イスラーム国による日本人殺害後のヨルダンの動き:パイロット解放に向けた努力継続(2015年2月1日)

『ハヤート』(2月1日付)は、ヨルダンの複数の高官筋からの情報として、ヨルダン政府がダーイシュ(イスラーム国)との連絡チャンネルを閉ざすことなく、ムアーッズ・カサースィバ空軍中尉の解放に向けた努力を継続している、と伝えた。

ダーイシュが脅迫メッセージに矛盾するかたちで、カサースィバ空軍中尉ではなく、日本人の後藤健二さんをまず処刑したことに関して、カサースィバ空軍中尉の解放をめざす危機管理チーム内では、少尉がすでに殺害されているとの見方が強まっている一方、殺害の証拠が示されない限りは、交渉を継続する必要があるとの立場も強いという。

こうした方針を受け、危機管理チーム高官はトルコにとどまり、部族のチャンネルを通じて、ダーイシュとの接触継続を試みているという。

**

ヨルダンのアブドゥッラー2世国王は、ダーイシュ(イスラーム国)による後藤健二さん殺害をめぐって、安倍晋三内閣総理大臣と電話会談を行った。

会談で、アブドゥッラー2世は、「国際法、慣習が拒否する卑劣な犯罪行為を激しく非難する」としたうえで、「テロと過激主義に対抗する国際的な努力を続ける重要性」を強調したという。

またムハンマド・ムーマニー内閣報道官(メディア担当大臣)は、「ヨルダンは(後藤さんの)声明と解放に向けて努力を惜しまなかった。友好国である日本政府と本件に関して継続的な連絡調整を行ってきた…。ダーイシュは日本人人質解放にかかる関係当局のあらゆる試みを拒んだ」と述べた。

そのうえで「パイロット問題を担当する危機対策チームは、拘束されたその日に招集されている…。ヨルダンはムアーッズ氏の消息が確認されるのを期待している。彼が家族、そして祖国のもとに戻ることなく、サージダ・リーシャーウィー死刑囚を政府が引き渡すことはない」と付言した。

AFP, February 1, 2015、AP, February 1, 2015、ARA News, February 1, 2015、Champress, February 1, 2015、al-Hayat, February 2, 2015、Iraqi News, February 1, 2015、Kull-na Shuraka’, February 1, 2015、al-Mada Press, February 1, 2015、Naharnet, February 1, 2015、NNA, February 1, 2015、Reuters, February 1, 2015、SANA, February 1, 2015、UPI, February 1, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラーム国をめぐる動き:YPG、シリア軍の攻勢続く(2015年2月1日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、イスラーム国がアイヤーシュ村で、男性8人を「武器を隠し持ち、イスラーム国への引き渡しを行わなかった」容疑で逮捕された。

一方、SANA(2月1日付)によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、マリーイーヤ村の一部を制圧、治安と安定を回復した。

シリア軍はまた、サルダ山、ダイル・ザウル市フワジャト・サクル地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュの戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、ARA News(2月1日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が、アイン・アラブ市周辺のカッラ・カウィー村でダーイシュ(イスラーム国)と交戦の末、同地を制圧した。

**

ハサカ県では、ARA News(2月1日付)によると、シリア軍がタッル・ハミース市のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

一方、SANA(2月1日付)によると、シリア軍はダーイシュ(イスラーム国)との交戦の末、ラッド・シャクラ村、ハシュファート村、マスール村、ダーウーディーヤ村、アブー・サアド農場を制圧した。

**

ヒムス県では、SANA(2月1日付)によると、ラッフーム村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, February 1, 2015、AP, February 1, 2015、ARA News, February 1, 2015、Champress, February 1, 2015、al-Hayat, February 2, 2015、Iraqi News, February 1, 2015、Kull-na Shuraka’, February 1, 2015、al-Mada Press, February 1, 2015、Naharnet, February 1, 2015、NNA, February 1, 2015、Reuters, February 1, 2015、SANA, February 1, 2015、UPI, February 1, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア外務省:イスラーム国による日本人人質2人の殺害を非難(2015年2月1日)

シリア外務在外居住者省高官は、ダーイシュ(イスラーム国)による後藤健二さん、湯川遥菜さん殺害に関して、「この野蛮な犯罪は世界全体、そして各国民にテロの危険を投げかけるもので、こうしたテロ集団への武器、資金供与、教練を行う一部の周知の国や勢力による(テロ)支援を停止させる必要がある」と述べた。

同高官はまた「シリアは犠牲者2人、そして日本国民に哀悼の意を表す。また、「テロとの戦い」が世界全体による真摯な協力を必要とすることを強調するとともに、シリアが、国連安保理決議第2170号の枠組みのなかで、国際法、国家主権、内戦不干渉といった原則を尊重しつつ、こうした危険を根絶するための努力を行うことを確認する」と付言した。

SANA(2月1日付)が伝えた。

**

ワーイル・ハルキー首相は、シリア・アラブ・テレビ(2月1日付)のインタビューで、「すべてのテロリストを領内から放逐することが基本目的だ」としたうえで、「シリア政府は領内の武装集団との戦いのため諸外国と協調」する意思があると述べた。

AFP, February 1, 2015、AP, February 1, 2015、ARA News, February 1, 2015、Champress, February 1, 2015、al-Hayat, February 2, 2015、Iraqi News, February 1, 2015、Kull-na Shuraka’, February 1, 2015、al-Mada Press, February 1, 2015、Naharnet, February 1, 2015、NNA, February 1, 2015、Reuters, February 1, 2015、SANA, February 1, 2015、UPI, February 1, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア国民連合暫定国防大臣「6万人からなり、シリアの革命的軍事勢力が参加する統合国民軍設置に向けた行動を開始した」(2015年2月1日)

シリア革命反体制勢力国民連立のサリーム・イドリース暫定政府国防大臣(自由シリア軍参謀委員会前議長)は、「6万人からなり、シリアの革命的軍事勢力が参加する統合国民軍設置に向けた行動を開始した」と述べた。

スィラージュ・プレス(2月1日付)などが伝えた。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のハーリド・ハウジャ代表は、トルコ国内での活動家らとの会談で、トルコ政府およびアフマド・トゥウマ暫定内閣とともに「戦略的協力評議会」を設置することに合意したと述べた。

「戦略的協力評議会」は、シリア革命反体制勢力国民連立、トルコ政府代表、暫定政府の6時間におよぶ会合の末に設置が決定され、閣僚間のハイレベルでの協調が行われるのだという。

『ハヤート』(2月1日付)が報じた。

AFP, February 1, 2015、AP, February 1, 2015、ARA News, February 1, 2015、Champress, February 1, 2015、al-Hayat, February 2, 2015、Iraqi News, February 1, 2015、Kull-na Shuraka’, February 1, 2015、al-Mada Press, February 1, 2015、Naharnet, February 1, 2015、NNA, February 1, 2015、Reuters, February 1, 2015、SANA, February 1, 2015、Siraj Press, January 27, 2015、UPI, February 1, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヒズブッラーのイマード・ムグニーヤ氏暗殺(2008年)に米国関与か?(2015年1月31日)

『ワシントン・ポスト』(1月31日付)は、米元諜報機関高官の話として、2008年にダマスカス県内で発生したヒズブッラーのイマード・ムグニーヤ氏暗殺事件に関して、イスラエルのモサドと米国のCIAが関与・実行したと伝えた。

AFP, January 31, 2015、AP, January 31, 2015、ARA News, January 31, 2015、Champress, January 31, 2015、al-Hayat, February1, 2015、Iraqi News, January 31, 2015、Kull-na Shuraka’, January 31, 2015、al-Mada Press, January 31, 2015、Naharnet, January 31, 2015、NNA, January 31, 2015、Reuters, January 31, 2015、SANA, January 31, 2015、UPI, January 31, 2015、The Washington Post, January 31, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア国内の活動家、住民「戦闘員逃走は日に日に増しており、イスラーム国崩壊は時間の問題」(2015年1月31日)

ラッカ県では、ARA News(1月31日付)によると、ラッカ市で、トルコ人女性戦闘員とチュニジア人女性戦闘員の2人が、ダーイシュ(イスラーム国)の女性部隊「ハンサー大隊」を離反し、トルコ領内に逃走した。

一方、ダーイシュは、アレッポ市・ラッカ市・ハサカ市を結ぶ国際幹線道路に位置するガーズィリー村で離反した戦闘員約50人を拘束し、カンタリー村に移送した。

こうした動きに関して、ARA News(1月31日付)は、シリア国内の複数の活動家、住民の話として、シリア国のダーイシュ(イスラーム国)戦闘員の「逃亡は日に日に増しており…、組織の崩壊は時間の問題だ」と伝えた。

他方、米国など有志連合は、ラッカ市からタッル・アブヤド市に向かって移動していたダーイシュ(イスラーム国)車輌を空爆した。

シャーム自由人イスラーム運動のアブー・ウマル・サルムーディーを名のる活動家によると、ダーイシュの車列は15台からなり、タッル・アブヤド市を経由してアイン・アラブ市に向かおうとしていたのだという。

**

アレッポ県では、ARA News(1月31日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がアイン・アラブ市郊外のシャカファ村、ダッリー村、スィフティク村一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、戦闘員11人を殲滅、同地を解放した。

一方、ダーイシュ(イスラーム国)は、自らの通信部門であるアアマーク通信からビデオ映像を配信し、アイン・アラブ市からの撤退の理由を明らかにした。

ビデオには、チュニジア人戦闘員、サウジアラビア人戦闘員が登場し、「アイン・イスラーム市」(アイン・アラブ市)からの撤退が、「激しい空爆がなされ、同胞が殺害されたことが理由だ」などと述べた。

ARA News(1月31日付)が伝えた。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(1月31日付)によると、シューラ村、マヤーディーン市、ダイル・ザウル市フワイジャト・サクル地区、カバージブ村、ジャフラ村、アイヤーシュ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アッシリア人権ネットワークは、ハサカ市内の活動家の情報として、ダーイシュ(イスラーム国)がハサカ県内のアッシリア教徒に対して、教会の十字架を下ろすよう要請していると発表した。

**

有志連合合同司令部によると、米国など有志連合は、シリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して27回にわたって空爆を行った。

AFP, January 31, 2015、AP, January 31, 2015、ARA News, January 31, 2015、Champress, January 31, 2015、al-Hayat, February1, 2015、Iraqi News, January 31, 2015、Kull-na Shuraka’, January 31, 2015、al-Mada Press, January 31, 2015、Naharnet, January 31, 2015、NNA, January 31, 2015、Reuters, January 31, 2015、SANA, January 31, 2015、UPI, January 31, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

レバノンの動き:ナスルッラー書記長「イスラエルとの交戦規定を気にせず…いつでも、どこでも報復する」(2015年1月30日)

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長はベイルート郊外(ダーヒヤ)のサイイド・シュハダー集会場で開催された「クナイトラ殉教者追悼集会」でテレビ演説を行い、「イスラエルとの交戦規定を気にせず…いつでも、どこでも」報復すると述べた。

集会は、18日にイスラエルがシリア領ゴラン高原アマル農園でヒズブッラーの車輌に対して行った越境空爆の犠牲者を追悼するためのもので、ナスルッラー書記長は「我々は戦争を望まない」としつつ、「レジスタンスが戦争を恐れている…とイスラエルが思っているのなら、敵に言っておこう。我々が戦争を恐れず、反撃を躊躇せず、我々がそうすることを強いられたときは、我々が勝利するということを知るがよい」と述べた。
W460

AFP, January 30, 2015、AP, January 30, 2015、ARA News, January 30, 2015、Champress, January 30, 2015、al-Hayat, January 31, 2015、Iraqi News, January 30, 2015、Kull-na Shuraka’, January 30, 2015、al-Mada Press, January 30, 2015、Naharnet, January 30, 2015、NNA, January 30, 2015、Reuters, January 30, 2015、SANA, January 30, 2015、UPI, January 30, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アイン・アラブ一帯でイスラーム国の勢力減退(2015年1月30日)

アレッポ県では、ARA News(1月30日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がアイン・アラブ市郊外のマナーズ村、マズリー・アブルーシュ村、アルバルール村、クールビーンカール村、ムーマーン村からダーイシュ(イスラーム国)を放逐、同地を制圧した。

なお、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)は過去数日間の戦闘でアイン・アラブ市周辺の16カ村を西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊に奪われ、同地で衰退を見せていると発表した。

**

ハサカ県では、ARA News(1月30日付)によると、タッル・ブラーク町郊外のフバイラート村で、ダーイシュ(イスラーム国)が、人民議会議員邸宅などシリア政府支持者の住居を爆破、破壊した。

一方、SANA(1月30日付)によると、タッル・ブラーク町で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(1月30日付)によると、ジャフラ村、マリーイーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

有志連合合同司令部は、米国などからなる有志連合軍が、シリアとイラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して18回にわたって空爆を行ったと発表した。

うちアイン・アラブ市一帯に対する空爆は5回に及んだという。

**

『ワシントン・ポスト』(1月30日付)は、シリアとイラク国内で活動するダーイシュ(イスラーム国)の外国人戦闘員の数が2万人に達していると報じた。

同紙によると、外国人戦闘員の数は2014年10月以降急増しているのだという。

AFP, January 30, 2015、AP, January 30, 2015、ARA News, January 30, 2015、Champress, January 30, 2015、al-Hayat, January 31, 2015、Iraqi News, January 30, 2015、Kull-na Shuraka’, January 30, 2015、al-Mada Press, January 30, 2015、Naharnet, January 30, 2015、NNA, January 30, 2015、Reuters, January 30, 2015、SANA, January 30, 2015、UPI, January 30, 2015、The Washington Post, January 30, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

「モスクワ1」をめぐる動き(2015年1月30日)

モスクワで29日に閉幕したシリア政府と反体制派の和平交渉(「モスクワ1」)に関して、政府側代表団を率いたバッシャール・ジャアファリー国連代表大使は記者会見で、シリア政府側が「友好国ロシアの要望に応え…協議のテーブルにおいて積極的且つ開放的だった」と自賛するとともに、政府側と反体制派の間に意見の相違が生じたとの一部報道を否定、「意見の相違は反体制派どうしの間で生じた」と主張した。

また政府側は「テロとの戦い」への対応を中心に審議を進めたことを明らかにした。

**

ロシア外務省は声明を出し、29日に閉幕したシリア政府と反体制派の和平交渉(「モスクワ1」)に関して、「シリア人とシリア人のあらゆる連絡手段への貢献を継続する用意がある」と表明した。

SANA(1月30日付)が伝えた。

AFP, January 30, 2015、AP, January 30, 2015、ARA News, January 30, 2015、Champress, January 30, 2015、al-Hayat, January 31, 2015、Iraqi News, January 30, 2015、Kull-na Shuraka’, January 30, 2015、al-Mada Press, January 30, 2015、Naharnet, January 30, 2015、NNA, January 30, 2015、Reuters, January 30, 2015、SANA, January 30, 2015、UPI, January 30, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍がレバノン・シリア領(シャブアー農場、ゴラン高原)を砲撃(続報、2015年1月29日)

イスラエルのモシェ・ヤアロン国防大臣は、28日のヒズブッラーとイスラエル双方による攻撃に関して「我々は…彼ら(ヒズブッラー)にとってこの事件は終わった、とのメッセージをUNIFILを通じて受け取った」と異例の発言をし、ヒズブッラー、イスラエル双方が事態の悪化を望んでいないことを明らかにした。

一方、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ヒズブッラーの攻撃で死亡したイスラエル兵の葬儀で「昨日の攻撃の責任はイランにある」と主張、ヒズブッラーによる攻撃が核開発をめぐる米国などとの合意を反故しようとするイランの意思の表れだとの見方を示した。
ナハールネット(1月29日付)が伝えた。

**

米国務省のジェーン・サキ報道官は、27日のヒズブッラーによるイスラエル軍攻撃を「違反行為」と非難、「イスラエルの自衛権を支持し、シリアの危機によってもたらされた地域の不安定を懸念している」としたうえで、「すべての当事者に自制」を求めた。

**

国連安保理は、27日のイスラエルによるレバノン領への越境砲撃によってUNIFILスペイン部隊隊員が死亡した件に関して臨時会合を開き、隊員殺害をもっとも強い調子で非難する一方、当事者に自制を求めたた。

スペインの国連代表大使は、本件に関して「暴力がエスカレートしたためであり、それはイスラエル側からのものである」と強く批判する一方、潘基文事務総長は、「最大限の自制」を呼びかけた。

ナハールネット(1月29日付)が報じた。

AFP, January 29, 2015、AP, January 29, 2015、ARA News, January 29, 2015、Champress, January 29, 2015、al-Hayat, January 30, 2015、Iraqi News, January 29, 2015、Kull-na Shuraka’, January 29, 2015、al-Mada Press, January 29, 2015、Naharnet, January 29, 2015、NNA, January 29, 2015、Reuters, January 29, 2015、SANA, January 29, 2015、UPI, January 29, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラーム国をめぐる動き(2015年1月29日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が支配するバーブ市を空爆し、住民8人が死亡、女性・子供を含む数十人が負傷した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊がダイル・ザウル航空基地の東部および南部農場地帯、空港南部の国際幹線道路一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、同地を制圧した。

AFP, January 29, 2015、AP, January 29, 2015、ARA News, January 29, 2015、Champress, January 29, 2015、al-Hayat, January 30, 2015、Iraqi News, January 29, 2015、Kull-na Shuraka’, January 29, 2015、al-Mada Press, January 29, 2015、Naharnet, January 29, 2015、NNA, January 29, 2015、Reuters, January 29, 2015、SANA, January 29, 2015、UPI, January 29, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

「モスクワ1」事実上の物別れ(2015年1月29日)

ロシアで開催されていたシリア政府と反体制派の和平交渉(モスクワ1)は、共同声明を発表できないままに閉幕した。

『ハヤート』(1月30日付)によると、反体制派は、「テロとの戦い」に関して、アサド政権が「武器を持つ者はだれでもテロリスト」と主張し、弾圧の口実することを警戒し、異議を唱え、これにより協議が紛糾、予定されていた閉幕声明の採択・発表が見送られ、ロシア側が作成した「基本原則文書」が発表されるにとどまった。

しかし、「基本原則文書」の発表をめぐっても紛糾し、ロシアは「基本原則文書」を、参加者ではなく、主催者であるロシア政府の名で発表することとした。

「基本原則文書」に関して、民主的変革諸勢力国民調整委員会のマージド・ハッブー氏は「反対はしないが、採用もしない」と述べた。

なお、『ハヤート』(1月29日付)によると、会合で唯一合意されたのは、ロシア人専門家によるフォローアップ委員会の設置だけだったという。

一方、SANA(1月29日付)は、モスクワで開催されていたシリア政府と反体制派の和平交渉(「モスクワ1」)が閉幕し、「シリア・アラブ共和国、反体制政党5組織および活動家がロシアによって提示された基本原則文書の内容について合意に達した」と報じた。

「基本原則文書」は、シリア人どうしの国民対話の政治的基礎として以下を8項目を挙げている。

1. シリアの主権、統合、独立、領土保全の維持

2. シリア領内における「テロとの戦い」

3. ジュネーブ合意(2012年)に基づく平和的政治手段を通じた危機解決

4. シリア国民の自由且つ民主的な表明を基礎とするシリアの未来の確定

5. あらゆる内政干渉の拒否

6. 国民統合の象徴としての軍の維持

7. 方の支配、市民権尊重、方の前の平等

8. シリア政府の許可を得ない外国からの武器調達の拒否

SANA, January 29, 2015
SANA, January 29, 2015

AFP, January 29, 2015、AP, January 29, 2015、ARA News, January 29, 2015、Champress, January 29, 2015、al-Hayat, January 30, 2015、Iraqi News, January 29, 2015、Kull-na Shuraka’, January 29, 2015、al-Mada Press, January 29, 2015、Naharnet, January 29, 2015、NNA, January 29, 2015、Reuters, January 29, 2015、SANA, January 29, 2015、UPI, January 29, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

日本人人質の処遇に関するイスラーム国からの第4のメッセージ(2015年1月29日)

ダーイシュ(イスラーム国)の人質となった後藤健二氏の肉声と思われる音声メッセージが日本時間の午前8時30分頃ツイッター上に投稿された。

メッセージの内容は以下の通り:

I’m Kenji Goto Jogo. This is a voice message I’ve been told to send to you. If Sajida al-Rishawi is not ready for exchange for my life at the Turkish border by Thursday sunset, 29th of January, Mosul time, the Jordanian pilot Mu’adh al-Kasasibah will be killed immediately.”

なお音声メッセージの画像は、後藤氏が発したメッセージのアラビア語文が表示されている。

The Japan Times, January 29, 2015
The Japan Times, January 29, 2015


これに対して、ヨルダン政府はムハンマド・ムーマニー・メディア担当大臣が、今の段階でカサースィバ氏の生存を確認できるような証拠を受け取っていない。このため、次の段階に進むことができない。リシャーウィー氏は現在、レバノン国内にいる。カサースィバ氏の生存が確認された場合、次の段階に進む」と語った。

The Japan Times, January 29, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍がレバノン・シリア領(シャブアー農場、ゴラン高原)を砲撃:UNIFIL隊員死亡(2015年1月28日)

ナハールネット(1月28日付)などによると、イスラエルが占領するシャブアー農場(ナバティーヤ県ハースバイヤー郡)で、イスラエル軍の車輌が対戦車ミサイルで砲撃を受け、兵士2人が死亡、7人が負傷した。

イスラエル軍によると、ヒズブッラーが撃った対戦車ミサイルは6発で、うち3発がイスラエル軍車輌に命中、1発がガジャル村の家屋に着弾したという。

これに関して、ヒズブッラーは声明を出し、「クナイトラ殉教者団」を名のる部隊が攻撃を行ったと発表、19日にイスラエル軍によるゴラン高原アマル農場でのヒズブッラー車列への攻撃への報復であることを示唆した。

**

ヒズブッラーによる攻撃を受け、イスラエル軍は少なくとも50発の迫撃砲をレバノン領内に撃ち込んだ。

砲撃は、シャブアー農場に近いカフルシューバー、マジュディーヤ村、アッバースィーヤ村などに対して行われ、UNIFILスペイン部隊の隊員1人が死亡した。

スペイン外務省は声明を出し、イスラエル軍の砲撃により、UNIFILのスペイン部隊の隊員1人(36歳)が死亡したと発表した。

UNIFILによると、このスペイン部隊は、イスラエルが占領するガジャル村(ナバティーヤ県ハースバイヤー郡)に展開していた。

またUNIFILのルチアーノ・ポルトラノ司令官は、イスラエルの砲撃に関して、「国連安保理決議第1701号の深刻は違反」と非難した。

**

NNA(1月28日付)によると、イスラエル軍戦闘機が午前2時以降、レバノン南部一帯(シャブアー農場・カフルシューバー一帯、ヘルモン山一帯、ナバティーヤ県ハースバイヤー郡、ベカーア県ラーシャイヤー郡)上空に領空侵犯し、イスラエル軍の地上部隊もシャブアー農場一帯など国境地帯に展開したと伝えた。

複数のメディアによると、領空侵犯は、国境地帯でのヒズブッラーによる地下トンネルを探索し、掘削を抑止するためだという。

**

タンマーム・サラーム首相は、イスラエル軍によるレバノン南部への攻撃に関して「地域の平和や安定に寄与することのない危険な可能性への道を切り開くもの」と批判した。

また「レバノンは国連安保理決議第1701号を遵守している」と強調、国際社会に対して、イスラエルの敵意を制す」よう呼びかけた。

これに先立ち、レバノンの外務省は、ヒズブッラーによる越境砲撃に関して、「ブルーライン外に位置する占領下のレバノン領シャブアー農場で(イスラエル軍により)行われた作戦への報復」だと述べ、国際法上合法だとの見方を示した。

ヒズブッラーによる砲撃に関して、レバノン軍団のサミール・ジャアジャア代表は「ヒズブッラーにはレバノン軍と政府をイスラエルとの戦闘に巻き込む権限はない」と批判した。

ムスタクバル潮流も声明を出し、「レバノンの国益に資さない問題にレバノンを巻き込むようないかなる行動も拒否する」と発表し、非難した。

また進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首は「波乱の時代に入った…。イスラエルがレバノンへの攻撃を行いかねず、警戒すべきだ」と懸念を表明した。

**

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ヒズブッラーによる攻撃に関して、イスラエル軍は「どの前線でも、軍事行動を行う用意がある」としたうえで、「今日の攻撃の背後にいる者たちは高い代価を支払うことになるだろう」と述べた。

また「両国(レバノン、シリア)領内からイスラエルに対する攻撃がもたらす結果に対して、レバノン政府と(シリアの)アサド政権はともに責任がある」と付言した。

**

アラブ連盟のナビーフ・ビッリー事務総長は、イスラエル軍による報復攻撃に関して、「国連安保理はイスラエルの攻撃を停止させるため、責任を果たし、早急に介入するべきだ」と述べた。

**

パレスチナのハマースは、ヒズブッラーによる越境攻撃に関して、「シャブアー農場の敵への攻撃は占領の傲慢と敵意に対抗するレジスタンスにとっての合法的な権利である」と支持を表明した。

またイスラーム聖戦も、ヒズブッラーの越境攻撃を「英雄的作戦」と高く評価した。

**

一方、シリア領内では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍が深夜、クナイトラ県の第90旅団展開地域のシリア軍哨所複数カ所を空爆した。

この空爆と前後して、クナイトラ県とダマスカス県を結ぶサラーム街道一帯、レバノン国境に近いクワイル・ヤーブース一帯では、シリア軍、国防隊が、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦、シリア軍が砲撃を行った。

**

ナハールネット(1月28日付)によると、ベカーア県バアルベック郡ナフラ村郊外(ハシュア地区)で、シリア人武装集団がヒズブッラー戦闘員、シリア軍と交戦した。

AFP, January 28, 2015、AP, January 28, 2015、ARA News, January 28, 2015、Champress, January 28, 2015、al-Hayat, January 29, 2015、Iraqi News, January 28, 2015、Kull-na Shuraka’, January 28, 2015、al-Mada Press, January 28, 2015、Naharnet, January 28, 2015、NNA, January 28, 2015、Reuters, January 28, 2015、SANA, January 28, 2015、UPI, January 28, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラーム国がタッル・アブヤドでメンバーの離反・逃走を阻止するため、家族のラッカへの移動を要請、ラフマーン軍団がダーイシュ合流者を摘発(2015年1月28日)

ラッカ県では、ARA News(1月28日付)がトルコ国境に位置するタッル・アブヤド市の複数の消息筋の話として、ダーイシュ(イスラーム国)が外国人戦闘員に対し、家族を同市からラッカ市に移すよう要請するとともに、トルコへの通行規制を強化し、戦闘員の離反・逃走を阻止しようとしていると伝えた。

また、ARA News(1月29日付)によると、タッル・アブヤド市郊外のタッル・アフマル村(カリー・スール村)に対する米国など有志連合の空爆で、バシャーシマ部族の子息1人が死亡、2人が負傷した。

**

ダマスカス郊外県では、ラフマーン軍団総司令部が声明を出し、アイン・タルマー村で、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓った「アブズ・ザイド・ジャウラーン」を名のる武装集団を摘発した、と発表した。

Kull-na Shuraka', January 28, 2015
Kull-na Shuraka’, January 28, 2015

**

アレッポ県では、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が声明を出し、イラク・クルディスタン地域のペシュメルガ部隊とともにアイン・アラブ市郊外のクーラムト村、マトアム・スィーラーン一帯(アレッポ街道沿い)でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、同地を制圧した。

また、米国など有志連合の合同司令部によると、有志連合はアイン・アラブ市一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して13回にわたって空爆を行った。

ARA News(1月28日付)が伝えた。

一方、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が支配するダイル・ハーフィル市一帯、ジャディード村、ヒルバト・マアージール村などをシリア軍が空爆した。

このほか、ARA News(1月28日付)によると、マンビジュ市でダーイシュ(イスラーム国)が住民6人を「有志連合に内通」、「自由シリア軍に内通」しているとの罪で処刑した。

**

ハサカ県では、ARA News(1月28日付)によると、シャッダーディー市で、ダーイシュ(イスラーム国)が住民1人を処刑した。

**

ヒムス県では、SANA(1月28日付)によると、ジャズル・ガス採掘所一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

『ハヤート』(1月29日付)は、イラク・クルディスタン地域ペシュメルガおよび米国など有志連合による、ニナワ県タッルアファル郡、モスル市一帯での攻勢を受け、ダーイシュ(イスラーム国)メンバーの家族約150世帯がシリア領内に避難したと伝えた。

AFP, January 28, 2015、AP, January 28, 2015、ARA News, January 28, 2015、January 29, 2015、Champress, January 28, 2015、al-Hayat, January 29, 2015、Iraqi News, January 28, 2015、Kull-na Shuraka’, January 28, 2015、al-Mada Press, January 28, 2015、Naharnet, January 28, 2015、NNA, January 28, 2015、Reuters, January 28, 2015、SANA, January 28, 2015、UPI, January 28, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

「モスクワ1」:シリア政府と反体制派の協議始まる(2015年1月28日)

開催3日目となるモスクワでのシリア政府(バッシャール・ジャアファリー国連代表大使が団長)と反体制派の和平交渉「モスクワ1」は、双方の代表者が初めて会した。

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、双方に対して「テロの脅威に立ち向かうため足並みをそろえる」よう呼びかけるとともに、「我々は政治家、市民社会の代表が、テロとの戦いで足並みをそろえることの重要性を理解していると確信する…。シリア国民の統合を再生させるカギとなるべきだ」と強調した。

SANA, January 28, 2015
SANA, January 28, 2015

『ハヤート』(1月29日付)によると、午前中のセッションでは、反体制派代表者が以下10項目からなる要求を文書で示した。

1. (樽爆弾、「地獄の大砲」による)無差別攻撃の停止。

2. 言論犯、平和的活動家、女性、子供の釈放。

3. 人質、捕虜、とりわけ女性、子供の解放。

4. シリア全土への食糧、医療、人道支援物資の搬入許可。

5. 「シリア人権委員会」の設置と、同委員会による人道侵害問題への直接介入。

6. メディア独占の解除。

7. 上記6点を実施するための合同委員会の設置。

8. シリア国民に対して(欧米諸国、湾岸諸国が科している)経済制裁の解除に向けた行動。

9. 過去の逮捕に関するファイルの開示。

10. シリア国家への武器保有制限に向けた政治プロセス。

このうち10番目の項目に関しては、反体制派内でも賛否が分かれ、シリア軍内にクルド人部隊を特設する案や、自由シリア軍を特別部隊として温存する案などが示された。

また経済制裁解除に関する8番目の項目についても、シリア政府に資するとの反対意見が見られたという。

AFP, January 28, 2015、AP, January 28, 2015、ARA News, January 28, 2015、Champress, January 28, 2015、al-Hayat, January 29, 2015、Iraqi News, January 28, 2015、Kull-na Shuraka’, January 28, 2015、al-Mada Press, January 28, 2015、Naharnet, January 28, 2015、NNA, January 28, 2015、Reuters, January 28, 2015、SANA, January 28, 2015、UPI, January 28, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イラン革命防衛隊高官がバースィージュによる「シリア・ヒズブッラー」の教練を認める(2015年1月27日)

イラク革命防衛隊イマーム・フサイン本部副司令官のフサイン・ハムダーニー氏は、「シリア・ヒズブッラーは、民間防衛隊所属の人民部隊(国防隊のことと思われる)の旗のもとで活動している。隊員の95%はスンナ派で、シーア派は1%」であると明らかにした。

ハムダーニー氏はまた、バースィージュの文化センターをシリアの14県の14カ所に開設した」としたうえで、「シリア軍とともにあって、バースィージュの文化を享受している」と述べた。

『ハヤート』(1月28日付)が伝えた。

AFP, January 27, 2015、AP, January 27, 2015、ARA News, January 27, 2015、Champress, January 27, 2015、al-Hayat, January 28, 2015、Iraqi News, January 27, 2015、Kull-na Shuraka’, January 27, 2015、al-Mada Press, January 27, 2015、Naharnet, January 27, 2015、NNA, January 27, 2015、Reuters, January 27, 2015、SANA, January 27, 2015、UPI, January 27, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍がイスラエル占領下のゴラン高原に異例の砲撃(2015年1月27日)

クッルナー・シュラカー(1月27日付)は、複数の現地消息筋の話として、クナイトラ県のヘルモン山麓に展開するシリア軍第90旅団が、イスラエル占領下のゴラン高原のイスラエル軍哨所複数カ所に対してロケット弾4発を発射した、と伝えた。

シリア軍がイスラエル領に対して攻撃を行うのはきわめて異例。
またこれに関して、イスラエル軍報道官は、シリア領内からゴラン高原に発射された「少なくともロケット弾2発」が着弾したとしたうえで、この砲撃が「意図的なもので、シリアの内戦による流れ弾ではない」と述べた。

AFP(1月27日付)が伝えた。

AFP, January 27, 2015、AP, January 27, 2015、ARA News, January 27, 2015、Champress, January 27, 2015、al-Hayat, January 28, 2015、Iraqi News, January 27, 2015、Kull-na Shuraka’, January 27, 2015、al-Mada Press, January 27, 2015、Naharnet, January 27, 2015、NNA, January 27, 2015、Reuters, January 27, 2015、SANA, January 27, 2015、UPI, January 27, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラーム国をめぐる動き:アイン・アラブ市郊外でのYPGの進軍続く(2015年1月27日)

アレッポ県では、ARA News(1月27日付)によると、アイン・アラブ市を制圧した西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊は、同市東部郊外のタッル・ハージブ村一帯などでダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、ハルナジュ村、マズラアト・ダーウード村、ディーハービク村などを制圧した。

人民防衛隊はまた、アイン・アラブ市南部郊外のマナーズ村周辺でもダーイシュと交戦した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ティヤーナ村、ダイル・ザウル市各所でシリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

**

 ヒムス県では、SANA(1月27日付)によると、シャーイル・ガス採掘所周辺で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, January 27, 2015、AP, January 27, 2015、ARA News, January 27, 2015、Champress, January 27, 2015、al-Hayat, January 28, 2015、Iraqi News, January 27, 2015、Kull-na Shuraka’, January 27, 2015、al-Mada Press, January 27, 2015、Naharnet, January 27, 2015、NNA, January 27, 2015、Reuters, January 27, 2015、SANA, January 27, 2015、UPI, January 27, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア外務省、イスラーム軍によるダマスカス無差別砲撃への安保理非難決議を呼びかける(2015年1月27日)

外務在外居住者省は国連安保理議長、事務総長に宛てて書簡を送付し、25日のイスラーム軍によるダマスカス県への無差別ロケット弾攻撃を「テロ行為」として非難し、「イスラーム軍をテロ組織に指定し、「実行犯とその背後にいる国々、勢力」とりわけサウジアラビア、トルコ、カタールへの制裁を定めた安保理決議を採択するよう要請した。

AFP, January 27, 2015、AP, January 27, 2015、ARA News, January 27, 2015、Champress, January 27, 2015、al-Hayat, January 28, 2015、Iraqi News, January 27, 2015、Kull-na Shuraka’, January 27, 2015、al-Mada Press, January 27, 2015、Naharnet, January 27, 2015、NNA, January 27, 2015、Reuters, January 27, 2015、SANA, January 27, 2015、UPI, January 27, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

西クルディスタン移行期民政局はアイン・アラブ市奪還を宣言(2015年1月27日)

西クルディスタン移行期民政局執行評議会(コバネ)のアンワル・ムスリム議長と人民防衛隊のマフムード・バドルハーン総司令官は記者会見を開き、アイン・アラブ市をダーイシュ(イスラーム国)から完全に解放したと宣言した。

『ハヤート』(1月28日付)が伝えた。

AFP, January 27, 2015、AP, January 27, 2015、ARA News, January 27, 2015、Champress, January 27, 2015、al-Hayat, January 28, 2015、Iraqi News, January 27, 2015、Kull-na Shuraka’, January 27, 2015、al-Mada Press, January 27, 2015、Naharnet, January 27, 2015、NNA, January 27, 2015、Reuters, January 27, 2015、SANA, January 27, 2015、UPI, January 27, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領、米『フォーリン・アフェアーズ』誌のインタビューに応じる(2015年1月26日)

アサド大統領は米『フォーリン・アフェアーズ』誌の単独インタビュー(http://www.foreignaffairs.com/discussions/interviews/syrias-president-speaks)に応じた。

The Foreign Affairs, January 26, 2015
The Foreign Affairs, January 26, 2015

インタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り:

「すべての戦争は、世界のどこで行われようと、政治的解決をもって終わる。なぜなら戦争それ自体は解決策ではなく、戦争は政治のツールの一つだからだ」。

(シリアが政府、ダーイシュ(イスラーム国)やヌスラ戦線といったイスラーム過激派、スンナ派とクルド人からなる反体制派の三つの「小国家」に分断されているとの質問に対して)「まずこのイメージは正確でない…。シリア国民は依然としてシリアの統合を支持している。彼らは政府を依然として支持している。あなたが言っている派閥は一部の地域を制圧はしているが、彼らはあちらこちらに移動し、定着していない…。住民は、国家を政治的に支持しているかいないかはともかくとして、国家を支持している。つまり、彼らは国家をシリアの統合の代表として支持している。シリア国民が統合を信じている限り、どんな政府、役人でもシリアを統合できる。国民が二つ、三つ、四つの集団に分かれていれば、この国を統合はできない」。

(スンナ派とクルド人が依然としてシリアの統合を信じているのかとの問いに対して)「もしダマスカスに今来れば、事態が異なっていることが分かる…。シリアの分断は、宗派やエスニック集団によるものではない…。それは特定の地域を軍事的に支配する派閥によるものだ」。

「当初から、我々は開放的だ。我々はすべての党派と対話を行ってきた…。またどんな解決策であれ、最後には信任投票を通じて国民に問うべきだ…。シリア国民に問うべきだ。つまり、対話を行うことは、決定を行うこととは別問題だ。決定は、政府、反体制派のいずれもが行うものではない」。

「我々はロシアに行って、こうした交渉を行う。しかし別の問いがそこにはある。誰と交渉するのかというものだ。我々は政府として、組織、軍を持っている…。これに対して、我々の交渉相手となる者たちは、誰を代表しているのか? ここに問題がある。反体制派とは通常、地方自治体、議会などに代表を持っている…。あるいは草の根を持ち、人々を代表していなければならない…。反乱分子が公式に発表してきたことに立ち返らねばならない。彼らは何度も、反体制派は自分たちを代表していないと言ってきた…。別の側面もある。反体制派とは国民的(愛国的)であるもので、シリア国民の利益のために活動することを意味する。もしカタールやサウジアラビア、さらには米国をはじめとする西欧諸国の操り人形だとしたら、それは反体制派ではない…。反体制派はシリアの反体制派でなければならない。我々には国民的(愛国的)な反体制派がいる。私はこうした反体制派を排除しない。すべての反体制派が合法的なわけではないが、国民的(愛国的)な反体制派と操り人形は区別されなければならない」・

(モスクワで開催されるシリア政府と反体制派の和平交渉(モスクワ1)に関して「モスクワで行われているのは、解決策に関する交渉ではない。それは(和平)会議の準備だ…。どのように対話を準備するかを交渉する。会議について話し始める場合、その原則となるものは何か?… 一部のグループは、先ほど述べた通り、他国の操り人形だ…。フランスをはじめとする多くの国は、会議が成功することには関心がない。だから、彼らはこうしたグループに会議を失敗させようと命令を出している。自分たちしか代表していない者、シリアの誰も代表していない者もいる…。反体制派を一つの勢力だとして話す場合、誰が誰に影響力を及ぼしているのか? これが問題だ。こうしたことはまったく明らかでない。だから楽観というのは大げさだ。ただ、私は悲観しているとは言いたくない。希望があると言いたい」。

(和平交渉を成功させるために)「反乱分子に対処することだ。しかし反乱分子には2種類ある。今やその大多数は、アル=カーイダ、つまりはイスラーム国やヌスラ戦線で、これと並んでよりアル=カーイダに所属する小規模の似たような派閥がいるだけだ…。オバマが「幻想」呼んだもの、ないしはいわゆる「穏健な反体制派」は、反体制派ではなく、反乱分子だ。そのほとんどがアル=カーイダだ…。アル=カーイダと交渉できるだろうか? 彼らには交渉する用意はなく、自分たちの計画を持っているだけだ。我々が始め、(スタファン・)デミストゥラ氏(シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表)が続けているのは、現場に即したプラクティカルな解決策だ」。

「また我々は、ヌスラ戦線やイスラーム国に対して、国連安保理決議第2170号を実施しなければならない…。この決議はこうした組織に軍事面、財政面、兵站面での支援を行うことを禁止している。しかし、トルコ、サウジアラビア、カタールはこうしたことを依然として続けている。この決議が実施されなければ、我々は解決策について話し合うことはできない」。

「西側諸国は、「穏健な反体制派支援」などという言われる傘を取り除かねばならない。彼らは、我々が主にアル=カーイダ、すなわちイスラーム国やヌスラ戦線と対峙していることを知っているからだ」。

「武器を捨てた者に対して、我々は恩赦を与えている。彼らは普通の生活を取り戻している…。こうしたことが信頼醸成のための措置だ。だが、反体制派と収監者と間に何の関係があるのか? 無関係だ。反体制派は収監者ではない。まったく異なった問題だ」。

「イランはシリアにおいて何の野望も持っていない…。我々は他国が我々の主権を脅かすことを決して許さないからだ…。(イラン・イスラーム革命防衛隊によるシリア国内でのミサイル・プラント建設に関して)協力関係のなかで役割を果たすことは、覇権を通じて役割を果たすことは異なっている」。

(ヒズブッラー戦闘員やシーア派民兵との協力に関して)「政府機関、国家のみが安定を保証し、秩序をもたらすと言うのは当然だ。政府とともに何らかの役割を果たすそれ以外の要素は、特定の環境下では良い高価をもたらすこともあるし…、副作用、つまり悪い副作用もある…。政府を支持する民兵が生じることは、戦時下における副作用だ…。この副作用が生じたら、それをコントロールしようとするものだ」。

「1974年の停戦以降、ゴラン高原からイスラエルに対して(シリア軍は)何らの作戦も行っていない。だからイスラエルが何らかの作戦の計画があると主張することは、現実からほど遠い主張であり、言い訳に過ぎない。なぜなら、イスラエルはヒズブッラーのメンバーを誰でもよいから殺害したかったからだ…。イスラエルは2年近くシリアを攻撃し続けている。何の理由もなしに…。イスラエルは軍拠点を攻撃している。ヒズブッラーとシリア軍に何の関係があるというのか?… イスラエルはシリアの反乱分子を支援している。これは明確だ。なぜなら、我々がどこかで進軍を遂げれば、イスラエルはシリア軍を弱体化させようと攻撃をしてくる…。だから一部のシリア人は「アル=カーイダが空軍を持っていないなんでどうして言えるのか? 彼らにはイスラエル空軍があるじゃないか」と冗談で言っている」。

(イラク政府がシーア派民兵を制御できなくたっているとの問いに対して)「ポール・ブレマーはイラクという国家のためではなく、複数の宗派のための憲法を作ったのだ。これに対して、シリアではなぜ、制裁下であるにもかかわらず、4年間も軍が持ちこたえているのか?… なぜならシリアには真の憲法、つまり真に世俗的な憲法があるからだ。それが理由だ。イラクの憲法は宗派主義的だ。宗派主義的憲法は憲法ではない」。

「あらゆる政府、あらゆる個人が間違いを犯す…。しかし我々は三つの決定を実行した。第1にあらゆる対話に対して開放的になること、第2に新たに憲法を制定すること…、そして第3に自分たちの国を守ること。これら三つの決定が間違えだったとは思っていない…。テロリストから国を守ることが間違えだと言いたいのなら、テロリストを支援することが正しいことだということか」。

(イスラーム国を空爆する米国と奇妙なパートナー関係にあることに、米国との関係強化の可能性があると考えるかとの問いに対して)「可能性は常にここにある。なぜなら、我々は30年にわたってテロに対抗するための国際的な協力関係の構築を求めてきたからだ。しかしこの可能性には意志を必要とする。問題は、米国にどのくらい真剣にテロと戦おうとする意志があるかだ。これまでのところ、米国はシリア北部のイスラーム国を攻撃しているが、何ら具体的なものを目にしていない。具体性がない。これまで目にしてきたことは、実を欠いた見せかけだけだ。攻撃開始以降、イスラーム国はシリアとイラクで支配地域を拡大してしまっている…。コバネ(アイン・アラブ)は小さな都市だが、3ヶ月以上経っても攻撃は止んでいない…。つまり、米国はテロと真剣に戦っていないということだ」。

「(米国による)さらなる関与とは軍事的な面に限られない。政治的なものが求められている。米国がどの程度トルコに影響力を行使できるかということだ…。米国は、アル=カーイダを支援しないようトルコに圧力をかけているだろうか? 彼らは圧力はかけていない…。つまり軍事的な関与しかしていないのだ…。また、第2に、軍事的関与について話すのであれば、米国高官は現場に部隊がいなければ、具体的な成果を得られないことを公に認めるべきだ。現場でいったいどの部隊に依存しているのか?… シリア軍に依存しなければならないのは当然のことだ。ここは我々の領土であり、我々の国だ。我々が責任を負っている。我々は米軍に何も要請しない」。

「トルコへの圧力、サウジアラビアへの圧力、カタールへの圧力を通じて反乱分子への支援を止めさせねばならない。次いで、シリアと合法的な協力を行い、シリア政府にこうした攻撃を行う許可を求めることから始めねばならない。彼らはそしたことを行っていないので、攻撃は違法だ…。テロと真剣に戦う他国とであれば、我々は協力を行う用意がある。もし相手国が真剣ならば…」。

(米国が「穏健な反体制派」を軍事教練しようとしていることに関して)「シリア軍と協力しないいかなる部隊も違法であり、シリア軍の交戦対象となる。これは非常に明確なことだ…。シリア軍との協力しなければ、違法だし、他国の操り人形だ。彼らは他の違法な民兵と同じようにシリア軍と戦うことになる。しかし、こうした部隊に関して、もう一つ別の問いがある。オバマは彼らが幻想だと言った。幻想がなぜ現実になるのか?… 過激派を穏健になどできない」。

「なぜあなたが言うところの「穏健な反体制派」、つまり我々が言うところの「反乱分子」がますます弱体化しているのか? シリア危機の進捗がそうしているからだ。5,000人を(米国が)外国からシリアに潜入させたが、そのほとんどは離反し、一部はイスラーム国に合流してしまう、こうしたことが去年実際に起こっている。だから幻想的だと言っているのだ。5,000という数が幻想なのではなく、発想そのものが幻想なのだ」。

「(現下のシリアの危機は)二国間、二つの軍の戦争ではない…。市民が暮らしている地域に浸透する反乱分子について話しているのだ…。これがこの戦争の形態だ。だからこれを領土と関連で見ることはできない。次に、シリア軍は、いかなる地域であれ、進行すれば、成功を収めることができるが、シリア国内に1メートルおきに駐留することなどできない。それは不可能だ。過去2年間でいくつかの進軍を実現したが、戦況は良い方向に向かっているのかと聞かれれば、こう言いたい。すべての戦闘は、破壊をもたらすがゆえに悪いものだ。重要な問いとは、この戦争で我々が勝ち取った要素とは何かというものだ。我々が勝ち取ったものとは、シリア国民がテロリストを拒否し、政府と軍をさらに支援する姿勢が生じたことだ」。

「外国の支援がなければ…、何の問題もなく彼ら(反体制武装勢力)を打ち負かすことができる。今でも我々は軍事的には問題を抱えていない。問題は、彼らが主にトルコから断続的に支援を受けていることだ」。

「彼(トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領)は、アル=カーイダの基礎となっているムスリム同胞団のイデオロギーに属している…。彼は非常に狂信的だ。だから彼はイスラーム国さえも支援しちえる。今起きていることの責任は彼個人にある」。

(バラク・オバマ米大統領にメッセージはあるかとの問いに対して)「すべての米国人に問いかけたいのは、我々の国、我々の地域のテロリストを支援して何を得ようとしているのか、ということだ…。あなたの国の高官の一人は7年前にシリアでの会合の最後にこう聞いてきた。「我々にアフガニスタンの問題を解決できると思いますか?」 これに私はこう答えました。「操り人形でなく、あなたにNoと言える高官と折り合うべきだ」。米国が操り人形のような高官や従属しているような国ばかり見ることが、自国の国益に資することではない」。

なおアラビア語版はSANA(12月26日付)に全文(http://www.sana.sy/%d8%a7%d9%84%d8%b1%d8%a6%d9%8a%d8%b3-%d8%a7%d9%84%d8%a3%d8%b3%d8%af-%d9%84%d9%85%d8%ac%d9%84%d8%a9-%d9%81%d9%88%d8%b1%d9%86-%d8%a7%d9%81%d9%8a%d8%b1%d8%b2-%d8%a7%d9%84%d8%a7%d9%85%d8%b1%d9%8a%d9%83.html

)が掲載されている。
The Foreign Affairs, January 26, 2015、SANA, January 26, 2015をもとに作成。

 

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ首相:「テロとの戦い」においてアサド政権打倒を最優先に据えるよう求める(2015年1月26日)

トルコのアフマド・ダウトオール首相は米国の対シリア政策に関して『ワシントン・ポスト』(1月26日付)に対して「アサド政権打倒を最優先とするかたちで、シリアでのテロとの戦いを行うための戦略」を構築するよう要請した。

The Washington Post, January 26, 2015をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

有志連合と思われる戦闘機がヌスラ戦線を爆撃し、幹部2人を殺害(2015年1月26日)

アレッポ県では、シリア人権監視団などによると、米国など有志連合のものと思われる戦闘機が未明、カフル・ハラブ村近郊(アレッポ市・イドリブ市間)で、シャームの民のヌスラ戦線の車輌に対して空爆を行い、ヌスラ戦線の幹部アブー・ハディージュア・ジャウラーニー氏(パレスチナ人)とアブー・ウマル・ハマウィー氏の2人が死亡した。

AFP, January 26, 2015、AP, January 26, 2015、ARA News, January 26, 2015、Champress, January 26, 2015、al-Hayat, January 27, 2015、Iraqi News, January 26, 2015、Kull-na Shuraka’, January 26, 2015、al-Mada Press, January 26, 2015、Naharnet, January 26, 2015、NNA, January 26, 2015、Reuters, January 26, 2015、SANA, January 26, 2015、UPI, January 26, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍、米国など有志連合の双方がハサカ県のイスラーム国拠点を爆撃(2015年1月26日)

ハサカ県では、ARA News(1月26日付)によると、シリア軍がタッル・ブラーク町、タッル・ハミース市近郊のダーイシュ(イスラーム国)拠点を複数回にわたって空爆する一方、米国など有志連合も対イラク国境のジャズア村一帯を空爆した。

一方、フール町を制圧しているダーイシュ(イスラーム国)のアミール(司令官)は、治安部隊を結成すると発表した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル航空基地周辺でシリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦し、モロッコ人戦闘員ら9人が死亡した。

一方、SANA(1月26日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠するマリーイーヤ村の要所をシリア軍が制圧し、多数の戦闘員を殺傷した。

これを受け、ダーイシュ戦闘員は、ブーライル村、ムーハサン市、タービヤ・シャーミーヤ村方面に撤退したという。

シリア軍はまた、ティブニー町、ハリータ村、ブー・ウマル村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュの戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(1月26日付)によると、シャーイル・ガス採掘所周辺、ラッフーム村一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ARA News(1月27日付)によると、米国など有志連合は、シリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して34回にわたって空爆した。

うちシリアでの空爆は21回、イラクでの空爆は13回だった。

AFP, January 26, 2015、AP, January 26, 2015、ARA News, January 26, 2015、January 27, 2015、Champress, January 26, 2015、al-Hayat, January 27, 2015、Iraqi News, January 26, 2015、Kull-na Shuraka’, January 26, 2015、al-Mada Press, January 26, 2015、Naharnet, January 26, 2015、NNA, January 26, 2015、Reuters, January 26, 2015、SANA, January 26, 2015、UPI, January 26, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラーム国メンバーの離反・逃走続く(2015年1月26日)

ラッカ県では、SLN(1月26日付)が地元消息筋の話として、ラッカ市のダーイシュ(イスラーム国)宗教警察(ヒスバ、勧善懲悪委員会)のアブー・タルハ・クワイティー長官が離反、逃走したと伝えた。

アブー・タルハ氏は25日から連絡がとれず、ダーイシュは同氏の自宅を家宅捜査するとともに、ラッカ市内の検問を強化しているという。

アブー・タルハ氏は本名がムハンマド・ドゥーサリーで、クウェート人。クウェートでアル=カーイダとつながりがあるとの罪で7年投獄されたのち、レバノンに渡ったが、同地で身柄拘束されていた。その後2011年にレバノンのルーミヤ政治刑務所から脱獄し、シリアに入り、ダーイシュに参加したとされている。

Kull-na Shuraka', January 26, 2015
Kull-na Shuraka’, January 26, 2015

**

ラッカ県では、ARA News(1月26日付)によると、トルコ国境に面するタッル・アブヤド市でダーイシュ(イスラーム国)のメンバー15人が離反し、トルコ領内に逃走した。

AFP, January 26, 2015、AP, January 26, 2015、ARA News, January 26, 2015、Champress, January 26, 2015、al-Hayat, January 27, 2015、Iraqi News, January 26, 2015、Kull-na Shuraka’, January 26, 2015、al-Mada Press, January 26, 2015、Naharnet, January 26, 2015、NNA, January 26, 2015、Reuters, January 26, 2015、SANA, January 26, 2015、SLN, Januaru 26, 2015、UPI, January 26, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

YPGがアイン・アラブ市からイスラーム国を放逐し、同市をほぼ完全制圧(2015年1月26日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が、アイン・アラブ市での4ヶ月におよぶダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、同市をほぼ完全に奪還した。

ダーイシュは同市東部から市外に撤退、市内にはダーイシュ戦闘員はいない、という。

撤退に先立ち、人民防衛隊は、市内におけるダーイシュの最後の拠点だったカーニー・アラバーン地区を制圧していた。

また米国など有志連合は、アイン・アラブ市一帯のダーイシュ拠点などに対して17回にわたって空爆した。

有志連合は同地を含むシリア、イラク領内のダーイシュ拠点を21回にわたって空爆したという。

ARA News, January 26, 2015
ARA News, January 26, 2015

**

ARA News(1月26日付)などによると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊によるアイン・アラブ市奪還を受け、ハサカ県のハサカ市、アフリーン市、マーリキーヤ市などでは、住民らが街頭に出てアイン・アラブ市解放を祝った。

ARA News, January 26, 2015
ARA News, January 26, 2015

AFP, January 26, 2015、AP, January 26, 2015、ARA News, January 26, 2015、Champress, January 26, 2015、al-Hayat, January 27, 2015、Iraqi News, January 26, 2015、Kull-na Shuraka’, January 26, 2015、al-Mada Press, January 26, 2015、Naharnet, January 26, 2015、NNA, January 26, 2015、Reuters, January 26, 2015、SANA, January 26, 2015、UPI, January 26, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア政府と反体制派の和平交渉(通称「モスクワ1」)開幕(2015年1月26日)

モスクワでロシア外務省主催のもと、シリア政府と反体制派の和平交渉、いわゆる「モスクワ1」が開幕した。

反体制派からは、民主的変革諸勢力国民調整委員会のサフワーン・アッカーシュ氏とアブドゥルマジード・ハムウ氏(いずれも執行部メンバー)、西クルディスタン移行期民政局を主導する民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首とハーリド・イーサー氏、そして市民活動家のマージド・ハッブー氏が参加した。

トルコに拠点を置き、欧米諸国が「シリア国民の唯一の正統な代表」と位置づけるシリア革命反体制勢力国民連立は和平交渉をボイコットした。

またハサン・アブドゥルアズィーム代表ら民主的変革諸勢力国民調整委員会の幹部、シリア国家建設潮流のムナー・ガーニム副代表らも参加を見合わせた。

これに関して、民主的変革諸勢力国民調整委員会のムンズィル・ハッダーム報道官は、シリア政府の代表団にワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣、ブサイナ・シャアバーン大統領府政治報道補佐官、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣が含まれず、バッシャール・ジャアファリー国連代表大使が参加しているだけであることが原因だと述べ、シリア政府を批判した。

そのうえで、ハッダーム報道官はタス通信(1月26日付)に対して「ロシア側から、会合は交渉ではないため、重要な問題は提起されないとの告知を受けた」としたうえで、「信頼醸成、とりわけ収監者の釈放に力点を置きたい」と述べた。

また、『ハヤート』(1月27日付)は、参加者の一人の話として、交渉に参加するジャマール・スライマーン氏、国民呼びかけフォーラム代表のサミール・イータ氏ら、シリア軍による空爆が継続されている現状を踏まえて、「現場サイドの問題を中心に据える必要がある」と訴えていると伝えた。

これに対して、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、「モスクワでの交渉はない。議題をもうけずに協議が行われる。参加者からのいかなる前提条件もない」と述べた。

なおロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣によると、「反体制派のうち約25人がモスクワにいる。最終的には30人になるだろう」という。

**

クッルナー・シュラカー(1月26日付)によると、モスクワ1への出席を拒否した反体制派の招待者は以下の通り:

1. アブドゥルバースィト・スィーダー(シリア革命反体制勢力国民連立)

2. アブドゥルアハド・アスティーフー(シリア革命反体制勢力国民連立)

3. バドル・ジャームース(シリア革命反体制勢力国民連立)

4. ハーディー・バフラ(シリア革命反体制勢力国民連立)

5. サラーフッディーン・ダルウィーシュ

6. アフマド・ムアーッズ・ハティーブ(無所属)

7. ワリード・ブンニー

8. ハサン・アブドゥルアズィーム(民主的変革諸勢力国民調整委員会)

9. ハイサム・マンナーア(民主的変革諸勢力国民調整委員会)

10. アーリフ・ダリーラ

11. ムナー・ガーニム

12. アイマン・アスファリー(ビジネスマン)

13. マイヤ・ラフビー

14. アブドゥルマジード・マンジューナ(民主的変革諸勢力国民調整委員会)

また参加者は以下の通り:

1. ランダ・カスィース

2. カドリー・ジャミール

3. サーリフ・ムスリム(民主統一党)

4. サミール・イータ(国民呼びかけフォーラム)

5. マジド・ニヤーズィー

6. スハイル・サルミーニー

7. マズィン・マグリビーヤ(第3の道)

8. ファーティフ・ジャームース

9. アミーナ・ウースィー

10. アブジャル・マールール(アッシリア教徒)

11. ハーリド・イーサー(クルド人)

12. サミール・ハウワーシュ

13. ハミーダ・ハサン

14. マイス・クライディー(国民民主行動委員会)

15. マージド・ハッブー

16. アブドゥルマジード・ハッブー

17. ジャマール・スライマーン(俳優)

18. アブドゥルカーディル・スッカリー(ビジネスマン)

19. ハーリド・マハーミード(ビジネスマン)

20. サリーム・ハイルベク(国民会合)

21. ムハンマド・ファーリス(宇宙飛行士)

22. ナウワーフ・バシール(部族代表)

23. ナウワーフ・アブドゥルアズィーズ・ムルヒム

**

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ハーリド・ハウジャ議長が、サリーム・イドリース暫定政府国防大臣とともに、トルコ領内からラタキア県北部に密入国した、と発表した。

声明では、「全権を有する移行期統治機関の設置をめぐる交渉以外にアサド体制と何らの関係も持たない。移行期統治機関にはアサド、そして彼の統治機関に居場所はない」と強調し、「モスクワ1」を牽制した。

Kull-na Shuraka', January 26, 2015
Kull-na Shuraka’, January 26, 2015

AFP, January 26, 2015、AP, January 26, 2015、ARA News, January 26, 2015、Champress, January 26, 2015、al-Hayat, January 27, 2015、Iraqi News, January 26, 2015、Kull-na Shuraka’, January 26, 2015、al-Mada Press, January 26, 2015、Naharnet, January 26, 2015、NNA, January 26, 2015、Reuters, January 26, 2015、SANA, January 26, 2015、Itar-tass, January 26, 2015、UPI, January 26, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米国:イラクでの軍事教練を開始(2015年1月25日)

米国防総省のジョン・カービー報道官は、米国など有志連合が、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘のため、イラク人およびイラク・クルディスタン地域のペシュメルガ戦闘員3,600人の軍事教練をイラク国内の4カ所各地で開始したことを明らかにした。

Iraqi News(1月25日付)が伝えた。

AFP, January 25, 2015、AP, January 25, 2015、ARA News, January 25, 2015、Champress, January 25, 2015、al-Hayat, January 26, 2015、Iraqi News, January 25, 2015、Kull-na Shuraka’, January 25, 2015、al-Mada Press, January 25, 2015、Naharnet, January 25, 2015、NNA, January 25, 2015、Reuters, January 25, 2015、SANA, January 25, 2015、UPI, January 25, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラーム国をめぐる動き:アイン・アラブ一帯でYPGの攻勢続く(2015年1月25日)

アレッポ県では、ARA News(1月25日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)はマンビジュ市で、離反者約70人の逃走を支援した住民6人を逮捕、処刑した。

処刑された6人のうち4人がマンビジュ市で、2人が同市北部の検問所で逮捕されたという。

**

アレッポ県では、ARA News(1月25日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、アイン・アラブ市南部郊外に位置するサイラーン集合住宅地区を奪還した。

またシリア人権監視団によると、米国など有志連合は、アイン・アラブ市のダーイシュ拠点などに空爆を行った。

一方、シリア人権監視団によると、ジハード主義武装集団が、ダーイシュ(イスラーム国)に対抗するため、アアザーズ市郊外のスーラーン町一帯に増援部隊を派遣した。

このほか、クッルナー・シュラカー(1月25日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊と共闘するラッカ革命家旅団、北の太陽大隊などが、アイン・アラブ市周辺各所でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

**

ダイル・ザウル県では、ARA News(1月25日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がダイル・ザウル市シャイフ・ヤースィーン地区で、物資などの配給を担当する「サダカ局」が、支援を必要している住民に物資配給を行う意思があると告知し、住民に対して登録申請を行うよう呼びかけた。

**

ハサカ県では、ARA News(1月25日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)はハサカ市・タッル・アブヤド油田街道で拘束した2人を処刑した。

この2人は、シリア政府と内通していたとの容疑で、ダーイシュに指名手配されていたという。

AFP, January 25, 2015、AP, January 25, 2015、ARA News, January 25, 2015、Champress, January 25, 2015、al-Hayat, January 26, 2015、Iraqi News, January 25, 2015、Kull-na Shuraka’, January 25, 2015、al-Mada Press, January 25, 2015、Naharnet, January 25, 2015、NNA, January 25, 2015、Reuters, January 25, 2015、SANA, January 25, 2015、UPI, January 25, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.