諸外国の動き(2014年6月4日)

ヨルダンのジハード主義潮流のムハンマド・シャラビー氏(アブー・サヤーフ)は『ハヤート』(6月5日付)に異例のメッセージを送り、そのなかでヨルダンの刑務所に収監中のジハード主義潮流の指導者イサーム・バルカーウィー氏(アブー・ムハンマド・マクディスィー)がヨルダンの治安当局から、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)に対して批判的な姿勢をとるよう圧力を受けているとの一部情報を否定した。

AFP, June 4, 2014、AP, June 4, 2014、ARA News, June 4, 2014、Champress, June 4, 2014、al-Hayat, June 4, 2014、Kull-na Shuraka’, June 4, 2014、al-Mada Press, June 4, 2014、Naharnet, June 4, 2014、NNA, June 4, 2014、Reuters, June 4, 2014、SANA, June 4, 2014、UPI, June 4, 2014などをもとに作成。

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大統領選挙をめぐる動き(2014年6月4日)

ムハンマド・ジハード・ラッハーム人民議会議長は午後10時前に、アサド大統領が得票数の88.7%にあたる10,319,723票を得て、大統領に再選したと発表した。

ラッハーム人民議会議長が発表した大統領選挙の投票結果は以下の通り:

有権者総数:15,845,575人

投票者数:11,634,412人(投票率73.4%)

バッシャール・アサド大統領:10,319,723票(88.7%)

ハッサーン・アブドゥッラー・ヌーリー元国務大臣:500,279票(4.3%)

マーヒル・アブドゥルハフィーズ・ハッジャール人民議会議員:372,301票(3.2%)

無効票:442,108票(3.8%)

SANA, June 4, 2014
SANA, June 4, 2014

ラッハーム議長は「我らシリア人民は、これまで起きた諸々の出来事によっても自らの指針を失うことはなく、その先鋭な視座が影響を受けることもなかった。むしろ、すべての現場で、その崇高な愛国心はもっとも輝かしいかたちで現れ、タクフィール主義傭兵に対する不屈の精神と、勝利を確かなものとする主権と自決の固持をもたらした」と明言した。

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SANA(6月4日付)によると、大統領選挙の結果発表(午後10時前)を受け、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、アレッポ県、ハマー県、タルトゥース県、スワイダー県、ラタキア県の各所で、アサド大統領の当選を祝うデモ行進が行われた。

 

SANA, June 4, 2014
SANA, June 4, 2014

 

SANA, June 4, 2014
SANA, June 4, 2014

 

SANA, June 4, 2014
SANA, June 4, 2014

 

SANA, June 4, 2014
SANA, June 4, 2014

 

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SANA, June 4, 2014
SANA, June 4, 2014

ハッサーン・アブドゥッラー・ヌーリー元国務大臣は、大統領選挙の結果発表を受けて、ダマスカス県内のシェラトン・ホテルで記者会見を開き、アサド大統領当選に関して「その勝利によってシリア国民の大多数の信任を得た」と祝辞を述べる一方、選挙が「公正且つ透明性を持っていた」と高く評価し、その実施が「すべてのシリア人の愛国的勝利」を意味すると述べた。

SANA(6月4日付)が伝えた。

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アサド大統領は大統領選挙結果の発表を受け、フェイスブックを通じて「愛国的感情に基づく歓喜と熱狂の表明は祝砲を正当化せず、市民の声明を危険にさらす」との声明を出した。

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SANA, June 4, 2014
SANA, June 4, 2014

大統領選挙監視のためにシリアを訪問している各国監視団は、ダマスカス県内のダーマー・ルーズ・ホテルで会合を開き声明を発表、大統領選挙を「競争的雰囲気のなかで…完全なる自由と民主主義のもと、さまざまな見解や政策が参加し、競うかたちで初めて実施され、シリアの政治プロセスにおける顕著で重要な進歩とみなすことができ、新たな政治的段階を作り出す」と高く評価した。

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ARA News, June 4, 2014
ARA News, June 4, 2014

ARA News(6月4日付)によると、ハサカ県カーミシュリー市では早朝、大統領選挙の実施に反対する若者らが抗議のデモを行った。

 

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トルコで活動するシリア革命反体制勢力国民連立のナスル・ハリーリー氏(政治委員会メンバー)は、6月3日に投票が行われた大統領選挙で、軍事情報局(第215課、第291課、第293課)が拘置している政治犯多数がバスで各地の投票所に連行され、アサド大統領への投票を強要されたと主張した。

クッルナー・シュラカー(6月4日付)が伝えた。

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シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表はAFP(6月4日付)に、大統領選挙投票が行われた6月3日、ダマスカス県および政府支配地域に130発以上の迫撃砲弾が着弾し、ダマスカス県サブア・バフラート広場、ダマスカス郊外県ダーヒヤト・アサド町、同ジャルマーナー市でそれぞれ1人の計3人が死亡した、と主張した。

これに関して、フェイスブックのページ「ダマスカスの迫撃砲日記」(https://www.facebook.com/pages/%D9%8A%D9%88%D9%85%D9%8A%D8%A7%D8%AA-%D9%82%D8%B0%D9%8A%D9%81%D8%A9-%D9%87%D8%A7%D9%88%D9%86-%D9%81%D9%8A-%D8%AF%D9%85%D8%B4%D9%82/1412708045638419?ref=stream)は、6月3日にダマスカス県内各所に151発の迫撃砲弾が着弾し、4人が死亡したと発表した。

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レバノンでは、LBCI(6月4日付)によると、ベイルート県郊外、ベカーア県バアルベック市、北部県トリポリ市などで、アサド大統領の当選を受けて、支持者らが祝砲などを放ち、選挙での勝利を祝った。

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キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は声明を出し、シリアでの大統領選挙に「正統性はない」と主張するとともに「真の政治的交渉」による紛争解決を呼びかけた。

『ハヤート』(6月5日付)が伝えた。

AFP, June 4, 2014、AP, June 4, 2014、ARA News, June 4, 2014、Champress, June 4, 2014、al-Hayat, June 4, 2014、Kull-na Shuraka’, June 4, 2014、LBCI, June 4, 2014、al-Mada Press, June 4, 2014、Naharnet, June 4, 2014、NNA, June 4, 2014、Reuters, June 4, 2014、SANA, June 4, 2014、UPI, June 4, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年6月3日追記)

ロバート・フォード前駐シリア米大使は、PBS(6月3日付)のインタビューで「ワシントンはさらなる行動をとり、シリア政府に反対する穏健なグループに武器を供与するためのイニシアチブを発揮すべきだった」と述べ、バラク・オバマ米政権の対シリア政策を批判した。

またシリアでの大統領選挙に関して「我々、地域諸国、そして欧州などに、アサドが去らず…、シリアの首都において足場が確固たるものになる」と指摘しつつも「それ以外の地域は依然として彼の支配の外にある」と付言した。

al-Hayat, June 5, 2014、PBS, June 3, 2014をもとに作成。

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平成26年度中東情勢研究会「アサド大統領再任にむけた動きはシリアの紛争において何を意味するのか?」(中東かわら版)

公益財団法人 中東調査会
中東かわら版、No. 43、2014年6月3日
東地中海・北アフリカ地域ニュース

シリア:平成26年度中東情勢研究会

開催日時:平成26年5月20日(火)18時~20時、於:中東調査会
報告者:青山弘之(東京外国語大学教授)
報告題目:アサド大統領再任にむけた動きはシリアの紛争において何を意味するのか?
出席者:錦田愛子(東京外国語大学准教授)ほか8名、中東調査会:村上、髙岡

http://www.meij.or.jp/members/kawaraban/20140603172317000000.pdf

概要
*青山より、以下の通り報告した。
1.シリアでは大統領選挙に向けた準備が粛々と進んでいる。欧米諸国や主要な反体制派諸派は、大統領選挙の実施はシリア紛争の政治解決を目指すジュネーブ・プロセスへの挑戦であるとの非難を繰り返しているが、実際にはバッシャール・アサド大統領の三選を妨げる手段を講じることができない。

大統領選挙をめぐる動き(2014年6月3日)

大統領選挙投票

大統領選挙投票が実施され、シリア政府が支配する地域において有権者が投票を行った。反体制武装集団制圧地域では投票は実施されず、また国内避難民の多くは投票に参加できなかった。

これに関して、ヒムス県のタラール・バラーズィー県知事はAFP(6月3日付)に対し、県内の約1,000カ所に投票所が設置されたとしつつ、ヒムス市旧市街での「停戦協定」で反体制武装集団が退去したラスタン市、タルビーサ市では投票は行われないと述べた。

投票時間は午前7時から午後7時までの予定だったが、SANA(6月3日付)によると、投票者が予想を上回ったため、高等司法選挙委員会は、投票時間を5時間延長し、12時まで投票を受け付けることを決定し、発表した。

また各県の司法委員会の発表によると、投票に訪れる有権者が予想を上回ったため、以下の通り各地の投票所で投票箱が増設された

ダマスカス県:1,800箱

アレッポ県アレッポ市:150箱

ヒムス県:75箱

ハマー県:60箱

ダイル・ザウル県:52箱

スワイダー県:33箱

イドリブ県:15箱

クナイトラ県:17箱

一方、LBCI(6月3日付)によると、在留シリア人が投票のため一時帰国し、ジャディード・テレビ(6月3日付)によると、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所の投票所には、レバノンに居住するシリア人5,519人がレバノン領側のマスナア国境通行所(ベアーア県)を経由して帰国し、投票を行った。

Twitt-Book
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これに関して、SANA(6月3日付)は、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所に予想を上回る有権者が一時帰国したため、投票所が急遽8カ所増設された、と報じた。

またNNA(6月3日付)によると、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所以外でも、レバノン北部県アッカール郡のアッブーディーヤ国境通行所を越えた在留シリア人約800人、アリーダ国境通行所経由で帰国した635人、ブカイア国境通行所経由で帰国した62人が投票を行った。

またSANA(6月3日付)によると、軍武装部隊も各地の基地で大統領選挙投票を行い、将兵が投票を行った。

SANA, June 3, 2014
SANA, June 3, 2014
SANA, June 3, 2014
SANA, June 3, 2014
SANA, June 3, 2014
SANA, June 3, 2014
Naharnet, June 3, 2014
Naharnet, June 3, 2014

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ARA News(6月4日付)は、アレッポ県アフリーン市では、ほとんどの住民が大統領選挙投票を行わず、通常通りの生活を送った、と報じた。

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大統領選挙投票には、ロシア、北朝鮮、ブラジル、イランなどが選挙監視団を派遣、クッルナー・シュラカー(6月3日付)によると、このうちロシアの選挙監視団はダマスカス郊外県ジャルマーナー市の投票所で、またイラン、ウガンダ、ジンバブエ、フィリピン、ポーランド、ヴェネズエラ、タジキスタンの監視団は、アレッポ市内の投票所で監視活動を行った。

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アサド大統領は、アスマー・アフラス夫人とともに、ダマスカス県マーリキー地区のナイーム・マアスラーニー学校に設置された投票所で投票を行った。

SANA, June 3, 2014
SANA, June 3, 2014

大統領選挙に立候補しているハッサーン・アブドゥッラー・ヌーリー元国務大臣とマーヒル・アブドゥルハフィーズ・ハッジャール人民議会議員は、それぞれダマスカス県ウマウィーイーン広場前のシェラトン・ホテルの投票所とバグダード通りのバースィル・アサド学校の投票所で投票を済ませた。

Champress, June 3, 2014
Champress, June 3, 2014
Champress, June 3, 2014
Champress, June 3, 2014

ムハンマド・ジハード・ラッハーム人民議会議長は、人民議会議事堂に設置された投票所で投票を済ませた後、大統領選挙に関して「民主主義の挙式であり、新たな政治的多元主義の始まり」だと賞賛した。

ラッハーム議長はその後、イラン・シューラー議会(国会)のアラーッディーン・ボルージェルディー国家安全保障外交委員長を団長とする選挙監視団と会談した。

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は大統領選挙投票後、「今日、復興と包括的和解のための治安と安定がシリアに戻った。今日、シリアにおける危機の政治的解決の道のりは始まった…。シリア国民以外に正統性を付与できる者などいない…。我々はジュネーブで述べた通り、改めて言いたい。シリア国民に自分の意思を押しつけられる者などこの世にいない」と述べた。

SANA, June 3, 2014
SANA, June 3, 2014

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投票時間終了後、内務省は声明を出し、各投票所において開票・集計作業が開始されたと発表した。

SANA, June 3, 2014
SANA, June 3, 2014
SANA, June 3, 2014
SANA, June 3, 2014

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クッルナー・シュラカー(6月3日付)は、大統領選挙の投票所の監督者が有権者のIDカードの画像をモバイルで受け取り、投票用紙を発行し、IDカードの持ち主に代わって代理投票を行っていると報じ、その写真を公開した。

Kull-na Shuraka', June 3, 2014
Kull-na Shuraka’, June 3, 2014
Kull-na Shuraka', June 3, 2014
Kull-na Shuraka’, June 3, 2014

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マサール・プレス(6月3日付)は、ハマー県カルナーズ町で、軍が大統領選挙での投票を拒否した村人の家を焼き討ったと報じた。

西クルディスタン移行期統治局実効支配(優勢)地域の動き

クッルナー・シュラカー(6月3日付)は、ハサカ県のハサカ市、カーミシュリー市などで大統領選挙に反対するクルド人青年らがデモを行い、ハサカ市(タッル・ハジャル地区、サーリヒーヤ地区、フムティー地区などの20カ所の投票所)では、西クルディスタン移行期民政局が実効支配する両市内各所などにある投票所を閉鎖したと報じた。

しかし同サイトは、その一方で、ハサカ市とカーミシュリー市で、西クルディスタン移行期民政局アサーイシュが投票用紙がいっぱいに入れられた投票箱を投票所に持ち込んだとの情報があると伝えた。

またハサカ市のカーミシュリー通り地区、県庁一帯、カッラーサ地区、ナシュワ地区、カーミシュリー市のワスター地区、スィヤーヒー通り、クーワトリー通り、ワフダ通りなどでは、大統領円挙の投票が実施されたと付言した。

またアームーダー市、ダイリーク市では、大統領選挙に反対する青年らがデモを行い、投票は実施されなかったという。

ARA News, June 3, 2014
ARA News, June 3, 2014
ARA News, June 3, 2014
ARA News, June 3, 2014
ARA News, June 3, 2014
ARA News, June 3, 2014

反体制勢力の反応

アジュナード・シャーム・イスラーム連合、シャーム軍団、ムジャーヒディーン軍、イスラーム戦線は「血塗られた選挙に関する武装諸組織の声明」と題した声明を出し、大統領選挙の運営を行う「選挙事務所は軍事作戦の標的とはならない。これは、民間人を紛争の輪から巻き込まないことを決定し、我らが革命家同胞にそのことを遵守するよう求めているためである」と発表し、投票当日の市街地への攻撃を行わない意向を表明した。

しかし声明は「愛すべきシリアへのイラン占領による軍事治安、そして政治的覇権のもと、彼らの手先である犯罪者バッシャール・アサドは一連の嘘、偽り、暴挙を続け…正統性を求めて自らを売り物にしようとしているが…、アサドには正統性はなく、いうまでもなく選挙にも正統性はない」と非難した。

Kull-na Shuraka', June 3, 2014
Kull-na Shuraka’, June 3, 2014

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シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、AFP(6月3日付)によると、シリア各地からの情報として、治安当局が「市民に商店を閉め、バッシャール・アサドの写真を貼るよう強要している…。有権者は逮捕されると脅されたり、体制に恐怖を抱いて投票を余儀なくされている」と主張した。

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米国が「穏健」(非ジハード主義)とみなす反体制武装集団のハズム運動は声明を出し、「選挙は違法で、ごまかしだ…。この選挙は、ジュネーブ2会議を主催し、政治的解決にいたろうとする国々へのアサドからの真の答えだ」と批判、「大統領選挙を通じて、政権とその同盟者がアラブ・西側世論に再び受け入れることはないだろう」と断じた。

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シリア革命総合委員会は2日付で声明を出し、「アサドの選挙は茶番であり、政権に改めて正統性を与えることはなく、革命を妨げることはない」と大統領選挙に異議を表明した。

また同委員会は「殺戮、追放、拷問、樽爆弾使用、イランとその革命防衛隊、ヒズブッラー民兵、さらにはダーイシュ(イラク・シャーム・イスラーム国)による占領の推進を駆使して歴史を逆行させようと試み、政治解決への道を閉ざすために破壊と殺戮を行うなかで、いかなる選挙にも正統性はない」と非難した。

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地元調整諸委員会は声明を出し「この投票を支持し、自発的に参加する者は…蛮行を犯す悪党の協力者だ」としたうえで、大統領選挙投票をボイコットするよう呼びかけるとともに、選挙を「茶番」、「殺戮者がその指導者に殺戮を続けさせるよう忠誠を尽くす紙の上だけでのプロセスに過ぎない」と批判した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長は、大統領選挙に関して『ワシントン・ポスト』(6月3日付)に「結果はあらかじめ決まっている」と述べた。

アブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領は、大統領選挙投票に関して『シャルク・アウサト』(6月3日付)に「アサドが国際社会や地域諸国を無視して集めた紙の山」だと批判した。

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LBCI(6月3日付)によると、対レバノン国境に位置するジュダイダト・ヤーブース国境通行所(ダマスカス郊外県)に設置された大統領選挙投票所に対して、ザバダーニー山方面から何者かが投票を行う住民を狙撃した。

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『ハヤート』(6月3日付)によると、反体制活動家は、SNS、ユーチューブを通じて、「血の選挙」(https://www.facebook.com/BloodElections)などと銘打ったキャンペーンを張り、大統領選挙に反対の意思を示した。

また『ハヤート』(6月3日付)によると、アレッポ市では、活動家がゴミ箱を白く塗り、「投票箱」、「おまえ(アサド大統領)の居場所だ」、そして2007年の大統領選挙でのアサド大統領陣営のスローガンだった「ムンヒッバク」(私たちはあなたが好き)を皮肉った「ムンクッバク」(私たちはあなたを捨てる)といった標語を書き、大統領選挙に抗議の意を表した。

諸外国の反応

国連のステファン・ドゥジャリック報道官(事務総長付)は声明を出し、シリア大統領選挙に関して「何も変わらない。我々はこの選挙が行われる状況を注視している」とする潘基文事務総長の姿勢を発表した。

AFP, June 3, 2014、AP, June 3, 2014、ARA News, June 3, 2014、June 4, 2014、Champress, June 3, 2014、al-Hayat, June 3, 2014、June 4, 2014、al-Jadid TV, June 3, 2014、Kull-na Shuraka’, June 3, 2014、LBCI, June 3, 2014、al-Mada Press, June 3, 2014、Masar Press Agency, June 3, 2014、Naharnet, June 3, 2014、NNA, June 3, 2014、Reuters, June 3, 2014、SANA, June 3, 2014、al-Sharq al-Awsat, June 3, 2014、UPI, June 3, 2014、The Washington Post, June 3, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

諸外国の動き(2014年6月2日)

ダルアー県タッル・シハーブ町でシリア人避難民問題への対応にあたっている「自由シリア軍」の支援活動家アリー・リファーイー氏は『ハヤート』(6月3日付)に対し、ヨルダン当局が数日前に、シリア国内の避難民数万人への食糧医療支援の配給のため、タッル・シハーブに面する国境通行所を非公式に新設・開放した、と述べた。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は記者会見で、国連憲章第7章に基づき周辺諸国からシリア領内への人道支援物資搬入を求める安保理決議案(オーストラリア、ルクセンブルグ、ヨルダンが共同提案)に関して「シリアの危機への外国の介入が必要だとの支持を世論で動員する口実…として利用されてはならない」としたうえで、「我々はこうした提案を提示する者の目論見を知っているので受け入れられない」と拒否した。

ロイター通信(6月2日付)が伝えた。

AFP, June 2, 2014、AP, June 2, 2014、ARA News, June 2, 2014、Champress, June 2, 2014、al-Hayat, June 3, 2014、Kull-na Shuraka’, June 2, 2014、al-Mada Press, June 2, 2014、Naharnet, June 2, 2014、NNA, June 2, 2014、Reuters, June 2, 2014、SANA, June 2, 2014、UPI, June 2, 2014などをもとに作成。

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大統領選挙をめぐる動き(2014年6月2日)

ハサカ県カーミシュリー市では、ARA News(6月2日付)によると、西クルディスタン移行期民政局が支配する地区で大統領選挙投票(6月3日)のために設置されたすべての投票所が撤廃された、と報じた。

同報道によると、カーミシュリー市で大統領選挙の投票が行えるのは、政府が支配する地域(治安関連機関が隣接地区、タイイ地区、アラーヤー地区など)に限られるという。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長は、6月3日に投票が行われる大統領選挙に関して、「すべてのシリア人に…自宅にとどまり、アサドの悪党が望む血と屈辱のなかに足を運ばないよう求める」と呼びかけた。

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大統領府はフェイスブックを通じて声明を出し、6月3日に投票が行われる大統領選挙の選挙運動において「すべてのシリア人によって表現された文明的な現象」に謝意を示した。

SANA(6月2日付)が伝えた。

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ムハンマド・シャッアール内務大臣は、シリア・アラブ・テレビ(6月2日付)に出演し、そのなかで、インターネットを通じた大統領選挙への投票が可能だとする一部情報を否定した。

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ムハンマド・ジハード・ラッハーム人民議会議長は、ロシア下院の安全保障問題委員会のセルゲイ・ガヴリロフ委員長を団長とする選挙監視団と会談した。

またラッハーム人民議会議長は、米、カナダ、アイルランドの反戦・反帝国主義活動家からなる使節団と会談した。

SANA(6月2日付)が伝えた。

AFP, June 2, 2014、AP, June 2, 2014、ARA News, June 2, 2014、Champress, June 2, 2014、al-Hayat, June 3, 2014、Kull-na Shuraka’, June 2, 2014、al-Mada Press, June 2, 2014、Naharnet, June 2, 2014、NNA, June 2, 2014、Reuters, June 2, 2014、SANA, June 2, 2014、UPI, June 2, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年6月1日)

ARA News(6月1日付)によると、トルコのシャンウルファ市で、民主統一党とシリア・クルド・イェキーティー党支持者(シリア人)がトルコのクルド青年組織らと合同でデモを行い、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)によるタリーフィーヤ村(アレッポ県)での住民虐殺に抗議した。

AFP, June 1, 2014、AP, June 1, 2014、ARA News, June 1, 2014、Champress, June 1, 2014、al-Hayat, June 2, 2014、Kull-na Shuraka’, June 1, 2014、al-Mada Press, June 1, 2014、Naharnet, June 1, 2014、NNA, June 1, 2014、Reuters, June 1, 2014、SANA, June 1, 2014、UPI, June 1, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

大統領選挙をめぐる動き(2014年6月1日)

高等司法選挙委員会のヒシャーム・シャッアール議長は、ブラジル、北朝鮮から派遣された選挙監視団と会談した。

シャッアール議長が会談したのは、ブラジルの世界平和会議議長のソコロ・ゴメス女史ら一行と朝鮮祖国統一民主主義戦線中央委員会書記局の金完洙(キム・ワンス)局長。

また、ブラジル、北朝鮮の選挙監視団は、ムハンマド・ジハード・ラッハーム人民議会議長と個別に会談した。

SANA(6月1日付)が伝えた。

SANA, June 1, 2014
SANA, June 1, 2014
SANA, June 1, 2014
SANA, June 1, 2014
SANA, June 1, 2014
SANA, June 1, 2014
SANA, June 1, 2014
SANA, June 1, 2014

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イラン・シューラー議会(国会)のアラーッディーン・ボルージェルディー国家安全保障外交委員長は「シリア友好国議会」外交政治委員会委員長会合で、6月3日に投票が行われるシリア大統領選挙にイランが選挙監視団を派遣することを明らかにした。

『ハヤート』(6月2日付)が伝えた。

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SANA(6月1日付)によると、ダマスカス県(ファイハー・スポーツ・シティ)、タルトゥース市、スワイダー市、ラタキア市、ラタキア県ジャブラ市で、大統領選挙実施や軍による「テロとの戦い」支持を訴える集会が開かれ、市民、人民諸組織、職業諸組合、バアス党地方幹部らが出席し、アサド大統領への支持を訴えた。

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高等司法選挙委員会は声明を出し、6月3日に投票が行われる大統領選挙に関して、選挙法第58条に基づき、6月2日の午前2時をもって選挙宣伝活動を停止すると発表した。

SANA(6月1日付)が伝えた。

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クッルナー・シュラカー(6月1日付)は、複数の消息筋からの情報として、5月28日にウクライナで行われた大統領選挙在外投票で投票した在留シリア人の数が150人程度に過ぎず、しかもその多くがアサド大統領ではなく、マーヒル・アブドゥルハフィーズ・ハッジャール人民議会議員、ハッサーン・アブドゥッラー・ヌーリー元国務大臣に投票した、と伝えた。

Kull-na Shuraka', June 1, 2014
Kull-na Shuraka’, June 1, 2014

ウクライナには約6,000人のシリア人が在留しているが、うち選挙登録を行ったのは約600人だけだったという。

また同消息筋は、アサド大統領以外に投票した票はほとんどが無効票として数えられたと主張している、という。

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シリアおよびビラード・シャームのヌアイム族評議会は声明を出し、6月3日に投票が行われる大統領選挙を「茶番」を非難し、ボイコットすると発表した。

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Naharnet, June 1, 2014
Naharnet, June 1, 2014

ナハールネット(6月1日付)によると、レバノンの北部県アッカール郡クーシャ村で、シリア人避難民数百人が6月3日に投票が行われるシリア大統領選挙に反対するデモを行った。

AFP, June 1, 2014、AP, June 1, 2014、ARA News, June 1, 2014、Champress, June 1, 2014、al-Hayat, June 2, 2014、Kull-na Shuraka’, June 1, 2014、al-Mada Press, June 1, 2014、Naharnet, June 1, 2014、NNA, June 1, 2014、Reuters, June 1, 2014、SANA, June 1, 2014、UPI, June 1, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

諸外国の動き(2014年5月31日)

『ハヤート』(6月1日付)は、イランの複数のメディアが報じたとして、イラン・イスラーム革命防衛隊元司令官のアブドゥッラー・イスカンダリー氏が今週、シリア国内のシーア派巡礼地で防衛の任務中に死亡し、6月1日にイランのシーラーズ市で葬儀が行われる、と伝えた。

これに関して、『ウォール・ストリート・ジャーナル』(5月31日付)は、イスカンダリー氏以外にもシリア国内の戦闘でイラン人約60人が死亡している、と報じた。

また、同誌は、イラン・イスラーム革命防衛隊のフサイン・ムハイダーニー氏の話として、約13万人のイラン義勇兵が教練を受け、シリアでの戦闘に向けて備えていると付言した。

さらにイランは、シリア国内で約5万人に対して軍事教練を施し、またレバノン、イラク、さらにはアフガニスタンからの戦闘員数万人の派遣を支援しているという。

ジェニファー・サキ米国務省報道官は、イドリブ県での自爆攻撃で死亡した「アブー・フライラ・アミーリキー」に関して、「シリアでの自爆攻撃に関与したアメリカ人は、ムニール・アブー・ッサーリハ氏だと思われる」としたうえで、シリアで活動する外国人戦闘員の増加と過激化に懸念をもって中止している、と述べた。

AFP, May 31, 2014、AP, May 31, 2014、ARA News, May 31, 2014、Champress, May 31, 2014、al-Hayat, June 1, 2014、Kull-na Shuraka’, May 31, 2014、al-Mada Press, May 31, 2014、Naharnet, May 31, 2014、NNA, May 31, 2014、Reuters, May 31, 2014、SANA, May 31, 2014、UPI, May 31, 2014、The Wall Street Journal, May 31などをもとに作成。

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大統領選挙をめぐる動き(2014年5月30日追記)

イタルタス通信(5月30日付)によると、ロシアの中央選挙委員会は6月3日に投票が行われる大統領選挙にシリア側からの要請により、アントン・ロパティン渉外局長からなる選挙監視団を派遣すると発表した。

Itar-tass, May 20, 2014などをもとに作成。

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シリア政府・反体制派・米国による交渉に向けた動き(2014年5月30日)

『ハヤート』(5月30日付)は、複数の消息筋の話として、シリア政府に近い高官・ビジネスマン、国内で活動する反体制組織幹部が、レバノンの首都ベイルートでリチャード・マーフィー元駐シリア米大使らと6月1日に会談し、「シリアの危機解決をめぐる新たな政策案を協議し、バラク・オバマ大統領への提言をめざしている、と報じた。

同報道によると、この会談には、シリア商業会議所連合元会長のラーティブ・シャッラーフ氏、ダマスカス商業会議所のガッサーン・カッラーア会長、アスマー・アフラス大統領夫人の親戚でビジネスマンのタリーフ・アフラス氏、民主的変革諸勢力国民調整委員会在外局長のハイサム・マンナーア氏、シリア国家建設潮流のルワイユ・フサイン氏らが招聘されている、という。

なおカタールの首都ドーハにある米ブルッキングス研究所のサルマーン・シャイフ代表によると、反体制組織代表とシリア政府に近い高官らによる同様の会談は6月5日にノルウェーの首都オスローでも計画されている、という。

al-Hayat, May 30, 2014をもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月29日)

ARA News(5月29日付)は、国境なき医師団は、ラッカ県ラッル・アブヤド市および同市北部農村地帯における医療活動を停止したと報じた。

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国連安全保障理事会のアル=カーイダに対する制裁委員会のゲイリー・クインラン委員長(国連オーストラリア大使)は、安保理に提出した定例報告書のなかで「数千人の外国人」がシリアでアル=カーイダ系組織に参加して戦っているとしたうえで、「彼らが帰国、ないしは第三国に去れば、シリア国外に深刻な脅威を与える」と警鐘を鳴らした。

『ハヤート』(5月30日付)が報じた。

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ローマ・カトリック教会の「コール・ウーヌム」委員会の調整役を務めるギニア人ロバート・サラ枢機卿は、シリア情勢に関して、米国、ロシア、そして中東地域が「勇気をもって共同行動」をとるよう呼びかけた。

AFP(5月29日付)が伝えた。

AFP, May 29, 2014、AP, May 29, 2014、ARA News, May 29, 2014、Champress, May 29, 2014、al-Hayat, May 30, 2014、Kull-na Shuraka’, May 29, 2014、al-Mada Press, May 29, 2014、Naharnet, May 29, 2014、NNA, May 29, 2014、Reuters, May 29, 2014、SANA, May 29, 2014、UPI, May 29, 2014などをもとに作成。

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化学兵器禁止機関・国連合同派遣団がハマー県で一時拉致(2014年5月28日)

化学兵器禁止機関は、27日にハマー市郊外で化学兵器禁止機関・国連合同派遣団のスタッフら11人が拉致された事件に関して声明を出した。

そのなかで化学兵器禁止機関は、政府支配地域を出た直後に、4台からなる車列の先頭を走っていた車が爆弾によって大破し、乗っていたスタッフを救出後に、市街地に避難したが、そこで至近距離から発砲を受け、2台の車が武装集団によって拉致されたことを明らかにした。

またその後、カフルズィーター市での塩素ガス使用疑惑の調査のために政府と停戦合意を行った反体制勢力の仲介により、拘束されていたスタッフらは釈放されたとし、調査チームを襲撃、拉致したのが反体制武装集団であることを示唆した。

OPCW, May 28, 2014をもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月28日)

バラク・オバマ米大統領は、ニューヨーク州ウエストポイントにある陸軍士官学校の卒業式に出席し、南シナ海への中国の進出、ウクライナ情勢などに関する包括的な外交演説を行った。

この演説のなかで、オバマ大統領はシリア情勢にも触れ、「恐ろしい苦しみをすぐになくすことができるような簡単な答え、軍事的解決はない。大統領として、私はこの宗派戦争のただなかに米兵を派遣すべきでないと決断し、それが正しい決断だと信じている」と述べた。

そのうえで、オバマ大統領は「このことは、自国民を空爆し、飢えさせている独裁者に反抗するシリア国民を助けるべきでないということではない。自分の将来を選ぶというすべてのシリア人の権利のために戦っている人々を助けることで、我々はまた混乱のなかで安住の地を乱している多数の過激派に対抗している」と強調した。

さらにオバマ大統領は「我々は、シリアの隣国であるヨルダン、レバノン、トルコ、イラクが避難民に対処し、シリア国境を越えて活動するテロリストに対抗するよう支援する。私は議会に対し、テロリストや野蛮な独裁者への最善のオルターナティブとなるシリアの反体制派への支援を増加させるべく活動するだろう」と付言、そのために西欧やアラブ世界の同盟国との連携を続けると述べた。

AFP, May 28, 2014、AP, May 28, 2014、ARA News, May 28, 2014、Champress, May 28, 2014、al-Hayat, May 29, 2014、Kull-na Shuraka’, May 28, 2014、al-Mada Press, May 28, 2014、Naharnet, May 28, 2014、NNA, May 28, 2014、Reuters, May 28, 2014、SANA, May 28, 2014、UPI, May 28, 2014などをもとに作成。

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大統領選挙をめぐる動き(2014年5月28日)

SANA(5月28日付)などによると、シリア大統領選挙在外投票が在外公館で実施された。

これに関して、『ワタン』(5月28日付)は、外務在外居住者省筋の話として、在外投票に先だって、38の在外公館に約20万人の在留シリア人が選挙登録を行った、と報じた。

SANAなどによると、在外投票が実施された主な国は以下の通り:

アラブ諸国:ヨルダン、イラク、レバノン、スーダン、モーリタニア、オマーン、イエメン、アルジェリア。

そのほかの中東諸国:イラン、アルメニア、キプロス。

西中北欧諸国:スペイン、オーストリア、スウェーデン、チェコ。

東欧諸国:ロシア、ポーランド、ウクライナ、セルビア、ベラルーシ、ルーマニア。

中南米諸国:ヴェネズエラ、ブラジル、アルゼンチン、キューバ。

アフリカ諸国:南アフリカ、ナイジェリア、セネガル。

アジア諸国:日本、中国、北朝鮮、マレーシア、インド、パキスタン。

しかし、「シリアの友連絡グループ」に参加する11カ国を含むアラブ連盟加盟国12カ国、米、英、仏などの欧米諸国では在外投票は禁止された。

SANA, May 28, 2014
SANA, May 28, 2014
SANA, May 28, 2014
SANA, May 28, 2014
SANA, May 28, 2014
SANA, May 28, 2014
SANA, May 28, 2014
SANA, May 28, 2014
SANA, May 28, 2014
SANA, May 28, 2014
SANA, May 28, 2014
SANA, May 28, 2014
SANA, May 28, 2014
SANA, May 28, 2014
SANA, May 28, 2014
SANA, May 28, 2014
SANA, May 28, 2014
SANA, May 28, 2014

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SANA(5月28日付)によると、在外投票が実施された在外公館のうち、ベイルートのシリア大使館では、予定されていた投票時間(5月28日午前7時~午後5時)を過ぎても、在留シリア人による投票が終わらなかったため、外務在外居住者省は投票時間を午後10時まで延長、また29日も在外投票も行うことを決定した。

またSANAなどシリアの主要なメディアは、ベイルートのシリア大使館に投票に向かう在留シリア人の車が渋滞する様子を報じた。

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AFP(5月28日付)によると、ヨルダンの首都アンマン(アブドゥーン地区)にあるシリア大使館で、大統領選挙在外投票が行われ、治安当局が厳戒態勢を敷くなか、大使館前には数百人の在留シリア人が列を作り、投票の順番を待った。

しかし、SANA(5月28日付)は「数万人の在留シリア人」が在外投票を済ませたと報じた。

またAFP、SANなどによると、投票を行った在留シリア人は、シリア国旗やアサド大統領の掲げ、選挙実施への支持を表明した。

これに対し、大使館から200メートル弱の場所で、反体制活動家数十人が集まり、「血の選挙に反対」、「と殺人再選に反対」といったプラカードを掲げて選挙に抗議した。

なおヨルダンには、60万人以上がUNHCRに難民登録を行っているが、ヨルダン当局によると避難民を含む在留シリア人は約700万人に達するという。

国連によると、周辺諸国などで避難生活を送るシリア人の数は2014年4月の段階で280万人以上おり、うち100万人以上がレバノン、77万人がトルコ、60万人がヨルダン、22万人がイラク、13万7,000人がエジプトで避難生活を送っている。

また国内で避難生活を余儀なくされているシリア人は650万人に達している。

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イラクの首都バグダードでは、SANA(5月28日付)によると、予定されていた投票時間(5月28日午前7時~午後5時)を過ぎても、在留シリア人による投票が終わらず、投票時間が深夜まで延長された。

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日本では、東京都港区赤坂にあるシリア大使館に「日本の南北から多数」の在留シリア人が訪れ、で在外投票が行われた。

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なおSANA(5月28日付)によると在外投票が行われた各国(ロシア、ヨルダン、レバノンなど)では、投票に訪れた在留シリア人が選挙実施を支持する示威行動を行った。

また、大統領選挙在外投票が実施されなかった米国(ウィスコンシン州)、エジプト(カイロのシリア大使館前)、スイス、フランス、ドイツ、ベルギーでは、在留シリア人が、大統領選挙実施を禁じた当局に抗議するためのデモ集会を開き、参加者が用意した投票箱に投票用紙を入れ、抗議の意を示した。

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最高憲法裁判所のマージド・フドラ報道官はAFP(5月28日付)に対し「(6月3日に投票が行われる大統領)選挙は、ラッカ市以外のすべての都市で実施される」と述べた。

これに関して『ハヤート』(5月29日付)は、「すべての都市」という言葉に、ダマスカス郊外県、シリア北部よび東部、さらにはアレッポ市やダイル・ザウル市の反体制勢力制圧地区での選挙は想定されていない、としたうえで、約600万人が居住するシリア領内の40%の地域で選挙が行われるに過ぎないとの見方を示した。

なお、シリアの総人口(2013年)は約2,300万人。

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SANA, May 28, 2014
SANA, May 28, 2014

SANA(5月28日付)によると、アレッポ市(アレッポ大学)で、大統領選挙実施と軍による「テロとの戦い」を支持する集会が開かれ、バアス党支部幹部、学生、人民諸組織、職業諸組合メンバーらが参加し、アサド大統領への支持を訴えた。

集会には、バアス党シリア地域指導部のヒラール・ヒラール副書記長が出席した。

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クッルナー・シュラカー(5月28日付)は、ラタキア県ジャブラ市で、6月3日に行われる大統領選挙への投票をボイコットするよう呼びかけるビラが配布されたと報じた。

Kull-na Shuraka', May 28, 2014
Kull-na Shuraka’, May 28, 2014

AFP, May 28, 2014、AP, May 28, 2014、ARA News, May 28, 2014、Champress, May 28, 2014、al-Hayat, May 29, 2014、Kull-na Shuraka’, May 28, 2014、al-Mada Press, May 28, 2014、Naharnet, May 28, 2014、NNA, May 28, 2014、Reuters, May 28, 2014、SANA, May 28, 2014、UPI, May 28, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月27日追記)

イスラエル保安局(シャバク)は声明を出し、アラブ系イスラエル人(48年パレスチナ人)1人をシリアに渡航し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)に加わろうとした兄弟・親戚を支援したとの容疑で逮捕したと発表した。

逮捕されたのは、イドリース・ターリブ・アブー・カイアーン氏(28歳)で、同じくアラブ系イスラエル人で兄弟のウスマーン・アブー・カイアーン氏、親戚のシャフィーク・アブー・カイアーン氏のシリアへの渡航とダーイシュ参加を支援するため、トルコへの旅費を工面しようとしたという。

AFP(5月27日付)が伝えた。

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ヨルダンのムハンマド・ムーマニー国務大臣(内閣報道官)は、バフジャト・スライマーン在ヨルダン・シリア大使の国外退去処分に関して「シリアとの関係断交を何ら意味しない。ダマスカスはいつでも大使を任命できるし、アンマンのシリア大使館は開いており、通常通りの業務を行っている」と述べた。

『ハヤート』(5月28日付)が伝えた。

ヨルダン軍のファフド・ダーミン准将は、ヨルダン軍作戦本部で記者会見を開き、米国など22カ国との合同軍事演習「Eager Lion」を約2週間の予定で開始した、と発表した。

ダーミン准将は今年の合同演習では、「国境警備、テロとの戦い…、サイバー・テロなど、非伝統的戦争のための訓練に…、さらには国際平和維持活動の仕組み作り、人道面での経験の交流に重点が置かれる」としつつ、演習が「シリア情勢とは関係ない」と述べた。

合同演習には、米国、英国、フランス、トルコ、イタリア、カナダ、ベルギー、ポーランド、サウジアラビア、クウェート、バーレーン、カタール、UAE、エジプト、レバノン、タジキスタン、カザフスタン、パキスタン、ブルネイ、オーストラリアなど22カ国が参加する。

イスラエルは、オブザーバーとして参加しているという。

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ノルウェーの内務治安当局は声明を出し、男性3人を、シリアに潜入し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)に加わろうとした容疑で逮捕したと発表した。

逮捕された3人のうち1人はソマリア出身者、残る2人は旧ユーゴスラビア出身者だという。

AFP(5月27日付)が伝えた。

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イタリア大使館は声明を出し、トルコ国境に近いイドリブ県アティマ村で2013年3月12日に反体制武装集団に拉致された人道支援活動家のフィデリコ・モトカ氏が26日に解放され、27日にトルコ経由でイタリアに帰国したと発表した。

AFP, May 27, 2014、AP, May 27, 2014、ARA News, May 27, 2014、Champress, May 27, 2014、al-Hayat, May 28, 2014、Kull-na Shuraka’, May 27, 2014、al-Mada Press, May 27, 2014、Naharnet, May 27, 2014、NNA, May 27, 2014、Reuters, May 27, 2014、SANA, May 27, 2014、UPI, May 27, 2014などをもとに作成。

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大統領選挙をめぐる動き(2014年5月27日)

外務在外居住者省は声明を出し、5月27日に行われる大統領選挙の在外投票に関して、UAE政府が実施を拒否したとしたうえで、「シリアに対して陰謀を企てる国々に与し、領内での大統領選挙実施を禁じた」と非難した。

SANA(5月27日付)が伝えた。

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ARA News, May 27, 2014
ARA News, May 27, 2014

SANA(5月27日付)、ARA News(5月27日付)によると、ダイル・ザウル市(ユーフラテス大学)、ハマー市、ダマスカス県(ダマスカス大学)、スワイダー県サルハド市、ヒムス市、ヒムス県マフラム市、アレッポ市、ラタキア市、タルトゥース県マルカブ村、イドリブ市、ハサカ市、ハサカ県カーミシュリー市(国立病院)などで、大統領選挙実施と軍による「テロとの戦い」を支持するデモ・集会が開かれ、バアス党支部幹部、人民諸委員会、職業諸組合らが参加し、アサド大統領への支持を訴えた。

AFP, May 27, 2014、AP, May 27, 2014、ARA News, May 27, 2014、Champress, May 27, 2014、al-Hayat, May 28, 2014、Kull-na Shuraka’, May 27, 2014、al-Mada Press, May 27, 2014、Naharnet, May 27, 2014、NNA, May 27, 2014、Reuters, May 27, 2014、SANA, May 27, 2014、UPI, May 27, 2014などをもとに作成。

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化学兵器禁止機関・国連合同派遣団がハマー県で一時拉致(2014年5月27日)

シリア外務在外居住者省は声明を出し、反体制武装集団に身柄を拘束された化学兵器禁止機関・国連合同派遣団のスタッフ6人とシリア人運転手5人が、ハマー県郊外で「武装テロ集団」に拉致されたと発表した。

同声明によると、5月27日午前8時から18時まで、カフルズィーター市一帯で停戦合意が発効し、塩素ガスが使用したとされる同地を合同派遣団が調査する予定だった。

4台の四輪駆動車でカフルズィーター市に向かっていた合同派遣団は、タイバト・イマーム市を通過した直後、同村から2キロの地点で車両1台が仕掛け爆弾の爆発によって大破、乗っていたスタッフらを救出し、3台でタイバト・イマーム市に引き返そうとしたが、2台が拉致された。

その後、化学兵器禁止機関のマイケル・ローハン報道官はAFP(5月27日付)に大使、合同派遣団のスタッフ6人と運転手5人が「無事であり…基地への帰路についている」と発表した。

しかし、シリア人権監視団は「合同使節団が拉致されたとき、彼らはまだ政府支配地域の外には達していなかった。つまり仕掛け爆弾は政府が支配するタイバト・イマーム市近くで爆発した」と発表し、政府の自作自演を暗に疑った。

ローハン報道官によると、学兵器禁止機関・国連合同派遣団のスタッフを乗せた車列が、「攻撃を受け」拉致されたとしたうえで、「安全上の理由からこれ以上はコメントできない」と付言、スタッフが解放されたのか、逃走したのかについての名言を避けた。

また化学兵器禁止機関のアフメト・ウズムジュ事務局長は声明を出し、すべての当事者に対して改めて派遣団への協力を呼びかけた。

AFP, May 27, 2014、AP, May 27, 2014、ARA News, May 27, 2014、Champress, May 27, 2014、al-Hayat, May 28, 2014、Kull-na Shuraka’, May 27, 2014、al-Mada Press, May 27, 2014、Naharnet, May 27, 2014、NNA, May 27, 2014、Reuters, May 27, 2014、SANA, May 27, 2014、UPI, May 27, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月27日)

『ハヤート』(5月27日付)は、複数の消息筋の話として、バラク・オバマ米大統領が、シリアの反体制勢力への「漸進的支援強化」の一環として、反体制武装集団への対空ミサイル供与の「拒否権を解除した」と報じた。

同報道によると、この決定は、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長らの訪米を受けた動きで、供与は①「穏健な武装集団」への供与、②反体制政治組織を経由しない直接供与、③イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線との戦闘(継続)、④「樽爆弾」が投下されている地域「のみ」での対空ミサイルの使用、などが条件となっているという。

ある消息筋によると、米国が「穏健な武装集団」として想定しているのは、シリア北部(アレッポ県、イドリブ県)で活動するハズム運動、ファールーク大隊、第9師団、第1機甲師団、アフバーブ・アッラー旅団、第60歩兵旅団、殉教者アブドゥッラフマーン大隊、ヒムス県で活動するラシード大隊、アフバーブ・アッラー旅団、殉教者ハムザ・ザカリヤー大隊、アブー・アスアド・ニムル大隊、ファーティフ大隊、イバード・ラフマーン大隊、ファールーク大隊、ラスタン殉教者大隊、殉教者アンマール・トゥラース・ファルザート大隊、イーマーン旅団、真実の声中隊、ダマスカス郊外県で活動する殉教者アブドゥルガッファール・ハーミーシュ大隊、殉教者アブドゥッラ・バッカール大隊、殉教者バクル・バッカール大隊、ハマー県で活動するアビー・ハーリス大隊、サラミーヤ自由人大隊など約50の武装集団など。

al-Hayat, May 27, 2014をもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月26日)

イランのホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務副大臣(アラブ・アフリカ担当)は、テヘラン大学での講演で、シリア情勢への関与に関して、軍事支援を行っていないとしたうえで、同国での「テロとの戦い」のために軍事顧問を派遣していると述べた。

アブドゥッラフヤーン外務副大臣は、シリアがロシアから軍事支援を受けていること、そしてイランによる武器供与が危機解決を阻害するとしたうえで、「イランの軍事顧問はシリア政府にテロとの戦いのための支援を行っていると発表した。我々は米国に、テロとの戦いに責任を負うとしてあなた方の制約に沿って、シリア国民を支援しなければならないと言ってきた」と述べた。

またアブドゥッラフヤーン外務副大臣は、イランが「シリア国内のすべての反体制勢力と接触し、国民対話実施を奨励している」と付言した。

メフル通信(5月26日付)が伝えた。

AFP, May 26, 2014、AP, May 26, 2014、ARA News, May 26, 2014、Champress, May 26, 2014、al-Hayat, May 27, 2014、Kull-na Shuraka’, May 26, 2014、al-Mada Press, May 26, 2014、Mehr News Agency, May 26, 2014、Naharnet, May 26, 2014、NNA, May 26, 2014、Reuters, May 26, 2014、SANA, May 26, 2014、UPI, May 26, 2014などをもとに作成。

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シリア・ヨルダン両国大使追放(2014年5月26日)

ヨルダン外務省は声明を出し、「シリアのバフジャト・スライマーン大使は外交儀礼に反して、SNSを通じてヨルダンを批判する声明を再三にわたって発表した」と批判、同大使を「ペルソナ・ノン・グラータ」と認定するとのヨルダン政府の決定を文書で伝え、24時間以内にヨルダンから退去するよう要請した、と発表した。

この決定に関して、『ハヤート』(5月27日付)は、複数のヨルダン高官筋の話として、スライマーン大使が25日にヨルダン独立記念祝典の会場でヨルダン国王アブドゥッラー2世およびナースィル・ジャウダ外務大臣と会談、「そのときに国王と大使の間で交わされた会話とこの決定のタイミングはおそらくはつながりがある」と伝えた。

スライマーン大使は、SNSなどを通じて、ヨルダン政府が、ジハード主義武装集団や離反兵に潜伏場所を与え、シリア国内での戦闘に参加させるべく教練している、などとの批判を繰り返してきた。

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一方、シリア外務在外居住者省は声明を出し、ヨルダン政府によるバフジャト・スライマーン大使追放処分が「両国の深遠な関係の本質を反映しておらず、何らの根拠もない」と批判、対抗措置としてヨルダン大使を「ペルソナ・ノン・グラータ」と認定し、シリアへの入国を禁じる旨、ヨルダン外務省に通達したと発表した。

ウマル・アマド駐シリア・ヨルダン大使は2011年11月に帰国し、その後定年により大使職を解かれている。

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なお、ヨルダン政府によるシリア大使追放に関して、シリア革命反体制勢力国民連立の幹部筋は『ハヤート』(5月27日付)に「ヨルダン政府は反体制勢力を代表する大使館ないしは公館の開設を支持する姿勢をようやっと示した」と述べ、支持を表明した。

しかし、『ハヤート』(5月27日付)は、ヨルダン政府筋がシリア革命反体制勢力国民連立の在外公館を開設する意思はないと述べた、と報じた。

AFP, May 26, 2014、AP, May 26, 2014、ARA News, May 26, 2014、Champress, May 26, 2014、al-Hayat, May 27, 2014、Kull-na Shuraka’, May 26, 2014、al-Mada Press, May 26, 2014、Naharnet, May 26, 2014、NNA, May 26, 2014、Reuters, May 26, 2014、SANA, May 26, 2014、UPI, May 26, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月24日)

潘基文国連事務総長は安保理決議第2118号の実施状況に関する8回目の報告書を安保理に提出した。

報告書のなかで、潘事務総長は、化学兵器関連物質の廃棄完了の期限である6月30日以降も化学兵器禁止機関・国連合同派遣団の活動任期を延長することを提言した。

そのうえで、国内に残されている8%の化学兵器関連物質を早急にラタキア港に移送するようシリア政府に求めた。

一方、ハマー県カフルズィーター市などでの塩素ガス使用疑惑に関して、潘事務総長は、化学兵器禁止機関の専門家12人が調査のためにシリアに滞在しているとしたうえで、すべての当事者に調査への協力を求めた。

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国連の潘基本文事務総長は声明を出し、ダルアー市の選挙応援テントに対する反体制武装集団の迫撃砲での攻撃(23日)に関して、民間人への無差別攻撃が国際法、人権法に反すると批判する一方、紛争の停止と犯罪者処罰をめぐる国際社会の足並みの乱れと無力に強い遺憾の意を示した。

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『ハヤート』(5月25日付)は、オーストラリア、ルクセンブルク、ヨルダンが、シリア政府の許可なく周辺諸国からの人道支援物資搬入を認める国連安保理決議案を作成、近く安保理に提出すると報じた。

AFP, May 24, 2014、AP, May 24, 2014、ARA News, May 24, 2014、Champress, May 24, 2014、al-Hayat, May 25, 2014、Kull-na Shuraka’, May 24, 2014、al-Mada Press, May 24, 2014、Naharnet, May 24, 2014、NNA, May 24, 2014、Reuters, May 24, 2014、SANA, May 24, 2014、UPI, May 24, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き(2014年5月24日)

SANA(5月24日付)は、アサド大統領が、シリア訪問中のロシア政府使節団(ドミトリー・ロゴージン副首相が団長)とダマスカスで会談した、と報じた。

SANA, May 24, 2014
SANA, May 24, 2014

同報道によると、アサド大統領は会談で「シリア国民によるテロとの戦いを支援するロシアの姿勢を高く評価した」。

また大統領は「世界の安定を守り、地域諸国への西側の覇権拡張の試みに対抗するロシアの役割の重要性」を強調したという。

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外務在外居住者省は国連安保理議長と事務総長に宛てて書簡を送り、ダルアー市の選挙応援テントに対する「武装テロ集団」の攻撃(23日)に関して、一部地域諸国および諸外国がシリア国内の民間人に対する犯罪を支援していると批判、厳正な対応を求めた。

AFP, May 24, 2014、AP, May 24, 2014、ARA News, May 24, 2014、Champress, May 24, 2014、al-Hayat, May 25, 2014、Kull-na Shuraka’, May 24, 2014、al-Mada Press, May 24, 2014、Naharnet, May 24, 2014、NNA, May 24, 2014、Reuters, May 24, 2014、SANA, May 24, 2014、UPI, May 24, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月22日)

国連安保理で、シリアでの戦争犯罪、人道犯罪の国連刑事裁判所への付託を求める決議案(フランス提出)の裁決が行われ、ロシアと中国が拒否権を発動し、廃案となった。

ロシア、中国とともに「国際刑事裁判所に関するローマ規程」に参加していない米国は、のこる12カ国とともに決議案に賛成した。

シリアは、ロシア、中国、米国、さらにはイスラエルとともに「国際刑事裁判所に関するローマ規程」には参加していないため、同国での戦争犯罪、人道犯罪の国際刑事裁判所への起訴は、国連安保理決議での承認が必要となる。

AFP, May 22, 2014、AP, May 22, 2014、ARA News, May 22, 2014、Champress, May 22, 2014、al-Hayat, May 23, 2014、Kull-na Shuraka’, May 22, 2014、al-Mada Press, May 22, 2014、Naharnet, May 22, 2014、NNA, May 22, 2014、Reuters, May 22, 2014、SANA, May 22, 2014、UPI, May 22, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月21日)

化学兵器禁止機関・国連合同派遣団(スィグリッド・カーグ特別調整官)は声明を出し、シリア政府が申告していたイプソパノールの貯蔵庫の廃棄を完了したと発表した。

同声明はまた、シリア国内には依然として申告されていた化学兵器関連物質のうちの7.2%が未廃棄のまま残されおり、化学兵器禁止機関がシリア政府に対して早急に廃棄するよう求めていると付言した。

AFP, May 21, 2014、AP, May 21, 2014、ARA News, May 21, 2014、Champress, May 21, 2014、al-Hayat, May 22, 2014、Kull-na Shuraka’, May 21, 2014、al-Mada Press, May 21, 2014、Naharnet, May 21, 2014、NNA, May 21, 2014、Reuters, May 21, 2014、SANA, May 21, 2014、UPI, May 21, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年5月21日)

デイリー・ビースト(5月21日付)は、米諜報筋の話として、シリアでの反体制武装闘争に参加している米国人ジハード主義者が「予想よりも多く、その一部は帰国を始めている」と述べた。

米諜報機関によると、シリアで活動するジハード主義武装集団に参加している米国人の数は、昨年度が数十人だったのが、最近の推計では100人以上にのぼっているという。

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『ハヤート』(5月22日付)によると、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・トゥウマ暫定内閣首班は、アスアド・ムスタファー国防大臣の辞表を受理し、国防副大臣を勤めるムハンマド・ヌール・ハッルーフ少将を暫定大臣に任命した。

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クッルナー・シュラカー(5月21日付)は、シリア国民評議会が事務局メンバーのジョルジュ・サブラー事務局長とフサイン・サイイド氏を罷免し、アナス・アルヌート氏とムティーア・バティーン氏を後任に任命したと発表したとの報道に関して、この要求が却下されたと伝えた。

同報道によると、事務局メンバー交代は、「革命指導部最高評議会」のメンバー3人によって評議会に要求されたが、却下されたのだという。

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Kull-na Shuraka', May 20, 2014
Kull-na Shuraka’, May 20, 2014

アレッポ県アターリブ市で活動する地元調整諸委員会など反体制組織6団体が共同声明を出し、アターリブ市革命評議会が同市の活動家を代表していないと発表した。

AFP, May 21, 2014、AP, May 21, 2014、ARA News, May 21, 2014、Champress, May 21, 2014、The Daily Beast, May 21, 2014、al-Hayat, May 22, 2014、Kull-na Shuraka’, May 21, 2014、al-Mada Press, May 21, 2014、Naharnet, May 21, 2014、NNA, May 21, 2014、Reuters, May 21, 2014、SANA, May 21, 2014、UPI, May 21, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月20日)

フランスのフランソワ・オランド大統領は、パリを訪れたシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長と会談し、パリにある連立の事務所を正式な「在外公館」として承認すると伝えた。

オランド大統領は、化学兵器などあらゆる武器を使用したアサド政権による弾圧ゆえに、連立を支持するとしたうえで、6月3日に投票が行われる大統領については「事態がこれほど危機的でなかったら、嘲っていただろう。1,000万人以上が難民・避難民となっているのに、どうやって選挙を行うのだ」と述べた。

一方、ジャルバー議長は、大統領選挙に関して「同盟国とともに、この茶番を止めさせるための措置を講じ、穏健な勢力を支援しようとしている」としたうえで、「我々は、イラン・イスラーム革命防衛隊が支援するアサドのテロ、ヒズブッラーのテロ、イラクの傭兵のテロと戦っている…。我々は、米国やロンドンでの会合、そしてパリで、バッシャール・アサドを筆頭とするあらゆる過激派、テロリストの軍事力に対抗するため、今が支援の時だと呼びかけた」と述べた。

『ハヤート』(5月21日付)が伝えた。

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スイスのポール・セーゲル国連大使は国連宛に書簡を提出し、加盟国58国を代表して、シリアでの紛争当事者の犯罪の国際刑事裁判所への提訴を求めるフランスの安保理決議案の採択への支持を表明した。

決議案への支持を表明したのは、EU諸国、日本、韓国など58カ国で、1月にも国際刑事裁判所への提訴を求めていた。

なお、複数の外交筋によると、米国は「国際刑事裁判所に関するローマ規程」に参加しておらず、この58カ国に名を連ねていないが、決議案を支持しているという。

AFP, May 20, 2014、AP, May 20, 2014、ARA News, May 20, 2014、Champress, May 20, 2014、al-Hayat, May 21, 2014、Kull-na Shuraka’, May 20, 2014、al-Mada Press, May 20, 2014、Naharnet, May 20, 2014、NNA, May 20, 2014、Reuters, May 20, 2014、SANA, May 20, 2014、UPI, May 20, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月19日)

サウジアラビア政府は、サルマーン・アブドゥルアズィーズ副首相兼国防大臣のもとに閣議を開き、「国民へのテロとテロの地域への拡散の責任はアサド政権にある」とする声明を出した。

『ハヤート』(5月20日付)が伝えた。

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フランスのベルナール・カズヌーブ内務大臣は、RFIおよびフランス24が放送した番組で、フランス政府が4月23日に開始したジハード主義武装戦闘員の潜入撲滅計画により、当局がこれまで70件以上の通報を受け、シリアに潜入しようとしていた容疑者7人を拘束したと述べた。

AFP, May 19, 2014、AP, May 19, 2014、ARA News, May 19, 2014、Champress, May 19, 2014、al-Hayat, May 20, 2014、Kull-na Shuraka’, May 19, 2014、al-Mada Press, May 19, 2014、Naharnet, May 19, 2014、NNA, May 19, 2014、Reuters, May 19, 2014、SANA, May 19, 2014、UPI, May 19, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年5月19日)

シリア革命反体制勢力国民連立のアスアド・ムスタファー暫定政府国防大臣が辞職した。

ムスタファー前国防大臣は辞職に合わせてメッセージを発表、そのなかで「政権が国民の頭上でシリアを破壊し続けることに対して偽証者でありたくない」と述べるとともに、「(暫定政府)国防省は、革命家たちのニーズに即応するための最低限の義務すら果たす能力がない。これらの要求を実現するためのあらゆる答えは潰えてしまった」と抗議の意を示した。

Kull-na Shuraka', May 19, 2014
Kull-na Shuraka’, May 19, 2014

反体制筋によると、ムスタファー国防大臣は、連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長から戦闘員への資金不足に抗議して辞職したというが、連立筋によると、ムスタファー国防大臣は、ジャルバー議長に暫定政府首班の職を要求、これが拒否されたことを受け辞職したという。

一方、連立のムハンマド・ファールーク・タイフール副議長(シリア・ムスリム同胞団)は、ムスタファー国防大臣の辞職が、「シリアの危機管理の方法をめぐる国際社会の対応」が原因だと述べた。

タイフール副議長は「シリア人の苦悩に対して大国が下した決定は、現地で解釈がなされた場合、象徴的で価値がない」と非難した。

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ダイル・ザウル県で活動するとされる「自由シリア軍対ダーイシュ作戦司令室」は声明を出し、アフマド・ムスタファー国防大臣辞職にいたるシリア革命反体制勢力国民連立暫定政府の対立が、ダイル・ザウル県、とりわけ自らへの資金供与や買収行為をめぐるものだとしたうえで、アフマド・トゥウマ首班およびムスタファー前国防大臣の両名を承認しないことを決定したと発表した。

また「自由シリア軍対ダーイシュ作戦司令室」は、自由シリア軍参謀委員会のアブドゥルイラーフ・バシール参謀長に対して、顧問の一人であるアフマド・ジャディーア准将にダイル・ザウル県での作戦に関与しないよう支持するよう求めるとともに、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長とサウジアラビア政府にダイル・ザウル県住民の救済するよう呼びかけた。

なお声明には以下の武装集団が署名した:

1. ジャアファル・タイヤール・イスラーム旅団

2. イブン・カイイム旅団

3. アーイシャ末裔旅団

4. ズバイル・ブン・アウワーム旅団

5. アンサール・スンナ旅団

6. バシャーイル・ナスル旅団

7. バドル殉教者旅団

8. タービヤ殉教者旅団

9. ムウタ旅団

10. イフラース軍

11. カーディスィーヤ旅団所属各大隊

12. ハムザ革命旅団

13. アンサール・ハック戦線

14. ウマル旅団所属カアカーア・イスラーム旅団

15. アフル・スンナ・ワ・ジャマーア軍

16. ハック軍

17. アッラー・アクバル大隊

18. ウマル・ムフタール旅団

19. ジャルズィー殉教者旅団

20. ハドラー旅団

21. アスマー大隊所属アブー・バクル大隊

22. ジャズィーラの盾旅団所属アーイシャ大隊

シリア人権監視団は、2011年3月18日から2014年5月17日までの紛争による死者総数が16万2,402人に達したと発表した。

死者の内訳は、民間人が5万3,978人(うち8,607人が子供)、軍および親政権武装集団戦闘員が6万1,170人、ジハード主義武装集団を含む反体制武装集団戦闘員が4万2,701人、身元不明者が2,891人だという。

反体制武装集団戦闘員4万2,701人は、離反兵および武装した民間人と、外国人戦闘員およびジハード主義者に分類され、前者の死者数は2万9,201人、後者は1万3,500人だという。

一方、軍および親政権武装集団戦闘員6万1,170人のうち、軍・治安部隊兵士は3万7,685人、国防隊および人民諸委員会のメンバーが2万3,485人だという。

またこのほかに、ヒズブッラー戦闘員死者が438人、そのほかの親政権外国人戦闘員が1,224人いるという。

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ARA News(5月20日付)によると、シリア・クルディスタン民主党がイラク・クルディスタン地域のアルビル市で合同会合を開き、参加4党の組織を統合した。

AFP, May 19, 2014、AP, May 19, 2014、ARA News, May 19, 2014、Champress, May 19, 2014、al-Hayat, May 20, 2014、Kull-na Shuraka’, May 19, 2014、al-Mada Press, May 19, 2014、Naharnet, May 19, 2014、NNA, May 19, 2014、Reuters, May 19, 2014、SANA, May 19, 2014、UPI, May 19, 2014などをもとに作成。

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