米CIAとJSOCがシリア領内でダーイシュ(イスラーム国)幹部殺害のための極秘作戦を実行か?(2015年9月1日)

『ワシントン・ポスト』(9月1日付)は、複数の米高官の話として、米中央情報局(CIA)と米統合特殊作戦軍(JSOC)が、シリア領内でダーイシュ(イスラーム国)の幹部を殺害するため、無人攻撃機を使った秘密作戦を実施していると報じた(https://www.washingtonpost.com/world/national-security/us-launches-secret-drone-campaign-to-hunt-islamic-state-leaders-in-syria/2015/09/01/723b3e04-5033-11e5-933e-7d06c647a395_story.html)。

同紙が匿名の米当局者の話として伝えたところによると、この秘密作戦は、米軍がダーイシュの戦闘員に対して行っている軍事作戦とは別のものだという。

この作戦で今までに殺害された人物のなかには、「カリフ電子軍」のリーダーと目されていたハッカー、ジュナイド・フサイン氏が含まれているという。

当局者は同紙に対し、この無人機作戦はJSOCが実行しているが、これまでに行われた攻撃の回数は少数とどまると語っている。

CIAが作戦で担う主な役割は、ダーイシュ幹部の身元や居場所の特定だとされる。

The Washington Post, September 1, 2015をもとに作成。

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レッジェリFrontex代表はシリアのパスポートを密売買するトルコ人グループの存在を指摘、「シリアのパスポートを持つ移民の多くは、おそらくは北アフリカなどの出身者で、経済的な理由で移民しようとしている」(2015年9月1日)

欧州対外国境管理協力機関(Frontex)のファブリス・レッジェリ代表は、欧米諸国で注目を浴びているEU領内への避難民の流入に関して、Euro 1(9月1日付)に対し、トルコにシリアのパスポートを売買するブローカーがいると指摘、彼らがEU領内への避難民の流入増大の一因となっているとの見方を示した。

レッジェリ代表は「トルコには、シリアのパスポートを買い取るグループがいる。なぜなら、EU加盟国でシリア人が難民として受け入れられている限り、シリアのパスポートに価値があるということをこのグループは知っているからだ」と述べた。

そのうえで「シリアのパスポートを持っている者の大多数は、アラビア語を話しているが、おそらくは北アフリカなどの中東諸国出身者で、多くの場合、経済的な理由で移民しようとしている」と付言した。

AFP(9月1日付)が伝えた。

AFP, September 1, 2015、AP, September 1, 2015、ARA News, September 1, 2015、Champress, September 1, 2015、al-Hayat, September 2, 2015、Iraqi News, September 1, 2015、Kull-na Shuraka’, September 1, 2015、al-Mada Press, September 1, 2015、Naharnet, September 1, 2015、NNA, September 1, 2015、Reuters, September 1, 2015、SANA, September 1, 2015、UPI, September 1, 2015などをもとに作成。

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外務在外居住者省:アル=カーイダ系組織のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動を支援するトルコ、サウジアラビア、カタールへの厳正な対処を国連に要請(2015年9月1日)

外務在外居住者省は、国連安保理議長および事務総長に宛てて書簡を送り、イドリブ県フーア市およびカファルヤー町に対して包囲と砲撃を続けるアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、ジュンド・アクサー機構などからなるファトフ軍が、サウジアラビア、カタール、そしてトルコ政府から支援を受けていると報告した。

とりわけトルコ政府に関しては、ヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動を直接兵站支援していると断じ、国連に対して「テロとの戦い」に関する諸決議を履行し、これらの国のテロ支援を停止させるための措置を早急に講じるよう要請した。

AFP, September 1, 2015、AP, September 1, 2015、ARA News, September 1, 2015、Champress, September 1, 2015、al-Hayat, September 2, 2015、Iraqi News, September 1, 2015、Kull-na Shuraka’, September 1, 2015、September 2, 2015、al-Mada Press, September 1, 2015、Naharnet, September 1, 2015、NNA, September 1, 2015、Reuters, September 1, 2015、SANA, September 1, 2015、UPI, September 1, 2015などをもとに作成。

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米軍の軍事教練を受けた第30師団がアル=カーイダ系組織のヌスラ戦線と協調、「安全保障地帯」への進駐準備を完了するなか、トルコ軍とダーイシュ(イスラーム国)が国境地帯で交戦、またダーイシュは「安全保障地帯」の中心都市マーリアでマスタード・ガスを使用か?(2015年9月1日)

トルコ領内で米軍の軍事教練を受けた第30(歩兵)師団の戦闘員の一人ナースィル・ニムル氏は、ARA News(9月1日付)に対して、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線の同意を得て、米トルコ両政府が設置合意したとされる「安全地帯」における反体制武装集団の拠点都市マーリア市に入る準備ができた、と語った。

ニムル氏は「第30師団の戦闘員はマーリア市に入る準備を終えた。これは第30師団とヌスラ戦線との間での合意と相互理解を受けたもので、ヌスラ戦線は…、ダーイシュ(イスラーム国)の進軍を阻止するため、第30師団の戦闘員がマーリア市に入ることを許した」と述べた。

また、第30師団は1日付で声明を出し、シリア政府の支配下にある都市を解放するためダーイシュ(イスラーム国)に対する軍事作戦を開始したと発表した。

声明において、第30師団は「自由シリア国民軍第30師団」を名乗り、「テロ組織ダーイシュに対する軍事作戦を開始した」と宣言しているが、その目的に関しては、ダーイシュの支配地域の掌握ではなく、「革命の心臓に対して打撃を与え続けている体制とその治安機関の支配からシリアの諸都市を解放する」と矛盾した主張を行っている。

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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(9月1日付)が伝えたところによると、米トルコ両政府が設置合意したとされる「安全地帯」内の反体制武装集団の拠点都市マーリア市に対して、ダーイシュ(イスラーム国)がマスタード・ガスを装填した迫撃砲弾を撃ち込み、20人以上が中毒症状を発症し、市内の野戦病院に搬送された。

クッルナー・シュラカー(9月1日付)は、マスタード・ガスが装填された迫撃砲弾は30発以上に及んだと伝えたうえで、市内で地元警察が防塵マスクを配布する写真を公開した。

Kull-na Shuraka', September 1, 2015
Kull-na Shuraka’, September 1, 2015
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一方、シリア人権監視団によると、有志連合がアレッポ県内の「安全地帯」内に位置するスーラーン・アアザーズ町(マーリア市北部)を空爆し、ダーイシュ戦闘員少なくとも8人を殺害した。

また、シャーム戦線は声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)支配地域(アレッポ県北部)で、所属部隊の一つのタウヒードの獅子中隊が極秘作戦を実行し、ダーイシュのメンバーのサウジアラビア人2人、チュニジア人1人を殺害したと発表した。

シャーム戦線は米国が「穏健な反体制派」とみなす武装集団で、「命じられるままに進め連合」、ムジャーヒディーン軍、ヌールッディーン・ザンキー運動、アサーラ・ワ・タンミヤ運動からなる。

このほか、SANA(9月1日付)によると、アレッポ市東部航空士官学校一帯を空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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他方、ARA News(9月2日付)は、アレッポ県バーブ市北部のラーイー村の活動家の話として、国境沿いのカラフ・マズラア町に面するトルコ領内をパトロール中のトルコ国境警備隊をダーイシュ(イスラーム国)が襲撃し、トルコ軍兵士3人が死亡、7人が負傷したた。

これに対してトルコ軍は、シリア国境地帯に戦車多数を緊急展開させ、シリア領内のブタイディーン村、カラフ・マズラア町を砲撃、またカラフ・マズラア町一帯でダーイシュと散発的に交戦した。

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ラッカ県では、ARA News(9月1日付)によると、活動家(匿名)からの情報として、ラッカ市内でダーイシュ(イスラーム国)のシリア人戦闘員と欧州出身の司令官との間が口論となり、シリア人戦闘員が司令官をナイフで刺し、死亡した。

また、その場に居合わせた戦闘員たちが司令官を指したシリア人戦闘員に発砲、この戦闘員も腹に銃弾を受け、負傷した。

この活動家によると、シリア人戦闘員と外国人戦闘員による同様の口論は、30日にハサカ県でも発生しており、リビア人司令官のアブー・フザイファ・リービー氏が死亡した。

ハサカ県の事件では、フーア町での戦闘への参加を命じたリビア人司令官の命令にシリア人戦闘員らが背いたことに端を発していたという。

このほか、ARA News(9月1日付)によると、アイン・イーサー町郊外で、31日深夜から1日未明にかけて、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦し、ダーイシュ戦闘員3人が死亡した。

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スワイダー県では、SANA(9月1日付)によると、シリア軍がカスル村でダーイシュ(イスラーム国)に対して攻撃を加え、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(9月1日付)によると、シリア軍がカルヤタイン市、サリーバ農場、ウンム。リーシュ村、スルターニーヤ村、ラスム・アルナブ村、トゥワイニー村、タドムル市西方の採石場一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカー(9月2日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)ハイル州の統治者(ワーリー)のアブー・サーリフ・ジャブラーウィー氏が解任され、アブー・アドナーン・シャーミー氏が9月1日付で新ワーリーに任命された。

シャーミー氏はダイル・ザウル市のヒスバ(宗教警察)を統括していた人物で、ジャブラーウィー氏と同様シリア人だという。

なお、ジャブラーウィー前ワーリーの先任者だったイラク人のアブー・ウサーマ・イラーキー氏は有志連合の空爆により7月に死亡、以降、ハイル州のワーリーはシリア人が連続して務めることになる。

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米中央軍(CENTCOM)は、9月1日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して13回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は5回におよび、フール町(ハサカ県)近郊(1回)、ラッカ市近郊(1回)、マーリア市近郊(2回)、ワフシーヤ村(アレッポ県、CENTCOM声明によると「ワシーヤ」)近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, September 1, 2015、AP, September 1, 2015、ARA News, September 1, 2015、September 2, 2015、Champress, September 1, 2015、al-Durar al-Shamiya, September 1, 2015、al-Hayat, September 2, 2015、September 3, 2015、Iraqi News, September 1, 2015、Kull-na Shuraka’, September 1, 2015、al-Mada Press, September 1, 2015、Naharnet, September 1, 2015、NNA, September 1, 2015、Reuters, September 1, 2015、SANA, September 1, 2015、UPI, September 1, 2015などをもとに作成。

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イドリブ県、アレッポ県各所で、アル=カーイダ系組織のヌスラ戦線の退去とシャーム戦線支持を訴えるデモが発生(2015年9月1日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、ジュンド・アクサー機構などからなるファトフ軍の支配下にあるハーン・シャイフーン市で、住民が1日晩、ヌスラ戦線の市内からの退去を求めるデモを行い、市内にとどまる住民数十人が参加した。

デモで住民は、ヌスラ戦線が市内のモスクのシャイフや説教師を解任したことに抗議、ヌスラ戦線の指導者のアブー・ムハンマド・ジャウラーニー氏の「退任」を訴えるとともに、シャーム戦線に対し、ハーン・シャイフーン市に進駐するよう求めた。

ヌスラ戦線はこのデモに対して、空砲を撃つなどして強制排除を試み、デモに参加した活動家複数人を逮捕したという。

Kull-na Shuraka', September 1, 2015
Kull-na Shuraka’, September 1, 2015
Kull-na Shuraka', September 3, 2015
Kull-na Shuraka’, September 3, 2015

ARA News(9月2日付)によると、同様のデモは、イドリブ県ジスル・シュグール市、アレッポ県アターリブ市でも行われ、デモ参加者は、ヌスラ戦線の退去と幹部の処罰、ヌスラ戦線による逮捕者の釈放を要求した。

『ハヤート』(9月5日付)によると、サルマーダー市でも同様のデモが発生、ヌスラ戦線がデモ参加者に発砲し、複数の負傷者が出た。

AFP, September 2, 2015、AP, September 2, 2015、ARA News, September 2, 2015、Champress, September 2, 2015、al-Hayat, September 3, 2015、September 5, 2015、Iraqi News, September 2, 2015、Kull-na Shuraka’, September 2, 2015、al-Mada Press, September 2, 2015、Naharnet, September 2, 2015、NNA, September 2, 2015、Reuters, September 2, 2015、SANA, September 2, 2015、UPI, September 2, 2015などをもとに作成。

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二つの「人権団体」が発表した2015年8月の紛争による犠牲者数に大きな開き(2015年9月1日)

シリア人権監視団は、2015年8月の紛争による死者数が4,830人に達したと発表した。

このうち1,205人が民間人で、そのなかには18歳未満の子供252人、18歳以上の女性151人に加えて、「ジハード主義者を含む反体制武装集団戦闘員」も含まれている。

この「民間人」のうち674人(うち子供154人、女性87人)は、シリア軍の空爆による犠牲者だという。

またシリア軍の死者は778人、国防隊などの親政府民兵は684人、ヒズブッラー戦闘員は36人だという。

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シリア人権ネットワークも声明を出し、2015年8月の1ヶ月の間に、2,040人が主にシリア軍や親政府民兵によって殺害されたと発表した。

それによると、シリア軍、親政府民兵によって殺害された死者数は1,623人に及び、そのうち302人が子供、289人が女性、拷問による死者は77人、武装集団メンバーは410人にのぼるという。

また西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊によって殺害された民間人も14人(うち子供3人、女性3人)にのぼったという。

一方、ダーイシュ(イスラーム国)によって殺害されたのは236人で、うち119人が武装集団メンバー、117人が民間人(子供5人、女性8人を含む)で、シャームの民のヌスラ戦線によって殺害されたのは11人のみ(うち民間人6人(女性2人を含む)、武装集団メンバー5人)だったという。

またそれ以外の反体制武装集団によって殺害されたのは119人で、うち民間人は104人(子供26人、女性18人を含む)だという。

なお、シリア人権ネットワークが発表するデータは、発表する死者数のなかにシリア政府側の犠牲者をほとんど含めていないために、死者数が常にシリア人権監視団のデータの半分程度にとどまっている。

AFP, September 1, 2015、AP, September 1, 2015、ARA News, September 1, 2015、Champress, September 1, 2015、al-Hayat, September 2, 2015、Iraqi News, September 1, 2015、Kull-na Shuraka’, September 1, 2015、al-Mada Press, September 1, 2015、Naharnet, September 1, 2015、NNA, September 1, 2015、Reuters, September 1, 2015、SANA, September 1, 2015、UPI, September 1, 2015などをもとに作成。

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スィルヤーニー連合党がダーイシュ(イスラーム国)と戦うため、シリア正教徒女性民兵を結成(2015年8月31日)

スィルヤーニー連合党は声明を出し、ハサカ県カフターニーヤ市でシリア正教徒女性からなる軍事評議会「バイス・ナフラインの女性防衛部隊」を結成したと発表した。

ARA News(8月31日付)が伝えた。

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スワイダー県では、SANA(8月31日付)によると、ムアーッズ丘一帯、シャカー村で、シリア軍が人民防衛諸集団とともにダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月31日付)によると、カルヤタイン市西部のサリーバ農場、ラジャム・カスル村、柑橘農園、ジャズル・ガス採掘所東部一帯、タドムル市郊外採石場一帯、ラッフーム村をシリア軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(8月31日付)によると、アレッポ市東部航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 31, 2015、AP, August 31, 2015、ARA News, August 31, 2015、Champress, August 31, 2015、al-Hayat, September 1, 2015、Iraqi News, August 31, 2015、Kull-na Shuraka’, August 31, 2015、al-Mada Press, August 31, 2015、Naharnet, August 31, 2015、NNA, August 31, 2015、Reuters, August 31, 2015、SANA, August 31, 2015、UPI, August 31, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)がタドムル市にあるUNESCO世界文化遺産パルミラ遺跡のベル神殿を破壊(2015年8月31日)

シリア人権監視団は8月30日に声明を発表し、ヒムス県タドムル市にあるUNESCO世界文化遺産のパルミラ遺跡にあるベル神殿の一部が、ダーイシュ(イスラーム国)によって破壊されたと発表した。

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『ハヤート』(9月1日付)によると、ベル神殿の一部が破壊されたとのシリア人権監視団の発表(30日)に関して、シリアの遺跡博物館局のマアムーン・アブドゥルカリーム局長は「神殿の面積は約4万3,000平方メートルと非常に広いが、ダーイシュは遺跡の調査員らが近づくことを禁止している」と述べ、事実確認がとれていないことを明らかにした。

BBC(8月31日付)によると、アブドゥルカリーム局長はまた、ベル神殿の一帯で大きな爆発が起きたことを認めつつも、「その中心部、柱、敷地は被害を受けていない」と述べた。

Alarabia.net, August 31, 2015
Alarabia.net, August 31, 2015

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しかし、AFP(9月1日付)によると、国連のUNESCOは、ヒムス県タドムル市にある世界文化遺産のパルミラ遺跡の衛星画像によって、ベル神殿の中心部の建物およびその両脇に並んでいた円柱の列が破壊されていることを確認した、と発表した。

UNESCOによると、8月27日に撮影された衛星画像では、ベル神殿の遺構ははっきりと確認ができたが、31日の画像では中止部の建物とその両脇に並んでいた円柱の列は消滅し、周辺の円柱の列が確認できるのみだったという。

twitter.com/OnlineMagazin
twitter.com/OnlineMagazin

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なお、SANA(9月1日付)はその後、ベル神殿破壊に関して、「シリアは、この野蛮な攻撃に震撼しつつも、不正に満ちたタクフィール主義者のテロを根絶するための誠実な努力を増大させ、地域、そして国際社会の安定を維持し、全人類の文明・文化遺産の保護をめざすよう、改めて呼びかける」とする外務在外居住者省の談話を伝えた。

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米中央軍(CENTCOM)は、8月31日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して19回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は6回におよび、フール町(ハサカ県)近郊(1回)、アイン・アラブ市近郊(2回)、マーリア市近郊(2回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

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ARA News(9月1日付)によると、有志連合による空爆で、ヨルダン人司令官のアブー・ムスリム・タウヒーディー氏が死亡したという。

AFP, August 31, 2015、Alarabia.net, September 1, 2015、AP, August 31, 2015、ARA News, August 31, 2015、September 1, 2015、BBC, August 31, 2015、Champress, August 31, 2015、al-Hayat, September 1, 2015、Iraqi News, August 31, 2015、Kull-na Shuraka’, August 31, 2015、al-Mada Press, August 31, 2015、Naharnet, August 31, 2015、NNA, August 31, 2015、Reuters, August 31, 2015、SANA, August 31, 2015、September 1, 2015、Syriahr.com,August 30, 2015、UPI, August 31, 2015などをもとに作成。

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ロシアのラブロフ外相が民主的変革国民調整委員会、変革解放人民戦線、PYDの代表と会談(2015年8月31日)

ロシア外務省報道官は、セルゲイ・ラブロフ外務大臣がモスクワ訪問中の反体制組織代表らと会談し、シリア政府と反体制派の和平交渉「ジュネーブ3」開催に向けて意見を交わした、と発表した。

ラブロフ外務大臣と会談したのは、民主的変革国民調整委員会代表のハサン・アブドゥルアズィーム弁護士、変革解放人民戦線代表のカドリー・ジャミール前副首相(在モスクワ)、民主統一党(PYD)のハーリド・イーサー氏、シリア・アッシリア連合のナムルード・スライマーン氏。

SANA(8月31日付)などが伝えた。

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シリア国内で活動する反体制組織の国民民主的行動委員会(民主的変革国民調整委員会の元メンバーのマフムード・マルイー氏が事務局長)は声明を出し、同委員会を含む国内の野党、反体制組織が、「ジュネーブ3」に参加する国内の反体制派代表を選出したと発表し、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表にその旨報告することを明らかにした。

国内の野党・反体制派の代表選出に参加したのは、国民民主的行動委員会、反暴力・テロシリア人連合、国民青年党、シリア栄光潮流、国民ブロック諸勢力連立、ナウワーフ・マナード・ファーリス(部族代表)、シリア国民潮流、「手に手をとって」シリア人女性連合、自由主義潮流、自由人開発運動、民主主義のためのシリア人、ファフル・ザイダーン、ヴィクトゥール・ハンナー。

合意がダマスカス県になる国民民主行動委員会本部で29日に開かれた会合でなされたという

『ワタン』(8月31日付)が伝えた。

AFP, August 31, 2015、AP, August 31, 2015、ARA News, August 31, 2015、Champress, August 31, 2015、al-Hayat, September 1, 2015、Iraqi News, August 31, 2015、Kull-na Shuraka’, August 31, 2015、al-Mada Press, August 31, 2015、Naharnet, August 31, 2015、NNA, August 31, 2015、Reuters, August 31, 2015、SANA, August 31, 2015、UPI, August 31, 2015、al-Watan, August 31, 2015などをもとに作成。

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ヌスラ戦線は米軍が教練した「穏健な反体制派」の第30師団がアレッポ県北部の「安全保障地帯」の反体制武装集団の拠点都市マーリア市に入ることを拒否(2015年8月30日)

ARA News(8月30日付)は、米軍の教練を受けシリアに潜入している第30(歩兵)師団の戦闘員の一人、アフマド・アブドゥッラー氏の話として、シャームの民のヌスラ戦線が、ダーイシュ(イスラーム国)が攻勢を強めているマーリア市に第30師団が援軍として派遣されることを拒否した、と報じた。

アブドゥッラー氏によると、ヌスラ戦線と自由シリア軍の戦闘員はこれまで数回にわたり、マーリア市防衛を話し合うための会合を開いてきたが、ヌスラ戦線は、第30師団のマーリア市への派遣を拒否した。

その一方、会合において、ヌスラ戦線は自らの支配地域において第30師団を攻撃しないことも確約したという。

マーリア市は、米トルコ両政府が設置合意したとされる「安全地帯」における反体制武装集団の拠点都市で、同市一帯では、攻勢を強めるダーイシュに対して、シャーム自由人イスラーム運動、シャーム戦線などからなる反体制武装集団が防戦を強いられている。

一方、シリア人権監視団によると、米トルコ両政府が設置合意したとされる「安全地帯」に位置する反体制武装集団の拠点都市マーリア市に対して、ダーイシュ(イスラーム国)が砲撃を加え、ハルジャラ村、ハワール・キリス村一帯で反体制武装集団と交戦した。

また、ARA News(8月30日付)によると、アレッポ市の反体制武装集団支配地域やアアザーズ市で、ダーイシュ(イスラーム国)の攻勢に対抗するため、自由シリア軍の統合と統一作戦司令室の設置を求めるデモが発生した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、有志連合がラッカ市の競技場一帯などを空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバー少なくとも8人を殺害した。

殺害されたメンバーのなかには外国人の司令官も含まれているという。

またダーイシュは競技場の一部をシャリーア法廷として使用するなど拠点を置いており、この空爆ではダーイシュが拘束している拘置者多数が負傷したとの情報もある。

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スワイダー県では、SANA(8月30日付)によると、ブサイナ丘、ハラフーシュ農場に侵入しようとしたダーイシュ(イスラーム国)を撃退するとともに、サーキヤ村に対して特殊作戦を行い、ダーイシュ戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月30日付)によると、タドムル市、柑橘農園、ジャズル・ガス採掘所一帯、カルヤタイン市、採石場一帯、ワーディー・ザカーラをシリア軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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米中央軍(CENTCOM)は、8月30日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して12回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は1回で、フール町(ハサカ県)近郊のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, August 30, 2015、AP, August 30, 2015、ARA News, August 30, 2015、August 31, 2015、Champress, August 30, 2015、al-Hayat, August 31, 2015、Iraqi News, August 30, 2015、Kull-na Shuraka’, August 30, 2015、al-Mada Press, August 30, 2015、Naharnet, August 30, 2015、NNA, August 30, 2015、Reuters, August 30, 2015、SANA, August 30, 2015、UPI, August 30, 2015などをもとに作成。

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イドリブ県サルキーン市内のヌスラ戦線の裁判所に対してダーイシュ(イスラーム国)が自爆攻撃(2015年8月30日)

イドリブ県サルキーン市内のヌスラ戦線の裁判所に対してダーイシュ(イスラーム国)が自爆攻撃(2015年8月30日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(8月30日付)によると、サルキーン市内の市場にあるシャームの民のヌスラ戦線の裁判所で、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバーが自爆ベルトを着用して自爆、これにより3人が死亡、住民15人以上が負傷した。

Kull-na Shuraka', August 30, 2015
Kull-na Shuraka’, August 30, 2015

 

AFP, August 30, 2015、AP, August 30, 2015、ARA News, August 30, 2015、Champress, August 30, 2015、al-Durar al-Shamiya, August 30, 2015、al-Hayat, August 31, 2015、Iraqi News, August 30, 2015、Kull-na Shuraka’, August 30, 2015、al-Mada Press, August 30, 2015、Naharnet, August 30, 2015、NNA, August 30, 2015、Reuters, August 30, 2015、SANA, August 30, 2015、UPI, August 30, 2015などをもとに作成。

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ダマスカス郊外県南部のハジャル・アスワド市でダーイシュ(イスラーム国)とイスラーム軍が交戦(2015年8月30日)

ドゥラル・シャーミーヤ(8月30日付)によると、ダマスカス県ヤルムーク区、カダム区に隣接するダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市にダーイシュ(イスラーム国)が侵入を試み、イスラーム軍と交戦、イスラーム軍側がダーイシュ戦闘員22人を殺害した。

なお、ダーイシュの通信部門であるアアマーク通信は、ダーイシュが29日に、ダマスカス県カダム区の半分を制圧したと発表した。

ダーイシュは29日に、ダマスカス県カダム区、ダマスカス郊外県東カラムーン地方の反体制武装集団制圧地域に対する攻勢を強めていた。

AFP, August 30, 2015、AP, August 30, 2015、ARA News, August 30, 2015、Champress, August 30, 2015、al-Durar al-Shamiya, August 30, 2015、al-Hayat, August 31, 2015、Iraqi News, August 30, 2015、Kull-na Shuraka’, August 30, 2015、al-Mada Press, August 30, 2015、Naharnet, August 30, 2015、NNA, August 30, 2015、Reuters, August 30, 2015、SANA, August 30, 2015、UPI, August 30, 2015などをもとに作成。

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シリア人権ネットワーク:過去4年間でシリア政府が拉致した強制失踪者は6万5,000人、対するダーイシュ(イスラーム国)による強制失踪者は1,122人(2015年8月30日)

シリア人権ネットワークと欧州地中海人権監視団は「Forced Disappearance in Syria: Gone without Trace」と題した英語の報告書を共同で発表、そのなかで過去4年間で、6万7,561人が強制失踪していると発表した。

報告書全文はhttp://sn4hr.org/wp-content/pdf/english/Dahaya-EUROMID-english.pdfにて公開されている。

このうち6万5,000人以上がシリア政府、約2,400人が西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線などといった武装集団によって拉致・連行されたという。

報告書によると、シリア政府が拉致したとされる強制失踪者6万5,000人のうちの5万8,148人が民間人で、そのなかには子供3,879人、女性2,145人も含まれるという。

シリア政府が関与した強制失踪がもっとも激しかったのは2012年で、失踪者の数は2万5,276人におよぶという。

一方、人民防衛隊によって拘束された強制失踪者数は352人(うち子供43人)、ダーイシュによる強制失踪者数は1,122人(うち子供109人)を占め、ヌスラ戦線による強制失踪者数は211人(うち子供22人)だという。

AFP, August 30, 2015、AP, August 30, 2015、ARA News, August 30, 2015、Champress, August 30, 2015、al-Hayat, August 31, 2015、Iraqi News, August 30, 2015、Kull-na Shuraka’, August 30, 2015、al-Mada Press, August 30, 2015、Naharnet, August 30, 2015、NNA, August 30, 2015、Reuters, August 30, 2015、SANA, August 30, 2015、UPI, August 30, 2015などをもとに作成。

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アレッポ県北部の「安全保障地帯」に続き、ダマスカス県南部、ダマスカス郊外県カラムーン地方東部でダーイシュ(イスラーム国)とジハード主義武装集団の戦闘激化(2015年8月29日)

ダマスカス県では、スマート・ニュース(8月29日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)を名乗る武装集団が、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプに接するカダム区でアジュナード・シャーム・イスラーム連合と交戦、同地区の大部分を制圧した。

この戦闘で、アジュナード・シャーム・イスラーム連合の戦闘員6人が死亡、複数が負傷、ダーイシュ側も2人が死亡、複数が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダマスカス県カダム区での進軍と並行するかたちで、ダーイシュ(イスラーム国)を名乗る集団がヤルダー市で使徒シャーム旅団と交戦、また東カラムーン地方でも「殉教者アフマド・アブドゥー軍団」と交戦した。

殉教者アフマド・アブドゥー軍団の高官によると、彼らは、イスラーム軍、シャーム自由人イスラーム運動、ヒムス軍団に所属するサナーディード旅団とともに東カラムーン地方のビール・ズバイダ地区、ディーア山一帯でダーイシュと衝突、これを撃退したという。

しかし、シリア人権監視団によると戦闘はアサーリー区一帯で継続中だという。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、米トルコ両政府が設置合意した「安全地帯」内のタッラーリーン村、ハルバル村一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)と反体制武装集団が戦闘を続け、過去数日での反体制武装集団側の死者が32人、ダーイシュ側の死者が20人にのぼった。

両者の戦闘はマーリア市内にも及ぶ勢いで、同市近郊に設置された反体制武装集団の拠点がダーイシュによって爆破され、子供2人、女性2人を含む6人が死亡した。

ARA News(8月29日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)はタッル・リフアト市近郊のシャイフ・イーサー村に向かう街道上のシャーム戦線検問所を爆破し、数十人を殺傷した(ARA News(8月30日付)によると19人が死亡)、と発表した。

こうしたなか、アレッポ・ファトフ作戦司令室は声明を出し、カフル・カーリス村、タッル・カッラーフ村、アフラス村、シャイフ・イーサー村、ジブリーン村、カフル・ナースィフ村、マーリア市、ミスカーン村を「軍事地区」に指定し、住民に対して午後6時から午前6時までの12時間の外出禁止令を発した。

一方、SANA(8月29日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月29日付)によると、シリア軍がスフナ市、ウンム・トゥワイニー村、中ラッジュ村、タドムル市、カルヤタイン市、ワーディー・マースィク、ワーディー・アブー・ハワーディードを空爆・攻撃し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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米中央軍(CENTCOM)は、8月29日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して20回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は7回におよび、フール町(ハサカ県)近郊(1回)、ラッカ市近郊(1回)、アイン・アラブ市近郊(4回)、ワフシーヤ村(アレッポ県、CENTCOM声明によると「ワシーヤ村」近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, August 29, 2015、AP, August 29, 2015、ARA News, August 29, 2015、August 30, 2015、Champress, August 29, 2015、al-Hayat, August 30, 2015、Iraqi News, August 29, 2015、Kull-na Shuraka’, August 29, 2015、al-Mada Press, August 29, 2015、Naharnet, August 29, 2015、NNA, August 29, 2015、Reuters, August 29, 2015、SANA, August 29, 2015、SMART News, August 29, 2019、UPI, August 29, 2015などをもとに作成。

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トルコ外務省、有志連合によるシリア領内でのダーイシュ(イスラーム国)爆撃への参加を開始したと発表(2015年8月29日)

トルコ外務省は声明を出し、「8月24日に調印された(米国との)技術文書…に従い、我が国の戦闘機は有志連合とともに、昨日晩(28日晩)から、我が国の安全保障への脅威でもあるシリア領内のダーイシュ(イスラーム国)に対する空爆を開始した」と発表した。

なお、ARA News(8月29日付)によると、29日の有志連合による空爆は、アレッポ県におけるイスラーム国の主要拠点の一つバーブ市周辺で行われ、バーブ市在住の地元活動家は、空爆がバーブ市周辺に掘削された堀などに及んだことを明らかにした。

だが、この空爆にトルコ軍が参加しているかどうかは不明。

ARA News, August 29, 2015
ARA News, August 29, 2015

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またトルコのキリス県当局は声明を出し、シリア領内に潜入し、ダーイシュ(イスラーム国)に参加しようとしていた外国人ら14人を拘束した、と発表した。

AFP, August 29, 2015、AP, August 29, 2015、ARA News, August 29, 2015、Champress, August 29, 2015、al-Hayat, August 30, 2015、Iraqi News, August 29, 2015、Kull-na Shuraka’, August 29, 2015、al-Mada Press, August 29, 2015、Naharnet, August 29, 2015、NNA, August 29, 2015、Reuters, August 29, 2015、SANA, August 29, 2015、UPI, August 29, 2015などをもとに作成。

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シリア人権監視団:ダーイシュ(イスラーム国)は11ヶ月で91人を斬首、3,156人をそれ以外の方法で処刑(2015年8月29日)

シリア人権監視団は、ダーイシュ(イスラーム国)が「カリフ制」を樹立した2014年6月29日から2015年8月29日までの14ヶ月間、シリア国内の支配地域で斬首刑に処した人数が91人に達していると発表した。

このうち民間人は18歳未満の女児2人を含む32人、ダーイシュ・メンバーが39人、ジハード主義武装集団戦闘員が11人、シリア軍兵士・国防隊隊員が9人。

処刑は、神の冒涜、外国勢力への内通、ヌサイリー派体制(シリア政府)への協力、「覚醒評議会」(反体制武装集団)への所属などだという。

またこの期間にシリア国内で、斬首以外の方法でダーイシュによって殺害された人数は3,156人に及ぶという。

内訳は、民間人が1,841人(うち子供が76人、女性が95人)、236人が反体制武装集団戦闘員、シリア軍兵士・国防隊隊員が897人だという。

AFP, August 29, 2015、AP, August 29, 2015、ARA News, August 29, 2015、Champress, August 29, 2015、al-Hayat, August 30, 2015、Iraqi News, August 29, 2015、Kull-na Shuraka’, August 29, 2015、al-Mada Press, August 29, 2015、Naharnet, August 29, 2015、NNA, August 29, 2015、Reuters, August 29, 2015、SANA, August 29, 2015、UPI, August 29, 2015などをもとに作成。

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シリア北部の「安全保障地帯」でダーイシュ(イスラーム国)とアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動などからなる反体制武装集団の攻防続く(2015年8月28日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、マーリア市一帯でダーイシュ(イスラーム国)と反体制武装集団の戦闘が続き、ダーイシュは、マーリア市に近いカフラ村で、爆弾を爆破、またマーリア市一帯では、ダーイシュと反体制武装集団が交戦を続け、双方に数十人の死者が出た。

ARA News(8月28日付)によると、有志連合がマーリア市近郊のマスカナ市のダーイシュ拠点を空爆し、戦闘員10人が死亡、多数が負傷したという。

マスカナ市はダーイシュの支配下にある。

また、ARA News(8月28日付)は、シャーム戦線が、カフル村近郊でダーイシュの車輌を爆破し、アブドゥッラー・アブドゥッラヒーム・バクリー・ハミードゥーというシリア国籍のダーイシュ司令官を殺害したと発表している、と伝えた。

「安全地帯」に対する最近のダーイシュの攻勢に関して、ヌールッディーン・ザンキー運動のアブー・バシーラ・マアーッラ司令官は、クッルナー・シュラカー(8月28日付)に対し、ダーイシュによりマーリア市郊外のタラーリーン村、ハルジャラ村、ウンム・フーシュ村が制圧されたことを認める一方、マーリア市一帯からの撤退を否定、ダーイシュが「安全地帯」設置を阻止するべく攻勢をかけていると主張した。

一方、シャーム自由人イスラーム運動はツイッターを通じて声明を出し、マーリア市近郊のサンダフ村でほかの反体制武装集団とともにダーイシュ(イスラーム国)の「浄化」を完了したと発表した。

他方、SANA(8月28日付)によると、シリア軍が航空士官学校一帯を空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、ダイル・ザウル・トゥズバフ・ビ・サムト(8月28日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)ハイル州(ダイル・ザウル県一帯のこと)の福祉局が、支配地域内の商店主に対して店舗の賃貸料を米ドルで支払うよう命じる通達を出したと報じた。

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ヒムス県では、SANA(8月28日付)によると、シリア軍がカルヤタイン市およびその周辺、タドムル市および同市西部の三角地帯、ジャズル・ガス採掘所東部一帯、ワーディー・ザカーラ一に対して集中攻撃を加え、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 28, 2015、AP, August 28, 2015、ARA News, August 28, 2015、Champress, August 28, 2015、Dayr al-Zawr Tudhbah bi-Samt, August 29, 2015、al-Hayat, August 29, 2015、Iraqi News, August 28, 2015、Kull-na Shuraka’, August 28, 2015、al-Mada Press, August 28, 2015、Naharnet, August 28, 2015、NNA, August 28, 2015、Reuters, August 28, 2015、SANA, August 28, 2015、UPI, August 28, 2015などをもとに作成。

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オブライエン国連事務次長「シリア政府から人道支援活動を行う国連職員47人への入国査証発給を認めるとの連絡を受けた」(2015年8月28日)

ステファン・オブライエン国連人道問題担当事務次長は、シリア政府から人道支援活動を行う国連職員47人への入国査証発給を認めるとの連絡を受けたことを明らかにした。

入国査証発給は、オブライエン事務次長が8月半ばにシリアを訪問した際にシリア政府に対して要請していたもの。

AFP(8月28日付)が伝えた。

AFP, August 28, 2015、AP, August 28, 2015、ARA News, August 28, 2015、Champress, August 28, 2015、al-Hayat, August 29, 2015、Iraqi News, August 28, 2015、Kull-na Shuraka’, August 28, 2015、al-Mada Press, August 28, 2015、Naharnet, August 28, 2015、NNA, August 28, 2015、Reuters, August 28, 2015、SANA, August 28, 2015、UPI, August 28, 2015などをもとに作成。

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潘国連事務総長がシリアでの化学兵器の使用に対する責任追及にあたるため、国連と化学兵器禁止機関(OPWC)による合同査察機構組織案を安保理に提示(2015年8月28日)

国連の潘基文事務総長は、シリアでの化学兵器の使用に対する責任追及にあたるため、国連と化学兵器禁止機関(OPWC)による合同査察機構を創設することを定めた決議第2235号採択を受け、同機構の組織案を具体的に記した書簡を安保理に提出した。

この書簡において、潘事務総長は、①合同査察機構を無所属の調査官3人が統括すること、②政務局(本部ニューヨーク)、調査局(本部ラハイ)、ロジ支援局(本部ニューヨーク)の三つの部署を設け、3人の調査官の活動を支援すること、などが提案されている、という。

複数の外交筋によると、安保理が近日中に、この書簡で示されている案を審議するという。

『ハヤート』(8月29日付)が伝えた。

AFP, August 28, 2015、AP, August 28, 2015、ARA News, August 28, 2015、Champress, August 28, 2015、al-Hayat, August 29, 2015、Iraqi News, August 28, 2015、Kull-na Shuraka’, August 28, 2015、al-Mada Press, August 28, 2015、Naharnet, August 28, 2015、NNA, August 28, 2015、Reuters, August 28, 2015、SANA, August 28, 2015、UPI, August 28, 2015などをもとに作成。

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ラトニー米国務省シリア問題担当特使がロシアを訪問する一方、国務省はアサド大統領の退陣の必要を強調(2015年8月28日)

『ハヤート』(8月29日付)によると、マイケル・ラトニー米国務省シリア問題担当特使がロシアを訪問、モスクワでミハイル・ボクダノフ外務副大臣と会談した。

ロシア外務省報道官によると、会談ではシリア問題が集中的に議論されたという。

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一方、米国務省は声明を出し、シリア情勢に関して、「アサド政権の存続は地域の過激化と緊張を高めるだけ」としたうえで、「暴力を抑止するため、アサドを排除するかたちで、対話に基づく真の政治的移行を実現するために関与を続ける」との意思を表明した。

AFP, August 28, 2015、AP, August 28, 2015、ARA News, August 28, 2015、Champress, August 28, 2015、al-Hayat, August 29, 2015、Iraqi News, August 28, 2015、Kull-na Shuraka’, August 28, 2015、al-Mada Press, August 28, 2015、Naharnet, August 28, 2015、NNA, August 28, 2015、Reuters, August 28, 2015、SANA, August 28, 2015、UPI, August 28, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)は「安全保障地帯」における反体制派の拠点マーリア市をほぼ完全包囲か(2015年8月27日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、マーリア市周辺地域およびハルジャラ村、ダルハ村一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)とジハード主義者を含む反体制武装集団が交戦し、反体制武装集団が交戦した。

『ハヤート』(8月28日付)などによると、戦闘は、ダーイシュがマーリア市周辺各所で爆弾を爆発させたことをきっかけに激化し、戦闘ではダーイシュ戦闘員12人、反体制武装集団戦闘員40人が死亡、また多くの住民がマーリア市西方に避難した。

これに関して、反体制武装集団側は、戦闘の末に、反体制武装集団はハルジャラ村、ダルハ村を制圧したと発表した。

しかし、ダーイシュ(イスラーム国)アレッポ州は、ダフラ村、ハルジャラ村、ハルバル村、サンダフ村を制圧したと発表した。

ロイター通信(8月27日付)、ARA News(8月26日付)は、ダーイシュが同地の3カ村を制圧し、反体制武装集団の拠点であるマーリア市をほぼ完全に包囲したと発表したと伝えた。

また、複数の活動家は、国境なき医師団の25日の声明を受けるかたちで、ダーイシュがこの戦闘で有毒ガスを使用したと主張、また戦闘では有志連合と思われる戦闘機がダーイシュの拠点に対して空爆を行ったことを明らかにした。

マーリア市、ハルジャラ村、ダルハ村はいずれも、米トルコ政府が設置合意したとされる「安全地帯」内に位置し、このうちハルジャラ村、ダルハ村は、シャームの民のヌスラ戦線からスルターン・ムラード旅団などに移譲された直後に、ダーイシュによって制圧されていた。

他方、SANA(8月27日付)によると、航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

ARA News, August 27, 2015
ARA News, August 27, 2015

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がタッル・ハミース市近郊の西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊拠点複数カ所に対して砲撃を行う一方、ハサカ市南西部郊外で両者が交戦した。

またARA News(8月27日付)によると、有志連合が、人民防衛隊を援護するため、シャッダーディー市近郊、フール町近郊などのダーイシュ拠点を空爆した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、有志連合がラッカ市郊外でダーイシュ(イスラーム国)の車輌に対して空爆を行い、戦闘員2人が死亡した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタドムル市郊外を空爆した。

一方、SANA(8月27日付)によると、シリア軍がワーディー・マースィク、シューマリーヤ山東部一帯を空爆する一方、ジャズル・ガス採掘所一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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米中央軍(CENTCOM)は、6月27日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して24回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は3回におよび、ハサカ市近郊のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, August 27, 2015、AP, August 27, 2015、ARA News, August 27, 2015、August 28, 2015、Champress, August 27, 2015、al-Hayat, August 28, 2015、Iraqi News, August 27, 2015、Kull-na Shuraka’, August 27, 2015、al-Mada Press, August 27, 2015、Naharnet, August 27, 2015、NNA, August 27, 2015、Reuters, August 27, 2015、SANA, August 27, 2015、UPI, August 27, 2015などをもとに作成。

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ザバダーニー市(ダマスカス郊外県)、フーア市(イドリブ県)などで2度目の停戦が発効、ザバダーニー市からのシャーム自由人イスラーム運動の「安全な退去」とフーア市などからの住民の避難が争点に(2015年8月27日)

『ハヤート』(8月28日付)などは、ダマスカス郊外県ザバダーニー市とイドリブ県フーア市、カファルヤー町で戦闘を続けるシリア軍、ヒズブッラー戦闘員とシャーム自由人イスラーム運動など反体制武装集団が、48時間の一時停戦に合意した。

停戦合意は8月12日の合意に次いで2度目で、8月12日に発効した1度目の停戦は、反体制武装集団側の負傷者らのザバダーニー市からの搬送、フーア市、カファルヤー町住民の避難などをめぐって決裂していた。

シリア人権監視団によると、一時停戦の期間は、8月28日午前5時から30日午前5時までの48時間で、戦闘停止地域からは、ザバダーニー市に隣接するマダーヤー町は除外されており、同市では、シリア軍ヘリコプターによる攻撃で、女性1人、子供3人を含む5人が死亡したが、ザバダーニー市、フーア市、カファルヤー町では今のところ目立った戦闘は起きていないという。

また2度目となる停戦交渉期間中、ザバダーニー市およびマダーヤー町からの反体制武装集団の「安全な退去」、フーア市とカファルヤー町からの住民約1,000人の避難、4市町への人道支援物資の搬入と負傷者の搬送についての協議が行われるという。

これに関して、停戦交渉を仲介を行っているという野党の団結党(シリア・アラブ団結党)のムハンマド・アブー・カースィム書記長は、AFP(8月27日付)に対し、停戦合意の「第1の項目は三つの地域(ザバダーニー市、マダーヤー町、フーア市・カファルヤー町)での発砲停止でありこれは達成された。現在、それ以外の項目について協議が続けられており、そのなかでもっとも重要な問題は、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員のザバダーニー市からの退去」であると述べた。

またカースィム書記長は、「交渉はトルコでイランの使節団とシャーム自由人イスラーム運動の使節団が直接行っており、団結党代表も同席している」と付言した。

一方、ロイター通信(8月27日付)は、シリア政府に近い消息筋の話として、負傷者の搬送が28日に開始されるが、ザバダーニー市からの戦闘員の退去、フーア市、カファルヤー町からの民間人避難などについてはまだ協議されていないと伝えた。

なお『ハヤート』(8月28日付)によると、ザバダーニー市、フーア市、カファルヤー町での攻防に参加している反体制武装集団メンバーのほとんどはシャーム自由人イスラーム運動だという。

ARA News, August 27, 2015
ARA News, August 27, 2015

 

AFP, August 27, 2015、AP, August 27, 2015、ARA News, August 27, 2015、Champress, August 27, 2015、al-Hayat, August 28, 2015、Iraqi News, August 27, 2015、Kull-na Shuraka’, August 27, 2015、al-Mada Press, August 27, 2015、Naharnet, August 27, 2015、NNA, August 27, 2015、Reuters, August 27, 2015、SANA, August 27, 2015、UPI, August 27, 2015などをもとに作成。

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サウジアラビアが「飛行禁止空域」設置を求めるシリア国民連合の書簡を国連安保理に提出、シリア国連代表は安保理会合で、サウジアラビア、トルコ、カタールが支援するアル=カーイダ系組織が無差別砲撃を行っていると非難(2015年8月27日)

国連安保理(米ニューヨーク)で、安保理決議第2193号、第2165号、第2191号の実施状況を報告するための定例会合が開催された。

SANA(8月27日付)によると、会合では、バッシャール・ジャアファリー国連代表大使が、「シリア政府は国連と協力し、すべての被災者に対する人道支援を継続する用意がある」と表明する一方、「シリアの悲惨な人道状況は、外国の政治的、軍事的、経済的な干渉を背景と切り離して対処することはできない」と強調した。

そのうえで、西側において「穏健な反体制派」という呼称によって、アル=カーイダに忠誠を誓っている組織の活動が是認されていると批判するとともに、サウジアラビアが支援するイスラーム軍やトルコ、カタールとつながりがあるファトフ軍がダマスカス県、アレッポ市、イドリブ県各地に無差別砲撃を行っていると糾弾した。

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一方、『ハヤート』(8月28日付)は、サウジアラビアが国連安保理に対して、シリア領内に「飛行禁止空域」の設置を求めるシリア革命反体制勢力国民連立の書簡を提出した。

シリア革命反体制勢力国民連立の書簡では、国連安保理決議第2139号、第2165号、第2191号に基づき、シリア国内で人道支援を必要としているすべての人への緊急支援を行えるよう「飛行禁止空域」の設定が求められている。

またこの書簡において、シリア革命反体制勢力国民連立は、シリア領内で1429回にわたり有毒ガスが使用され、14万人が犠牲になったと指摘、国際刑事裁判所への提訴を改めて安保理に要請、この提訴が不可能な場合は、特別法廷を設置すべきだと主唱した。

AFP, August 27, 2015、AP, August 27, 2015、ARA News, August 27, 2015、Champress, August 27, 2015、al-Hayat, August 28, 2015、Iraqi News, August 27, 2015、Kull-na Shuraka’, August 27, 2015、al-Mada Press, August 27, 2015、Naharnet, August 27, 2015、NNA, August 27, 2015、Reuters, August 27, 2015、SANA, August 27, 2015、UPI, August 27, 2015などをもとに作成。

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シリアでの米軍無人戦闘機の爆撃で、「カリフ電子軍」リーダーと目されてきた英国人死亡(2015年8月26日)

ロイター通信(8月26日付)は、シリア情勢に精通した米消息筋の話として、米軍の無人戦闘機がシリア領内のラッカ市近郊で25日行われた空爆により、欧米諸国高官からダーイシュ(イスラーム国)における「top cyber expert」と目されていた英国人ジュナイド・フサイン(ジュネイド・フセイン)氏が死亡したと伝えた。

フサイン氏は元英国バーミンガム在住の英国人で、2013年にシリアに潜入で、米国防総省のサイト(2015年1月)やシリア人権監視団のサイト(7月)へのサイバー攻撃を行ったダーイシュ支持者からなる「カリフ電子軍」のリーダーだと目されてきた。

ただし、フサイン氏自身がこうしたサイバー攻撃に直接関与していたかどうかは定かではないという。

Kull-na Shuraka', August 27, 2015
Kull-na Shuraka’, August 27, 2015

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なお、米国防総省は29日、フサイン氏の死亡を確認した、と発表した。

AFP, August 27, 2015、August 29, 2015、AP, August 27, 2015、ARA News, August 27, 2015、Champress, August 27, 2015、al-Hayat, August 28, 2015、Iraqi News, August 27, 2015、Kull-na Shuraka’, August 27, 2015、al-Mada Press, August 27, 2015、Naharnet, August 27, 2015、NNA, August 27, 2015、Reuters, August 27, 2015、SANA, August 27, 2015、UPI, August 27, 2015などをもとに作成。

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ダイル・ザウル市内のシリア政府支配地域の包囲解除をめぐって、シリア政府とダーイシュ(イスラーム国)が交渉か?(2015年8月26日)

ダイル・ザウル県では、ダイル・ザウル24(8月26日付)が、複数の消息筋の話として、ダイル・ザウル市内のシリア政府支配地域(ジャウラ地区、クスール地区)に対してダーイシュ(イスラーム国)が行っている包囲の解除に向けた交渉がシリア政府とダーイシュの間で行われていると伝えた。

それによると、ダーイシュによる包囲を解除し、食糧品の搬入を認める「見返り」として、ダーイシュはCONOCOガス工場の設備の取得を求めているという。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、有志連合に所属すると思われる戦闘機がラッカ市の西部周辺一帯を空爆した。

なお同監視団によると、有志連合に所属すると思われる戦闘機は25日にもラッカ県アブー・ハイフ・ガソリン・スタンド一帯を空爆している。

空爆はダーイシュの地元司令官を狙ったものだという。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ジャズル・ガス採掘所一帯、シャーイル・ガス採掘所一帯、カルヤタイン市一帯をシリア軍が空爆、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、SANA(8月26日付)によると、ウンム・ジャーミア村、マクサル・ヒサーン村、ラジャム・カスル村、ラジャム・アーリー村、ヒンダーウィー村一帯、ウンク・ハワー村で、シリア軍が住民とともにダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、ジャズル・ガス採掘所一帯、カルヤタイン市、タドムル市一帯、タフハ村、ムシャイリファ村、ワーディー・アブヤド・ダム一帯、ワーディー・ザカーラ一帯のダーイシュ拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、マサール・プレス(8月26日付)によると、タッル・ハミース市一帯で西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦、有志連合戦闘機が前者を支援するため空爆を行った。

しかし、有志連合は、タッル・ブラーク町郊外の人民防衛隊拠点複数カ所を誤爆、隊員およい施設に被害が出たという。

一方、マサール・プレス(8月26日付)は、ダーイシュが、シャッダーディー市東部のダシーシャ村で、有志連合に所属すると思われる集団が、通信機器を携帯し、ダーイシュの拠点の位置を報告していることを発見したと伝えた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザバダーニー市に近いブカイン市一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)と思われる武装集団とシリア軍が交戦し、シリア軍兵士複数が死亡した。

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スワイダー県では、SANA(8月26日付)によると、アーバール・ラシーダ集合住宅地区、ブサイナ丘で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(8月26日付)によると、シリア軍はバーブ市内のダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、ダーイシュ(イスラーム国)の通信部門アアマーク通信は、ダーイシュが包囲を続けるクワイリス航空基地近くで、シリア軍戦闘機1機を撃墜したと発表した。

撃墜方法については明らかにしなかった。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)ユーフラテス州(ブーカマール市およびイラクのカーイム市一帯)のヒスバ(宗教警察)は、男性が「恥部が明らかになるようなタイトな洋服」(ズボンなど)を着用することを禁止、商店主に対して20日以内に街頭する衣服の販売を停止するよう通達した。

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米中央軍(CENTCOM)は、8月26日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して25回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は7回におよび、フール町(ハサカ県)近郊(3回)、アイン・アラブ市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

 

AFP, August 26, 2015、AP, August 26, 2015、ARA News, August 26, 2015、Champress, August 26, 2015、Deirezzor24, August 26, 2015、al-Hayat, August 27, 2015、Iraqi News, August 26, 2015、Kull-na Shuraka’, August 26, 2015、al-Mada Press, August 26, 2015、Masar Press Agency. August 26, 2015、Naharnet, August 26, 2015、NNA, August 26, 2015、Reuters, August 26, 2015、SANA, August 26, 2015、UPI, August 26, 2015などをもとに作成。

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「穏健な反体制派」ガーブの鷹の司令官がトルコのアンタキア市で爆殺(2015年8月26日)

アナトリア通信(8月26日付)などによると、トルコのハタイ県アンタキア市で、ガーブの鷹連合のジャミール・ラアドゥーン司令官が、自宅前に駐車していた車に仕掛けられた爆弾の爆発により重傷を負い、搬送先の病院で死亡した。

ラアドゥーン司令官は2012年初めに離反したシリア軍の元中佐で、ガーブの鷹連合の司令官としてジスル・シュグール市、アリーハー市、アレッポ県などでの戦闘に参加した経歴を持っていた。

「自由シリア軍報道官」「自由シリア軍司令部付顧問」を名乗るウサーマ・アブー・ザイド氏はロイター通信(8月26日付)の取材に対し、ガーブの鷹連合がアレッポ県でダーイシュ(イスラーム国)、シリア政府との戦闘に参加しており、欧米諸国から「穏健な反体制派」として分類されているとしたうえで、トルコ領内での米国による軍事教練は受けていなかったと述べた。

ARA News(8月26日付)によると、ラアドゥーン元司令官の暗殺は、シリアの反体制武装集団間の対立によるものとの見方が強い。

ラアドゥーン司令官は2015年4月にも同様の暗殺未遂に遭っていた。

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なお、クッルナー・シュラカー(8月27日付)によると、ガーブの鷹連合はラアドゥーン氏の後任として、アブドゥルカリーム・サイード氏(アブー・サイード)を新司令官に任命した。

Kull-na Shuraka', August 26, 2015
Kull-na Shuraka’, August 26, 2015
Kull-na Shuraka', August 26, 2015
Kull-na Shuraka’, August 26, 2015

AFP, August 26, 2015、Anadolu Ajansı, August 26, 2015、AP, August 26, 2015、ARA News, August 26, 2015、August 27, 2015、Champress, August 26, 2015、al-Hayat, August 27, 2015、Iraqi News, August 26, 2015、Kull-na Shuraka’, August 26, 2015、al-Mada Press, August 26, 2015、Naharnet, August 26, 2015、NNA, August 26, 2015、Reuters, August 26, 2015、SANA, August 26, 2015、UPI, August 26, 2015などをもとに作成。

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国連の調査チームがシリア軍の包囲するヒムス市ワアル地区に初めて入る(2015年8月25日)

クッルナー・シュラカー(8月26日付)によると、国連の調査チームが、シリア軍による包囲が続くヒムス市ワアル地区内に初めて入り、地区内の状況を調査した。

ムハンマド・ヒムスィーを名乗る同地の活動家によると、調査チームは、ワアル地区ないの野戦病院、教会などで医療状況の実態などについての調査を行ったという。

Kull-na Shuraka', August 26, 2015
Kull-na Shuraka’, August 26, 2015

 

AFP, August 26, 2015、AP, August 26, 2015、ARA News, August 26, 2015、Champress, August 26, 2015、al-Hayat, August 27, 2015、Iraqi News, August 26, 2015、Kull-na Shuraka’, August 26, 2015、al-Mada Press, August 26, 2015、Naharnet, August 26, 2015、NNA, August 26, 2015、Reuters, August 26, 2015、SANA, August 26, 2015、UPI, August 26, 2015などをもとに作成。

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アサド大統領がヒズブッラー系TV局の単独インタビューに応じる:「シリアのテロリストは今日、イスラエルにとってもっとも重要な攻撃のツールとなっている」(2015年8月25日)

レバノンのヒズブッラーが運営する衛星テレビ局マナール・チャンネルは、アサド大統領への単独インタビューを行い、8月25日に放映した(https://www.youtube.com/watch?v=iAEwExmUQQU)。

また、SANAはインタビュー全文をHP(http://www.sana.sy/?p=257883)で公開した。

SANA, August 25, 2015
SANA, August 25, 2015

インタビューにおけるアサド大統領の主な発言は以下の通り:

「我々は何よりもまず、国民を頼りにしている。もちろんアッラーの次ではあるが…。国民の支持がなければ、持ちこたえることなどできなかった。国民の支持がなければ、大統領、高官、あるいは国家が採用する政治的方針には何の価値もない…。次いで我々はシリアに寄り添ってくれる友人を頼りにしている」。

「この問題の本質は外国の干渉にある。シリアに資金、武器、そしてテロリストを送り込んでいる…。シリアに対して陰謀と流血をもたらしている国々が…テロ支援を止めれば、我々は(紛争終結の)最後の15分が来たと言える。なぜなら、政治的解決、政治的プロセスなど…といった細目はそのときにそれ自体価値のない容易いものとなるからだ…。外国の支援がなくなれば、テロリストとの戦いはきわめて容易なものになる。しかし現在、我々はそうした段階にはいたっていない」。

「私は「政治的解決」という言葉は使いたくない。私は「政治的プロセス」という言葉を用いたい。解決とは「問題」解決のことだ…。現下の危機の原因は政治的なものだとの主張がある。しかしこれは正しい主張とは言えない。主因は外国の干渉にある」。

「我々は何の躊躇もなく、(対立する)政治勢力と対話する用意がある。これこそがいわゆる政治プロセスだ。しかし現実において、政治プロセスが影響力を発揮するには、対話が、シリア国民に属し、シリアに根ざし、(外国勢力から)独立したシリアの政治勢力の間でなされる必要がある」。

(ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣が訪問したオマーンに関して)「オマーンはこの地域における緊張に対処し、デタントや問題解決をもたらすにあたって重要な役割を果たしている」。

「数十年前のレバノンの経験に立ち返ると…、一部のレバノン人が外国と結託し、そのなかにはイスラエルと結託する者がいた。彼らは様々なかたちで外国の干渉をもたらした…。同じことはシリアについても言える。イスラエルという敵と協力を受け入れ、それ以外の敵に対峙しようとするシリア人集団がいれば、彼らはイスラエルに介入するよう求めることになる」。

「シリアにいるテロリストは今日、イスラエルが攻撃を行う際のもっとも重要な真のツールとなっている…。もし我々がイスラエルに立ち向かいたいと考えるのなら、我々はまず、シリア国内でイスラエルのツールに立ち向かわなければならない。国内に敵がいるなかで、国外の敵に立ち向かうことなどできない」。

「我々とイスラエルの国境には現在、イスラエルの手先がいる。彼らはかつてのアントワーン・ラフドやサアド・ハッダードの軍(南レバノン軍)に似ている。まずはこの問題に対処しなければならない」。

「私が先日(7月の演説で)、一部の地域での後退について話した時、こうした後退が起きたということを確認したが、その後で、シリア軍による進軍があったことにも触れた。現段階においては、1ヶ月という短い期間のうちに、同じ場所で、後退と進軍が起こっている。こうしたことは、あらゆる戦争において…当然起こり得ることだ…。しかし、私がここで注目しておきたいのは、軍に参加、従軍しようとする若者の動きが増進するという効果が生じているということだ」。

「祖国防衛とは、銃を持つことに限られるものではない…。祖国防衛とは必要とされる目標に沿ってなされるものだ…。日常生活を送っているすべての人、従業員、承認、そして患者の手当てにあたる医師、貧しい人を支援する人、愛国的価値観や道徳を広めようとしている人。彼らはみな祖国を守っている。祖国に暮らしていない人がいるかもしれない…が、自分たちの立場や能力に応じてシリアを守ろうとしている人もいる」。

(スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表に関して)「米国や西側から中立的な人物が合意を得ることは困難だ。中立的だったら、派遣されなかったろう。我々は現在、非中立的な発言を目の当たりにするようになっている。彼はテロリストのなかに死者が出ていると話す。もちろん彼ら(デミストゥラ氏ら)にとって、死者とはみな無垢の民間人であり、テロリストなど存在せず、武器も持っていないような話をする。しかし、ダマスカス、アレッポなどでテロリストの砲撃で民間人が死亡しても、我々は同じような発言を耳にしない。こうした発言をすることが彼ら(デミストゥラ氏ら)の役割なはずなのに、彼らはその役割を果たしていない…。彼らが我々にとってふさわしい提案をせず、国民和解にふさわしい提案をしなければ、我々が彼らを支援することはないし、ともに歩むこともない」。

「ある高官が言ったことが数日後に別の高官によって覆される…。これが米国の政策の特徴の一つだ。同盟国を無視し、友好国を無視し、裏切りが特徴だ…。一方、ロシアの政策は原則に則った一貫したもので…、シリアの主権、国民の自決を支援しようとしている…。我々はロシアを大いに信頼している…。我々は、ロシアがさまざまな政治勢力を戦争への道を絶つための対話に向けさせようとしていると考えている」。

(紛争解決に向けたイニシアチブに関して)「シリアの主権、国土保全、国民の自決…、テロとの戦いが、あらゆるイニシアチブの基礎…をなす…。国際監視下での選挙は受け入れられない。なぜなら主権への干渉になるからだ」。

「西側諸国は、あらゆる手段、方法で、イランに、シリアの問題が核開発問題の一部をなしていると説得し、そのうえで、この問題でイランが欲しいものを与える代わりに、シリアへの支援などをイランに譲歩させようとしてきた。しかしこの点におけるイランの姿勢は確固たるもので、核開発問題と他の問題がひとくくりにされること…を断固として拒否した…。もちろん、こうした決定は正しく、客観的で、堅実だと言える」。

「イランの力はシリアの力にも反映し、シリアの勝利はイランの勝利に反映するだろう…。我々が(イランに)より接近していると言うのではない。我々はもともと近い関係にあり、似た視座に立ち、共通の原則を持ってきた。我々は同じ勢力を支援しており、一つの枢軸、抵抗枢軸をなしている。一部の戦術、そして現場での成果に変化が生じているかもしれないが、この基本原則は変わっていない」。

「ウルーバ(アラブ性)とは、我々になくてはならない自我である…。誰も自身の自我から逸脱することなどできない。アラブとしての自我は選択肢ではない。特定の宗教に帰属し、特定の民族に帰属することが自我だ…。我々が自我を拒否すること。これこそが敵が望んでいることだ。今日の問題の本質、そして戦争状態は、体制打倒をめざすものではない。それは一つの段階に過ぎない。一つのツールに過ぎない。また国を破壊し、経済を破綻させることもめざしていない。これらはすべて手段に過ぎない。最終的な目標は自我の破壊にある。我々が先にこうした背信に至ってしまえば、我々は敵に無償で贈り物を与えてしまうようなものだ」。

「レバノンのヒズブッラーと我々が行っているように、我々(シリアとイラク)が一つになって戦いを行えば…、より少ない犠牲で、しかも短時間で、より良い成果を得ることができよう」。

「ヒズブッラーとそれ以外の外国人戦闘員の違いは正統性にある…。ヒズブッラーはシリアという国家の合意に基づいてやって来た。シリアという国家は正統な国家であり、シリア国民を代表している。選挙によって選ばれた国家であり、シリア国民の大多数の支持を得ている。シリアという国家には、シリア国民を守るための勢力を呼び込む権利がある。一方、それ以外の勢力はテロリストであり、シリア国民を殺すためにやって来た。シリア国民、そしてシリア国民を代表する国家の意思を無視してやって来た」。

(ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長との関係について)「誠実さと率直さが特徴だ。なぜなら彼(ナスルッラー書記長)は誠実で、率直だからだ…。彼との関係は抵抗を続ける国家と、レバノン防衛のために息子を殉教者として捧げた真の抵抗者の関係だ」。

「いかなる同盟、行動、施策、対話であっても、それがシリア人の流血を止めるものであるのなら、我々にとっての最優先事項としなければならず、そのために躊躇してはならない」。

「(サウジアラビアの)メディアによる(シリア)批判には意味はない…。実際に重要なのは、この国家(サウジアラビア)が実際に行っていることだ。この国はそもそも、テロを支援してきたからだ…。メディアでの批判を強めようと強めまいと、サウジアラビアという国はシリアのテロリストを支援している。これは皆が知っている事実だ」。

「対話は愛国的な者、なかでも影響力を行使し得る者となされなければならない…。しかし、より大きな問題は、我々が対話を行っている者の大部分は愛国的ではないということだ。これは、シリアでテロを支援し、対話の問題に介入する諸外国が強いた結果でもある。これらの国は、シリア国民ではなく、自分たちの国を代表する人物(との対話)を強いている」。

(米国による「穏健な反体制派」への軍事教練について)「シリアに対してさまざまなかたちで続けられている計略の一環をなしている。こうした計略がこの危機においてなくなることはないだろう。今回(米国による軍事教練)もシリアにおけるテロの文脈ではこれまでと変わりはない。なぜなら、米国が彼らを教練しなかったとしても、テロを支援し、武器や資金を送り込んでいる別の国が別の誰かを教練していたからだ。より深刻で懸念すべきは、米国をはじめとする西側諸国の間でテロへの危険が認識されていないことだ…。我々の地域でテロが勝利すれば、事態はシリアだけでは収まらないのだ」。

「(レジェップ・タイイップ・)エルドアン(大統領)には大きな夢があるのだ。首領になる、そして同胞団的スルターンになることだ。彼は、スルターン制の経験とムスリム同胞団の経験を融合しようと考え、エジプトやチュニジアでの出来事に当初は大きな期待を寄せた。しかし、その後、この夢が現実のなかで打ち砕かれると、主人(欧米諸国)が自分の要望に応えてくれるという願望だけが残った。エルドアンとその下僕の(アフメト・)ダウトオール(首相)は…「干渉地帯」(安全地帯のこと)という夢を追うだけの人形になり下がった。これまでの夢のすべてがシリアで打ち砕かれた後に残った最後の夢が「干渉地帯」であり、NATO、ないしは米国がその設置の合図が出るのを待ち望んでいる…。しかし、彼らは、自分たちの主人がこうした夢に向かう合図を出してくれなければ、進むことさえできないのだ」。

「シリア、エジプト、そしてイラクの関係には特別な意味がある。なぜなら、これらの国はアラブ文明の基礎をなしており…、アラブの歴史を通じて政治的な原動力となってきたからだ。それゆえ、我々はエジプトとの関係構築を強くの望んでいる」。

AFP, August 25, 2015、AP, August 25, 2015、ARA News, August 25, 2015、Champress, August 25, 2015、al-Hayat, August 26, 2015、Iraqi News, August 25, 2015、Kull-na Shuraka’, August 25, 2015、al-Mada Press, August 25, 2015、Naharnet, August 25, 2015、NNA, August 25, 2015、Reuters, August 25, 2015、SANA, August 25, 2015、UPI, August 25, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)が、爆破したパルミラ遺跡バール・シャミーン神殿の写真を公開(2015年8月25日)

ダーイシュ(イスラーム国)ヒムス州の広報局は、23日に破壊されたとされるパルミラ遺跡(ヒムス県タドムル市)のバール・シャミーン神殿に爆弾を仕掛け、爆破する写真複数点をインターネットを通じて公開した。

CNN Arabic, August 25, 2015
CNN Arabic, August 25, 2015
CNN Arabic, August 25, 2015
CNN Arabic, August 25, 2015
CNN Arabic, August 25, 2015
CNN Arabic, August 25, 2015
CNN Arabic, August 25, 2015
CNN Arabic, August 25, 2015
CNN Arabic, August 25, 2015
CNN Arabic, August 25, 2015

 

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ジャズル・ガス採掘所一帯、シャーイル・ガス採掘所一帯、カルヤタイン市・サダド市間、マヒーン町で、シリア軍、国防隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、シリア軍兵士4人が死亡した。

シリア軍はまたタドムル市、カルヤタイン市を砲撃した。

一方、SANA(8月25日付)によると、ジャズル・ガス採掘所一帯を空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(8月25日付)によると、サフィーラ市東部、シャイフ・ルトフィー村、航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団とダーイシュ(イスラーム国)し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、ARA News(8月26日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊はハサカ市西部のアブドゥルアズィーズ山一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、人民防衛隊隊員1人が死亡した。

AFP, August 25, 2015、AP, August 25, 2015、ARA News, August 25, 2015、August 26, 2015、Champress, August 25, 2015、al-Hayat, August 26, 2015、Iraqi News, August 25, 2015、Kull-na Shuraka’, August 25, 2015、al-Mada Press, August 25, 2015、Naharnet, August 25, 2015、NNA, August 25, 2015、Reuters, August 25, 2015、SANA, August 25, 2015、UPI, August 25, 2015などをもとに作成。

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シリア・ムスリム同胞団、米政府ともにシャーム自由人イスラーム運動への接近に慎重姿勢(2015年8月25日)

シリア・ムスリム同胞団の広報局は声明を出し、シャーム自由人イスラーム運動との連携を主唱した24日のムハンマド・ヒクマト・ワリード最高監督者の声明に関して、シャーム自由人イスラーム運動と「政治と軍事の統合」を行う意思はないと否定した。

広報局はまた、イドリブ県内の反体制武装集団支配地域で、シリア・ムスリム同胞団が運営する「アフド放送」(ラジオ放送局)がラジオ放送を開始すると発表した。

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『ニューヨーク・タイムズ』(8月25日付)は、米政府内でシャーム自由人イスラーム運動との関係を「再検討」しようとする動きがあると伝えた(http://www.nytimes.com/2015/08/26/world/middleeast/ahrar-al-sham-rebel-force-in-syrias-gray-zone-poses-challenge-to-us.html?_r=0)。

同紙によると、例えば、ロバート・フォード元駐シリア米大使が、「シャーム自由人イスラーム運動はグレー・ゾーンにおり…内戦下でグレー・ゾーンにいる当事者と対話しなければ、対話できる人はほとんどない」としたうえで、兵站支援を行わずともシャーム自由人イスラーム運動との接触のチャンネルは確保すべきだと主張しており、また欧米諸国の複数の外交官も最近になって、シャーム自由人イスラーム運動の幹部らとの会談を持つようになっているという。

しかし、ある米高官は同紙に対して、同組織がシャームの民のヌスラ戦線に近い関係にある限りは接触できないと述べ、こうした姿勢に異議を唱えている。

AFP, August 25, 2015、AP, August 25, 2015、ARA News, August 25, 2015、Champress, August 25, 2015、al-Hayat, August 26, 2015、Iraqi News, August 25, 2015、Kull-na Shuraka’, August 25, 2015、al-Mada Press, August 25, 2015、Naharnet, August 25, 2015、The News York Times, August 25, 2015、NNA, August 25, 2015、Reuters, August 25, 2015、SANA, August 25, 2015、UPI, August 25, 2015などをもとに作成。

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