YPGがハサカ県でアッシリア教徒の村14カ村をダーイシュ(イスラーム国)から奪還、ハサカ青年連合はYPGが奪還した地域からアラブ人を強制排除していると批判(2015年5月27日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、ハーブール護衛部隊、シリア正教軍事評議会民兵、サナーディード軍からなる合同部隊が、タッル・タムル市一帯でのダーイシュ(イスラーム国)との10日におよぶ戦闘の末、占拠されていたアッシリア教徒が住む14カ村を解放した。

ダーイシュは2月下旬に同地一帯に侵攻し、アッシリア教徒が住む35カ村を占拠、約5,000人の住民(アッシリア教徒)がハーブール川沿いに避難、220人がダーイシュに拉致された。

ダーイシュは今もなお210人あまりの住民を拉致している。

同地での人民防衛隊などによる奪還作戦には、有志連合が援護空爆を行っている。

これに関連して、ハサカ青年連合はフェイスブックを通じて、西クルディスタン移行期人民防衛隊がダーイシュから奪還したハサカ市郊外アブドゥルアズィーズ山一帯、ラアス・アイン市郊外、タッル・タムル市一帯で、アラブ人住民を強制移住させ、同地から追放していると非難した。

クッルナー・シュラカー(5月27日付)などが伝えた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシャイフ・ナッジャール市工業団地地区北方のウンム・フーシュ村に対して砲撃を行った。

一方、SANA(5月27日付)によると、アレッポ市東部航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、シリア人権監視団、SANA(5月27日付)によると、ラジャム・ダウラ村一帯にダーイシュ(イスラーム国)が侵攻し、シリア軍、国防隊と交戦した。

またハッラーン村・ドゥワイリー村街道の2カ所で爆弾が爆発した。死傷者はなかった。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線がサフム・ジャウラーン村南部にあるヤルムーク殉教者旅団(ダーイシュ(イスラーム国)系)の拠点複数カ所を砲撃した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(5月27日付)によると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区、ウルフィー地区など、マリーイーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, May 27, 2015、AP, May 27, 2015、ARA News, May 27, 2015、Champress, May 27, 2015、al-Hayat, May 28, 2015、Iraqi News, May 27, 2015、Kull-na Shuraka’, May 27, 2015、al-Mada Press, May 27, 2015、Naharnet, May 27, 2015、NNA, May 27, 2015、Reuters, May 27, 2015、SANA, May 27, 2015、UPI, May 27, 2015などをもとに作成。

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アサド大統領がアルメニア外相と会談:「トルコ政府はオスマン帝国時代に地域の人々が被った苦しみを再びもたらそうとしている」(2015年5月27日)

アサド大統領はシリアを訪問中のアルメニアのエドワルド・ナルバンジャン外務大臣ら一行と会談した。

SANA(5月27日付)によると、アサド大統領は会談で、西側の資金・軍事支援を背景にイスラーム過激派が勢力を伸張している中東地域の現状について、アルメニア政府が西側諸国に正確なイメージを伝える役割を果たすことができる、との期待を寄せた。

これに対して、ナルバンジャン外務大臣は、「シリア国民に対するテロ」を非難する一方、「テロの脅威」が国際社会や中東地域にも及んでいると警鐘を鳴らし、「テロとの戦い」やシリアの危機解決に向けた国際協調の必要を強調した。

また会談で両者は、「トルコ政府が、オスマン帝国時代に地域の人々が被った苦しみを再びもたらそうとしている」と非難、国際社会に対して「トルコ政府の破壊行為を停止させるための行動」を呼びかける点で一致したという。

SANA, May 27, 2015
SANA, May 27, 2015

 

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ナルバンジャン外務大臣はまた、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣と会談した。

AFP(5月27日付)によると、会談後の共同記者会見で、ムアッリム外務在外居住者大臣は「シリアとロシア、イランの関係は一部の人が考えている以上に深淵だと強調したい…。我々の抵抗への彼らの支援が過去に遅れるということはなかったし、今後もそのようなことはない…。友好国の支援は…具体的なものだ」としたうえで、「しかしシリアに対する陰謀は日々、しかも間髪入れずに行われていると言いたい」と述べ、トルコ領を経由した武装集団への支援を「一部の陰謀者たちはあからさまに支援している」と批判した。

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一方、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は、「穏健な反体制派」への航空支援に関してトルコと米国が「原則合意」に達したとするメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣の25日の発言に関して、「敵対行為」とみなされると述べ、牽制した。

ARA News(5月27日付)が伝えた。

AFP, May 27, 2015、AP, May 27, 2015、ARA News, May 27, 2015、Champress, May 27, 2015、al-Hayat, May 28, 2015、Iraqi News, May 27, 2015、Kull-na Shuraka’, May 27, 2015、al-Mada Press, May 27, 2015、Naharnet, May 27, 2015、NNA, May 27, 2015、Reuters, May 27, 2015、SANA, May 27, 2015、UPI, May 27, 2015などをもとに作成。

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有志連合がアル=カーイダ系組織と共闘するジュンド・アクサー機構の司令官を無人戦闘機のミサイル攻撃で暗殺(2015年5月26日)

ラタキア県では、クッルナー・シュラカー(5月27日付)によると、ジュンド・アクサー機構の司令官(アミール)のアブー・イブラーヒーム・ジャザーイリー氏が、トルクメン山(ラビーア町一帯)で車で移動中にミサイル攻撃を受け、死亡した。

複数の目撃者によると、このミサイル攻撃は、有志連合の無人戦闘機によるものだったという。

ジャザーイリー氏は、フランス国籍とアルジェリア国籍を持ち、9・11事件後の米国などによるアフガニスタン侵攻を受けて、フランスからアフガニスタンに入り、ターリバーンに参加、その後、イラクを経てシリアに移動していた。

2004年にシリアの当局によって逮捕され、フランス当局に引き渡され、保護観察下にあったが、2012年に逃走し、トルコを経由してシリアに潜入、ジュンド・アクサー機構に参加していた。

ジュンド・アクサー機構は2015年3月に、シャーム自由人イスラーム運動、シャームの民のヌスラ戦線などがイドリブ市攻略のために結成したファトフ軍に参加している。

Kull-na Shuraka', May 27, 2015
Kull-na Shuraka’, May 27, 2015


AFP, May 27, 2015、AP, May 27, 2015、ARA News, May 27, 2015、Champress, May 27, 2015、al-Hayat, May 28, 2015、Iraqi News, May 27, 2015、Kull-na Shuraka’, May 27, 2015、al-Mada Press, May 27, 2015、Naharnet, May 27, 2015、NNA, May 27, 2015、Reuters, May 27, 2015、SANA, May 27, 2015、UPI, May 27, 2015などをもとに作成。

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シリアの衛生テレビ放送が「真実の声を覆い隠そうとして、シリアに陰謀を企てる一部の国の計画」によって一部視聴不能に(2015年5月26日)

SANA(5月26日付)は、シリアの衛生テレビ放送が、「真実の声を覆い隠そうとして、シリアに陰謀を企てる一部の国の計画」によって一部視聴できなくなった、と伝えた。


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英首相「シリアの紛争を解決するために和平交渉を再開し、ダーイシュ(イスラーム国)の台頭を阻止する必要がある」(2015年5月26日)

『ハヤート』(5月27日付)は、英国のデヴィッド・キャメロン首相がロシアのヴラジミール・プーチン大統領と電話会談し、シリア情勢などについて協議したと伝えた。

キャメロン首相の報道官によると、会談で両首脳は、シリアの紛争を解決するために和平交渉(いわゆる「ジュネーブ会議」)を再開し、ダーイシュ(イスラーム国)の台頭を食い止める必要があるという点で意見が一致したという。

AFP, May 26, 2015、AP, May 26, 2015、ARA News, May 26, 2015、Champress, May 26, 2015、al-Hayat, May 27, 2015、Iraqi News, May 26, 2015、Kull-na Shuraka’, May 26, 2015、al-Mada Press, May 26, 2015、Naharnet, May 26, 2015、NNA, May 26, 2015、Reuters, May 26, 2015、SANA, May 26, 2015、UPI, May 26, 2015などをもとに作成。

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トルコ当局がシリアに潜入しようとした外国人26人を逮捕(2015年5月26日)

ARA News(5月26日付)は、トルコのガジアンテップ県でトルコ当局がシリアに潜入しようとしていた外国人26人を摘発した、と報じた。

AFP, May 26, 2015、AP, May 26, 2015、ARA News, May 26, 2015、Champress, May 26, 2015、al-Hayat, May 27, 2015、Iraqi News, May 26, 2015、Kull-na Shuraka’, May 26, 2015、al-Mada Press, May 26, 2015、Naharnet, May 26, 2015、NNA, May 26, 2015、Reuters, May 26, 2015、SANA, May 26, 2015、UPI, May 26, 2015などをもとに作成。

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シリア軍、有志連合が、ダーイシュ(イスラーム国)の最大拠点ラッカ市への爆撃を通じて反転攻勢へ(2015年5月26日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、有志連合が、ダーイシュ(イスラーム国)の最大拠点であるラッカ市一帯を7回にわたり空爆し、ダーイシュ戦闘員3人が死亡した。

これに関して、ARA News(5月26日付)は、有志連合が、ラッカ市の同一の標的に対して20分間で10回近く空爆を行っただけでなく、シリア軍戦闘機が有志連合による空爆の直後にラッカ市を空爆した、と伝えた。

一方、SANA(5月26日付)によると、シリア軍は、タブカ航空基地およびその一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点に対して集中的な空爆を行い、ダーイシュ戦闘員140人以上を殲滅した、と伝えた。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が潜伏するダイル・ザウル市ジスル・スィヤーサ地区近郊をシリア軍が「樽爆弾」で空爆した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、有志連合に所属すると思われる戦闘機が、ハサカ市南東部郊外一帯、ラアス・アイン市南西部のマブルーカ村のダーイシュ(イスラーム国)拠点などを空爆、また西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュと交戦した。

ARA News(5月26日付)によると、有志連合はシャッダーディー市東部一帯のダーイシュ拠点などに対しても激しい空爆を行ったという。

またこの戦闘で人民防衛隊はマブルーカ村を制圧したという。

一方、SANA(5月26日付)によると、フール町一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、ARA News(5月26日付)によると、今年2月にダーイシュ(イスラーム国)がタッル・タムル市一帯で誘拐した住民(アッシリア教徒)約200人のうち、老女2人が解放された。

他方、クッルナー・シュラカー(5月27日付)は、有志連合がラアス・アイン市近郊で、住民が乗った車を誤爆し、乗っていた一家4人が死亡した、と伝えた。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)によって制圧されたスフナ市各所をシリア軍が空爆した。

一方、SANA(5月26日付)によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、タドムル市郊外のシャーイル山(ハマー県)西部(シャーイル・ガス採掘所近郊、ジャズル・ガス採掘所北部)の複数カ所を制圧した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ一帯(大30通り一帯)で、シリア軍、国防隊、PFLP-GC民兵が、同キャンプを占拠するダーイシュ(イスラーム国)とシャームの民のヌスラ戦線と交戦、シリア軍が同地を「樽爆弾」などで空爆・砲撃した。

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スワイダー県では、SANA(5月26日付)によると、ブサイナ高地東部で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線が25日に奪還したサフム・ジャウラーン村一帯で、ヌスラ戦線などジハード主義武装集団が、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団と交戦した。

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ARA News(5月26日付)は、イドリブ県を主な活動拠点としていた自由シリア軍第15旅団が、アレッポ県アイン・アラブ市一帯でのダーイシュ(イスラーム国)掃討戦で西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のユーフラテスの火山合同作戦司令室に合流すると発表した、と伝えた。

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米中央軍(CENTCOM)は、有志連合が現地時間の25日8時から26日8時までの24時間で、シリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して19回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は7回におよび、ハサカ県のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, May 26, 2015、AP, May 26, 2015、ARA News, May 26, 2015、Champress, May 26, 2015、al-Hayat, May 27, 2015、Iraqi News, May 26, 2015、Kull-na Shuraka’, May 26, 2015、May 27, 2015、al-Mada Press, May 26, 2015、Naharnet, May 26, 2015、NNA, May 26, 2015、Reuters, May 26, 2015、SANA, May 26, 2015、UPI, May 26, 2015などをもとに作成。

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自由シリア軍法律顧問「トルコと米国の意見の相違ゆえに、穏健な反体制派への軍事教練は延期されたまま」(2015年5月26日)

自由シリア軍の法律顧問を名乗るウサーマ・アブーズィード氏は、ARA News(5月26日付)に対し、「穏健な反体制派」への米国の軍事教練は、トルコと米国の意見の相違ゆえに現在も延期されたままである」としたうえで、「教練プログラムがダーイシュ(イスラーム国)だけでなく、シリア政府と戦う戦闘員も含めることを望む」と述べた。

AFP, May 26, 2015、AP, May 26, 2015、ARA News, May 26, 2015、Champress, May 26, 2015、al-Hayat, May 27, 2015、Iraqi News, May 26, 2015、Kull-na Shuraka’, May 26, 2015、al-Mada Press, May 26, 2015、Naharnet, May 26, 2015、NNA, May 26, 2015、Reuters, May 26, 2015、SANA, May 26, 2015、UPI, May 26, 2015などをもとに作成。

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モゲリーニEU外務・安全保障政策上級代表「ダーイシュ(イスラーム国)を根絶するにはイラクとシリアで「民主化」が必要」(2015年5月25日)

欧州連合(EU)のフェデリカ・モゲリーニ外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は、シリアとイラクでのダーイシュ(イスラーム国)の勢力伸長・維持に関して「軍事的な対応は必要だが、それが唯一の解決策ではない」としたうえで、「ダーイシュの根絶は、シリアとイラクでのその存在の背後にある根本的な原因に対処しなければ実現しない…。イラクが安定し、民主化し…、シリアが民主的移行と国民和解への道に向かえば、ダーイシュに勝利できるだろう…」と述べた。

ARA News(5月26日付)が伝えた。

AFP, May 26, 2015、AP, May 26, 2015、ARA News, May 26, 2015、Champress, May 26, 2015、al-Hayat, May 27, 2015、Iraqi News, May 26, 2015、Kull-na Shuraka’, May 26, 2015、al-Mada Press, May 26, 2015、Naharnet, May 26, 2015、NNA, May 26, 2015、Reuters, May 26, 2015、SANA, May 26, 2015、UPI, May 26, 2015などをもとに作成。

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シリア外務省はダーイシュ(イスラーム国)のタドムル市制圧が、サウジアラビア、トルコ、カタール、イスラエルのテロ支援の結果と非難(2015年5月25日)

外務在外居住者省は国連安保理議長と事務総長宛に書簡を送り、ヒムス県タドムル市一帯を制圧したダーイシュ(イスラーム国)が同市内で住民多数を「虐殺」する一方、住民の市外への非難を禁止し、また同市南西部にあるUNESCO世界文化遺産のパルミラ遺跡が破壊の危機に曝されていると報告、非難した。

また「こうしたテロ行為は、「周知の国々」がダーイシュ、シャームの民のヌスラ戦線、そしてヌスラ戦線が現在隠れ蓑にしているいわゆるファトフ軍、そのほかのアル=カーイダ系組織、自由シリア軍などのテロ集団への4年にわたってさまざまな支援を続けていなければ起きなかった」と指摘、サウジアラビア、トルコ、カタール、イスラエルを名指しで非難した。

そのうえで、国連安保理に関して、国連安保理決議第2170、2178、2199号に従い、シリアと連携してテロ撲滅に向けて対処するよう求めた。


AFP, May 25, 2015、AP, May 25, 2015、ARA News, May 25, 2015、Champress, May 25, 2015、al-Hayat, May 26, 2015、Iraqi News, May 25, 2015、Kull-na Shuraka’, May 25, 2015、al-Mada Press, May 25, 2015、Naharnet, May 25, 2015、NNA, May 25, 2015、Reuters, May 25, 2015、SANA, May 25, 2015、UPI, May 25, 2015などをもとに作成。

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トルコ外相「シリアの穏健な反体制派に航空支援を行うことで米国と原則合意ができている」(2015年5月25日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、MITKA(メキシコ、インドネシア、トルコ、韓国、オストラリア)諸国会合に出席するために訪問中の韓国の首都ソウルで、トルコ南部の基地での米軍によるシリアの「穏健な反体制派」の教練に関して、教練が行われる予定の反体制派の一部に対して航空支援を行うことで「原則合意している」と述べた。


AFP, May 25, 2015、AP, May 25, 2015、ARA News, May 25, 2015、Champress, May 25, 2015、al-Hayat, May 26, 2015、Iraqi News, May 25, 2015、Kull-na Shuraka’, May 25, 2015、al-Mada Press, May 25, 2015、Naharnet, May 25, 2015、NNA, May 25, 2015、Reuters, May 25, 2015、SANA, May 25, 2015、UPI, May 25, 2015などをもとに作成。

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ギリシャ当局がトルコに銃弾数十万発を密輸しようとしたシリア人男性を逮捕、捜査(2015年5月25日)

AFP(5月25日付)は、ギリシャの検察当局が先週、トルコに銃弾数十万発を密輸しようとしていたシリア人男性1人(28歳)を逮捕し、取り調べを行っていると伝えた。

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ダーイシュ(イスラーム国)が占拠するタドムル市一帯をシリア軍が爆撃する一方、ダーイシュはサワーナ町郊外のリン酸塩鉱山を掌握(2015年5月25日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、ダーイシュ(イスラーム国)に占拠されたタドムル市各所を15回以上にわたり空爆した。

空爆は、市内の国立病院一帯、軍事情報局一帯、UNESCO世界文化遺産に指定されているパルミラ遺跡に近い市内南西部などに対して行われた。

同監視団によると、シリア軍がタドムル市に対して本格的な空爆を行ったのが今回が初めてで、標的となったダーイシュ拠点では戦闘員が死傷、また住民4人が死亡、数十人が負傷したという。

これに関してタドムル市シリア革命調整は、フェイスブックを通じて、空爆により少なくとも2人が死亡(身元は不明)、多数が負傷したと発表した。

またAFP(5月25日付)は、シリア治安筋の話として、シリア軍による空爆はスフナ市一帯、ハイル油田、アーラーク油田、タドムル市にいたるすべての街道に対しても行われた。

これに対して、シリア人権監視団によると、ダーイシュもタドムル市・ダマスカス県街道を西進し、サワーナ町とフナイフィース村の郊外にあるリン酸塩鉱山と鉱山職員らの住宅を占拠した。

また、複数の活動家によると、ダーイシュは、シリア軍兵士17人が潜伏していたタドムル市北部ジャムイーヤート地区内の民家に突入し、戦闘の末、複数の兵士を殺害、残った兵士を捕捉した。

Kull-na Shuraka', May 25, 2015
Kull-na Shuraka’, May 25, 2015

一方、SANA(5月25日付)によると、シリア軍が、タイバ村、アーミリーヤ村、タドムル航空基地、スフナ市、カルヤタイン市、アイン・バーリダ村、ジャズル・ガス採掘所地帯、シャーイル・ガス採掘所一帯、フルクルス町、ジバーブ・ハマド村、シャンダーヒーヤ村、ウンム・サフリージュ村、タドムル市・T3ステーション間などのダーイシュ(イスラーム国)の拠点、車列に対して空爆を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、マスアダ村、ラジャム・カスル村、ラジャム・アーリー村、西サラーム村、アブー・ハワーディード村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュの戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)によって占拠されているハマーダト・ウマル村、ウカイリバート町、ナイーミーヤ村、ハッダージュ村、ハディーラ村、スーフ村などに対して、シリア軍が空爆を行った。

この空爆で、ウカイリバート町では女児1人が死亡した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)によって包囲されているクワイリス航空基地一帯をシリア軍が空爆した。

一方、SANA(5月25日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ一帯で、シリア軍、PFLP-GC民兵などが、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線と交戦、シリア軍が同地各所を砲撃した。

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ハサカ県では、SANA(5月25日付)によると、ハサカ市南部のバーブ・ハイル村東部で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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米中央軍(CENTCOM)は、有志連合が現地時間の24日8時から25日8時までの24時間で、シリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して35回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は8回におよび、ハサカ県、ラッカ県、ダイル・ザウル県のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, May 25, 2015、AP, May 25, 2015、ARA News, May 25, 2015、Champress, May 25, 2015、al-Hayat, May 26, 2015、Iraqi News, May 25, 2015、Kull-na Shuraka’, May 25, 2015、al-Mada Press, May 25, 2015、Naharnet, May 25, 2015、NNA, May 25, 2015、Reuters, May 25, 2015、SANA, May 25, 2015、UPI, May 25, 2015などをもとに作成。

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ナスルッラー書記長「ダーイシュ(イスラーム国)とヌスラ戦線がレバノンに足場を築けば、最初に犠牲になるのはムスタクバル潮流だ」(2015年5月24日)

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は、解放記念日(25日)に合わせてマナール・チャンネル(5月24日付)でテレビ演説を行い、ダーイシュ(イスラーム国)やアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線がレバノン国内に足場を築けば、サアド・ハリーリー元首相率いるムスタクバル潮流やその指導者らが「最初の犠牲者」になるだろう、と警鐘を鳴らした。

Naharnet, May 23, 2015
Naharnet, May 23, 2015

ナスルッラー書記長の演説での主な発言は以下の通り:

「ダーイシュやヌスラ戦線に対して彼ら(ムスタクバル潮流およびその指導者たち)が沈黙すれば、自らの身を守ることができると信じる者もいる。また彼らがダーイシュやヌスラ戦線を「革命家」、「フリーダム・ファイター」と評すれば、見逃してもらえると信じる者もいる…。沈黙することで自分たち自身や自分たちの宗派を守ることができると信じている者は妄想しているだけだ」。

「女性が奴隷にされ、教会が破壊されることを誰が防いで守るのか? 脅威に立ち向かい…沈黙と中立を止める責任がみなにある」。

「3月14日勢力には思惑があるのだろうが、シリア革命反体制勢力国民連立の幹部らは、あなた方に何の保障もできない。彼らは、ダーイシュやヌスラの支配下にあるシリア国内の地域にさえも戻ることはできないのだから…。あなた方はダーイシュの勝利をむしろ恐れるべきで、それ以外の陣営(アサド政権の意味)の勝利を恐れている場合ではない…。シリア政府とその同盟者がシリアで勝利すれば、彼らはすべてのレバノン人の安全を保障してくれるだろう…。しかし、ダーイシュとヌスラ戦線が勝てば、誰があなたがたの安全を保障するのか?」。

「歴史は繰り返す…。この地域を脅かす陰謀とは、我々が今目の当たりにしているタクフィール主義の卑劣な陰謀だ…。この陰謀がもっとも顕著に表しているのがダーイシュだ…。ダーイシュは、シリア、イラク、パレスチナに面するシナイ半島、イエメン、アフガニスタン、パキスタン、リビア、北アフリカ、ナイジェリアにおり、最近ではサウジアラビアのカティーフでも姿を現した…。」。

「我々は歴史上に前例のない危険に曝されている…。非協力的なスンナ派にダーイシュはどのように振る舞ってきたか? 協力したにもかかわらず、忠誠を誓わなかった人々にどのように振る舞ってきたか? 彼らは虐殺に遭っている」。

「シリア軍、国防隊、レバノンの抵抗運動が、レバノン・シリア国境すべての安全を確保するまで戦闘は続くだろう」。

「アルサール地方(ベカーア県バアルベック郡)の住民の大多数は、武装集団の負担に喘いでいる。我々はアルサール住民に寄り添う用意がある。しかし、国家がまず自らの責任を全うすべきだ…。しかし、バアルベック郡、ヘルメル郡における我らが人民は…アルサール郊外やベカーア高原に1人でもテロリストがいることを認めない」。

「ダーイシュはみなを脅かしているがゆえに、私はサウジアラビアに呼びかけたい。イエメンへの侵略を止め、政治的解決をめざすべきだと」。

AFP, May 24, 2015、AP, May 24, 2015、ARA News, May 24, 2015、Champress, May 24, 2015、al-Hayat, May 25, 2015、Iraqi News, May 24, 2015、Kull-na Shuraka’, May 24, 2015、al-Mada Press, May 24, 2015、Naharnet, May 24, 2015、NNA, May 24, 2015、Reuters, May 24, 2015、SANA, May 24, 2015、UPI, May 24, 2015などをもとに作成。

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トルコのハタイ県で政府によるシリアの「穏健な反体制派」へのテロ支援を非難するデモ(2015年5月24日)

SANA(5月24日付)は、トルコのハタイ県(シリア領アレキサンドレッタ地方)アンタキア市で、レジェップ・タイイップ・エルドアン政権による「穏健な反体制派」へのテロ支援・軍事教練に抗議するデモが行われ、多くの住民が参加したとして、写真や映像(https://youtu.be/pDDK6yohTeY)を伝えた。

SANA, May 23, 2015
SANA, May 23, 2015

 

AFP, May 24, 2015、AP, May 24, 2015、ARA News, May 24, 2015、Champress, May 24, 2015、al-Hayat, May 25, 2015、Iraqi News, May 24, 2015、Kull-na Shuraka’, May 24, 2015、al-Mada Press, May 24, 2015、Naharnet, May 24, 2015、NNA, May 24, 2015、Reuters, May 24, 2015、SANA, May 24, 2015、UPI, May 24, 2015などをもとに作成。

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エジプト外務省は、6月上旬にカイロで反体制派による大会を主催し、統一組織「シリア国民反体制勢力」の結成をめざすと発表(2015年5月23日)

エジプト外務省のバドル・アブドゥルアーティー報道官は、エジプト政府が6月8~9日の予定で、シリアの反体制派各派による拡大会合を主催すると発表した。

この会合(第2回カイロ大会)は、2015年1月22~24日に民主的変革諸勢力国民調整委員会などの反体制派が会したカイロでの会合(第1回カイロ大会)での決定に従って実施されるもので、アブドゥルアーティー報道官によると、反体制政治組織、武装集団の代表200人以上が出席し、「シリア国民反体制勢力」の名で新たな政治委員会を設置、そのメンバーを選出するとともに、紛争解決に向けた行程表や国民憲章の採択をめざすという。

第2回カイロ大会の開催準備にあたってきたハイサム・マーリフ弁護士(シリア革命反体制勢力国民連立法務委員長)によると、「シリア国民反体制勢力」は、欧米諸国、トルコ、アラブ湾岸諸国の支援に依存してきたシリア革命反体制勢力国民連立とは「まったく異なる」組織だという。

なお、マーリフ弁護士によると、シリア革命反体制勢力国民連立は「シリア国民反体制勢力」への不参加をすでに決定しており、またエジプト政府は連立メンバーが「シリア国民反体制勢力」に参加することに反対しているという。

AFP, May 23, 2015、AP, May 23, 2015、ARA News, May 23, 2015、Champress, May 23, 2015、al-Hayat, May 24, 2015、Iraqi News, May 23, 2015、Kull-na Shuraka’, May 23, 2015、al-Mada Press, May 23, 2015、Naharnet, May 23, 2015、NNA, May 23, 2015、Reuters, May 23, 2015、SANA, May 23, 2015、UPI, May 23, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)がタドムル国立博物館で先史時代の像のレプリカを破壊か?(2015年5月23日)

ヒムス県では、『ハヤート』(5月24日付)によると、シリアの遺跡博物館局のマアムーン・アブドゥルカリーム局長は、「タドムル市との通信が途絶える前、(22日)夜に、彼ら(ダーイシュ(イスラーム国)が21日に国立博物館の門を開け、館内に進入、先史時代の像のレプリカを破壊したとの情報を得た」と発表した。

破壊されたとされるレプリカは教育実習用に使用されていたもので、破壊後、ダーイシュは博物館の門前に警備兵を配備し、退去したという。

また、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシリア軍との3日にわたる戦闘の末、シリア軍兵士48人を殺害し、ジャズル・ガス採掘所地帯、シャーイル・ガス採掘所一帯を制圧した。

al-Hayat, May 24, 2015
al-Hayat, May 24, 2015
Kull-na Shuraka', May 23, 2015
Kull-na Shuraka’, May 23, 2015

一方、SANA(5月23日付)によると、ジャズル・ガス採掘所地帯北部にあるワーディー・ブスィーリー・アーミリーヤ村交差点一帯、同油田東部一帯、ワーディー・マースィク一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点をシリア軍が空爆した。

また、SANAなどシリアの主要メディアは、21日にイドリブ県ジスル・シュグール市内のジスル・シュグール国立病院からの脱出・撤退に成功したとする守備隊の負傷兵らの写真、映像(https://youtu.be/xiixT7gK6g0)を公開した。

21日にファトフ軍によって制圧されたジスル・シュグール国立病院には、シリア軍兵士、国防隊隊員、およびその家族ら約250人が籠城を続けていたが、シリア政府が主張する脱出撤退作戦によって、何人の兵士が帰還したのかはいまだ発表されていない。

SANA, May 23, 2015
SANA, May 23, 2015

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ラアス・アイン市南西部郊外で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦、有志連合がダーイシュ拠点などを空爆した。

これにより、ダーイシュ戦闘員約25人が死亡したという。

一方、SANA(5月23日付)によると、カブル・シャーミーヤ村で、シリア軍、国防隊が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ハミーディーヤ地区をシリア軍が「樽爆弾」で空爆し、子供4人を含む15人が死亡した。

また、クッルナー・シュラカー(5月23日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)がムサッラブ村、シュマイティーヤ町、ヒシャーム村、ムハイミーダ村で、過去3日間で、住民32人を処刑したと伝えた。

「ダーイシュに対する陰謀罪」などが処刑の理由だという。

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アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(5月23日付)は、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が数日前、アイン・アラブ市南部郊外のタッル・アフマル村、タッル・アブル村、ジャアダ村で、ダーイシュ(イスラーム国)支持者とされる住民の民家複数棟を爆破、破壊したと伝えた。

一方、SANA(5月23日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, May 23, 2015、AP, May 23, 2015、ARA News, May 23, 2015、Champress, May 23, 2015、al-Hayat, May 24, 2015、Iraqi News, May 23, 2015、Kull-na Shuraka’, May 23, 2015、al-Mada Press, May 23, 2015、Qanat al-Manar, May 23, 2015、Naharnet, May 23, 2015、NNA, May 23, 2015、Reuters, May 23, 2015、SANA, May 23, 2015、UPI, May 23, 2015などをもとに作成。

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国連安保理は、パルミラ遺跡を擁するシリアのタドムル市の住民の安否に「深い懸念」を表明、住民保護の責任がシリア政府にあることを改めて確認する議長声明を採択(2015年5月23日)

国連安保理は、ダーイシュ(イスラーム国)がUNESCO世界文化遺産のパルミラ遺跡を擁するシリアのタドムル市(ヒムス県)を制圧したことを受けて安保理議長声明(SC/11904)を採択し、ダーイシュによるテロ行為や遺跡・文化財破壊を改めて非難、同市の住民数千人の安否に「深い懸念」を表明するとともに、住民保護の責任がシリア政府にあることを改めて確認した。

声明案はフランスが提出し、全会一致で採択された。

議長声明の全文は以下の通り:

The members of the Security Council strongly condemned the ongoing barbaric terrorist acts by ISIL in Syria, including its violent takeover of Palmyra.

The members of the Security Council expressed deep concern for the thousands of Palmyra residents inside the city, as well as for those displaced as a result of ISIL’s [Islamic State in Iraq and the Levant] (Da’esh) advance. The members of the Security Council call for the safe passage of civilians fleeing the violence, and reaffirm that the primary responsibility to protect its populations lies with the Syrian authorities. The members of the Security Council stated their grave concern for the protection of the World Heritage site of Palmyra and the systematic campaign of destruction of cultural heritage in Iraq and Syria.

The members of the Security Council condemned in the strongest terms ISIL’s terrorist acts, which reportedly include beheadings and killings. They expressed concern for the women and children in Palmyra, noting ISIL’s pattern of abducting, exploiting, and abusing women and children elsewhere, including rape, sexual abuse, forced marriage, and forced child recruitment committed by ISIL.

The members of the Security Council reiterated their condemnation of the destruction of cultural heritage in Iraq and Syria, particularly by ISIL, including targeted destruction of religious sites and objects, and noted with concern that ISIL and other individuals, groups, undertakings and entities associated with Al-Qaida are generating income from engaging directly or indirectly in the looting and smuggling of cultural heritage items from archaeological sites, museums, libraries, archives, and other sites in Syria and Iraq, which is being used to support their recruitment efforts and to strengthen their operational capability to organize and carry out terrorist attacks. The members of the Security Council underlined the need to bring perpetrators of these acts to justice.

The members of the Security Council stressed again that ISIL must be defeated and that the intolerance, violence, and hatred it espouses must be stamped out. The members of the Council further emphasized that such continued acts of barbarism perpetrated by ISIL do not intimidate them, but rather stiffen their resolve, and stressed that there has to be a common effort amongst Governments and institutions, including those in the region most affected, to counter ISIL, as the Council resolved in United Nations Security Council resolutions 2170 (2014) and 2199 (2015), and underscored the need for the full and immediate implementation of these resolutions by all Member States. They reminded States that they must ensure that measures taken to combat terrorism comply with all their obligations under international law, in particular international human rights, refugee, and humanitarian law.

The members of the Security Council voiced their strong support for UNESCO [United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization] Director-General Bokova’s efforts to address the destruction and looting of cultural heritage, including through UNESCO’s efforts to assist in the implementation of relevant provisions of United Nations Security Council resolution 2199 (2015).

AFP, May 23, 2015、AP, May 23, 2015、ARA News, May 23, 2015、Champress, May 23, 2015、al-Hayat, May 24, 2015、Iraqi News, May 23, 2015、Kull-na Shuraka’, May 23, 2015、al-Mada Press, May 23, 2015、Naharnet, May 23, 2015、NNA, May 23, 2015、Reuters, May 23, 2015、SANA, May 23, 2015、UPI, May 23, 2015などをもとに作成。

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シリア人権監視団:有志連合によるシリア爆撃での死者数は2,507人、うち132人が民間人(2015年5月23日)

シリア人権監視団は、米国が主導する有志連合がシリア国内でダーイシュ(イスラーム国)殲滅に向けた空爆を開始した2014年9月から2015年5月23日までの9ヶ月間で、有志連合の空爆による死者数は2,507人に達していると発表した。

このうち民間人は132人(うち子供42人、女性25人)で、2,269人がダーイシュ戦闘員(そのほとんどが外国人戦闘員)、105人がアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線戦闘員。

AFP, May 23, 2015、AP, May 23, 2015、ARA News, May 23, 2015、Champress, May 23, 2015、al-Hayat, May 24, 2015、Iraqi News, May 23, 2015、Kull-na Shuraka’, May 23, 2015、al-Mada Press, May 23, 2015、Naharnet, May 23, 2015、NNA, May 23, 2015、Reuters, May 23, 2015、SANA, May 23, 2015、UPI, May 23, 2015などをもとに作成。

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アラブ連盟のアラビー事務総長、タドムル市救済を国際社会に求める(2015年5月22日)

アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、ダーイシュ(イスラーム国)によるタドムル市制圧に関して「深い懸念」を表明、国際社会に対して「緊急に行動し、UNESCO世界文化遺産に指定されている古代都市救済のための必要なすべてな措置を講じる」よう呼びかけた。


AFP, May 22, 2015、AP, May 22, 2015、ARA News, May 22, 2015、Champress, May 22, 2015、al-Hayat, May 23, 2015、Iraqi News, May 22, 2015、Kull-na Shuraka’, May 22, 2015、al-Mada Press, May 22, 2015、Naharnet, May 22, 2015、NNA, May 22, 2015、Reuters, May 22, 2015、SANA, May 22, 2015、UPI, May 22, 2015などをもとに作成。

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タドムル市を制圧したダーイシュ(イスラーム国)の進軍続く(2015年5月22日)

ヒムス県では、ARA News(5月22日付)によると、タドムル市を制圧したダーイシュ(イスラーム軍)がさらに進軍し、ヒムス市東部約40キロの距離に位置するT4航空基地(通称タイフール航空基地)に対して、爆弾を積んだ車2台で自爆攻撃を行い、シリア軍と交戦した。

同報道によると、シリア軍は今のところ、抵抗を続け、撤退していないという。

また、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が21日に完全制圧したタドムル市内で、シリア軍兵士・国防隊隊員17人と政権を支持する民間人多数を処刑した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、タッル・タムル市南東部郊外一帯で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、ハーブール護衛部隊、シリア正教軍事評議会民兵、サナーディード軍からなる合同部隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

また、ARA News(5月22日付)によると、有志連合がハサカ市西部郊外で、ダーイシュ(イスラーム国)の武器庫を空爆、破壊した。

また、ARA News(5月23日付)によると、ハサカ市南西部のシリア軍、国防隊の拠点複数カ所をダーイシュ(イスラーム国)が攻撃したが、シリア軍はこれを撃退した。

一方、SANA(5月22日付)によると、シリア軍がタッル・バールード村、シャッダーディー市・フール町交差点でダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、同地を制圧した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル航空基地一帯で、シリア軍、国防隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市東部のシャイフ・ナッジャール市工業団地地区周辺で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、SANA(5月22日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カラムーン地方のバトラー村一帯で、ジハード主義武装集団がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、戦闘員3人が死亡した。

AFP, May 22, 2015、AP, May 22, 2015、ARA News, May 22, 2015、May 23, 2015、Champress, May 22, 2015、al-Hayat, May 23, 2015、Iraqi News, May 22, 2015、Kull-na Shuraka’, May 22, 2015、al-Mada Press, May 22, 2015、Naharnet, May 22, 2015、NNA, May 22, 2015、Reuters, May 22, 2015、SANA, May 22, 2015、UPI, May 22, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がタンフ国境通行所(ヒムス県)から撤退、ダーイシュ(イスラーム国)が同地を掌握(2015年5月22日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア政府がイラク国境に位置するタンフ国境通行所から撤退したのを受け、ダーイシュ(イスラーム国)が同国境通行所を制圧した。

タンフ国境通行所に面するイラク側のワリード国境通行所は、ダーイシュの攻撃を受けすでに閉鎖されていた。

これにより、シリア・イラク国境の通行所は、西クルディスタン移行期民政局が管理するヤアルビーヤ国境通行所を除いて、ダーイシュの支配下に入り、シリア政府はレバノン国境の国境通行所(6カ所)とハサカ県のカーミシュリー市の国境通行所を保持するのみとなった。

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なお、シリアと周辺諸国を結ぶ国境通行所の管理・支配状況は以下の通り。

1. 対ヨルダン国境

ナスィーブ・ジャービル国境通行所(ダルアー県):ヌスラ戦線、「自由シリア軍」南部戦線などが2015年4月に制圧。

ダルアー(旧税関局)・ラムサー国境通行所(ダルアー県):ジハード主義武装集団が2013年11月に制圧。

2. 対イラク国境

ヤアルビーヤ・ラビーア国境通行所(ハサカ県):2012年7月に「自由シリア軍」が制圧、その後シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が争奪戦を繰り広げ、2014年10月以降は西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、イラク・クルディスタン地域ペシュメルガが管理。

ブーカマール・カーイム国境通行所(ハサカ県):2012年11月に「自由シリア軍」が制圧、その後2014年7月にダーイシュ(イスラーム国)が掌握。

タンフ・ワリード国境通行所(ヒムス県):ダーイシュが2015年5月22日に制圧。またイラク側のワリード国境通行所はダーイシュ(イスラーム国)の攻撃を受け閉鎖。

3. 対トルコ国境

カサブ・ヤイラダーウ国境通行所(ラタキア県):シリア側のカサブ国境通行所はシリア政府が掌握しているが、トルコ側のヤイラダーウ国境通行所は閉鎖。

バーブ・ハワー・ジルヴェギョズ国境通行所(イドリブ県):シリア側のバーブ・ハワー国境通行所はアナトリア通信が言うところの「反体制勢力」が管理。

バーブ・サラーマ・オンジュプナル(アレッポ県):シリア側のバーブ・サラーマ国境通行所はアナトリア通信が言うところの「反体制勢力」が管理。

ジャラーブルス・カルカムシュ国境通行所(アレッポ県):シリア側のジャラーブルス国境通行所はダーイシュ(イスラーム国)が管理。

アイン・アラブ・ミュルシトプナル国境通行所(アレッポ県):シリア側のアイン・アラブ国境通行所は西クルディスタン移行期民政局が管理。

タッル・アブヤド・アクチャカレ国境通行所(ラッカ県):シリア側のタッル・アブヤド国境通行所はダーイシュ(イスラーム国)が管理。

ラアス・アイン・ジェイランプナル国境通行所(ハサカ県):シリア側のラアス・アイン国境通行所は西クルディスタン移行期民政局が管理。

カーミシュリー・ヌサイビン国境通行所(ハサカ県):シリア側のカーミシュリー国境通行所はシリア政府が管理し、国連の人道支援物資を搬入するために使用。

アイン・ディーワール・ジズレ国境通行所(ハサカ県):シリア側のアイン・ディーワール国境通行所は西クルディスタン移行期民政局が管理。

4. イスラエル占領下のゴラン高原

クナイトラ通行所:2014年8月にシャームの民のヌスラ戦線が制圧。

5. 対レバノン国境

ジュダイダト・ヤーブース・マスナア国境通行所(ダマスカス郊外県):シリア政府が管理。

ジュースィーヤ・カーラ国境通行所(ヒムス県):シリア政府が管理。

タッルカラフ国境通行所(ヒムス県):反体制武装集団がタッルカラフ市一帯を制圧。

ジスル・カマール・ワーディー・ハーリド国境通行所(ヒムス県):シリア政府が管理。

ダブースィーヤ・ウブーディヤ国境通行所(タルトゥース県):シリア政府が管理。

タルトゥース・アリーダ国境通行所(タルトゥース県):シリア政府が管理。

AFP, May 22, 2015、AP, May 22, 2015、ARA News, May 22, 2015、Champress, May 22, 2015、al-Hayat, May 23, 2015、Iraqi News, May 22, 2015、Kull-na Shuraka’, May 22, 2015、al-Mada Press, May 22, 2015、Naharnet, May 22, 2015、NNA, May 22, 2015、Reuters, May 22, 2015、SANA, May 22, 2015、UPI, May 22, 2015などをもとに作成。

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米ホワイトハウス報道官は、ダーイシュ(イスラーム国)によるタドムル市制圧を有志連合の「挫折」と認める(2015年5月21日)

米ホワイトハウスのジョシュ・アーネスト報道官は、ダーイシュ(イスラーム国)によるタドムル市制圧に関して、米国が主導する有志連合の「挫折」(setback)だと認める一方、バラク・オバマ米大統領が、ダーイシュ掃討のための地上部隊投入を求める共和党議員の要求に同意することはないと述べた。

AFP, May 22, 2015、AP, May 22, 2015、ARA News, May 22, 2015、Champress, May 22, 2015、al-Hayat, May 23, 2015、Iraqi News, May 22, 2015、Kull-na Shuraka’, May 22, 2015、al-Mada Press, May 22, 2015、Naharnet, May 22, 2015、NNA, May 22, 2015、Reuters, May 22, 2015、SANA, May 22, 2015、UPI, May 22, 2015などをもとに作成。

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有志連合を指揮するテリー米陸軍中将は、シリア、イラクでの爆撃で民間人が死亡していたと初めて認める(2015年5月21日)

有志連合によるダーイシュ(イスラーム国)掃討作戦を指揮するジェームズ・テリー米陸軍中将は声明を出し、2014年11月にシリアのイドリブ県ハーリム市一帯のイスラーム過激派に対して行った空爆で子供2人が死亡していたと認め、「意図せず人命を奪ったことを遺憾に思う」と表明した。

米国が空爆による民間人殺害を認めたのはこれが初めて。

なお、この空爆がホラサンの戦闘員を標的としてたものか否かなどについて、声明では触れられていない。

AFP, May 22, 2015、AP, May 22, 2015、ARA News, May 22, 2015、Champress, May 22, 2015、al-Hayat, May 23, 2015、Iraqi News, May 22, 2015、Kull-na Shuraka’, May 22, 2015、al-Mada Press, May 22, 2015、Naharnet, May 22, 2015、NNA, May 22, 2015、Reuters, May 22, 2015、SANA, May 22, 2015、UPI, May 22, 2015などをもとに作成。

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シャーム自由人イスラーム運動司令官が有志連合によるヌスラ戦線拠点への爆撃を「アサドとバグダーディーの悪党ども以外の誰のためにもならない」と批判(2015年5月21日)

アル=カーイダ系組織シャーム自由人イスラーム運動のアブー・ジャービル・シャイフ司令官は、アレッポ県タワーマ村とイドリブ県ザーウィヤ山地内のシャームの民のヌスラ戦線拠点に対する有志連合の空爆(20日)に関して、ツイッターで「アサドとバグダーディーの悪党ども以外の誰のためにもならない」と批判した。

AFP, May 22, 2015、AP, May 22, 2015、ARA News, May 22, 2015、Champress, May 22, 2015、al-Hayat, May 23, 2015、Iraqi News, May 22, 2015、Kull-na Shuraka’, May 22, 2015、al-Mada Press, May 22, 2015、Naharnet, May 22, 2015、NNA, May 22, 2015、Reuters, May 22, 2015、SANA, May 22, 2015、UPI, May 22, 2015などをもとに作成。

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ボグダノフ外務副大臣「米国はアサド政権の代わりがないことを理解した」(2015年5月21日)

RT(5月21日付)によると、ロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣は記者団に対し「米政権はあることを理解した。それは現時点において、アサド大統領と現シリア政府の代わりはないということだ。代わりとしているのは、過激派、テロリスト、そしてダーイシュ(イスラーム国)だ」と述べた。

AFP, May 21, 2015、AP, May 21, 2015、ARA News, May 21, 2015、Champress, May 21, 2015、al-Hayat, May 22, 2015、Iraqi News, May 21, 2015、Kull-na Shuraka’, May 21, 2015、al-Mada Press, May 21, 2015、Naharnet, May 21, 2015、NNA, May 21, 2015、Reuters, May 21, 2015、RT, May 21, 2015、SANA, May 21, 2015、UPI, May 21, 2015などをもとに作成。

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トルコ大統領府報道官「ダーイシュ(イスラーム国)のシリアでの攻勢はシリア政府に資する」(2015年5月21日)

トルコのイブラヒム・カルン大統領府報道官は、ダーイシュ(イスラーム国)のシリア国内での攻勢に関して「シリア政府の利益に資する」と述べた。

カルン報道官はまた、記者会見で「シリアの危機は新たな進展を見せている…。トルコは「穏健な反体制派」のための教練プログラムを実施するために米国とともに行動する…。プログラムは現在実施中で、その成果は近い将来に現れるだろう」と述べた。

ARA News(5月21日付)が伝えた。

AFP, May 21, 2015、AP, May 21, 2015、ARA News, May 21, 2015、Champress, May 21, 2015、al-Hayat, May 22, 2015、Iraqi News, May 21, 2015、Kull-na Shuraka’, May 21, 2015、al-Mada Press, May 21, 2015、Naharnet, May 21, 2015、NNA, May 21, 2015、Reuters, May 21, 2015、SANA, May 21, 2015、UPI, May 21, 2015などをもとに作成。

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ダーイシュ(イスラーム国)がUNESCO世界文化遺産のパルミラ遺跡を含むタドムル市一帯を制圧(2015年5月21日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ダドムル市全域および同市南西部に位置するUNESCO世界文化遺産のパルミラ遺跡にダーイシュ(イスラーム国)が展開した。

これに関して、AFP(5月21日付)は、ムハンマド・ハサン・ヒムスィーを名乗るタドムル市出身の活動家の話として、シリア軍は、ダーイシュの侵入に抵抗することなく、ほとんどの拠点から撤退したと伝えた。

ダーイシュ(イスラーム国)ヒムス州もツイッターを通じて、「イスラーム国のムジャーヒディーンがタドムル市を完全制圧し…、ヌサイリー体制軍は崩壊し、多くの死者を残して撤退した」と発表した。

Reuters, May 21, 2015
Reuters, May 21, 2015
SANA, May 21, 2015
SANA, May 21, 2015

SANAも、5月20日に「国防隊は、住民の大多数の避難経路を確保しつつタドムル市内の複数の地区から撤退した」と伝えていた。

『ハヤート』(5月22日付)によると、ダーイシュは、20日昼にタドムル市への突入に成功したのを受け、シリア軍は、拠点としていた市内東部に位置するタドムル刑務所、タドムル航空基地、西部に位置する軍事情報局から撤退、21日夜にダーイシュは軍事情報局を掌握した。

またクッルナー・シュラカー(5月21日付)によると、ダーイシュはタドムル市に加えて、同市東部の第3石油輸送ステーション(T3)、ジャズル・ガス採掘所周辺のシリア軍検問所5カ所、フルクルス町を制圧、これに対してシリア軍はダーイシュによって制圧されたタドムル市に対して激しい空爆を行った。

シリア人権監視団によると、タドムル市一帯に駐留していたシリア軍部隊は、ヒムス市方面に撤退、また住民の一部もヒムス市に向かって避難しているという。

同監視団によると、13日に始まったタドムル市一帯での戦闘による死者数は462人に達しているという。

このうち71人が民間人で、そのなかの49人がダーイシュによって斬首され、死亡したという。

またシリア軍、国防隊の死者は241人、ダーイシュ戦闘員の死者は150人におよぶという。

ダーイシュによるタドムル市制圧により、シリア政府・軍は、S1航空基地、S2航空基地、タイフール航空基地など複数の拠点を除くダマスカス県とダイル・ザウル市を結ぶ国際幹線道路一帯の地域の大部分を喪失したことになる。

なお、ダーイシュが制圧したタドムル刑務所には、35年にわたり拘留されているレバノン人35人を含む受刑者多数が収監されていたが、『ハヤート』(5月22日付)によると、彼らの消息は不明。

しかし、タドムル情報センターを名乗る組織は、シリア当局がタドムル刑務所や軍事情報局の収監者を別の施設に移送しており、ダーイシュが突入した際に両施設には誰もいなかったと主張している。

パルミラ遺跡はシリアにある6つのUNESCO世界文化遺産の一つ。

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シリア博物館遺跡局のマアムーン・アブドゥルカリーム局長は、AFP(5月21日付)に「遺憾ながら、タドムルは今日、テロ集団ダーイシュに掌握されてしまった。これは全人類、そして世界の文明にとっての損失だ…。同市は残念ながら人質になってしまった」と述べた。

アブドゥルカリーム局長はそのうえで「国際社会にこれ以上無関心を続けないよう訴えたい。無関心はもう充分だ。シリアの遺産は人類の遺産であり、国際社会はこの遺産への破壊、密売を阻止するために行動しなければならない」と主張した。

また「タドムルの戦いは世界的な戦いだ…。世界のすべての国、ダーイシュの車列や大群が同市に進軍するのを阻止しなければならなかった」と述べ、タドムル市へのダーイシュ侵攻に介入しなかった有志連合を暗に批判した。

一方、パルミラ遺跡やタドムル国立博物館所蔵の彫像など数百点を安全な場所に移したが、移設できない石柱などはそのまま残されていることを明らかにした。

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ハサカ県では、ARA News(5月21日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、ハーブール護衛部隊、シリア正教軍事評議会民兵、サナーディード軍からなる合同部隊がタッル・タムル市郊外のタッル・シャーミーラーン村、ギーブシュ村、タッル・ナスリー村でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、同地一帯を奪還した。

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アレッポ県では、ARA News(5月21日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が、アイン・アラブ市南部郊外でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、司令官(アミール)のアブー・ジャービル・アンサーリー氏を殺害した。

また、ARA News(5月21日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がマンビジュ市で、56人を処刑した。

一方、SANA(5月21日付)によると、アレッポ市東部の航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、ARA News(5月21日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、シリア政府内通者、自由シリア軍メンバー、シャームの民のヌスラ戦線メンバー併せて9人を処刑した。

一方、ユーチューブ上で、ダーイシュのメンバーがアブー・ハマーム市でシュアイタート部族の男性をRPGで処刑する映像が公開された。

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米中央軍(CENTCOM)は、有志連合が現地時間の20日8時から21日8時までの24時間で、シリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して18回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は8回におよび、ハサカ県、アレッポ県、ラッカ県のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, May 21, 2015、AP, May 21, 2015、ARA News, May 21, 2015、Champress, May 21, 2015、al-Hayat, May 22, 2015、Iraqi News, May 21, 2015、Kull-na Shuraka’, May 21, 2015、al-Mada Press, May 21, 2015、Naharnet, May 21, 2015、NNA, May 21, 2015、Reuters, May 21, 2015、SANA, May 21, 2015、UPI, May 21, 2015などをもとに作成。

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米国など有志連合が、トルコ、サウジアラビアが支援するとされるアル=カーイダ系組織ヌスラ戦線の拠点を爆撃し、トルコ人戦闘員ら数十人が死亡(2015年5月20日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、米国が主導する有志連合が20日午後、アレッポ市西部に位置するタワーマ村にあるアル=カーイダ系組織シャームの民のヌスラ戦線の拠点2カ所を空爆し、ヌスラ戦線の戦闘員15人を殺害した。

殺害された戦闘員のほとんどはトルコ国籍で、空爆はヌスラ戦線が拠点とする村庁舎などに対して行われたという。

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イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月21日付)などによると、米国が主導する有志連合が20日晩、ザーウィヤ山地にあるアル=カーイダ系組織シャームの民のヌスラ戦線の拠点複数カ所を空爆し、ヌスラ戦線戦闘員を含むファトフ軍作戦司令室戦闘員数十人を殺害した。

同報道によると、有志連合はカンスフラ村にあるヌスラ戦線本拠地などを空爆し、殺害した戦闘員のうちの14人がヌスラ戦線だったという。

Kull-na Shuraka', May 21, 2015
Kull-na Shuraka’, May 21, 2015
Kull-na Shuraka', May 21, 2015
Kull-na Shuraka’, May 21, 2015
Kull-na Shuraka', May 21, 2015
Kull-na Shuraka’, May 21, 2015
Kull-na Shuraka', May 21, 2015
Kull-na Shuraka’, May 21, 2015

 

AFP, May 21, 2015、AP, May 21, 2015、ARA News, May 21, 2015、Champress, May 21, 2015、al-Durar al-Shamiya, May 21, 2015、al-Hayat, May 22, 2015、Iraqi News, May 21, 2015、Kull-na Shuraka’, May 21, 2015、al-Mada Press, May 21, 2015、Naharnet, May 21, 2015、NNA, May 21, 2015、Reuters, May 21, 2015、SANA, May 21, 2015、UPI, May 21, 2015などをもとに作成。

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ロシア外務省と国連安保理はダマスカスのロシア大使館への迫撃砲弾着弾を批判(2015年5月20日)

ロシア外務省は「現地時間の5月19日午後15時25分、ダマスカス県内のロシア大使館本舎が迫撃砲弾複数発の攻撃を受けた。迫撃砲弾は、違法な武装集団が占拠するジャウバル区から発射されたと思われる」と発表した。

ロシア外務省によると「そのうちの1発は、我々の外交代表部の正門から15メートルの場所で爆発、別の1発は外壁に命中し、大使館のオフィスに着弾した。幸い、大使館職員に負傷者はなかった」という。

ロシア外務省はそのうえで、「この事件はロシア大使館に対するテロ行為に相当すると考える。我々はこうした行為の実行犯、彼らの組織、そして彼らにこれを命じた者たちを厳しく非難し、国際社会に行動を求める」と強調した。

これを受け、国連安保理は対応を協議、参加国はロシア大使館に対する反体制武装集団の砲撃を相次いで批判した。

5月の安保理議長を務めるリトアニアの国連大使は「外交領事施設保護のため、あらゆる適切な措置を講じる」よう主唱した。

またサマンサ・パワー米国連大使もまた、ロシア大使館への攻撃を非難し、シリアにおける紛争の政治的解決を改めて呼びかけた。

AFP, May 20, 2015、AP, May 20, 2015、ARA News, May 20, 2015、Champress, May 20, 2015、al-Hayat, May 21, 2015、Iraqi News, May 20, 2015、Kull-na Shuraka’, May 20, 2015、al-Mada Press, May 20, 2015、Naharnet, May 20, 2015、NNA, May 20, 2015、Reuters, May 20, 2015、SANA, May 20, 2015、UPI, May 20, 2015などをもとに作成。

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