュの手に落ちた場合、約10万人が避難民となるだろうと述べた。

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イラク・クルディスタン地域のマスウード・バールザーニー大統領は、ダーイシュ(イスラーム国)のアイン・アラブ市(アレッポ県)一帯への侵攻に関して、国際社会に対して「シリアのクルド人民をテロから防衛」するよう呼びかけた。

バールザーニー大統領はまた、「クルディスタン防衛は民族的義務である」としたうえで、すべてのクルド人組織に対して「対立を止め、コバネ(アイン・アラブ市)の尊厳、土地、市民生活を防衛するため一致団結」するよう訴えた。

AFP, September 19, 2014、AP, September 19, 2014、ARA News, September 19, 2014、Champress, September 19, 2014、CNN Turk, September 19, 2014、al-Hayat, September 20, 2014、Kull-na Shuraka’, September 19, 2014、al-Mada Press, September 19, 2014、Naharnet, September 19, 2014、NNA, September 19, 2014、Reuters, September 19, 2014、SANA, September 19, 2014、September 20, 2014、UPI, September 19, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き:国連安保理でダーイシュへの対応が協議(2014年9月19日)

国連安保理は、イラクとシリアで攻勢を続けるダーイシュ(イスラーム国)への対応を協議するための閣僚級会合を開いた。

イラク、シリアを含む約40カ国が参加した会合(議長国は米国)では、議長声明を採択し、ダーイシュによる殺戮、拷問、レイプ、誘拐などに「深い憤り」を表明し、「すべての国家が参加、協調する持続的で包括的な方法」が必要だとし、国際社会による包囲網構築の重要性を訴えた。

議長声明(S/PRST/2014/20)全文(http://www.un.org/News/Press/docs//2014/sc11571.doc.htm)は以下の通り。

“The Security Council welcomes the newly formed Government of Iraq and calls on the international community to support its efforts to strengthen further democratic institutions, to maintain security and combat terrorism and to create a safe, stable and prosperous future for the people of Iraq. The Security Council reaffirms its support for the independence, sovereignty, unity and territorial integrity of Iraq and reaffirms further the purposes and principles of the Charter of the United Nations.

“The Security Council underscores the need for all segments of the Iraqi population to participate in the political process and engage in political dialogue. The Security Council is encouraged by the Iraqi Government’s commitment to resolve long-standing issues through an inclusive political process and consistent with the Iraqi Constitution and look forward to implementation of this commitment through its new national agenda. The Security Council encourages Iraq’s leaders to accelerate implementation of this agenda and national reconciliation to address the needs of Iraq’s diverse communities.

“The Security Council also urges Member States to work closely with the Government of Iraq to identify how best the international community can aid implementation of the new Iraqi agenda. The Security Council reaffirms its full support for the UN Assistance Mission for Iraq (UNAMI) in advising and assisting the Iraqi people and the Government of Iraq in strengthening democratic institutions and advancing inclusive political dialogue.

“The Security Council strongly condemns attacks by terrorist organizations, including the terrorist organization operating under the name ‘Islamic State in Iraq and the Levant’ (ISIL) and associated armed groups, in Iraq, Syria and Lebanon and emphasizes that this large-scale offensive poses a major threat to the region. The Security Council expresses again its deep outrage about all Iraqis, as well as nationals of other States who have been killed, kidnapped, raped or tortured by ISIL, as well as its recruitment and use of children. The Security Council stresses the need that those who have committed or are otherwise responsible for violations of international humanitarian law or violations or abuses of human rights in Iraq must be held accountable, noting that some of these acts may constitute war crimes and crimes against humanity. The Security Council stresses the need for those responsible for such violations of international humanitarian law or violations or abuses of human rights to be held to account, and calls upon the Government of Iraq and the international community to work towards ensuring that all perpetrators are brought to justice.

“The Security Council welcomes the Government of Iraq’s efforts, in association with local and regional authorities, to combat the terrorist threat facing all Iraqis, including members of its ethnic and religious minorities, notably Yezidis and Christians, and women from all communities who have been particularly targeted by ISIL.

“The Security Council reaffirms that all parties, including ISIL, associated armed groups, and other militias, must respect the human rights of the Iraqi people and abide by all applicable obligations under international humanitarian law, including those protecting the civilian population, by which both official Iraqi forces and member states that assist them must also abide.

“The Security Council also recognizes the steps taken to address the urgent humanitarian needs of those displaced by the current conflict. The Security Council calls for an intensification of these efforts by all parties and urges all Member States to continue to fund the UN humanitarian appeals.

“The Security Council urges the international community, in accordance with international law, to further strengthen and expand support for the Government of Iraq as it fights ISIL and associated armed groups. The Security Council welcomes the International Conference on Peace and Security in Iraq that took place in Paris on 15 September 2014 and the summit-level meeting of the Security Council responding to the global threat posed by foreign terrorist fighters that is scheduled for 24 September.

“The Security Council stresses that terrorism can only be defeated by a sustained and comprehensive approach involving the active participation and collaboration of all States, as well as international and regional organizations, to impede, impair, isolate and incapacitate the terrorist threat.

“The Security Council reiterates the urgent need to stop any direct or indirect trade in oil from Iraq involving ISIL with the aim to put an end to financing terrorism.

“The Security Council supports Iraq’s further economic, social, political and diplomatic integration into the region and the international community and calls upon regional States to engage more actively to facilitate this process. The Security Council recognizesthat the situation that now exists in Iraq is significantly different from that which existed at the time of the adoption of resolution 661 (1990), and further recognizes the importance of Iraq achieving international standing equal to that which it held prior to the adoption of resolution 661 (1990).

“The Security Council reiterates that no terrorist act can reverse the path towards peace, democracy and reconstruction in Iraq, which is supported by the people and the Government of Iraq, and by the international community.”

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シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表は「テロとの戦いが行われているイラクとシリアの戦争は共通の敵に対する一つの戦争である…。シリア政府はダーイシュとヌスラ戦線に対するテロとの戦いの基本的な部分を構成している…。国際社会がダーイシュとヌスラ戦線の脅威に覚醒したことは我々にとって歓迎すべきことだ」と述べる一方、シリアとイラクの惨状が「サウジアラビア・トルコ・カタールの悪の同盟」によるテロ支援の結果だと指弾した。

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ケリー米国務長官は安保理会合で「イスラーム国のネットワークを断ち切り、宗教活動の仮面をかぶった軍事カルトを根絶やしにする必要がある」と強調、ダーイシュ殲滅のための国際的な同盟に関して「軍事的な性格の同盟ではなく、包括的な同盟」だととしたうえで、「イランを含む世界のすべての国がイスラーム国との戦いにおいて役割を担っている」と述べた。

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フランスのローラン・ファビウス外務大臣は安保理会合で「テロリストに対抗することは私たちの義務だ」と述べたうえで、国際社会の結束を求めた。

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イランのアッバース・アラーグジー外務次官は安保理会合で「イスラーム国は新たな流血の土地を見つけ、偽りの大義を作り出そうとしている」としたうえで、イラク政府を積極支援する意思を示した。

しかし「地域の窮状を救う真の主導権は地域内から出てくるべきものであり、地域間の協調も必要である…。イスラーム国との戦闘においても例外ではない」と述べ、米国によるシリアでの空爆に反対を唱えた。

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ロシアのヴィタリー・チュルキン国連大使は安保理会合で「国際的な対テロ作戦には、主権国の了承もしくは安保理の承認が必要である…。それ以外の方法は国際社会や地域の安定を損ねる」と述べ、米国が行おうとしているシリア空爆に「強い懸念」を表明した。

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日本の薗浦健太郎外務政務官は安保理会合で「軍事的な貢献はできないが、人道支援やテロ対策に積極的に取り組む」と述べ、UNHCRなどを通じ、難民用のテントなどの救援物資に充てる意思を示した。

安部政権は、ダーイシュから被害を受けたイラク国内の避難民や、シリアから周辺国に逃れた避難民の支援のため、新たに約2,550万ドル(約27億5,400万円)を拠出することを決めている。

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フランスのフランソワ・オランド大統領はパリの大統領府で演説を行い、UAEに駐留する同国空軍戦闘機が、イラク北東部にあるダーイシュ(イスラーム国)の補給所を空爆、破壊したと発表した。

またフランス国防省はこの攻撃の映像を公開した。

AFP, September 19, 2014、AP, September 19, 2014、ARA News, September 19, 2014、Champress, September 19, 2014、al-Hayat, September 20, 2014、Kull-na Shuraka’, September 19, 2014、al-Mada Press, September 19, 2014、Naharnet, September 19, 2014、NNA, September 19, 2014、Reuters, September 19, 2014、SANA, September 19, 2014、September 20, 2014、UPI, September 19, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き:ダーイシュがアイン・アラブ一帯に侵攻(2014年9月19日)

シリア人権監視団は、ダーイシュ(イスラーム国)がアイン・アラブ市郊外の60カ村以上を制圧、同地一帯から西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が撤退し、住民数万人が近隣の山岳地帯に避難した、と発表した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(9月19日付)によると、ダーイル市スィヤーサ橋近郊、ブーカマール市で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クッルナー・シュラカー(9月19日付)、ラッカ市からダーイシュ(イスラーム国)が姿を消したとする一部報道に関して、地元の活動家の話として、ダーイシュが撤退したのではなく、同市北部などで制圧・接収した学校、政府関連施設に拠点を移しただけだ、と報じた。

AFP, September 19, 2014、AP, September 19, 2014、ARA News, September 19, 2014、Champress, September 19, 2014、al-Hayat, September 20, 2014、Kull-na Shuraka’, September 19, 2014、al-Mada Press, September 19, 2014、Naharnet, September 19, 2014、NNA, September 19, 2014、Reuters, September 19, 2014、SANA, September 19, 2014、UPI, September 19, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き:ヌスラ戦線がレバノン軍兵士を処刑(2014年9月19日)

アナトリア通信(9月19日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線は、拘束していたレバノン軍兵士のムハンマド・ハミーヤ氏を銃殺した、と発表した。

ハミーヤ氏はベカーア県バアルベック郡アルサール村への武装集団(ヌスラ戦線、ダーイシュ(イスラーム国)の襲撃で拘束されていた兵士の一人。

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レバノン軍は声明を出し、ベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外の対シリア国境地帯で、軍車輌が道路に仕掛けられていた爆弾の標的となり、兵士2人が戦死したと発表した。

NNA(9月19日付)によると、これを受け、レバノン軍は報復としてアルサール村郊外に対して砲撃を行い、シリア人1人が死亡、1人が負傷した。

またラブワ村でも武装集団が撃ったロケット弾が3発着弾した。

うち1発はラブワ村の中学校、もう1発はアマル運動の事務所近くに着弾したという。

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NNA(9月19日付)によると、北部県トリポリ市のシリア街道沿いのウマリー地区にある軍検問所に向かって手榴弾が投げられ、検問所の30メートル付近で爆発した。

AFP, September 19, 2014、Anadolu Ajansı, September 19, 2014、AP, September 19, 2014、ARA News, September 19, 2014、Champress, September 19, 2014、al-Hayat, September 20, 2014、Kull-na Shuraka’, September 19, 2014、al-Mada Press, September 19, 2014、Naharnet, September 19, 2014、NNA, September 19, 2014、Reuters, September 19, 2014、SANA, September 19, 2014、UPI, September 19, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き:「ウンマ軍」、「バドル軍団」が、イスラーム軍を排除するかたちで結成(2014年9月19日)

クッルナー・シュラカー(9月19日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動するとされる武装集団10組織が共同声明を出し、「ウンマ軍」として統合したと発表した。

ウンマ軍に参加したのは、ドゥーマー殉教者旅団(アフマド・ターハー)、グータの獅子旅団、ファールーク・ウマル旅団、ファトフ・シャーム旅団、アルバイン殉教者旅団、アンサール・ウンマ旅団、特殊部隊連隊、ダマスカスの剣旅団、ハルマラ・ブン・ワリード大隊、ザイド・ブン・サービト旅団。

またスィラージュ・プレス(9月19日付)によると、東グータ地方(マルジュ・スルターン村)でも、反体制武装集団10組織が共同声明を出し、「バドル軍団」の名で統合したと発表した。

ウマル軍団に参加したのは、ジュンド・タウヒード旅団、誠実なる青年旅団、アフバーブ・アッラー旅団、イバード・ラフマーン大隊、アバービール・グータ旅団、イブン・タイミーヤ大隊、アリー・ブン・アビー・ターリブ大隊、ジュンド・ハック旅団、アブー・バクル・スィッディーク大隊、軍エリート大隊。

Kull-na Shuraka', September 19, 2014
Kull-na Shuraka’, September 19, 2014

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クルド青年運動(TCK)は声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)のアイン・アラブ市一帯への侵攻に対処するため、西クルディスタン移行期民政局、シリア・クルド国民評議会の双方に、統合クルド司令部のもとにクルド人部隊を動員するよう呼びかけた。

AFP, September 19, 2014、AP, September 19, 2014、ARA News, September 19, 2014、Champress, September 19, 2014、al-Hayat, September 20, 2014、Kull-na Shuraka’, September 19, 2014、al-Mada Press, September 19, 2014、Naharnet, September 19, 2014、NNA, September 19, 2014、Reuters, September 19, 2014、SANA, September 19, 2014、UPI, September 19, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き:米上院がシリアの「穏健な反体制派」支援に関する予算案を承認(2014年9月18日追記)

米上院は、ダーイシュ(イスラーム国)掃討に向けて、シリアの「穏健な反体制派」に軍事教練や武器供与を行うための予算を賛成78、反対22で可決した。

これを受け、バラク・オバマ大統領は声明で、シリアの反体制派に訓練と武器供与を行い、イスラーム国との戦いを支援する、との意思を改めて示した。

また、『ハヤート』(9月20日付)によると、チャック・ヘーゲル国防長官は、「我々は、個人ではなく、軍事部隊を教練し、反体制政治勢力が治安を維持するためともに活動できるようにする。なぜなら治安も必要とされているからだ。我々がイメージしている方法はこうしたものだ」と述べた。

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ジョン・ケリー米国務長官は上院外交委員会公聴会で、「我々はアサドが、塩素ガスを使用した証拠を持っている」と豪語した。

ARA News(9月19日付)が伝えた。

AFP, September 19, 2014、AP, September 19, 2014、ARA News, September 19, 2014、Champress, September 19, 2014、al-Hayat, September 20, 2014、Kull-na Shuraka’, September 19, 2014、al-Mada Press, September 19, 2014、Naharnet, September 19, 2014、NNA, September 19, 2014、Reuters, September 19, 2014、SANA, September 19, 2014、UPI, September 19, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き:フランスはシリア爆撃への不参加を表明(2014年9月18日)

フランスのフランソワ・オランド大統領は記者会見で、ダーイシュ(イスラーム国)に対するフランスの対応策に関して、「イラク以外には介入しない」と述べ、シリア空爆には参加しない意向を示した。

オランド大統領は「我々の目的は、イラクの治安と平和に貢献し、テロリストを弱体化することだ…。それ以上のところに至ることはない。地上部隊は派遣しない。イラク以外には介入しない」と述べた。

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ヨルダンのアブドゥッラー国王はパリでフランスのフランソワ・オランド大統領と会談し、ダーイシュ(イスラーム国)への対応などについて協議した。

信頼できる複数の消息筋によると、アブドゥッラー国王は会談で、ダーイシュをイラクで掃討したとしても、「シリアに移動するだけで、問題は残る」と述べ、イラク、シリア両国で事態に対処する必要を説いた。

これに対して、オランド大統領は、シリアでのダーイシュに対する空爆がより複雑な事態をもたらすとの見方を示し、空爆後のアサド政権の勢力回復、レバノンへのダーイシュの伸長などへの懸念を示した。

『ハヤート』(9月19日付)が伝えた。

AFP, September 18, 2014、AP, September 18, 2014、ARA News, September 18, 2014、Champress, September 18, 2014、al-Hayat, September 19, 2014、Kull-na Shuraka’, September 18, 2014、al-Mada Press, September 18, 2014、Naharnet, September 18, 2014、NNA, September 18, 2014、Reuters, September 18, 2014、SANA, September 18, 2014、UPI, September 18, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き:アレッポ上空で無人偵察機(2014年9月18日)

シリア人権監視団は、アレッポ県のダーイシュ(イスラーム国)支配地域上空で、無人戦闘機が目撃された、と発表した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、アイン・アラブ市郊外の対トルコ国境地帯の16カ村がダーイシュ(イスラーム国)の襲撃を受け、制圧された。

この襲撃により、住民や西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が多数死傷した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が支配するバーブ市をシリア軍が空爆し、女性1人と少女2人を含む17人が死亡した(ARA
News(9月18日付)によると、29人が死亡)。

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ダイル・ザウル県では、SANA(9月18日付)によると、ダイル・ザウル市各所で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イスラーム国は、2012年11月に拘束されたという英国人カメラマン、ジョン・カントリー氏の映像(http://www.youtube.com/watch?v=2SVHUm94h0I)をインターネット上で公開した。

AFP, September 18, 2014、AP, September 18, 2014、ARA News, September 18, 2014、Champress, September 18, 2014、al-Hayat, September 19, 2014、Kull-na Shuraka’, September 18, 2014、al-Mada Press, September 18, 2014、Naharnet, September 18, 2014、NNA, September 18, 2014、Reuters, September 18, 2014、SANA, September 18, 2014、UPI, September 18, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き:外務省がシリア革命反体制勢力国民連立による予防接種事故を非難(2014年9月18日)

外務在外居住者省は国連事務総長および安保理議長宛に書簡を提出し、そのなかで「トルコの支援を受けたテロ組織に所属する架空の衛生機関」(シリア革命反体制勢力国民連立)がイドリブ県で16日に行ったとされる予防接種で、児童15人が死亡したと報告、非難した。

AFP, September 18, 2014、AP, September 18, 2014、ARA News, September 18, 2014、Champress, September 18, 2014、al-Hayat, September 19, 2014、Kull-na Shuraka’, September 18, 2014、al-Mada Press, September 18, 2014、Naharnet, September 18, 2014、NNA, September 18, 2014、Reuters, September 18, 2014、SANA, September 18, 2014、UPI, September 18, 2014などをもとに作成。

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クルド民族主義勢力の動き:シリア・クルド国民評議会加盟政党がYPG支持を表明(2014年9月18日)

シリア・クルド民主統一党(イェキーティー)のムヒーッディーン・アーリー書記長はルダーウ・チャンネル(9月18日付)に対して、「人民防衛隊は西クルディスタンを防衛する軍事部隊であり、党派や政治とは関係ない」と発言し、ダーイシュ(イスラーム国)との対決姿勢を明示するとともに、シリア・クルド国民評議会を「愚かで決定能力がない」と酷評、民主統一党が主導する西クルディスタン移行期民政局への支持を暗に表明した。

クッルナー・シュラカー(9月18日付)は、アーリー書記長のこの発言を受け、シリア・クルド民主統一党(イェキーティー)の党員が集団離党したと報じた。

AFP, September 18, 2014、AP, September 18, 2014、ARA News, September 18, 2014、Champress, September 18, 2014、al-Hayat, September 19, 2014、Kull-na Shuraka’, September 18, 2014、al-Mada Press, September 18, 2014、Naharnet, September 18, 2014、NNA, September 18, 2014、Reuters, September 18, 2014、Rudaw, September 18, 2014、SANA, September 18, 2014、UPI, September 18, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き:ダーイシュがレバノン軍兵士斬首の脅迫(2014年9月17日)

ダーイシュ(イスラーム国)カラムーン支部を名乗るグループがツイッターを通じて声明を出し、武装集団が拉致しているレバノン軍兵士を斬首すると脅迫した。

Naharnet, September 17, 2014
Naharnet, September 17, 2014

al-Hayat, September 19, 2014、Naharnet, September 17, 2014などをもとに作成。

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クルド民族主義勢力の動き:アサーイシュがシリア・クルド国民評議会加盟政党事務所を閉鎖(2014年9月17日)

アレッポ県では、ARA News(9月18日付)によると、アフリーン市で、西クルディスタン移行期民政局アサーイシュがシリア・クルド進歩民主党の事務所を「公認申請がなされなかった」との理由で閉鎖した。

ARA News, September 18, 2014をもとに作成。

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諸外国の動き:米下院、シリアの「穏健な反体制派」支援のための法案を可決(2014年9月17日追記)

米下院は、ダーイシュ(イスラーム国)掃討に向けて、シリアの「穏健な反体制派」に軍事教練や武器供与を行うための予算案を賛成273(共和党159、民主党114)、反対156(共和党71、民主党85)で可決した。

同法案は18日に上院でも採決が行われる見込み。

法案に関して、バラク・オバマ米政権は当初、サウジアラビアで米軍が教練を行うとの方針を示していた。

だが、実際に可決された法案では、「穏健な反体制派」の教練内容や武器供与の具体的な内容は示されていない。

これを受け、オバマ米大統領は声明で「イスラーム国の脅威に立ち向かう重要な一歩」と歓迎した。

また声明では、シリアの「穏健な反体制派」への教練・支援が、ダーイシュに対して反転攻勢に出るために必要だとの見方を示し、アサド政権に向けた「パワー・バランス」の変更が目的ではないことを暗示した。

なお『ハヤート』(9月19日付)によると、「穏健な反体制派」への支援では、対空ミサイルの供与はなされないという。

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ロシアのヴィタリー・チュルキン国連大使は、FOX News(9月17日付)に対して、「ワシントンはダーイシュ(イスラーム国)に対する国際的な同盟を構築するにあたって、国際法を尊重しなければならず、シリア領内の過激派の拠点を空爆したいのなら、シリアと調整しなければならない」と述べた。

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イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣は、ニューヨークで講演し、ダーイシュ(イスラーム国)掃討は、シリアやイラクでの空爆では「不可能」と述べたうえで、欧米諸国に「イラク人自身がダーイシュと戦えるよう」支援するとともに、「イラクとシリアの近隣諸国からダーイシュが資金や支援を得ることを阻止」すべきだと呼びかけた。

シリア情勢については、「シリア政府とダーイシュをともに負かそう考える者は、間違っており、幻想を抱いているだけ」と非難、「いわゆる穏健な反体制派は、領内を支配しておらず、政治的な影響力もない…。シリアにはシリア政府かダーイシュかという選択肢しかない」と強調した。

『ハヤート』(9月19日付)が伝えた。

AFP, September 18, 2014、AP, September 18, 2014、ARA News, September 18, 2014、Champress, September 18, 2014、FOX News, September 17, 2014、al-Hayat, September 19, 2014、Kull-na Shuraka’, September 18, 2014、al-Mada Press, September 18, 2014、Naharnet, September 18, 2014、NNA, September 18, 2014、Reuters, September 18, 2014、SANA, September 18, 2014、UPI, September 18, 2014などをもとに作成。

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