シリア反体制勢力の動き(2014年8月27日)

クッルナー・シュラカー(8月27日付)は、複数の消息筋の話として、自由シリア軍参謀委員会が、シリア革命反体制勢力国民連立の総合委員会メンバー人事をめぐって、参謀委員会幹部と国内で戦闘を行っている武装集団(シリア革命家戦線、ハズム運動、ムウタッズ・ビッラー旅団など)との間で対立が生じている、と報じた。

AFP, August 27, 2014、AP, August 27, 2014、ARA News, August 27, 2014、Champress, August 27, 2014、al-Hayat, August 28, 2014、Kull-na Shuraka’, August 27, 2014、al-Mada Press, August 27, 2014、Naharnet, August 27, 2014、NNA, August 27, 2014、Reuters, August 27, 2014、SANA, August 27, 2014、UPI, August 27, 2014などをもとに作成。

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「国民和解合意」(停戦合意)をめぐる動き(2014年8月27日)

『クドス・アラビー』(8月27日付)は、ノルウェーの首都オスロで、シリア政府に近いビジネスマン、商人、反体制武装集団代表、シリア国内外の反体制活動家による非公式会合(https://syriaarabspring.info/wp/?p=13103)に関して、シリア国内から民主統一党、民主的諸勢力国民調整委員会、ロナーク機構(シリアのクルド人NGO)の代表、ロシア、イラン、サウジアラビア、米国、イラク・クルディスタン地域、トルコのPKKの高官が参加した、と報じた。

同紙によると、欧米諸国が「シリア国民の唯一の正統な代表」としていたシリア革命反体制勢力国民連立のメンバーも会合には参加したが、連立代表としてではなく、個人としての参加だったと付言した。

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『ワタン』(8月27日付)は、パリで行われたとされるシリア政府高官と離反「上級士官」との非公式会合に関連して、マナーフ・トゥラース氏(元共和国護衛隊准将)に対し、離反を撤回し、帰国すれば、「高い地位」を保障するとのシリア政府のメッセージが伝えられた、と伝えた。

al-Quds al-‘Arabi, August 27, 2014、al-Watan, August 27, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年8月26日)

AP(8月26日付)は、米高官の話として、米空軍が、バラク・オバマ米大統領の承認を受け、2日前にシリア領内での偵察活動を開始した、と報じた。

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サウジアラビア内務省は声明を出し、首都リヤドの北西140キロに位置するタミール市で、治安当局が、ダーイシュ(イスラーム国)やシャームの民のヌスラ戦線の戦闘員加入・派遣に関与していた疑いのある8人を逮捕したと発表した。

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ハサカ県では、ARA(8月26日付)によると、国連世界食糧計画(WFP)、ユニセフによる食糧人道支援が空路でカーミシュリー空港に届けられた。

AFP, August 26, 2014、AP, August 26, 2014、ARA News, August 26, 2014、Champress, August 26, 2014、al-Hayat, August 27, 2014、Kull-na Shuraka’, August 26, 2014、al-Mada Press, August 26, 2014、Naharnet, August 26, 2014、NNA, August 26, 2014、Reuters, August 26, 2014、SANA, August 26, 2014、UPI, August 26, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月26日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、バーブ市の部族事務(ディーワーン・アシャーイル)局で、ジハード主義者など反体制武装集団メンバー320人以上が、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓い、加入した。

シリア人権監視団によると、8月19日の時点で、ダーイシュの訓練キャンプに6,300人が参加、このうち5,000人がシリア人、800人が元反体制武装集団メンバー、約1,300人が外国人(アラブ人、欧米出身者、チェチェン人、東南アジア出身者、中国人、クルド人)だという。

外国人戦闘員1,300人のうち、1,100人が最近になってシリア国内に不法入国、また約200人がシャームの民のヌスラ戦線からの離反者だという。

またシリア人権監視団によると、ダーイシュは戦闘員に対して毎月400米ドルを支給、家族を連れてきた者に対しては、妻に月100ドル、子供一人あたり50ドルを支給しているほか、住居、燃料などを保証している、という。

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同じくアレッポ県では、シリア人権監視団によると、県北部でダーイシュ(イスラーム国)がジハード主義武装集団(イスラーム戦線)と交戦し、イスラーム戦線側の戦闘員2人が死亡した。

またシリア軍は、ハルバ村を空爆し、女性1人と子供2人を含む4人が死亡した。

一方、SANA(8月26日付)によると、航空士官学校周辺、アアザーズ市、ダービク村、マンスーラ村、ハーン・トゥーマーン村、アレッポ市ハナーヌー地区、ラームーサ地区で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)などの反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダイル・ザウル市内のダーイシュ(イスラーム国)の拠点、シュマイティーヤ町の訓練キャンプ、同村に隣接するタッル・ターブース一帯などに対して初の本格的な空爆を実施した。

被害状況は明らかでないが、ダーイシュ本部(場所不明)に隣接する地区へのシリア軍の空爆では7人が死亡したという。

シリア軍による本格空爆は、ダーイシュがダイル・ザウル県におけるシリア軍の一大拠点であるダイル・ザウル航空基地攻略の準備を進めていることを受けた動きだという。

一方、SANA(8月26日付)によると、ダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区、ジュバイラ地区、旧空港地区、工業地区、ウルフィー地区、ハウィーカ地区、ラサーファ地区、ナズラト・ラディーサート地区のダーイシュ(イスラーム国)拠点に対して、シリア軍が攻撃を行い、多数の「テロリスト」を殲滅した。

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(8月25日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員が民間人の服をまといラアス・アイン市に潜入、市内にある西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の検問所を襲撃した。

これにより、人民防衛隊隊員複数名が死亡、ダーイシュ戦闘員1人が負傷したという。

一方、シリア軍と西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の合同検問所から、ハサカ市グワイラーン地区に対して砲撃が行われた。

AFP, August 26, 2014、AP, August 26, 2014、ARA News, August 26, 2014、Champress, August 26, 2014、al-Hayat, August 27, 2014、Kull-na Shuraka’, August 26, 2014、al-Mada Press, August 26, 2014、Naharnet, August 26, 2014、NNA, August 26, 2014、Reuters, August 26, 2014、SANA, August 26, 2014、UPI, August 26, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き(2014年8月26日)

ブサイナ・シャアバーン大統領府政治報道補佐官は、ダーイシュ(イスラーム国)によって処刑された米国人ジャーナリストのジェームズ・フォーリー氏に関して、BBCラジオ4(8月26日付)に対して、「処刑は昨年行われ、そのビデオが最近になって公開された…。国連は処刑が昨年行われたことを知っている」と述べた。

AFP, August 26, 2014、AP, August 26, 2014、ARA News, August 26, 2014、BBC Radio 4, August 26, 2014、Champress, August 26, 2014、al-Hayat, August 27, 2014、Kull-na Shuraka’, August 26, 2014、al-Mada Press, August 26, 2014、Naharnet, August 26, 2014、NNA, August 26, 2014、Reuters, August 26, 2014、SANA, August 26, 2014、UPI, August 26, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年8月26日)

SLN(8月26日付)は、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動する反体制武装集団が25日、イスラーム軍のザフラーン・アッルーシュ司令官のもと、共同戦線として糾合することに合意したと報じた。

同報道によると、共同戦線への参加に合意したのは、イスラーム軍、アジュナード・シャーム・イスラーム連合、シャーム自由人イスラーム運動、ラフマーン軍団、ハビーブ・ムスタファー旅団。

なお副司令官は、アジュナード・シャーム・イスラーム連合のムハンマド・ファーティフ司令官が務めるという。

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『ハヤート』(8月27日付)は、8月3日に、ダーイシュ(イスラーム国)とシャームの民のヌスラ戦線を除く反体制武装集団が結成した「シリア革命指導評議会」(https://syriaarabspring.info/wp/?p=11729)の参加組織が、結成当初の18組織から40組織に増えたと報じた。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)によるタブカ航空基地制圧に関して、アサド政権がダーイシュと「共謀」して、基地を明け渡したと断じ、非難した。

AFP, August 26, 2014、AP, August 26, 2014、ARA News, August 26, 2014、Champress, August 26, 2014、al-Hayat, August 27, 2014、Kull-na Shuraka’, August 26, 2014、al-Mada Press, August 26, 2014、Naharnet, August 26, 2014、NNA, August 26, 2014、Reuters, August 26, 2014、SANA, August 26, 2014、SLN, August 26, 2014、UPI, August 26, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年8月25日追記)

『ニュヨーク・タイムズ』(8月25日付)は、バラク・オバマ米大統領が、シリアでの米軍による偵察飛行を行うことを承認したと報じた。

この承認を受け、米空軍は、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点に関する情報収集のため、有人機および無人機による偵察飛行を行うものと見られるという。

なお同紙によると、オバマ大統領は、シリアのアサド政権と共闘していると受け取られないよう、偵察機の飛行をシリア政府に通告しない方針だという。

これに関して、ジェニファー・サキ国務省報道官は、偵察飛行が「米国人の生命を守ることに関わる問題であり、シリア政府にそのための許可を求めることはない」と述べた。

またシリア領空内でのダーイシュに対する空爆を行った場合でも、「我々はアサドと共闘しているのではない。ただ共通の敵がいるだけだ…。シリア政府は右手でダーイシュを狙う一方で、左手ではダーイシュを手なずけ、シリア国民の意思に応え、真の政治的解決を受け入れることを拒否している」と主張した。

AFP, August 26, 2014、AP, August 26, 2014、ARA News, August 26, 2014、Champress, August 26, 2014、al-Hayat, August 27, 2014、Kull-na Shuraka’, August 26, 2014、al-Mada Press, August 26, 2014、Naharnet, August 26, 2014、The New York Times, August 25, 2014、NNA, August 26, 2014、Reuters, August 26, 2014、SANA, August 26, 2014、UPI, August 26, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月26日追記)

シュアイタート部族の部族長、名士らは、ビデオ声明(https://www.youtube.com/watch?v=E-oENvFXAjU)を出し、ダーイシュ(イスラーム国)のカリフを名乗るアブー・バクル・バグダーディー氏への忠誠を表明、「ラワーヒドども(シーア派のこと)、ヌサイリー派ども(アラウィー派のこと)、クルド人、アラブ人などの共産主義者ども」に対する闘争を強化するため、拘束中の部族の子息(700人以上とされる)への恩赦を誓願した。

Kull-na Shuraka', August 26, 2014
Kull-na Shuraka’, August 26, 2014

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ハサカ県では、ARA News(8月26日付)によると、ハサカ市北部のハシュマーン村で、西クルディスタン移行期民政局アサーイシュがダーイシュ(イスラーム国)メンバーの自宅に突入、ダーイシュの兵站部門責任者を逮捕した。

また、アサーイシュはアームーダー市の反体制活動家自宅に対して強制捜査を行い、2人を逮捕した。

一方、ヤアルビーヤ町に近いジャズア村一帯で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュ(イスラーム国)と戦闘を続け、人民防衛隊によると、ダーイシュ戦闘員4人を殺害した。

ARA News, August 26, 2014をもとに作成。

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シリア政府の動き(2014年8月25日追記)

AKI(8月25日付)は、反体制筋の話として、シリア政府高官がパリを非公式に訪れ、離反「上級」士官と、シリアへの帰国を説得するための交渉をしたが、この上級士官がこれを拒否した、と報じた。

AKI, August 25, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年8月25日)

ドイツ外務省報道官は記者会見で、「アサド大統領の体制は3年におよぶ内戦で約20万人を殺害した」と主張したうえで、「我々がいかに誠実であったとしても、「ダーイシュ(イスラーム国)はアサドよりも悪く、ダーイシュほど悪くない勢力と協力しなければならない」といった政治的リアリズムのもとに、このことを無視することは想像できない」と述べた。

なお、ロンドンを拠点とする反体制組織のシリア人権監視団による最新の犠牲者総数(推計)は18万215人で、うち民間人(武装した民間人を含むという)が5万8,805人(うち子供9,428人、女性6,036人)、軍および親政権民兵が6万8,780人(うち軍、治安部隊が4万438人、人民諸委員会や国防隊が2万5,927人)、反体制武装集団戦闘員が4万9,699人、シャームの民のヌスラ戦線やイスラーム(ダーイシュ)などに属す外国人戦闘員が1万6,855人、ヒズブッラーなどの親政権の外国員戦闘員が1,854人、身元不明が2,931人。

「アサド大統領の体制は3年におよぶ内戦で約20万人を殺害した」とのドイツ外務省報道官は事実に反する。

AFP(8月25日付)が伝えた。

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マーティン・デンプシー統合参謀本部議長は『デイリー・メール』紙(8月25日付)に対し、米国内の安全保障が脅かされれば、シリア領内でダーイシュ(イスラーム国)に対して空爆を行う可能性があると述べた。

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『ハヤート』(8月26日付)によると、トルコのイスタンブール市郊外で、シリア人避難民の存在に不満を訴える住民数百人が抗議行動を行い、警察と衝突した。

AFP, August 25, 2014、AP, August 25, 2014、ARA News, August 25, 2014、Champress, August 25, 2014、
The Daily Mail, August 25, 2014、al-Hayat, August 26, 2014、Kull-na Shuraka’, August 25, 2014、al-Mada Press, August 25, 2014、Naharnet, August 25, 2014、NNA, August 25, 2014、Reuters, August 25, 2014、SANA, August 25, 2014、UPI, August 25, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月25日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタブカ市およびその周辺に7度にわたり空爆を行うとともに、タブカ航空基地近郊のアジュラーウィー農場一帯で、シリア軍、国防隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

またラッカ市では、ダーイシュが24日から住民の市外への移動を禁止しているという。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アシュティームッラート村周辺、アルシャーフ村周辺、アスンブル村で、クルド人戦線旅団、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦する一方、ダーイシュはマーリア市に対して砲撃を行った。

この戦闘で、クルド人戦線旅団、ヌスラ戦線側は、ダーイシュ戦闘員多数を捕捉した。

またクルド人戦線旅団、ヌスラ戦線などは、マーリア市北部のアディーヤ村一帯でダーイシュと交戦し、米国人を含むダーイシュ戦闘員15人以上を殺害した。

一方、シリア軍は、ダーイシュが占拠するトゥルクマーン・バーリフ村を24日深夜に「樽爆弾」で空爆し、女性、子供を含む8人が死亡した。

このほか、対トルコ国境(キリス)に面するバーブ・サラーマ国境通行所近くのサッジュー停留所から約50メートルの道路上で、爆発が発生し、3人が負傷した。

イスラーム戦線広報局は、犯行が、ダーイシュではなく、シリア政府の工作員によるものだとの見方を示している。

ARA News, August 25, 2014
ARA News, August 25, 2014

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ダイル・ザウル県では、SANA(8月25日付)によると、ダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区、ハウィーカ地区、旧空港地区、ムーハサン市、マリーイーヤ村で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 25, 2014、AP, August 25, 2014、ARA News, August 25, 2014、Champress, August 25, 2014、al-Hayat, August 26, 2014、Kull-na Shuraka’, August 25, 2014、al-Mada Press, August 25, 2014、Naharnet, August 25, 2014、NNA, August 25, 2014、Reuters, August 25, 2014、SANA, August 25, 2014、UPI, August 25, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年8月25日)

シャームの民のヌスラ戦線幹部の一人は、8月初めのベカーア県バアルベック郡アルサール村襲撃時に拘束した内務治安軍総局隊員らの処遇に関して、アナトリア通信(8月25日付)に「ヒズブッラーは拘束されている隊員解放の交渉を妨害しようとしてカラムーン(シリアのダマスカス郊外県)への攻撃を計画している…。しかしこうしたシナリオは人質に死をもたらすことになる…。我々はシリアに戻るまでアルサールの人質を手放さない」と述べた。

AFP, August 25, 2014、Anadolu Ajansı, August 25, 2014、AP, August 25, 2014、ARA News, August 25, 2014、Champress, August 25, 2014、al-Hayat, August 26, 2014、Kull-na Shuraka’, August 25, 2014、al-Mada Press, August 25, 2014、Naharnet, August 25, 2014、NNA, August 25, 2014、Reuters, August 25, 2014、SANA, August 25, 2014、UPI, August 25, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き(2014年8月25日)

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣(兼副首相)はダマスカスで記者会見を開き、シリア政府が、ダーイシュ(イスラーム国)に代表される過激派に対する「テロとの戦い」において、米国や国際社会と協力する用意があると述べる一方、シリア国内へのいかなる軍事的攻撃も、シリア政府との事前の調整なくしてあり得ないと強調した。

SANA, August 25, 2014
SANA, August 25, 2014

記者会見でのムアッリム外務在外居住大臣の主な発言は以下の通り。

「我々は、地域諸国、国際社会とテロとの戦いで協力、調整する用意がある…。(協力の協力は、米国、英国であっても)みな歓迎する…。(テロ戦争での国際協調が)今後のシリアの外交の基軸となる」。

「テロとの戦いにおける地域的、国際的協調を行ううえで、ロシアが地域社会、国際社会の双方で行動することが重要だ…。ロシアとシリアの姿勢は完全に合致している」。

「我々は米国との協調、協力の準備がある。なぜなら、我々は地元の民であり、どのような空爆が効果的か、また効果的でないかを知っているからだ。それゆえ、シリア国内で攻撃を行おうとする者が、たとえテロとの戦いを行いたいとしても、我々との協調がなければ、いかなる正当性もない」。

(米国がシリア政府との事前協議なくシリア国内での空爆に踏み切った場合)「我々には防空態勢があり、協調がなされなければ、我々はこの段階(防空態勢)に入る…。我々は敵対行為を回避するため事前に協力、協調を求める…」。

「我々はシャームの民のヌスラ戦線、ダーイシュに対抗しようとするあらゆる努力を歓迎する。しかし問題は、空爆だけでヌスラやダーイシュをシリアから根絶できるかということだ。そうは思えない」。

(サウジアラビアで25日に開かれたサウジアラビア、カタールなどアラブ諸国5カ国外相会合に関して)「会合の目的がテロとの戦いの支援であるならば、会合出席者にこう言いたい。まずは自分たちから始めよう。テロ組織への支援、資金供与、潜入の停止、国境管理、我々との情報共有、思想的・イデオロギー的煽動の停止…。こうしたことを通じて我々はテロと戦っているのだ」。

(欧米諸国がアル=カーイダ系組織以外の「穏健」な反体制武装集団への支援に固執していることに関して)「テロリストを穏健かどうかで分類することは…お笑い沙汰だ。我々にとって、シリア政府に対して武器を構える者すべてがテロリストだ。罪のない市民、シリア軍兵士を殺害する者すべてがテロリストだ」。

「我々(シリアとイラク)は共通の敵と戦っており、同じ戦列に身を置いている。調整と協調が、両国国益のため、両国政府に求められている」。

AFP, August 25, 2014、AP, August 25, 2014、ARA News, August 25, 2014、Champress, August 25, 2014、al-Hayat, August 26, 2014、Kull-na Shuraka’, August 25, 2014、al-Mada Press, August 25, 2014、Naharnet, August 25, 2014、NNA, August 25, 2014、Reuters, August 25, 2014、SANA, August 25, 2014、UPI, August 25, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年8月25日)

アレッポ県では、県北部で活動する反体制武装集団5組織が共同声明を出し、「ナフルワーン・シャームの戦い作戦司令室」の結成を発表、ダーイシュ(イスラーム国)と対抗する意思を示した。

作戦司令室はウンム・フーシュ村から対トルコ国境地帯からダーイシュ(イスラーム国)を放逐することを目的とするという。

共同声明発表に参加した武装集団は以下の通り:

1. ムジャーヒディーン軍
2. ヌールッディーン・ザンキー運動
3. ハズム運動
4. イスラーム戦線
5. シャーム軍団

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サウジアラビア人説教師でシリア国内に潜伏中だとされるアブドゥッラー・ムハイスニー氏はツイッターで、ハマー県ムハルダ市に対するシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団の攻撃に、アブー・ムハンマド・ジャウラーニー氏が参加していると綴った。

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ハサカ県では、ARA News(8月6日付)によると、野党の国民青年公正成長党政治局は、ダマスカス大学、ティシュリーン大学(ラタキア市)での学期末試験を受験する学生のために同党が行っていた航空チケット支給活動を、政府高官が禁じたことを強く非難した。

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シリア人権監視団は、2011年3月から2014年8月までの3年5ヶ月間におけるシリア軍および親シリア政府民兵(国防隊、人民防衛隊)によって殺害された死者数が11万人にのぼると発表した。

この数字は、同監視団が8月21日に発表した最新の犠牲者総数18万215人から、軍および親政権民兵の死者数6万8,780人を引いた数字とほぼ一致しており、この推計が正しいければ、「自由シリア軍」、イスラーム戦線、シャームの民のヌスラ戦線、ダーイシュ(イスラーム国)などの反体制組織は民間人をほとんど殺害していないことになる。

AFP, August 25, 2014、AP, August 25, 2014、ARA News, August 25, 2014、Champress, August 25, 2014、al-Hayat, August 26, 2014、Kull-na Shuraka’, August 25, 2014、al-Mada Press, August 25, 2014、Naharnet, August 25, 2014、NNA, August 25, 2014、Reuters, August 25, 2014、SANA, August 25, 2014、UPI, August 25, 2014などをもとに作成。

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シリアで日本人が拉致(2014年8月25日)

クッルナー・シュラカー(8月25日付)は、イスラーム戦線広報局の話として、アレッポ県で行われていたダーイシュ(イスラーム国)とイスラーム戦線との捕虜交換の交渉が決裂したと報じた。

同報道によると、交渉は、ダーイシュが拘束する逮捕者と、ムハージリーン・ワ・アンサール軍メンバーの交換に関するもので、アレッポ県で活動するアンサール・ディーン戦線が仲介していたという。

ムハージリーン・ワ・アンサール軍は、外国人戦闘員からなる武装集団で、2014年7月にはアレッポ県のアレッポ中央刑務所でシャームの民のヌスラ戦線と交戦するなど、ダーイシュ以外の反体制武装集団としばしば対立する一方、ハマー県などではこれらの組織と共闘している。

なお交渉では、「日本人イスラーム教徒ジャーナリスト、アブー・ムジャーヒド・ヤーバーニー」(ダーイシュによって拉致されたとされる日本人男性のこと)の解放についても協議されたが、ダーイシュによって「断固拒否」された。

解放が拒否された理由について、イスラーム戦線広報局は明らかにしなかった。

Kull-na Shuraka’, August 25, 2014をもとに作成。

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諸外国の動き(2014年8月24日追記)

ジョン・ケリー米国務長官は声明を出し、2012年10月にシリア国内でシャームの民のヌスラ戦線に拘束されていた米国人ジャーナリストのピーター・テオ・カーティス氏がシリア国内で解放されたことを明らかにした。

これに関して、カーティス氏の家族は声明を出し、カタール政府・諜報機関が解放に向けた仲介にあたってきたとしたうえで、身代金の支払いはなかったことを明らかにした。

一方、国連報道官は、カーティス氏の身柄が過激派組織から、シリアとイスラエルの停戦監視にあたっているUNDOFに引き渡され、その後、米国側に送り届けられたことを明らかにした。

ロイター通信(8月25日付)などが伝えた。

AFP, August 25, 2014、AP, August 25, 2014、ARA News, August 25, 2014、Champress, August 25, 2014、al-Hayat, August 26, 2014、Kull-na Shuraka’, August 25, 2014、al-Mada Press, August 25, 2014、Naharnet, August 25, 2014、NNA, August 25, 2014、Reuters, August 25, 2014、SANA, August 25, 2014、UPI, August 25, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年8月24日)

サウジアラビア、エジプト、UAE、ヨルダン、カタールの外務大臣はサウジアラビアのジェッダで会合を開き、ダーイシュ(イスラーム国)への対応などについて協議した。

複数の外交筋によると、サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣の呼びかけによって開催されたこの会合では、「イラクとシリアにおけるダーイシュの脅威に対抗するため、5カ国の治安機関が完全なる調整」のもとに対応することが確認されたという。『ハヤート』(8月25日付)が伝えた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のナスル・ハリーリー事務局長は、アラビー21(8月24日付)に、ジェッダでのアラブ5カ国の外相会合をメディアを通じて知ったことを明らかにし、不快感を示した。

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イスラエル軍は声明を出し、シリア領内から占領下のゴラン高原に向けてロケット弾5発が発射され、着弾したと発表した。

このロケット弾攻撃による被害はなかったが、イスラエル軍はロケット弾の発射場所を特定できず、反撃しなかったという。

『ハヤート』(8月25日付)が伝えた。

AFP, August 24, 2014、AP, August 24, 2014、ARA News, August 24, 2014、Arabi21.com, August 24, 2014、Champress, August 24, 2014、al-Hayat, August 25, 2014、Kull-na Shuraka’, August 24, 2014、al-Mada Press, August 24, 2014、Naharnet, August 24, 2014、NNA, August 24, 2014、Reuters, August 24, 2014、SANA, August 24, 2014、UPI, August 24, 2014などをもとに作成。

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米国がシリア国内で軍事作戦(続報、2014年8月24日)

『ハヤート』(8月24日付)は、米国が、ダーイシュ(イスラーム国)によって拉致された人質を救出するために7月上旬に行ったとされる極秘作戦について、地元住民らの証言をもとにその詳細を報じた。

同紙によると、米軍ヘリコプター2機が7月4日深夜、ラッカ県アキールシー村にある通称「シャイフ・ウサーマ・ビン・ラーディン基地」(ラッカ市東部アキールシー基地)を空爆後、同村に着陸し、作戦が実行されたという。

特殊部隊は、アキールシー村に突入し、武装集団と戦闘し、戦闘員多数を殺害した後、内の民家を捜索したという。

なお特殊部隊には、米軍兵士だけでなく、アラブ諸国の兵士も含まれていたという。

特殊部隊は、住民から米国人ジャーナリストのジェームズ・フォーリー氏を含む人質が拘置所にいないことを知らされると、この拘置所を焼き討ち、土壌のサンプルを採取するなどして撤収したという。

なお、アブー・イブラーヒーム・ラッカーウィーを名乗るラッカ市の活動家によると、ダーイシュは米軍による極秘作戦の24時間前に、フォーリー氏らを処刑するためにアキールシー村から連れ出していたという。

AFP, August 24, 2014、AP, August 24, 2014、ARA News, August 24, 2014、Champress, August 24, 2014、al-Hayat, Augustr 24, 2014、August 25, 2014、Kull-na Shuraka’, August 24, 2014、al-Mada Press, August 24, 2014、Naharnet, August 24, 2014、NNA, August 24, 2014、Reuters, August 24, 2014、SANA, August 24, 2014、UPI, August 24, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月24日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシリア軍との激しい戦闘の末、タブカ航空基地を完全制圧した。

戦闘はタブカ航空基地に近いウジャイリー農場、アジュラーウィー農場で未明から行われ、早朝にダーイシュが飛行場内に突入、シリア軍は同飛行場に配備されていた航空機を、ダイル・ザウル航空基地に撤退させたという。

また飛行場に展開していた地上部隊も、サラミーヤ市・ハナースィル市街道をイスリヤー村方面に向かって撤退したという。

これに関して、シリア人権監視団は、ダーイシュが23日晩に、タブカ航空基地とイスリヤー村(ハマー県)に至る街道一帯から撤退し、シリア軍の退路を確保、戦闘を回避しようとしたと発表した。

これにより、ダーイシュはラッカ県内のシリア軍の主要な軍事拠点のすべてを制圧した。

タブカ航空基地をめぐる戦闘では、ダーイシュ戦闘員370人(うち外国人170人、イラク人とシリア人200人)、シリア軍兵士25人が死亡した。

一方、SANA(8月24日付)は、タブカ航空基地を防衛するシリア軍部隊が、ダーイシュとの激しい戦闘の末、同空港から退避し、部隊を再結集し、「テロ集団」への的確な攻撃を続けている、と報じた。

Kull-na Shuraka', August 24, 2014
Kull-na Shuraka’, August 24, 2014
Kull-na Shuraka', August 24, 2014
Kull-na Shuraka’, August 24, 2014
Kull-na Shuraka', August 24, 2014
Kull-na Shuraka’, August 24, 2014

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、クルド人戦線旅団とジハード主義武装集団が、ダーイシュ(イスラーム国)との数日間にわたる戦闘の末、スーラーン・アアザーズ町に近いアディーヤ村、ダフリーヤ村を奪還した。

またアフタリーン市では、シリア軍が空爆を行うなか、クルド人戦線旅団、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団がダーイシュと交戦した。

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ハサカ県では、ARA News(8月24日付)によると、イラク国境に近いジャズア村で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、同村のアミールを名乗るアブー・ダーライヤー氏ら10人のダーイシュ戦闘員を殺害した。

AFP, August 24, 2014、AP, August 24, 2014、ARA News, August 24, 2014、Champress, August 24, 2014、al-Hayat, August 25, 2014、Kull-na Shuraka’, August 24, 2014、al-Mada Press, August 24, 2014、Naharnet, August 24, 2014、NNA, August 24, 2014、Reuters, August 24, 2014、SANA, August 24, 2014、UPI, August 24, 2014などをもとに作成。

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クルド民族主義勢力の動き(2014年8月24日)

ハーワール・ニュース(8月24日付)は、アレッポ革命軍事評議会前議長のアブドゥルジャッバール・アカイディー大佐がハサカ県アフリーン市を訪問し、西クルディスタン移行期民政局アフリーン地区のアブドゥー・イブラーヒーム防衛委員長(防衛大臣)と会談し、「自由シリア軍」と人民防衛隊が共同でダーイシュ(イスラーム国)に対抗することを合意した、と報じた。

会談には、アカイディー大佐、イブラーヒーム防衛委員長のほか、シリア自由人旅団のアフマド・アファシュ司令官ら「自由シリア軍」司令官、人民防衛隊の司令官らが同席し、ダーイシュによるアアザーズ市一帯制圧などへの対応が協議されたという。

なおユーチューブには22日付で、アカイディー大佐がアフリーン市を訪問し、人民防衛隊の司令官らと会談する映像(https://www.youtube.com/watch?v=55Vo6hvPQN4)がアップされていた。

Youtube, August 22, 2014
Youtube, August 22, 2014

AFP, August 24, 2014、AP, August 24, 2014、ARA News, August 24, 2014、Champress, August 24, 2014、Hawar News, August 24, 2014、al-Hayat, August 25, 2014、Kull-na Shuraka’, August 24, 2014、al-Mada Press, August 24, 2014、Naharnet, August 24, 2014、NNA, August 24, 2014、Reuters, August 24, 2014、SANA, August 24, 2014、UPI, August 24, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年8月24日)

アフバール・アーン(8月24日付)によると、ダマスカス郊外県カラムーン地方で活動する反体制武装集団11組織が、「西カラムーン連合」を結成し、シリア軍、ヒズブッラー戦闘員への反抗を約束した。

「西カラムーン連合」に参加した武装集団は、特殊部隊、ムタハーッビーン・ビッラー大隊、カラムーン自由人大隊、スンナの獅子大隊、フーシュ・アラブ殉教者連合、カラムーンの男達大隊、アッラーの男達旅団、ハビーブ・ムスタファー旅団、アンサール大隊、ウマイヤの鷹旅団、人民革命旅団、サイフ・ハック旅団、ナブク殉教者旅団、カラムーンの鷹旅団、アフバーブ・サイイド・ナー・ムハンマド大隊、ハマド旅団、カラムーンの盾旅団、第215大隊、ハフィール自由人旅団、カラムーン解放旅団、シャーム解放旅団、カラムーン・サルハ大隊連合。

AFP, August 24, 2014、Akhbaral-An, August 24, 2014、AP, August 24, 2014、ARA News, August 24, 2014、Champress, August 24, 2014、al-Hayat, August 25, 2014、Kull-na Shuraka’, August 24, 2014、al-Mada Press, August 24, 2014、Naharnet, August 24, 2014、NNA, August 24, 2014、Reuters, August 24, 2014、SANA, August 24, 2014、UPI, August 24, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月23日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠するタブカ市内の病院などに対し、シリア軍が6回にわたり空爆を行った。

この空爆で、ダーイシュ戦闘員10人、病院職員3人が死亡した。

シリア軍はまた、ダーイシュが攻略をめざすタブカ航空基地周辺に対して空爆を続け、同地一帯で交戦した。

ダーイシュは早朝、3度目となる自爆攻撃を飛行場の入り口で行ったが、シリア軍の応戦によって失敗した。

これに関して、SANA(8月23日付)は、ダーイシュのタブカ航空基地に対する攻撃が失敗に終わり、タブカ航空基地の外壁周辺には、ダーイシュ戦闘員の遺体数十体が散乱していると報じた。

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ダイル・ザウル県では、ARA News(8月24日付)によると、ガラーニージュ市で、ダーイシュ(イスラーム国)がシュアイタート部族の子息10人を処刑した。

AFP, August 23, 2014、AP, August 23, 2014、ARA News, August 23, 2014、Champress, August 23, 2014、al-Hayat, August 24, 2014、Kull-na Shuraka’, August 23, 2014、al-Mada Press, August 23, 2014、Naharnet, August 23, 2014、NNA, August 23, 2014、Reuters, August 23, 2014、SANA, August 23, 2014、UPI, August 23, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年8月23日)

『サフィール』(8月23日付)は、外交筋の話として、ベカーア県バアルベック郡アルサール村を8月初めに襲撃した武装集団(シャームの民のヌスラ戦線、ダーイシュ(イスラーム国)が拉致する内務治安軍総局隊員らの釈放に向けた交渉に関して、トルコとカタールが仲介に尽力していると報じた。

なおこれまで仲介を行っていたウラマー委員会は22日に武装集団との交渉を中止すると発表している。

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NNA(8月23日付)によると、レバノンの治安当局はベカーア県バアルベック郡で、ジハード主義武装集団に属するシリア人3人を逮捕した。

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レバノン軍は声明を出し、レバノン南部から発射されたロケット弾1発がイスラエル東部のアッカに着弾したと報じた。

被害状況は不明。

ナハールネット(8月23日付)が伝えた。

AFP, August 23, 2014、AP, August 23, 2014、ARA News, August 23, 2014、Champress, August 23, 2014、al-Hayat, August 24, 2014、Kull-na Shuraka’, August 23, 2014、al-Mada Press, August 23, 2014、Naharnet, August 23, 2014、NNA, August 23, 2014、Reuters, August 23, 2014、al-Safir, August 23, 2014、SANA, August 23, 2014、UPI, August 23, 2014などをもとに作成。

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クルド民族主義勢力の動き(2014年8月23日)

クッルナー・シュラカー(8月23日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ジャズィーラ地区)のカナアーン・バラカート内務委員長(内務大臣)は、アサーイシュに対して、18歳から30歳の男性のジャズィーラ地区外への旅行を禁じることと、徴兵制の厳格な適用を要請した。

Kull-na Shuraka', August 23, 2014
Kull-na Shuraka’, August 23, 2014

 

 

ARA News(8月23日付)によると、バラカート内務委員長はまた、政党問題委員会に対して認可を申請していない政治団体に対して申請を促すようアサーイシュに支持した。

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クッルナー・シュラカー(8月23日付)は、西クルディスタン移行期部民局(ジャズィーラ地区)の共同執政官でシャンマル部族長のハミーディー・ダッハーム・ハーディー・ジャルバー氏が、ハサカ県マーリキーヤ市で2週間前に暗殺未遂に遭っていたと報じた。

AFP, August 23, 2014、AP, August 23, 2014、ARA News, August 23, 2014、Champress, August 23, 2014、al-Hayat, August 24, 2014、Kull-na Shuraka’, August 23, 2014、al-Mada Press, August 23, 2014、Naharnet, August 23, 2014、NNA, August 23, 2014、Reuters, August 23, 2014、SANA, August 23, 2014、UPI, August 23, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年8月22日)

オランダのフランス・ティマーマンス外務大臣はハーグで記者団に対し、「イラクでダーイシュ(イスラーム国)に対してより断固たる方針をとることを主唱している人々は、シリアでもこの組織と戦う準備ができてのみ成果をなすということを理解しなければならない」と述べた。

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国連の潘基文事務総長は、国連安保理決議2139号に関する報告書のなかで、シャームの民のヌスラ戦線が、シリア・トルコ間の密輸業を完全に掌握しており、それが同組織の主要な活動資金になっていると指摘した。

ARA News(8月23日付)が伝えた。

AFP, August 22, 2014、AP, August 22, 2014、ARA News, August 22, 2014、August 23, 2014、Champress, August 22, 2014、al-Hayat, August 23, 2014、Kull-na Shuraka’, August 22, 2014、al-Mada Press, August 22, 2014、Naharnet, August 22, 2014、NNA, August 22, 2014、Reuters, August 22, 2014、SANA, August 22, 2014、UPI, August 22, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月22日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、タブカ航空基地周辺での20日以降のシリア軍によるスカッド・ミサイルなどでの空爆や地雷の爆発で、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員70人が死亡した。

シリア軍はタブカ航空基地以外のラッカ県各所でも、ダーイシュの拠点に対して「樽爆弾」での空爆を行った。

シリア軍は24日には、タブカ航空基地に増援部隊をヘリコプターで派遣したという。

他方、クッルナー・シュラカー(8月22日付)によると、ダーイシュ・ラッカ州のシャリーア委員会が、ダーイシュ諜報機関の連絡調整担当官であるアブー・ウバイダ・マグリビー氏を含む3人を、背任、逃亡(トルコへの逃亡を計画)、欧米および地域諸国の諜報機関との内通の罪で処刑した。

マグリビー氏は、アレッポ県アイン・アラブ市出身のクルド人で、ダマスカス大学卒業後、2012年にダーイシュに参加していた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アフティームッラート村にクルド人戦線旅団やジハード主義武装集団が突入を試み、同村周辺でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

ダーイシュはまた、イスラーム戦線タウヒード旅団の本拠地であるマーリア市を砲撃した。

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ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカー(8月22日付)によると、ヒサーン村で、ダーイシュ(イスラーム国)が、アブナー・イスラーム運動シャリーア委員会のムハンマド・シャイフ委員長(アブー・サッラージュ)を「背教」の罪で処刑した。

シャイフ委員長は、元政治犯で、釈放後にアンサール大隊に所属、その後アブナー・イスラーム運動シャリーア委員会の委員長に就任し、ダイル・ザウル県の他の武装集団とともにシャームの民のヌスラ戦線に忠誠を誓っていた。

Kull-na Shuraka', August 22, 2014
Kull-na Shuraka’, August 22, 2014

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ハサカ県では、ARA News(8月22日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、マギーラート村を奪還したと発表した。

声明によると、この戦闘で人民防衛隊隊員15人、ダーイシュ戦闘員100人以上が死亡した。

AFP, August 22, 2014、AP, August 22, 2014、ARA News, August 22, 2014、Champress, August 22, 2014、al-Hayat, August 23, 2014、Kull-na Shuraka’, August 22, 2014、al-Mada Press, August 22, 2014、Naharnet, August 22, 2014、NNA, August 22, 2014、Reuters, August 22, 2014、SANA, August 22, 2014、UPI, August 22, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年8月22日)

ヒズブッラーは、ダーイシュ(イスラーム国)による米国人ジャーナリストのジェームズ・フォーリー氏処刑に関して声明を出し、「テロ集団によって勇敢なままに殺害された」と哀悼の意を示したうえで、「テロ集団に資金、武器を供与し、シリアとイラクでの恐るべき犯罪を政治的に隠蔽し、沈黙を装うことこそ…恐るべき行為の主因だ」と述べ、両国でのジハード主義武装集団を支援してきたトルコ、サウジアラビア、カタールなどを暗に批判した。

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ベカーア県バアルベック郡アルサール村を8月初めに襲撃した武装集団(シャームの民のヌスラ戦線、ダーイシュ(イスラーム国)が拉致した内務治安軍総局隊員ら24人のうち、隊員8人とレバノン軍兵士1人の合わせて9人が撮影された映像がユーチューブ(https://www.youtube.com/watch?v=A41L-5mr1Mg)にアップされた。

ビデオで、隊員らは、「悪魔の党」(ヒズブッラーのこと)のシリアへの干渉に抗議するためのデモや道路封鎖を行うよう家族に対して呼びかけ、もしそうしなければ自分たちは殺害されるだろうと語った。

Naharnet, August 22, 2014
Naharnet, August 22, 2014

AFP, August 22, 2014、AP, August 22, 2014、ARA News, August 22, 2014、Champress, August 22, 2014、al-Hayat, August 23, 2014、Kull-na Shuraka’, August 22, 2014、al-Mada Press, August 22, 2014、Naharnet, August 22, 2014、August 23, 2014、NNA, August 22, 2014、Reuters, August 22, 2014、SANA, August 22, 2014、UPI, August 22, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年8月22日)

クッルナー・シュラカー(8月22日付)は、ダマスカス郊外県での化学兵器使用事件(2013年8月21日)1周年に合わせて、反体制活動家らが、ダマスカス郊外県ダーライヤー市でシリア軍が毒ガスを使用し、3人が死亡、45人が負傷したと主張している、と報じた。

AFP, August 22, 2014、AP, August 22, 2014、ARA News, August 22, 2014、Champress, August 22, 2014、al-Hayat, August 23, 2014、Kull-na Shuraka’, August 22, 2014、al-Mada Press, August 22, 2014、Naharnet, August 22, 2014、NNA, August 22, 2014、Reuters, August 22, 2014、SANA, August 22, 2014、UPI, August 22, 2014などをもとに作成。

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シリアで日本人が拉致(2014年8月22日)

アレッポ県のムハンマド・アッカード知事は、共同通信(8月21日付)と会見し、ダーイシュ(イスラーム国)によると思われる日本人の拉致に関して、「ダーイシュから捕虜交換の要請があれば、解放に向けて支援する用意がある」と述べ、釈放に向けた協力の意思を示した。

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『読売新聞』(8月23日朝刊)は、ダーイシュ(イスラーム国)によって拉致されたとされる日本人男性と行動をともにしていたというイスラーム戦線メンバーが、この男性の解放に向けた直接交渉を開始したことを明らかにしたうえで、「解放条件が身代金なのか捕虜交換なのかは不明だが、我々は要求に応える準備がある」と語ったと報じた。

このメンバーによると、拉致されたとされる男性は現在、ダーイシュが制圧するアレッポ県バーブ市で拘留されていると見られるという。

しかし、『読売新聞』(8月23日夕刊)は、ダーイシュと直接交渉を始めたとするイスラーム戦線メンバーが22日、「ダーイシュとの戦闘が激化して状況が急変し、交渉は進まなかった」と明かした。

このメンバーによると、イスラーム戦線はバーブ市にメンバー4人を派遣し、当初は電話で交渉を始めたという。

だが、22日からバーブ市一帯での戦闘激化を受けて、予定されていたイスラーム戦線とダーイシュの代表の面会は中止されたという。

なお、イスラーム戦線メンバーがバーブ市で収集した情報によると、拉致された男性は「拘束時に顔や体にけがを負ったが、無事のようだ」という。

共同通信2014年8月22日、『読売新聞』2014年8月23日などを参照。

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諸外国の動き(2014年8月21日)

米国のチャック・ヘーゲル国防長官は、マーティン・デンプシー統合参謀本部議長と会見を開き、シリアとイラクで台頭するダーイシュ(イスラーム国)に関して、高度な軍事力や豊富な資金を有する「これまでに見たことがない組織だ」と述べ、警戒感を示した。

ヘーゲル国防長官は、イスラーム国が「単なるテロ組織の枠を超えている」としたうえで、「あらゆる事態に備えねばならない」と強調、「米軍の関与は終わらない」と述べた。

そのうえで、シリア国内でのダーイシュへの空爆について「引き続きあらゆる選択肢を考えている」と排除しない考えを示した。

同席したデンプシー統合参謀本部議長も、ダーイシュを打倒するには、シリア国内で対処する必要があるとしたうえで、「空爆もその一つだ」と語った。

しかし、米軍が直接空爆を行う可能性については「少なくとも米国が行うことは予期していない」と述べ、現時点では否定した。

AFP, August 21, 2014、AP, August 21, 2014、ARA News, August 21, 2014、Champress, August 21, 2014、al-Hayat, August 22, 2014、Kull-na Shuraka’, August 21, 2014、al-Mada Press, August 21, 2014、Naharnet, August 21, 2014、NNA, August 21, 2014、QNA, August 21, 2014、Reuters, August 21, 2014、SANA, August 21, 2014、UPI, August 21, 2014などをもとに作成。

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