シリア革命反体制勢力国民連立と自由シリア軍参謀委員会が化学兵器廃棄に向けた活動に全面協力する意思を表明、反体制武装集団がダマスカス郊外県ヤブルード市郊外にある2教会に爆弾を仕掛け損害を与える(2013年10月15日)

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立と自由シリア軍参謀委員会は記者会見で化学兵器禁止機関によるシリア国内での化学兵器廃棄に向けた活動に全面協力する意思を表明するとともに、アフメト・ウズムジュ事務局長に対して、反体制武装集団がいかなる化学兵器関連施設をも制圧していないことを声明を通じて明言するよう求めた。

クッルナー・シュラカー(10月15日付)が伝えた。

**

シリア・ムスリム同胞団のズハイル・ザーリム報道官はAKI(10月15日付)に同胞団の政党結成構想に関して、「政党は(同胞団の)政治部門ではなく、開放的で愛国的な性格」を持つと述べ、同胞団以外の組織の参加も想定していることを示唆した。

シリア政府の動き

アサド大統領がダマスカス県内のサイイダ・フサイバ・モスクでのイード・アル=アドハーの集団礼拝に参加、シリア・アラブ・テレビ(10月15日付)などがその様子を放映した。

集団礼拝には、ワーイル・ハルキー首相ら閣僚、アフマド・バドルッディーン・ハッスーン共和国フムティーらが参加、導師は故ムハンマド・サイイド・ラマダーン・ブーティー師の息子でビラード・シャーム・ウラマー連合の新代表のムハンマド・タウフィーク・ラマダーン・ブーティー師が務めた。

ブーティー師は礼拝後の説教で、「祖国と民族の安寧のために多くの血を流した我が勇敢なる軍」への謝辞を述べる一方、「アッラー・アクバル」をスローガンとしてテロ・破壊活動を行う反体制武装集団を非難、「正しいイスラームへの再認識」を主唱した。

SANA, October 15, 2013
SANA, October 15, 2013
SANA, October 15, 2013
SANA, October 15, 2013
SANA, October 15, 2013
SANA, October 15, 2013

 

**

シリア・アラブ・テレビ(10月15日付)は、アスマー・アフラス大統領夫人が、ダマスカス県内の戦没者の子息が通う女学校を訪問し、学生らと懇談、オリーブを植樹する様子を放映した(https://www.youtube.com/watch?v=BBWXVOIM18k)。

映像のなかで、アスマー夫人は「私たちはこの世界に文字を教えた人々の末裔です。私たちはこの世界に医療、商業、建築を教えた人々の末裔です。こうした歴史はシリアのアイデンティティの一部をなしています…。この国を羽ばたかせ、将来にわたって国を建設しましょう。私たちが使うことのできる真の武器とは、知識という武器、知性という武器です」と述べた。

またアスマー夫人は「私たちはこれまでに何度も、アスマー夫人はシリアを去った、ロシア、ベイルートに去ったと耳にしてきました。アスマー夫人のことを云々するのがどれだけ好きなのでしょう…。私はここに居ます。私の夫、私の子供たちはシリアにいます。私が彼らといるというのが自明の真実です。私はまた、大多数のシリア人と同じように愛国心を育んできました。どこで暮らそうと、どこを旅しようと…国より崇高なものなどないのです」と強調した。

さらに「私は現在、3人の子供の母親です。彼らへの私の責任とは、彼らに同じ概念を教えることです。外国で暮らして、どのように彼らに愛国心を教えることができるのでしょうか?家族で仲良くせず、自分の家で暮らさず、家族と食卓をともにせず、どのように国の文化、歴史、文明を教えるのでしょうか?そんなことは不可能です。国が抱える問題のただ中に暮らすことなく、彼らにどのようにして国の発展に貢献するように教えるというのでしょう?」と付言した。

Youtube, October 15, 2013
Youtube, October 15, 2013

Youtube, October 15, 2013
Youtube, October 15, 2013

Youtube, October 15, 2013
Youtube, October 15, 2013

Youtube, October 15, 2013
Youtube, October 15, 2013

国内の暴力

ダマスカス県では、SANA(10月15日付)によると、カナワート区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾1発が着弾し、市民4人が負傷した。

Kull-na Shuraka', October 15, 2013
Kull-na Shuraka’, October 15, 2013

また、カーブーン区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ヨルダン人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、シャーム・ネットワーク(10月15日付)が、バーブ・トゥーマー地区のアルメニア・カトリック教会、マズラア地区のロシア大使館近く、ティジャーラ地区のファイハー遊園地、ムハージリーン区、マーリキー地区、ラウダ地区、マイダーン地区などに複数の迫撃砲弾が着弾したと主張した。

また同ネットワークによると、アサーリー地区、ジャウバル区を軍が空爆・砲撃した。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(10月15日付)によると、反体制武装集団が、ヤブルード市郊外にある聖コンスタンティヌス教会と聖ヘレナ教会に爆弾を仕掛け爆破させた。

人的被害はなかったが、建物が損害を受けた。

また、ザマルカー・アルバイン回廊、アイン・タルマー渓谷、ダイル・アサーフィール市校が、ダブラ農場、ドゥーマー市郊外、フジャイラ村、スバイナ町、ダーライヤー市、リーマー農場、ナバク市郊外、ヤブルード市郊外、カーラ市郊外、アドラー市郊外、ジャラージール町郊外、ダイル・アティーヤ市郊外、ハーン・シャイフ・キャンプ郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、シャーム・ネットワーク(10月15日付)によると、ビラーリーヤ村、ナシャービーヤ町、ハズラマー市、ダーライヤー市、アルバイン市、ムウダミーヤト・シャーム市、ブワイダ市を軍が砲撃した。

**

ダルアー県では、SANA(10月15日付)によると、ブスル・ハリール市、ナワー市、タファス市、アトマーン村、ダーイル町、ブスラー・シャーム市郊外、ダルアー市、ヌアイマ村、インヒル市、ガーリヤ市、タッル・フドル一帯、ジャムリーン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、シャーム・ネットワーク(10月15日付)によると、ナワー市、ブスル・ハリール市、タファス市、ヌアイマ村で、軍と反体制勢力が交戦した。

**

アレッポ県では、SANA(10月15日付)によると、フマイマ村、カースティールー回廊、ナイラブ航空基地北部、フライターン市東部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、シャーム・ネットワーク(10月15日付)によると、軍がマンナグ航空基地、サフィーラ市一帯を砲撃する一方、反体制武装集団はクワイリス航空基地近くのタッル・フーサ村をロケット弾で攻撃した。

またハーン・アサル村周辺、アレッポ中央刑務所、ハーン・トゥーマーン村などで軍と反体制武装集団が交戦した。

**

イドリブ県では、SANA(10月15日付)によると、ビンニシュ市、サルミーン市、アルバイーン山周辺、マアッル・ブライト市、シュワイハ市、マジャース市、フータ市、アブー・ズフール航空基地周辺、バザーブール村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(10月15日付)によると、レバノン領からタッルカラフ市郊外に潜入しようとした反体制武装集団を国境警備隊が撃退した。

またヒムス市バーブ・フード地区、サフサーファ地区、クスール地区、ワアル地区、ワルシャ地区、タッル・ザハブ町、カフルラーハー市、サムアリール村、ブルジュ・カーイー村、タッルドゥー市、ナースィラ村、ラスタン市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、シャーム・ネットワーク(10月15日付)によると、軍がカルアト・ヒスン市、ヒムス市ワアル地区などを砲撃した。

**

ハマー県では、SANA(10月15日付)によると、ジスル・ジスル・バイト・ラース村で、軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦、リビア人戦闘員らを殲滅した。

一方、シャーム・ネットワーク(10月15日付)が、ムーリク市南部のラハーヤー検問所を反体制武装集団が制圧したと報じた。

諸外国の動き

AFP(10月15日付)は、ギリシャ当局の話として、ペロポネソス半島沖で沈没した船舶に乗っていたシリア人避難民73人が救出され、カラマタ港に到着したと報じた。

避難民のうち11人が女性、18人が子供だった。

AFP, October 15, 2013、AKI, October 15, 2013、al-Hayat, October 16, 2013、Kull-na Shuraka’, October 15, 2013、Naharnet, October
15, 2013、Reuters, October 15, 2013、Rihab News, October 15, 2013、SANA, October
15, 2013、UPI, October 15, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米国務長官がジュネーブ2会議に関して「アサド大統領は(参加)当事者どうしを近づけるための正統性を失っている」と主張するなか、民主的変革諸勢力国民調整委員会のアブドゥルアズィーム代表は同大会が「前提条件なしで開催される」との見方を示す(2013年10月14日)

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表は『ナハール』(10月14日付)に、「アサド政権はたとえ、現地での決着が近いと感じたとしても、ジュネーブ2会議を撤回することはできない…。なぜなら政権の決定は、自らの手にだけではなく、政治的正常化を支持する地域および国際社会の同盟国の手によって握られているからだ」と述べた。

アブドゥルアズィーム代表はまた「反体制勢力内の位置当事者がジュネーブ2会議に反対し、拒否すると発表しても影響はない」と付言したうえで、同大会が前提条件なしで開催されるだろうとの見方を示し、「米英仏はアサド大統領が交渉の一当事者として残り、(退任を)条件としないことを受け入れた。また政府も大統領の残留にかかわる問題をシリア国民のみに委ねると考えるに至った」と強調した。

**

イスラーム軍は声明を出し、「改悛センター」(拘置所)に拘束中の拘置者のうち「改善の跡」が観られる者を「恩赦」により、釈放したと発表した。

釈放された拘置者は、イスラーム教徒の殺害、イスラーム教徒の財産強奪、ムジャーヒドゥーンの軍規違反、シャリーア違反などによって拘置されていたという。

**

クッルナー・シュラカー(10月14日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長が9月19日付で国連安保理に提出した書簡のなかで、ジュネーブ2会議に「無条件」で参加する意思を表明していたと報じた。

**

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、イドリブ県ダルクーシュ町での爆弾テロを「バッシャール・アサド政権の触手が伸びていることを示している」と述べ、政権の犯行と断じ、非難するとともに、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)に対して、「シリア国民の惨状を解消するためのあらゆる措置」を講じ、「シリア革命と自由シリア軍」を支援するよう呼びかけた。

**

シリア・クルド国民評議会のムスタファー・マシャーイフ氏は、クッルナー・シュラカー(10月14日付)に対して「シリアのクルド人は国家建設を望んでいないし、シリア分割も目指していない。体制が崩壊するまで自らの地域を暫定的に運営しようとしているだけだ」と述べた。

**

シリア民主主義者連合のサービト・イバーラ在外局長は声明を出し、シリア革命への自身の献身がまったく受け入れられないとして、在外局長を含む反体制勢力内のすべての役職を辞任すると発表した。

イバーラ在外局長が兼任してきた役職は以下の通り:

シリア民主主義者連合在外局長
同執行部メンバー
在キプロス・自由シリア人コミュニティ代表
国民成長党組織局長
シリア救済ネットワーク執行部書記長

**

イスラーム軍のムハンマド・ザフラーン・アッルーシュ司令官は声明を出し、13日にダマスカス郊外県ドゥーマー市で反体制組織・活動家が結成した「拡大文民評議会」を「離反」と非難、「この決定は同軍のシューラー評議会を経ていない」と拒否の姿勢を示した。

**

イスラーム軍のムハンマド・ザフラーン・アッルーシュ司令官による声明発表に対して、ドゥーマー市の「拡大文民評議会」も声明を出し、同司令官の声明を拒否、活動を継続すると表明した。

シリア政府の動き

ワーイル・ハルキー首相は、対レバノン国境のジュダイダ・ヤーブース国境通行所を視察、同行した記者団らに対して、帰国する避難民に対して政府として補償を行っていくと述べた。

SANA, October 14, 2013
SANA, October 14, 2013

国内の暴力

イドリブ県では、リハーブ・ニュース(10月14日付)によると、ダルクーシュ町の市場で、何者かによって爆弾が仕掛けられた車が爆発し、数十人が死亡、また軍が同市を2度にわたって空爆した。

シリア人権監視団によると、この爆弾テロで子供3人を含む27人が死亡した。

SANA, October 14, 2013
SANA, October 14, 2013

また同監視団によると、アルバイーン山一帯、サラーキブ市などを軍が空爆・砲撃した。

一方、SANA(10月14日付)によると、サラーキブ市、ビンニシュ市周辺、ジダール・ブカフルーン市、クーリーン市、カフルルーマー村、マアッルシャマーリーン市、ダイル・サンバル村、アブー・ズフール航空基地周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、赤十字国際委員会報道官は、10月13日にイドリブ県内で拉致された赤十字国際委員会スタッフ6人とシリア赤新月社のボランティア1人のうち、スタッフ3人が解放されたと発表した。

SANA, October 14, 2013
SANA, October 14, 2013

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、マイダーン地区南部のカーア地区に軍が撃った迫撃砲弾複数発が着弾、またアッバースィーイーン地区にも迫撃砲弾が着弾した。

一方、SANA(10月14日付)によると、バルザ区、ジャウバル区、フジャイラ村、スバイナ町、ヤルダー市、ダーライヤー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

シリア赤新月社は、軍の包囲が続き、総攻撃が間近だとされるダマスカス郊外県ムウダミーヤト・シャーム市とダーライヤー市で、13日に引き続き、14日も約2,000人の住民が退去・避難したと発表した。

クッルナー・シュラカー(10月14日付)は、複数の活動家の話として、両市住民は、軍と反体制武装集団が一時停戦するなか、シリア政府の支配地域に避難したとし、その写真や映像を公開した。

同報道によると、こうした状況に対して、活動家の一人は、シリア革命反体制勢力国民連立と自由シリア軍の弱さを非難していたという。

http://www.youtube.com/watch?v=s_X-vum8uUY&feature=player_embedded

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=BjTk_bwFwFk

一方、シリア人権監視団によると、フジャイラ村、ブワイダ市、ザバダーニー市郊外を軍が砲撃・空爆した。

他方、SANA(10月14日付)によると、カラムーン山地一帯郊外、ダイル・アティーヤ市郊外、ナバク市郊外、マアルーラー市郊外、ザマルカー町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市ダム街道地区を軍が砲撃し、子供2人を含む5人が死亡した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市インシャーアート地区に迫撃砲弾2発が着弾、また市内各所で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(10月14日付)によると、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、クスール地区、カラービース地区、バーブ・フード地区、ハミーディーヤ地区、サフサーファ地区、タルビーサ市近郊、ラスタン市、ハルブーズ市、ハリーラ市、ウンム・ラジーム市、ラスム・ダブア市、ジャバーブ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ラターミナ町を軍が空爆した。

一方、SANA(10月14日付)によると、ブルグースィーヤ村、アルシューナ村、アファーフィラ農場で、軍が反体制武装集団の掃討を完了し、同地の治安を回復した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、クワイリス航空基地、アレッポ市マシュハド地区を反体制武装集団が手製の迫撃砲で攻撃した。

一方、SANA(10月14日付)によると、ムスリミーヤ街道、ヒーラーン村、クワイリス村、ラスム・アッブード村、ハーン・アサル村、ダイル・ハーフィル市、ナッカーリーン村、アウラム・クブラー町、カースティールー街道で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、カッラーサ地区、ブスターン・カスル地区、バニー・ザイド地区、サラーフッディーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区でシャームの民のヌスラ戦線が2件の自爆攻撃を敢行、また同地区、ラシュディーヤ地区、工業地区、ハウィーカ地区、工業地区、ラサーファ地区、ムワッザフィーン地区で軍と反体制武装集団が交戦し、軍が空爆を行った。

この戦闘で反体制武装集団はラサーファ地区の複数の建物を制圧したという。

一方、SANA(10月14日付)によると、ダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区、ジュバイラ地区、ハウィーカ地区、労働者住宅地区、ナズラ・ドゥライサート地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、カーミシュリー市のカッドゥール・ベク地区で、西クルディスタン人民議会の治安警察(アサーイシュ)のパトロール隊を狙った爆弾テロが発生した。

またクッルナー・シュラカー(10月14日付)によると、ラアス・アイン市に近いミシュラーファ村で、民主統一党人民防衛隊がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線などと交戦した。

一方、SANA(10月14日付)によると、穀物サイロ・センターを占拠する反体制武装集団を軍が攻撃し、同センターを奪還、複数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(10月14日付)によると、アイン・イーサー市の反体制武装集団のアジトに対して軍が特殊作戦を行い、チュニジア人戦闘員らを殲滅した。

レバノンの動き

NNA(10月14日付)によると、北部県アッカール郡のヒクル・ジャニーン村、カシュラク村、アルマ村、ヌーラー村、ダッバービーヤ村、ムンジズ村、アマール・ビーカート村に、シリア領から発射された迫撃砲弾15発が着弾した。

諸外国の動き

ジョン・ケリー米国務長官はロンドンでアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表と会談し、ジュネーブ2会議の開催などについて協議した。

会談後、ケリー国務長官は、「我々はジュネーブ2会議召集の期日を確定することが急務だと考えている…。軍事的解決はあり得ないとの点で合意した」と述べる一方、「アサド大統領は当事者どうしを近づけるのに必要な正統性を失っている…。移行プロセスが不可欠であり、シリアに新たな統治主体がなければならない」と主張した。

またブラーヒーミー代表は、近く中東諸国を歴訪し、各国代表・当事者と会談する予定だと述べた。

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、シリア国民評議会がジュネーブ2会議への不参加を表明したことを受け、「米国などが、反体制組織に影響力を行使するだけでなく、これらの組織にジュネーブ2会議に参加するよう全力で説得することを我々は期待している」と述べた。

AFP(10月14日付)が報じた。

**

UNRWAシリア事務所のマイケル・キングズレー=ニーナ代表は、10月12日のダルアー市での軍と反体制武装集団の戦闘により、パレスチナ難民キャンプが直接の被害を受けたと発表、「武力紛争はパレスチナ人の声明と住居を破壊している」と警鐘を鳴らした。

シリア国内には、UNRWAが管理する10のパレスチナ難民キャンプを含む13のキャンプがある。

**

『ハヤート』(10月14日付)は、イスラエルのクネセト外交安全保障委員会委員長でイスラエル我が家のアアヴィグドール・リーベルマン党首が、アサド政権の退任の条件にゴラン高原の大部分と返還するとの取引をベンヤミン・ネタニヤフ内閣高官がヒズブッラーやハマースに持ちかけていたことを明かしたと報じた。

AFP, October 14, 2013、Champress, October 14, 2013、al-Hayat, October 14, 2013, October 15, 2013、Kull-na Shuraka’, October 14, 2013,
October 15, 2013、al-Nahar, October 14, 2013、Naharnet, October 14, 2013、NNA, October 14, 2013、Reuters,
October 14, 2013、Rihab News, October 14, 2013、SANA, October 14, 2013、UPI,
October 14, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

バアス党シリア地域指導部のヒラール副書記長がカーミシュリー市を電撃訪問するなか、シリア国民評議会がジュネーブ2会議に参加しないとの「断固たる決定」を発表(2013年10月13日)

反体制勢力の動き

ダマスカス郊外県で活動するシャバーブ・フダー大隊(自由シリア軍)のアブー・サーリフを名乗る司令官は、ビデオ声明(10月13日付)で「最後通告を発し10月13日日曜日12時まで猶予を与える」としたうえで「治安機関施設周辺の住宅地からの避難を民間人に呼びかける。なぜなら我々は、ダマスカスの空にロケット弾と迫撃砲の雨を降らせるからだ」と脅迫した。

アブー・サーリフ氏はまた、この攻撃がダマスカス県南部一帯、ムウダミーヤト・シャーム市への軍の砲撃への対抗措置だと主張し、シリア政府に対して包囲解除を要求した。

**

アラビーヤ・チャンネル(10月13日付)は、「自由シリア軍」がイード・アル=アドハー期間中、ヒムス県とダマスカス郊外県で一時休戦に応じる準備があるとの意思を示したと報じた。

**

国内で活動する民主的変革諸勢力国民調整委員会は声明を出し、現行の憲法において大統領と内閣に与えられているすべての権限を移譲された移行期政府を発足し、その首班に「反体制指導者、ないしは無所属の人物を合意に基づいて」就任させることを提言した。

また「シリア軍と、シリアの危機を政治的に解決することに同意した反体制武装集団の士官からなる合同暫定軍事評議会」を設置し、治安・国防にあたるべきとの意見を示した。

**

シリア国民評議会のジョルジュ・サブラー事務局長は声明を出し、「現下の状況を踏まえ、ジュネーブに行くことはないとの断固たる決定を行った」と発表した。

**

シリア革命反体制勢力国民連立政治局メンバーでヨルダンを活動拠点とするカマール・ルブワーニー氏はCNN(10月13日付)に、シリア国内の反体制武装集団どうしが、在外の反体制勢力の調整のもと連絡を取り合い、「イスラーム主義的指導部のもとに、軍事的、政治的、集権的な評議会の宣言」を準備していると述べた。

ルブワーニー氏によると、武装集団間の連絡調整は、イスラーム軍などとの間で進められており、「イスラーム的な色合い」を持ち、シャームの民のヌスラ戦線は参加が見込まれているが、イラク・シャーム・イスラーム国は排除されるという。

こうした取捨選択に関して、ルブワーニー氏は「タクフィール主義者の指導部より、国内のサラフィー主義者の指導部の方がましだ」と述べた。

一方、シリア革命反体制勢力国民連立については、「国外で結成された反体制勢力の一部だが、シリア革命を代表してはいない。そのメンバーは自分たち自身しか代表しておらず、またヨルダン、トルコ、フランス、米国、カタールなどの諜報機関が人選を行った」と否定的な見方を示した。

そのうえで「連立は、ジュネーブ2会議を通じて、国連憲法第7章に基づき正統性を確保しようとしているが、これはシリアの分割をもたらす動きものだ」と批判した。

また連立をジュネーブ2会議に参加させようと、米国などが圧力をかけていると指摘、連立が大会に参加すれば、シリア国民評議会のメンバーなど約30人の代表が連立を脱会するだろうと付言した。

**

シリア人権監視団は8月24日に、ダイル・ザウル県ブサイラ市で「何者か」が爆弾を爆発させ、シャイフ・イーサー・アブドゥルカーディル・リファーイー廟が破壊されていたと発表した。

**

クッルナー・シュラカー(10月13日付)によると、トルコのハタイ県レイハンル市内のアナトリア・カフェで、反体制武装集団・活動家の代表、ジャーナリスト、人道支援活動家ら約100人が集まり、「シリア自由人連合」を結成した。

「シリア自由人連合」はまた発足声明を発表、革命の成就、1950年憲法の復活、三権分立などをめざすことで合意したことを明らかにした。

「シリア自由人連合」に参加した主な武装集団は以下の通り:

第77師団(北部地域)
第3師団(ダマスカス郊外県カラムーン山地一帯)
バルク・ナスル旅団(イドリブ県、ハマー県)
第90旅団(ダマスカス西部)
ファジュル旅団(ダマスカス郊外県西グータ地方)
サイフ・シャーム旅団(ダマスカス郊外県西グータ地方)
ウマウィーイーン旅団(ダマスカス県、ダマスカス郊外県)
砂漠の殉教者旅団(イドリブ県)
ビラード・シャーム・イスラーム旅団(イドリブ県)
ジュンド・ラフマーン旅団(イドリブ県アブー・ズフール)
ラーヤ旅団(イドリブ県アブー・ズフール)
サイイド・マスィーフ旅団(ダマスカス県)
ウマル・ムフタール旅団(イドリブ県ザーウィヤ山)
ハビーブ・ムスタファー旅団(イドリブ県)
ムウタスィム・ビッラー旅団(イドリブ県)
アブー・バクル・スィッディーク旅団(アレッポ県)
フサイン・ハルムーシュ旅団(ラタキア県)
ワアド・サーディク旅団(ラタキア県)
ウンマ・イスラーミーヤ戦線旅団(アレッポ県、ヒムス県)
統一解放戦線(ラッカ県、ダイル・ザウル県、ハサカ県の6旅団)
ムアーウィヤ・ブン・アビー・スフヤーン(ヒムス県ラスタン市)
イスラーム殉教者旅団(ダマスカス郊外県カラムーン山地一帯)
アブダール・シャーム旅団(ダマスカス県ドゥンマル区、ダマスカス郊外県バラダー渓谷)
ハムザ旅団(ダマスカス郊外県バラダー渓谷)
カラーマ殉教者旅団(ダマスカス郊外県バラダー渓谷)
殉教者サミール・ダヒーク旅団(ヒムス県ラスタン市)
鷲旅団
バヤーリク・イスラーム旅団
サイフッラー・マスルール旅団
ファジュル・ムジャーヒディーン旅団
ヒッティーン旅団
ジュンド・ラフマーン旅団(アレッポ県)
殉教者マーズィンロケット弾防衛旅団(イドリブ県ザーウィヤ山)
アマーナ殉教者旅団(ハマー県)
カラー間殉教者旅団(イドリブ県ハーン・シャイフーン市)
ムンタスィル・ビッラー旅団(イドリブ県ハーン・シャイフーン市)
第533コマンド旅団(ハマー県北部)
第633歩兵旅団(イドリブ県ハーン・シャイフーン市)
ハリーファ旅団(イドリブ県マアッラト・ヌウマーン市)
山鷹旅団(イドリブ県シャフシャブー山)
タッル・フハール大隊(アレッポ県)
特殊任務大隊(ダマスカス郊外県マダーヤー町)
ウカーブ大隊(ダマスカス郊外県カラムーン山地一帯)
ハーン・シャイフーン革命家旅団
第465ハーン・シャイフーン殉教者中隊
シャイフ山殉教者旅団
西部郊外自由人旅団
ダマスカス軍事革命評議会旅団

なおこれに関して、『ハヤート』(10月13日付)は、自由シリア軍参謀委員会(最高軍事評議会)報道官のカースィム・サアドッディーン大佐がレイハンル市で、数十の武装集団を統合し、「シリア自由人軍」を結成したとの情報が流れたと報じていた。

**

ダマスカス郊外県で活動する反体制組織・活動家がドゥーマー市に会し、自治組織「拡大文民評議会」を結成した。

「拡大文民評議会」は、独立司法委員会、シャリーア委員会、文民行政市民福祉評議会などからなり、ダマスカス県・ダマスカス郊外県革命指導評議会、シリア平和運動機構、シリア民主フォーラム革命運動局などが参加した。

シリア政府の動き

クッルナー・シュラカー(10月13日付)によると、バアス党シリア地域指導部のヒラール・ヒラール副書記長がハサカ県カーミシュリー市を電撃訪問した。

訪問には、アブドゥンナースィル・シャフィーウ地域農民局長、ハラフ・ミフターフ出版文化情報局長、ハサカ支部のナースィル・アブドゥルアズィーズ支部局長、ハサカ県のムハンマド・ズアール・アリー知事が同行した。

訪問は、政権支持者の士気高揚が目的だったという。

Kull-na Shuraka', October 13, 2013
Kull-na Shuraka’, October 13, 2013

国内の暴力

SANA(10月13日付)は、ダマスカス県のウマウィーイーン広場の立体交差入り口で、反体制武装集団が車2台に爆弾を積んで相次いで自爆したと報じた。

また、アッバースィーイーン地区、カッサーア地区、バーブ・シャルキー地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、十数人が負傷した。

このほか、カーブーン区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、シリア人権監視団によると、ジャウバル区などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

**

イドリブ県では、SANA(10月13日付)によると、赤十字国際委員会のスタッフ多数の乗った車を「何者か」が襲撃し、スタッフが拉致された。

ロイター通信(10月13日付)などによると、拉致されたのは、赤十字国際委員会スタッフ6人とシリア赤新月社のボランティア1人。

また、シリア人権監視団によると、サルミーン市、ラーミー村、カフルルーマー村、マアッル・シャマーリーン市、タッル・マンス村などを軍が空爆した。

一方、SANA(10月13日付)によると、カトルーン市、アーリヤ市、ティーバート市、ハーッジ・ハンムード農園、クーリーン市、アルバイーン山一帯、ウンム・ジャリーン村、ザアラーナ村、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カタナー市にある軍第78旅団の武器庫を反体制武装集団が制圧した。

また反体制武装集団がバービッラー市にある軍の拠点を迫撃する一方、軍と反体制武装集団がダイル・サルマーン市、ビラーリーヤ村、カースィミーヤ市などで交戦した。

さらに、ワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプ地域に迫撃砲弾が着弾した。SANA(10月13日付)によると、これにより、1人が死亡、約20人が負傷した。

一方、SANA(10月13日付)によると、シャイフーニーヤ氏、ザマルカー町、カースィミーヤ市、フジャイラ村、スバイナ町、ヤルダー市、ジャイルード市南部、アドラー市・ナバク市間、ダーライヤー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市に対する軍の包囲を受け、住民約1,500人が市外に避難した。

避難した1,500人はそのほとんどが女性、子供だという。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、軍がダルアー市を空爆する一方、アトマーン村上空で軍の戦闘機が反体制武装集団の攻撃を受けて墜落した。

**

スワイダー県では、シリア人権監視団によると、ドゥルーズ派が多く住むザフル・ジャバル地方で、軍、国防隊が反体制武装集団と交戦した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ウンム・ジャリーン村が軍の砲撃を受けた。

またアアザーズ市に近い、マアッリーン村で、民主統一党人民防衛隊がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と交戦した。

一方、SANA(10月13日付)によると、クワイリス村、ナイラブ村北部、ナッカーリーン村、ラスム・アッブード村、カースティールー街道で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(10月13日付)によると、カーミシュリー市の税関局前に仕掛けられた爆弾が爆発した。死傷者は出なかったという。

**

クナイトラ県では、使徒末裔旅団は声明を出し、フッリーヤ村を9日間の包囲の末に制圧したと発表した。

**

ヒムス県では、SANA(10月13日付)によると、ヒムス市バーブ・スィバーア地区、ハミーディーヤ地区、ジャウラト・シヤーフ地区、ハーリディーヤ村、ダール・カビーラ村、タッルカラフ市、ザーラ農場、カフルナーン市、カニーヤ・アースィー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、SANA(10月13日付)によると、ブワイダ村、ジナーン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザイル県では、SANA(10月13日付)によると、ダイル・ザウル市ウルフィー地区、ハミーディーヤ地区、ハウィーカ地区、ジュバイラ地区、旧空港地区、工業地区、シャイフ・ヤースィーン地区、アルディー地区、ハトラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(10月13日付)によると、ナワーラ村、キリス村、カビール村、サルマー町郊外、ダルーシャーン村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、50人以上の外国人戦闘員を殲滅、拠点・装備を破壊した。

諸外国の動き

在アンマンの英国大使館は声明を出し、シリア人避難民対策として英国がヨルダンに新たに1,200万ポンド相当の支援を行うと発表した。

**

ザマーン・ワスル(10月13日付、http://zamanalwsl.net/news/42048.html)は、「日本人ジャーナリストがイスラーム教に入信し、イラク・シャーム・イスラーム国のメンバーとなった」と伝え、写真2枚を公開した。

このうち1枚目の写真には、イラク・シャーム・イスラーム国メンバーと思われる男性とともにこやかな表情でタウヒードを意味する人差し指を立てているジャーナリストが映っている。

また別の写真には、複数の戦闘員と並んで銃を構える迷彩服姿の別の日本人男性が映っている。

なおザマーン・ワスルをはじめとするアラビア語サイトの多くは、ジャーナリストの常岡浩介さんとアレッポ市で反体制武装集団と行動を共にしていたトラック運転者の藤本敏文さんを混同して報じている。

AFP, October 13, 2013、Alarabina.net, October 13, 2013、CNN, October 13, 2013、Elaph, October 13, 2013、al-Hayat, October 13, 2013, October 14, 2013、Kull-na Shuraka’, October 13, 2013, October 14, 2013, October 15, 2013、Naharnet, October 13, 2013、Reuters, October 13, 2013、Rihab News, October 13, 2013、SANA, October 13, 2013、UPI, October 13, 2013、Zaman al-Wasl, October 13, 2013などをもとに作成。

 

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領がレバノンのアラブ・イスラーム・レジスタンス選択支援連合と会談する一方、シリア国民評議会はシリア革命反体制勢力国民連立がジュネーブ2会議に参加した場合に連立を脱会することを示唆(2013年10月12日)

反体制勢力の動き

イスラーム軍の総司令部政治局の幹部の一人はUPI(10月12日付)に、アラブ人、アフリカ人、チェチェン人数十人が同軍に加わったことを明らかにした。

**

イスラーム軍はパレスチナのハマース政治局が「平和的な手段でのインティファーダ」と「宗派主義の拒否」を呼びかけるとして批判した。

クッルナー・シュラカー(10月12日付)によると、イスラーム軍は「ハーリド・ミシュアル政治局長が、シャームの地での神聖なるジハードを宗派戦争と評することで、シリアの血に犠牲にして国際社会での支持を取り付けようとしている」と批判しているという。

また「ミシュアルがテヘランに滞在場所を移したあとで、こうしたハマースの姿勢が示されたことを奇異だとは思っていない。我々はミシュアルの姿勢がハマース内の献身的な人々を代表していないと信じている」と付言した。

**

シャームの民のヌスラ戦線に近い武装集団幹部(匿名)は、UPI(10月12日付)に「イラク・シャーム・イスラーム国、ヌスラ戦線、そしてシャーム自由人運動の指導部は3日前にアレッポ県で開かれた会合で、統一軍、統合司令部の結成、統一旗の採用について検討した」と述べた。

同幹部によると、3組織は、シリア情勢を最優先事項に据えること、いかなるイスラーム教徒に対しても武器を向けることを禁じること、組織どうしの対立を禁じることなどについて合意したという。

**

シリア国民評議会は、11日と12日にトルコのイスタンブールで事務局(定数40人)会合を開き、シリア革命反体制勢力国民連立がジュネーブ2会議に参加した場合、連立を脱会することを示唆した。

シリア・ムスリム同胞団の代表ら26人が参加した会合において、事務局のメンバーらは「シリアの反体制勢力や革命の最低限の要求さえも現在充たされていない」としたうえで、ジュネーブ2会議への参加が、化学兵器廃棄に関する米露合意に資することがあったとしても「何の結論もないままに、交渉が数年にわたって続く可能性がある」と懸念を表明、シリア革命反体制勢力国民連立が大会参加を決定した場合は、連立からの脱会もあり得ることを示唆したという。

**

シリア革命反体制勢力国民連立暫定政府首班のアフマド・トゥウマ氏は『シャルク・アウサト』(10月12日付)に、「政権退陣という条件のもとにシリアの危機を解決するとの国際社会の決定がなされれば…、(暫定)政府は人々にサービスを提供するために適切に運営される。そしてそうなれば、イラク・シャーム・イスラーム国に流れた戦闘員の4分の3以上を取り戻すことができよう。なぜなら、彼らのほとんどが、貧困が理由でこうした過激な組織に参加していると考えているからだ…。これらの組織は現在もなお社会的支持を得ていない」と述べた。

**

シリア革命反体制勢力国民連立は、声明を出し、11日のヒューマン・ライツ・ウォッチの報告書を受けるかたちで、「国際法に抵触するいかなる違反行為を非難し…、この問題に関して提出された(HWRの)報告書に真摯に対処することを強調する」と発表した。

しかし連立は、HWRの報告書が「連立の各部局・委員会が、自由シリア軍参謀委員会の協力のもと、(解放区で)治安を維持し、法の支配を確立するために努力していることを無視している」と批判した。

**

シリア・クルド左派党幹部のシャッラール・カッドゥー氏は、『シャルク・アウサト』(10月12日付)に、シリア革命反体制勢力国民連立に合流したシリア・クルド国民評議会が、ジュネーブ2会議に向けて、トルコ国内で米国やトルコとの調整を続けているとしたうえで、大会では連邦制の樹立を求めることになるだろうと述べた。

シリア政府の動き

アサド大統領は『アフラーム・アラビー』雑誌(10月12日付)のインタビューに応じ、「シリア軍とエジプト軍は10月戦争での勝利から40年を経て今もなお、共通の敵と戦っているが、今回は国内の敵で、アラブ・イスラーム教徒であり、彼らが密かに行っていた反逆行為が今や複数の国、個人によって公然と行われている」と述べた。

al-Ahram, October 11, 2013
al-Ahram, October 11, 2013

**

アサド大統領は、アラブ・イスラーム・レジスタンス選択支援連合(レバノンの組織)使節団とダマスカスで会談した。

SANA(10月12日付)が報じた。

『アフバール』(10月13日付)によると、アサド大統領は、ロシア、化学兵器、パレスチナのハマース、サウジアラビア、エジプト、ヨルダン、トルコ、イラク、国内情勢などさまざまな問題について、使節団と懇談した。

同紙によると、この会談でのアサド大統領の主な発言は以下の通り。

「彼ら(西側諸国やロシア)が(ジュネーブ2会議開催の)期日を11月に決定した。おそらくこの日程は、事実上の戦争状態を回避しようとするロシアの要望のみに沿ったものだ…。シリアは参加することに何の問題も感じていない。その要求は極めて明白で、二つの点に依拠している。(大統領選出に際して)投票箱に委ねること、そしてテロリスト支援を停止することだ…。西側が大会に参加させられるのは、シリア国内を掌握していない者だけだ。国内を掌握している者は、西側の命令には従わない」。


「アラブの首脳がアラブによる解決の仲介案を持って、接触してくることはなかった…。西側諸国の方が一部のアラブ諸国よりも尊厳をもって我々に対処してきた」。

「ムスリム同胞団は、結成から80年間にわたって、クーデタ、利権主義、裏切りによってのみ知られてきた…。ダマスカスは当初、同胞団の一部であるハマースと関わりを持ってこなかった。欧州人が、ハマースがここで何をしているのかと追求してきたとき、我々は「ハマースはレジスタンスだ」と答えてきた…。ハマースはシリアにおいて保護され、その支援を受けてきた…。しかし危機が始まるや、ハマース幹部らは、我々に忠告したなどと言うようになった。これは嘘だ…。また我々が彼らに支援を要請したなどとも言うようになった。しかしこれも不正確だ…。我々は立場を定めるよう彼らに求めたのだ…。最終的にハマースは、レジスタンスを断念し、ムスリム同胞団の一部に成り下がることを決めた…。彼らが我々を裏切ったのはこれが初めてではない」。

国内の暴力

ダマスカス県では、SANA(10月12日付)によると、アブー・ルンマーナ地区のダール・サラーム女学校近くとナジュマ広場に、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾2発が着弾し、8歳の女の子1人が死亡、女性を含む11人が負傷した。

またカーブーン区、バルザ区では、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、軍、国防隊、ヒズブッラーの民兵がズィヤービーヤ町周辺、フサイニーヤ町周辺、スバイナ町、フジャイラ村、ブワイダ市などで反体制武装集団と交戦した。

またザマルカー町でも、軍と反体制武装集団が交戦し、反体制武装集団が南部環状街道の複数の建物を制圧した。

これに関して、バッラー旅団は声明を出し、ザマルカー町内のもっとも重要な検問所の一つを制圧したと発表した。

このほか、シリア人権監視団によると、ハラスター市、ヤブルード市、マディーラー市、ラアス・アイン市、ムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市でも軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、クッルナー・シュラカー(10月12日付)によると、ジャルマーナー市に迫撃砲弾が複数発着弾し、4人が死亡、6人が負傷した。

他方、SANA(10月12日付)によると、タルファーター市、ジャッルード市で、軍が反体制武装集団の掃討を完了、両市を制圧した。

またザマルカー町、カースィミーヤ市、リーハーン氏、フジャイラ村、スバイナ町、ブワイダ市、サイイダ・ザイナブ町とスワイダー市を結ぶ高速道路(ズィヤービーヤ町郊外)で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ヒッティーン旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ナイラブ航空基地を反体制武装集団が迫撃する一方、軍がサフィーラ市一帯を空爆した。

また、シリア人権監視団は、アレッポ県内でイラク・シャーム・イスラーム国やシャームの民のヌスラ戦線に属する外国人サラフィー主義者と自由シリア軍の戦闘が10日から激化し、過去3日間で双方に50人の死者が出たと発表した。

一方、アレッポ市では、シリア自由人旅団が声明を出し、一部戦闘員の素行に対する住民の抗議を受けてブスターン・カスル地区の検問所から撤退すると発表、「これを拒否する戦闘員は我々に所属せず、我々を代表しない」と宣言した。

他方、クッルナー・シュラカー(10月12日付)によると、アレッポ市アアザミーヤ地区での軍と反体制武装集団の戦闘で、アレッポ市の軍作戦司令室メンバーのナビール・ジャディード共和国護衛隊大佐が戦死した。

**

イドリブ県では、SANA(10月12日付)によると、バザーブール村、ウンム・ジャリーン村、マルイヤーン村、ラーミー村、カフルシャラーヤー市、ダルクーシュ町、ザルズール市、ジャミーリーヤ市、カスタン村、カンスフラ村、マアクラム市、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺、ハーミディーヤ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、SANA(10月12日付)によると、ダシーシャ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(10月12日付)によると、レバノン領から潜入しようとした反体制武装集団を軍がタルビーサ市郊外で撃退した。

またキースィーン村、ガジャル村、カニー・アースィー村、ヒムス市バーブ・フード地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

諸外国の動き

PFLP-GCの軍事部門のハーリド・ジブリール(アブー・ウムライン)氏は『ハヤート』(10月13日付)に、反体制武装集団が9ヶ月前からダマスカス県ヤルムーク区の3分の1を占拠しているとしたうえで、同地が「シリア軍が戦闘に参加せず、人民諸委員会が裏切ったため、たちまち陥落した」ことを明らかにした。

AFP, October 12, 2013、al-Ahram al-‘Arabi, October 12, 2013、al-Akhbar, October 13, 2013、al-Hayat, October 13, 2013、Kull-na Shuraka’, October 12, 2013、Naharnet, October 12, 2013、Reuters, October 12, 2013、Rihab News, October 12, 2013、SANA, October 12, 2013、al-Sharq al-Awsat, October 12, 2013、UPI, October 12, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

自由シリア軍参謀委員会がイスラーム国による人権侵害を非難するなか、アル=カーイダのザワーヒリー指導者が声明を出しシリア国内で武装闘争に加わるサラフィー主義者たちに対して「邪神との戦いにおいて統合」するよう呼びかけ(2013年10月11日)

反体制勢力の動き

自由シリア軍参謀委員会のルワイユ・ミクダード政治広報調整官はクッルナー・シュラカー(10月11日付)に「民間人を狙ったあらゆる人権侵害、犯罪を非難する…。我々は人道法を指示しており、殺戮と民間人攻撃を認めるバッシャール・アサドの法を支持しない」と述べた。

ミクダード調整官はまたイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)などによるアラウィー派の村々襲撃と住民の殺害に関しても「(人権)侵害を犯している」と非難した。

**

シリア人権監視団は、9日にアレッポ県ハナースィル市近郊のハマーム村で、反体制武装集団に参加していたフランス人サラフィー主義者が自爆テロを行ったと発表した。

このフランス人サラフィー主義者は「アブー・カアカーア」を自称し、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国が同村一帯への攻撃を開始する前に、ハマーム村を攻撃した戦闘員の一人だったという。

**

シリア革命反体制勢力国民連立の最高ハッジ委員会のムハンマド・シュクリー委員長は、連立がアサド政権支持者のメッカへの巡礼(ハッジ)を妨害しているとの一部報道に関して、『ハヤート』(10月12日付)に事実と異なると否定するとともに、シリア周辺国のサウジアラビアの大使館・領事館も巡礼者へのビザ発給を禁じていないと強調した。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、軍が、国防隊、ヒズブッラーの民兵の支援のもと、フサイニーヤ町、ズィヤービーヤ町を制圧した。

一方、SANA(10月11日付)によると、フジャイラ村、ブワイダ市、ハラスター市、ムライハ市、バハーリーヤ農場、スバイナ町、ダーライヤー市、ハーン・シャイフ・キャンプ、バイト・ジン農場、ヤブルード市郊外、ナバク市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、軍がサフィーラ市を空爆するとともに、同市錦江のアブー・ジャリーン村で反体制武装集団と激しく交戦した。

またアレッポ市では、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、インザーラート地区を制圧、またマサーキン・ハナーヌー地区、バーブ街道地区に検問所の設置を開始した。

一方、SANA(10月11日付)によると、サフィーラ市近郊のウンム・ジャリーン村で、軍が反体制武装集団の掃討を完了し、同地の治安を回復した。

またアレッポ市では、サラーフッディーン地区に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

**

ヒムス県では、SANA(10月11日付)によると、レバノン領からタッルカラフ市郊外(バールーハ村)に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

**

ダマスカス県では、SANA(10月11日付)によると、カーブーン区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、クッルナー・シュラカー(10月11日付)や『ハヤート』(10月13日付)は、ダマスカス県ヤルムーク区広報局からの情報として、反体制武装集団が占拠するダマスカス県ヤルムーク区に対する軍の数ヶ月に及ぶ包囲により、パレスチナ人数万人が被害を受け、ネコなどの肉を食べることを余儀なくされていると報じた。

こうした窮状を受け、同地区のシャイフらは、ネコ、犬、ロバの肉を食べることを認めるファトワーを発する一方、住民らは包囲解除を求めるデモを行っているという。

**

イドリブ県では、SANA(10月11日付)によると、サラーキブ市南部、ダルクーシュ町、カスタン村、ムシャムシャーン市、サルジャ村、シャンナーン市、マアッラシューリーン市、マアッラト・シャムシャ市、アブー・ズフール航空基地周辺、ザルズール市、ザアラーナ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(10月11日付)によると、ムザイリーブ町、ムライハ市、スマード村、ダルアー市、タファス市、ナワー市、ティーラ市、タッル・サマン市、インヒル市、サイダー町、ウンム・ヤマーズィン市、タイバ町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(10月11日付)によると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区、ラシュディーヤ地区、ウルフィー地区、工業地区、マリーイーヤ村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、SANA(10月11日付)によると、ハサカ県ナースィラ地区で、反体制武装集団が仕掛けた爆弾が爆発し、女性1人を含む4人が負傷した。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、モスクワでの記者会見で「カーブルの政府の制圧下にないアフガニスタン領内を、複数の国が違法に使用し、シリアで反体制活動を行う戦闘員に化学兵器の使用などを教練した、との情報が最近流れている」と述べた。

ラブロフ外務大臣はまた「我々の情報によると、シャームの民のヌスラ戦線がイラク領内で有毒物質と専門家を違法に移動させ、イラク領内での攻撃に使用しようとしている」と付言した。

**

国連安保理は、シリアの化学兵器の管理・廃棄を行うため、化学兵器禁止機関と国連が約100人規模の合同派遣団を創設することを正式に了承した。

**

サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣がフランスを訪問し、ローラン・ファビウス外務大臣と会談、シリア情勢、とりわけジュネーブ2会議開催への協力・調整をめぐって協議した。

**

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、今年8月にサラフィー主義武装集団などがシリア国内のアラウィー派の10以上の村々で民間人190人を殺害、200人を拉致していたとする報告書を発表した。

同報告書によると、殺害された民間人190人のうち、女性は57人、子供は18人、67人が処刑されたという。

反体制武装集団は8月に「海岸解放作戦」の名で、ラタキア県山間部への攻撃を激化させたが、同報告書によると、この攻撃は、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線、ムハージリーン・ワ・アンサール軍、アンシャール・シャーム、イッズの鷹の5組織が指導、約20の武装集団が参加したという。

**

アル=カーイダの指導者アイマン・ザワーヒリー氏が音声声明を出し、シリア、エジプト、チュニジア情勢などについて意見を表明した。

約16分間の声明で、ザワーヒリー氏は、シリア国内で武装闘争を行うサラフィー主義者たちに対して「組織への帰属や党派性を克服し…邪神との戦いにおいて統合」するよう呼びかけた。

しかし「あなた方が合意することはあなた方の選択肢だ」と述べ、統合を支持することはなかった。

AFP, October 11, 2013、al-Hayat, October 12, 2013, October 13, 2013、Kull-na Shuraka’, October 11, 2013、Naharnet,
October 11, 2013、Reuters, October 11, 2013、Rihab News, October 11, 2013、SANA,
October 11, 2013、UPI, October 11, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

民主的変革諸勢力国民調整委員会が全ての当事者に対してイード・アル=アドハー中の戦闘停止を呼びかけるなか、化学兵器禁止機関の調査隊の追加要員12人がシリアに到着(2013年10月10日)

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会は、シリア政府およびすべての反体制武装集団に対して、イード・アル=アドハー中の戦闘停止を呼びかけた。

**

リハーブ・ニュース(10月10日付)は、アレッポ県バーブ市および同市郊外の革命文民評議会は、支配地域の学校に対して「休め、アッラー・アクバル、気をつけ、アッラー・アクバル…、我らが永遠の指導者、我らが主ムハンマド…」といった号令を徹底するよう指示を出したと報じた。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、軍がサフィーラ市を空爆し、子供4人、女性1人を含む16人が死亡、またマンビジュ市に対しても空爆を行い、女性2人を含む6人が死亡した。

一方、反体制武装集団はワーハ山の軍拠点を手製の迫撃砲で攻撃、複数の兵士が死傷した。

一方、SANA(10月10日付)によると、ダイル・ハーフィル市、アイティーン市、ジャブール湖、サフィーラ市、カフルハムラ村、アレッポ市カースティールー地区、旧市街(ウマイヤ・モスク周辺)、サラーフッディーン地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シャイフ・ウマル村を制圧した軍、国防隊、ヒズブッラー、イラク人民兵(アビー・ファドル・アッバース旅団)がフサイニーヤ町、ズィヤービーヤ町、ブワイダ市などの周辺で反体制武装集団と交戦を続けた。

一方、クッルナー・シュラカー(10月10日付)によると、ジャルマーナー市に「何者か」が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、市民11人が死亡、20人が負傷した。

他方、SANA(10月10日付)によると、ザマルカー町、ハラスター市、ドゥーマー市、バハーリーヤ農場、アッブ農場、ムライハ市、フサイニーヤ町周辺、ズィヤービーヤ町周辺、スバイナ町、バイト・ジン農場で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ウーファーニヤー村の軍検問所周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(10月10日付)によると、軍がウーカーニヤー村、アイン・バイダ村、おおよび両村周辺で反体制武装集団の掃討、同地を完全制圧した。

**

ダルアー県ではシリア人権監視団によると、ナワー市を軍が空爆し、8人が死亡した。

**

ラタキア県では、SANA(10月10日付)によると、ナージヤ村、ダッラ村、ダルーシャーン村、ラビーア町で、軍がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線と交戦、ヨルダン人、エジプト人戦闘員ら約100人を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、SANA(10月10日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(10月10日付)によると、ダルアー市旧税関地区など、ナスィーブ村、ムサイフラ町、ムザイリーブ町、タファス市、ダーイル町、バディール・ブスターン市、ナイーミーヤ市、インヒル市、ガーリヤ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員、シャリーア委員会の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、リハーブ・ニュース(10月10日付)によると、ラアス・アイン市南部の村で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がアブドゥルハミード・トゥルキー・イブラーヒーム・バーシャー・ミッリー部族長の自宅を襲撃、同部族長を殺害した。

一方、SANA(10月10日付)によると、ハサカ市で、軍が反体制武装集団を要撃し、戦闘員4人を殺害、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、SANA(10月10日付)によると、アブー・フバイラート村、ムカイミン村、マスウード村、マスアダ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(10月10日付)によると、ザーラ村、ハーリディーヤ村、ラスタン市、カルアト・ヒスン市、タルビーサ市郊外、ヒムス市クスール地区、ワアル地区、カラービース地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(10月10日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺、ダルクーシュ町、カスタン村、ザルズール市、ザアラーナ市、マアッルシューリーン市、マアッラト・シャムシーン町、ワーディー・ダイフ軍事基地一帯で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(10月10日付)によると、ダイル・ザウル市アルディー地区、ラシュディーヤ地区、ウルフィー地区、工業地区、マリーイーヤ村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

AFP(10月10日付)によると、レバノンの軍事裁判所検事は、レバノン国内で活動するアフマド・アーミル大佐の逮捕状を発行、治安当局が同大佐の身柄を拘束した。

アーミル大佐は、戦闘員の募集を行い、シリア国内の軍拠点の攻撃を計画しており、トルコからレバノンのトリポリ港に到着直後に逮捕されたという。

諸外国の動き

化学兵器禁止機関の調査隊の追加要員12人がシリアに到着し、調査活動に参加した。

化学兵器禁止機関の報道官によると、これにより調査隊メンバーは27人となった。

AFP(10月10日付)が報じた。

**

クッルナー・シュラカー(10月10日付)は、トルコのアダナ裁判所が、フサイン・ハルムーシュ大佐の拉致とシリア政府への身柄引き渡しに関与されたとされるトルコの諜報機関の士官1人に禁固20年の有罪判決を言い渡したと報じた。

AFP, October 10, 2013、al-Hayat, October 11, 2013、Kull-na Shuraka’, October 10, 2013、Naharnet, October 10, 2013、Reuters, October 10, 2013、Rihab News, October 10, 2013、SANA, October 10, 2013、UPI, October 10, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラーム軍司令官が声明のなかでシリア革命反体制勢力国民連立を痛烈に批判するなか、ラッカ県で発生した人民防衛隊とイスラーム国の戦闘で民主統一党のムスリム共同党首の息子が死亡(2013年10月9日)

反体制勢力の動き

イスラーム軍のムハンマド・ザフラーン・アッルーシュ司令官はインターネットを通じて声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立を痛烈に批判した。

Kull-na Shuraka', October 9, 2013。
Kull-na Shuraka’, October 9, 2013。

声明で、アッルーシュ司令官はシャームの民のヌスラ戦線など13の武装集団がシリア革命反体制勢力国民連立の存在を拒否したことを「クーデタ」だと批判する反体制活動家に関して「クーデタとは権力の座にいる者に対する動きだが、いつ連立は権力の座についたというのか?」と反論した。

また、国内の武装集団が、連立の代表ポストの半分を求めたことを連立側が「嘲笑」して却下したことを明らかにしたうえで、「(連立は)ジュネーブ2をめぐって、全権を有する移行期政府について政権との対話を始めた。これは連立が体制と合意したこと、そして彼らにとっての共通の敵が武装部隊になったことを意味する」と主張した。

そのうえで「連立は革命が武装闘争になり、政治的解決などあり得ないということを忘れてしまった。ないしは忘れたふりをしている」と指弾した。

**

クッルナー・シュラカー(10月9日付)によると、ダマスカス郊外県カラムーン地方で活動するアンサール・ハック旅団がイスラーム軍への合流を発表した。

**

自由シリア軍合同司令部中央広報局のファフド・ミスリー氏は声明を出し、シリア・ムスリム同胞団が「非道徳的で非宗教的な行動・振る舞いで…革命を乗っ取り、殉教者の死やシリアの破壊を助長した」と非難、同胞団に対して2週間以内に軍事部門を解体し、政党としての改編を行うよう通告した。

**

シリア革命調整連合は声明を出し、ジュネーブ2会議への反体制勢力の参加に関して、「シリア人の意思は…シリア革命反体制勢力国民連立、自由シリア軍参謀本部の士官、既存の政党を越えている」としたうえで、「独立した革命的戦線を結成し、シリア国民の意思を代表し、革命の原則を遵守する一当事者」とすることを大会参加の条件として提示した。

声明ではまた、アサド政権の退陣、大統領をはじめとする政権幹部の人道虐殺への処罰を求めている。

**

クッルナー・シュラカー(10月9日付)は、アレッポ県マンビジュ市で、ムジャーヒディーン・シューラー評議会(イスラーム旅団)とイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が停戦に合意したとして、合意書のPDFを公開した。

停戦合意では、両組織の代表者からなる「イスラーム局」が食糧品の配給など社会サービスを担当することなどが定められている。

シリア政府の動き

クッルナー・シュラカー(10月9日付)によると、テロ法廷は、リーマー・シャラービー氏、ヤースミーン・アブドゥルアール氏ら女性14人を釈放した。

国内の暴力

ラッカ県では、サウジアラビア紙『ジスル』(10月9日付)が、タッル・アブヤド市での民主統一党人民防衛隊とイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)との戦闘で、サーリフ・ムスリム共同党首の息子で人民防衛隊隊員のシューファーン・ムスリム氏が戦死した、と報じた。

**

UPI(10月9日付)などが伝えたところによると、シリア領(クナイトラ県)から発射された迫撃砲弾2発がイスラエル占領下のゴラン高原に着弾し、イスラエル軍兵士2人が軽傷を負った。

**

ダルアー県では、リハーブ・ニュース(10月9日付)によると、自由シリア軍が1ヶ月におよぶ軍との戦闘の末、対ヨルダン国境に位置する騎兵大隊の拠点を制圧した。

またシリア人権監視団によると、ダーイル町、インヒル市、ムザイリーブ町などを軍が空爆・砲撃する一方、ナワー市で軍と反体制武装集団が交戦した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、フサイニーヤ町、ズィヤービーヤ町、ブワイダ市で、軍、国防隊、ヒズブッラー民兵、イラク人民兵(アブー・ファドル・アッバース旅団)が、反体制武装集団と激しく交戦、軍側がシャイフ・アムルー村、ズィヤービーヤ町・ブワイダ市間の農園を制圧した。

軍はまたブワイダ市一帯を空爆、ズィヤービーヤ町を包囲しており、この戦闘で反体制武装集団の司令官1人、戦闘員5人が死亡、軍側も10人が死亡したという。

しかし、SANA(10月9日付)によると、フサイニーヤ町、ズィヤービーヤ町で、軍が反体制武装集団の掃討を完了、両市を完全制圧した。

またフジャイラ村、ザマルカー町、ダブラ農場、バハーリーヤ市、サカー市、ヌーラ市、フタイタト・トゥルクマーン市、ドゥーマー市、ダーライヤー市、バイト・ジン農場、カリーナ農場、ワーディー・サリーブ、サキー農場、タイイブ農場、リーマー農場、アドラー市郊外などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市マシュハド地区、サイフ・ダウラ地区、サラーフッディーン地区を軍が激しく砲撃する一方、反体制武装集団はアアザミーヤ地区を襲撃した。

またクッルナー・シュラカー(10月9日付)によると、アレッポ市のハムダーニーヤ遊園地の軍検問所を「自由シリア軍」が襲撃、兵士10人を殺害、2人を捕捉して制圧、またアアザミーヤ地区へと進軍した。

一方、SANA(10月9日付)によると、サフィーラ市を含む8村で軍が反体制武装集団の掃討を完了し、治安を回復した。

治安が回復したとされる8村は、サフィーラ、バラカ、ジュバイスィーヤ、ターター、ブルジュ・ラマーヤ、ジャフラ、ジャバル・ラマーン、アミーリーヤ村。

またダフラト・アブドゥラッブフ地区、アアザーズ市、クワイリス村、アルバイド村、ラスム・アッブード村、ナスルッラー村、フマイマ村、ダイル・ジャマール村、アレッポ市旧市街、サラーフッディーン地区、アアザミーヤ地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、アムジャード・イスラーム旅団の軍消息筋は、クッルナー・シュラカー(10月9日付)に対して、ハマー市とアレッポ市を結ぶ街道(サラミーヤ市、ハナースィル市、サフィーラ市経由)がシリア軍によって制圧されたことを認めた。

このほか、アレッポ・ニュース・ネットワーク(10月9日付)は、複数の消息筋の話として、アブー・アマーラ特殊任務中隊がアレッポ市タラル地区で特殊作戦を敢行し、「ヌーリー・マーリキー政権に属すシーア派シャッビーハ」4人を殺害した、と報じた。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺、ハーミディーヤ市で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(10月9日付)によると、タイバ村、カーディリーヤ市、カフル・ウワイド市、カンスフラ村、アルバイーン山周辺、マアッルシューリーン市、サラーキブ市、マアッラト・ヌウマーン市、ダーイル町、ムスタリーハ村、マジャース村、ウンム・アルザーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、SANA(10月9日付)によると、タッル・タムル町西方のアーリヤ地方で軍が反体制武装集団への特殊作戦を行い、車輌100輌以上、外国人戦闘員ら多数を殺害した。

**

ダマスカス県では、SANA(10月9日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またドゥライラア地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、女性1人が負傷した。

**

ヒムス県では、SANA(10月9日付)によると、ザーラ村、ハーリディーヤ村、ラスタン市、タルビーサ市、ヒムス市・サラミーヤ市街道、ザイダル村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(10月9日付)によると、スーダー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、サウジアラビア人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

諸外国の動き

化学兵器禁止機関のアフメト・ウズムジュ事務局長は、ハーグで記者団に対して「(シリア国内で)一時的であれ発砲停止が行われれば、これらの目的(化学兵器廃棄に向けた活動)が実現できると思う…。多くが現地情勢によって左右される。それゆえ、我々はシリアのすべての当事者に協力を呼びかけたのだ」と述べた。

また先遣調査隊の活動へのシリア政府の対応に関して「シリアの高官は極めて協力的だった」と評価した。

**

アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長とイスラーム諸国会議機構(OIC)のエクメレッディン・イフサン・オグル事務局長は共同声明を出し、シリア国内の紛争当事者に対してイード・アル=アドハー中の戦闘停止を呼びかけた。

AFP, October 9, 2013、al-Hayat, October 9, October 10, 2013、Kull-na Shuraka’, October 9, 2013、Jisr, October 9, 2013、Naharnet, October 9, 2013、Reuters, October 9, 2013、Rihab News, October 9, 2013、SANA, October 9, 2013、UPI, October 9, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヌスラ戦線、イスラーム国、シャーム自由人運動などの幹部らが「イスラーム教徒に対して武器を向けないこと」に合意したと報じられるなか、国連事務総長は国連・化学兵器禁止機関の合同調査団の設置などに関する報告書を安保理に提出(2013年10月8日)

反体制勢力の動き

UPI(10月8日付)は、シャームの民のヌスラ戦線に近い反体制活動家からの情報として、ヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャーム自由人運動の幹部がアレッポ県北部某所で会合を開き、イスラーム教徒に対して武器を向けないこと、イスラーム教徒どうし争わないこと、そしてこれらの決定に違反した者を処罰する合同司法評議会を設置することに合意したと報じた。

**

スワイダー県では、クッルナー・シュラカー(10月8日付)によると、バニー・マアルーフ大隊(ダマスカス郊外県東グータ地方が拠点)の司令官フサーム・ディーブ氏が、ダルアー県シャリーア委員会(シャームの民のヌスラ戦線)によるスルターン・バーシャー・アトラシュ大隊戦闘員3人の拘束を非難、自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長に内部対立を収束させるべく介入するよう求めた。

同報道によると、ダルアー県シャリーア委員会は数日前に3人を拘束、その後、この3人がシャームの民のヌスラ戦線とダルアー県の自由シリア軍の司令官らの暗殺を計画していたと証言するビデオがネット上にアップされていた。

これに関して、ディーブ氏、さらにはスワイダー県ハウラーン地方で活動する平原山地自由人連合司令官のファドル・サーミー・ザインッディーン中尉が、証言が強要されたものだとして、暗殺計画の存在を否定した。

**

アレッポ県西部の「解放区」で活動する革命諸勢力連合の副司令官を名乗るアブー・アリー氏は、クッルナー・シュラカー(10月8日付)に対して、イドリブ県のアティマ村に近い国境地帯にある違法な通行所をトルコ政府との調整のもとに閉鎖したと述べた。

**

ラッカ市のイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)本部前で2ヶ月前から抗議の座り込みを続けているという女性活動家のスアード・ヌーファル氏は、AKI(10月8日付)に対して、「彼ら(ダーイシュ)のあらゆる振る舞いは、彼らが政権とつながっているのではと思わせ、時にはそう確信させるものだった」と証言した。

シリア政府の動き

『ティシュリーン』(10月9日付)は、石油天然資源労働者組合連合のガッサーン・スートリー総裁の話として、シリアの石油生産量が、紛争開始前の約40万バレル/日から2万バレル/日に激減し、シリア政府のもとで稼働しているTAMICOの稼働率も15%程度に低下している、と報じた。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市シャッアール地区、アッザーン山一帯、サフィーラ市周辺などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

またアフリーン市に迫撃砲弾が着弾、爆発した。

これに関して、SANA(10月8日付)は、アフリーン市、タルナダ村で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、市民8人が死亡、約20人が負傷したと報じた。

一方、リハーブ・ニュース(10月8日付)は、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)のSNSからの情報として、アアザーズ市郊外のマアリーン村でダーイシュのアミールの一人、アブー・ウンマトゥッラー・ミスリー氏が「背教者」(民主統一党人民防衛隊)によって殺害された、と報じた。

他方、SANA(10月8日付)によると、バービース村、アターリブ市東部、ジャービリーヤ村、ICARDA周辺などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市、マアッルシャムシャ市、ダイル・シャルキー村、ガッサーニーヤ村、カンスフラ村、サルミーン市に対して軍が空爆・砲撃を行う一方、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺で軍と反体制武装集団が交戦、軍兵士10人、戦闘員5人が死亡した。

一方、SANA(10月8日付)によると、アリーハー市南部、ビンニシュ市、アルバイーン山周辺、カフルルーマー村、ティーバート村、ハーッジ・ハンムード農場、ビダーマー町、カストゥーン村、ザクーム市、サラーキブ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シャッダーディー市を軍が空爆し、少なくとも6人が死亡した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ズール・フッス市、ズール・マフルーカ市を軍が空爆し、タイバト・イマーム市近郊の軍検問所3カ所に対する反体制武装集団の包囲解除を試みた。

一方、SANA(10月8日付)によると、ムーリク市、マアラキーヤ市・ブワイダ市間で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市、ドゥーマー市、ムライハ市に軍が砲撃・空爆を行った。

一方、SANA(10月8日付)によると、ダイル・サルマーン農場、カースィミーヤ農場、アッブ農場、フジャイラ村、ダーライヤー市、カリーナ農場などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、治安当局がカフルスーサ区、マサーキン・バルザ地区で逮捕摘発活動を行った。

一方、SANA(10月8日付)によると、カーブーン区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、インヒル市を軍が砲撃する一方、タファス市東部の第61補充兵センター周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

**

ヒムス県では、SANA(10月8日付)によると、クサイル市郊外で、レバノン領から潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

またヒムス市クスール地区、ジャウラト・シヤーフ地区、カラービース地区、ワアル地区、タッルドゥー市、ナースィラ村、ラスタン市、ダール・カビーラ村、サアン村、カルアト・ヒスン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(10月8日付)によると、ダイル・ザウル市のウルフィー地区、ハミーディーヤ地区、マリーイーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

NNA(10月8日付)によると、7日夜から8日未明にかけてシリア軍の戦闘機がベカーア県バアルベック郡のアルサール地方ワーディー・フマイイド地区に対して、ロケット弾を発射し、救急車を攻撃した。

死傷者はなかった。

諸外国の動き

国連の潘基文事務総長は、シリアの化学兵器廃棄のための国連・化学兵器禁止機関の合同調査団の設置などに関する報告書を安保理に提出した。

同報告書において、潘事務総長は、約100人の専門家・スタッフからなる合同調査団を設置し、11月1日から本格的に化学兵器廃棄を行うことを提言した。

合同調査団は、現在シリアで活動している調査先遣隊の準備・調査活動を受けるかたちで、11月から活動を開始、12月までにシリアの化学兵器製造・保管状況の調査を完了したしたうえで、シリア政府による化学物質の製造・混合施設などの破壊を監視する。そのうえで2014年1月から6月30日までに、化学兵器そのもの破壊を行うという。

潘事務総長はまた、シリアでの化学兵器廃棄のプロセスが「反体制武装集団が完全に制圧している地域内での移動などにおいて困難と脅威に直面している」としたうえで、同プロセスの「成功は基本的にはシリア政府の完全協力することにかかっている」と強調した。

そのうえで「シリア以外の国による技術、情報面でのアドバイス、支援、安全確保も必要になるだろう」とも付言した。

**

化学兵器禁止機関は現在シリアで準備活動をしている調査先遣隊に続いて、追加要員を派遣すると発表した。

AFP(10月8日付)が伝えた。

**

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領はAPEC首脳会議出席のため訪問中のインドネシアのバリ島で「シリアの指導部は積極的かつ透明性をもって(化学兵器廃棄に向けて)行動している」とアサド政権の対応を評価した。

またジュネーブ2会議に関して、イスラーム教徒が国民の多数を占めるインドネシアなどの国も参加すべきだとの新たな見解を示した。

リア・ノーヴォスチ(10月8日付)などが報じた。

**

イラン外務省報道官は「テヘランはシリアの危機を解決するために支援する用意ができているが、ジュネーブ2会議への参加に前提条件を設けることを拒否する」と発表した。

ファルス通信(10月8日付)が伝えた。

**

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣はアンカラでの記者会見で「トルコはアル=カーイダとつながりのある組織が越境するのを許したことはない」と述べた。

AFP(10月8日付)が伝えた。

**

英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は国会下院で、シリアの反体制勢力に2,000万ポンド掃討の「非殺傷兵器」などの支援を行うと述べた。

UPI(10月8日付)が報じた。

AFP, October 8, 2013、AKI, October 8, 2013、al-Hayat, October 9, 2013、Kull-na Shuraka’, October 8, 2013、Naharnet, October 8,
2013、Reuters, October 8, 2013、Rihab News, October 8, 2013、SANA, October
8, 2013、Tishrin, October 9, 2013、UPI, October 8, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア革命反体制勢力国民連立のジャルバー議長がジュネーブ2参加にあたっての政権との対話拒否の姿勢を改めて表明するなか、米国務長官は露外相との会談のなかで「(化学兵器廃棄に向けた合意を)迅速に遵守したアサド政権の手柄」を評価(2013年10月7日)

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長はイスタンブールで記者会見を開き、「我々はジュネーブ2会議をただただ拒否しているだけではなく、その成功を保障するようなデータに従い、政権が時間稼ぎをしないようなかたちで受け入れようとしている。我々はジュネーブ2(の成功)を保障するデータすべてを提示した」と述べた。

ジャルバー議長によると、この「データ」とは、①犯罪を犯してきた体制との対話拒否、②サウジアラビア、カタールなどからの(大会への協力の)保障拡充、③イランの参加拒否、だという。

**

イスラーム軍報道官のイスラーム・アッルーシュ大尉はクッルナー・シュラカー(10月7日付)に、同軍総合指導委員会のアブー・ハーリス・マッズィー氏が「イスラーム軍とそれ以外のイスラーム主義組織の不和を助長する情報の発信・漏洩の容疑」で調査を受けていることを明らかにした。

総合指導委員会は、政治局、広報局、神経戦局、法務局、布教伝導局からなる機関だという。

**

ミーハーイール・サアド氏、ファラフ・マアシューク氏がシリアの反体制活動家約500人が共同声明を出し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)のシリア国内での活動を批判、国外への退去を求めた。

**

クッルナー・シュラカー(10月7日付)によると、シリア民主人民党書記局メンバーで反体制活動家の重鎮ファーイク・ミール氏が当局に逮捕された。

シリア政府の動き

アサド大統領は、第4次中東戦争「戦勝記念日」(10月6日)に合わせて『ティシュリーン』(10月7日付)のインタビューに応じた(http://www.tishreen.news.sy/tishreen/public/read/299669)。

SANA, October 7, 2013
SANA, October 7, 2013

インタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り。

「勝利に向けた…最初の一歩は…、我々がテロという問題に対して…一つになることだ…。我々は勝利を実現できる。最初の勝利、そして最大の勝利は、テロリスト、テロ、そしてテロ的思考を根絶するということだ。次に、我々はシリア破壊のために一部の湾岸諸国が策定し、一部の地域諸国が参与している計画を根絶することだ。より重要なこととして、この勝利を信じることだ」。

「ロシアと中国は、米英仏など西側諸国がアラブ諸国の支援のもとに準備した安保決議に3度拒否権を発動した。これらの拒否権が行使されなかったとしたら、そしてロシアと中国の正しい立場がなかったとしたら…、シリア情勢は今よりも数段深刻なものとなっていたことだけは確かだ」。

「シリアが化学兵器を放棄し、化学兵器禁止条約に署名したことに関して、シリアを戦争から守る動きと見ている者は、狭量で単純だ。なぜなら、米国は、数十年にわたる攻撃と破壊の歴史のなかで…(侵略の)根拠を必要としてこなかったからだ。米国はいつでも根拠を作り出せる」。

「(化学兵器廃棄に関するロシアのイニシアチブに同意したことについて)米国の脅迫とは無関係だ。ロシアのイニシアチブは米国側にとって突然のものだったというのが事実だ…。ジョン・ケリーは…シリアがすぐには回答しないと思っていたため、数時間後にシリアが同意したことに意表を突かれた…。この手の重大な問題に数時間で答えを出せる国などない。この問題(化学兵器廃棄)は(シリア国内)であらかじめ準備されていた。米国から提案されたものなどではない。米国の要求への譲歩などでもない。そうした要求はそもそも存在しなかったからだ。シリア、そして地域に対する戦争を回避しようとするイニシアチブが一方の当事者(ロシア)にあったということだ。またより重要なのは、世界の政治的地図がシリアの国益と地域の安定に資するかたちで描かれているということだ」。

「我々に対する真の大量破壊兵器、そして我々がその阻止を検討せねばならない大量破壊兵兵器とは、国に持ち込まれ、国を破壊する急進主義という兵器だ…。この兵器はいかなる兵器よりも危険だ…。もっとも重要なのはテロに我々がどう立ち向かうかであり、これこそが現段階の最優先事項だ」。

「我々はいつもこう言っている。いつでもジュネーブ2会議を行うにふさわしく、シリアは、この問題が提起された当初からいつも準備ができているし、参加すると同意してきた。ボールは米国、そして米国に追随する地域諸国のコートにある」。

「世界のほとんどの国がシリアで何が起きているかを知っており、問題解決にあたってシリアを支持している…。しかし、サウジアラビアは依然として、テロリストを送り込み、彼らに資金・武器を援助している。またトルコも彼らに兵站支援を行い、シリアへの入国などを促している」。

**

アサド大統領は、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバース大統領の特使アッバース・ザキー氏とダマスカスで会談し、シリア情勢などについて協議した。

SANA(10月7日付)によると、会談でザキー氏は「シリアが曝されている攻撃に立ち向かうため、パレスチナ人民がシリアと連帯」するとの姿勢を示したという。

**

『アフバール』(10月7日付)は、ラタキア市の国防隊を指導するスライマーン・ヒラール・アサド氏(アサド大統領のおい)が治安当局に逮捕されたと報じた。

同紙によると、逮捕はラタキア市および同市民に対するスライマーン氏の横暴が理由で、ダマスカスから派遣された特殊治安部隊がスライマーン氏を拘束したのち、連れ去ったという。

また逮捕は、アサド大統領自身の指示によるものだという。

**

シリア人権監視団が、タルトゥース県マトラース村で5日に軍に投降した若者多数が処刑されたと発表した。

国内の暴力

イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(10月7日付)によると、「自由シリア軍」がワーディー・ダイフ軍事基地とハーミディーヤ市の解放を目的とした「地震作戦」を開始、同地一帯での攻撃を激化させた。

これに関して、シリア人権監視団は、ワーディー・ダイフ航空基地周辺、ハーミディーヤ市で、軍と反体制武装集団が激しく交戦し、軍が「樽爆弾」で空爆を行う一方、ウンマ旅団がシリア軍の戦車3輌を破壊し、兵士10人を殺害したと発表した。

また同監視団によると、シャーム自由人旅団、イバードッラフマーン旅団が展開するダイル・シャウキー市、マアッルシャムサ市、カフルルーマー村などを軍が砲撃した。

一方、SANA(10月7日付)によると、バスィーダー村、カフルルーマー村・マアッラト・ヌウマーン市街道、ティーバート村、ビダーマー町、カストゥーン村、カンスフラ村、ムサイビーン村、ナリラヤー村、アルバイーン山周辺、タッフ村、ヒーシュ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、スユーフ・イスラーム旅団が、インヒル氏でシリア軍のMiG戦闘機を撃墜したと発表した。

一方、SANA(10月7日付)によると、タファス市、ナワー市、ウンム・ヤマーズィン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、フザイファ・ブン・ヤマーン大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハムーリーヤ市を軍が空爆、20人が死亡した。

一方、SANA(10月7日付)によると、ザマルカー氏、ダイル・サルマーン農場、ダブラ農場、バハーリーヤ市、アッブ農場、ダーライヤー市、ナバク市郊外、ヤブルード市、ルハイバ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ウマル・ムフタール旅団、バッラー大隊、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区住民が包囲解除と食糧提供を求めてデモを行い、銃撃を受けた。

一方、SANA(10月7日付)によると、カーブーン区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またカッバース地区、カッサーア地区、バーブ・シャルキー地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民1人が死亡、9人が負傷した。

**

アレッポ県では、SANA(10月7日付)によると、ハマー・アレッポ街道再開を受け、軍が11の村で、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを掃討、同地の治安を回復した。

治安が回復された11村は、タッル・ザギーブ、トゥールカート、ナイラブ、タッル・アーブール村バラカ、マスィーダ村、ハビーサ、ターター、ブルジュ・ラマーン、アミーリーヤ村、フマイラ。

またクワイリス村、タッラト・シャヒード村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

さらにアレッポ市では、スライマーン・ハラビー地区、アルクーブ地区付近、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の進入を撃退した。

**

ヒムス県では、SANA(10月7日付)によると、ラスタン湖で、武器弾薬を積んだ反体制武装集団の船舶を軍が撃沈した。

またヒムス市のワアル地区、バーブ・フード地区、ワルシャ地区、クスール地区、ガジャル村、ダール・カビーラ村、タルビーサ市、サアン村、ガースィビーヤ村郊外、ザーら村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(10月7日付)によると、ドゥワイリカ村、アーラー村、ハーン・ジャウズ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、SANA(10月7日付)によると、タッル・サフル、ジャービリーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

諸外国の動き

化学兵器禁止機関の先遣調査隊は、インターネットを通じて声明を出し、シリア国内での化学兵器廃棄に向けた作業に、シリア当局が「協力的に応じている」と評価した。

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣とジョン・ケリー米国務長官は、APEC首脳会議出席のため訪問中のインドネシアのバリ島で会談し、シリア情勢などについて協議した。

RIAノーヴォスチ通信(10月7日付)によると、会談後、ラブロフ外務大臣は「11月半ばの(ジュネーブ)国際会議開催を呼びかけること」を改めて確認したと述べた。

一方、ケリー国務長官は「シリアで軍事的解決はなく、また両当事者の過激派が得をすることがあってはならないというのが我々の共通の利益だということで改めて意見が一致した…。我々は可能な限り早く、和平プロセスを動かすための努力する」と述べた。

ケリー国務長官はまた「(シリアでの)化学兵器(廃棄)に関して行われていることのペースに関して非常に喜んでいる」と、満足の意を示したうえで、「(化学兵器廃棄に向けた合意を)迅速に遵守したことはアサド政権の手柄(credit)だと思う」と述べた。

**

フランスのジャン=イブ・ル・ドリアン国防大臣は、サウジアラビアのアブドゥッラー国王とジェッダで会談し、シリア革命反体制勢力国民連立を「政治的、人道的、そして軍事的に支援する」と強調した。

会談後の記者会見で、ル・ドリアン国防大臣は「フランスは連立がジュネーブ2の一部になるために活動しており、サウジアラビアもこの点で我々に協力している」と述べた。

AFP, October 7, 2013、al-Akhbar, October 7, 2013、al-Hayat, October 8, 2013、Kull-na Shuraka’, October 7, 2013、Naharnet, October 7, 2013、Reuters, October 7, 2013、Rihab News, October 7, 2013、SANA, October 7, 2013、Tishrin, October 7, 2013、UPI, October 7, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

自由シリア軍参謀委員会のイドリース参謀長が米・前シリア大使と会談し「自由シリア軍への支援や人道支援のあり方」について協議、化学兵器禁止機関の先遣調査隊がシリア国内で化学兵器の破壊を開始(2013年10月6日)

反体制勢力の動き

『ハヤート』(10月6日付、イブラーヒーム・ハミーディー記者)は、西側などの研究データなどをもとに、シリア国内で武装闘争を行う主な反体制武装集団についての解説記事を掲載した。

同記事によると、シリア国内で活動する主な武装集団は以下の通り:

1. シリア・イスラーム戦線:2012年12月21日結成。シャーム自由人大隊(ハッサーン・アッブード氏が指導、兵力役13,000人)、ハック旅団、戦闘前衛大隊(シリア・ムスリム同胞団から離反)など25~30の武装集団が参加。
2. シリア・イスラーム解放戦線:2011年9月12日結成。ファールーク旅団、タウヒード旅団(アブドゥルカーディル・サーリフ氏が指導)、シャームの鷹旅団(アフマド・イーサー・シャイフ氏が指導)、イスラーム旅団(ザーヒル・アッルーシュ氏が指導)、使徒末裔大隊など約30の武装集団が参加。
3. 自由シリア軍:2011年7月29日結成。参謀委員会(最高軍事評議会)はサリーム・イドリース参謀長が指導。
4. ヤルムーク旅団:バッシャール・ズウビー氏が指導。兵力役5,000人。ダルアー県の対ヨルダン国境地帯で活動。
5. イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ):アブー・バクル・バグダーディー氏が指導。シリアでの武装闘争はアブー・ムハンマド・アドナーニー報道官が指導(イドリブ県ダーナー市が拠点)。兵力約8,000人で、うちシリア人が約60%(推計)とされるが、このほかにダーイシュの戦闘に参加している外国人戦闘員が約4,000~5,000人いるとされる。
6. シャームの民のヌスラ戦線:アブー・ムハンマド・ジャウラーニー氏が指導。
7. ムジャーヒディーン・シューラー評議会:アレッポ県、ダイル・ザウル県の農村地帯に浸透。
8. ムハージリーン大隊:チェチェン人、チュニジア人、リビア人など約2,000人の戦闘員からなる。
9. アンサール・ワ・ムハージルーン:アレッポ県で活動。数百人からなる。
10. 人民防衛隊:民主統一党(サーリフ・ムスリム共同党首)の民兵で、兵力は約25,000人。

なおこれらの武装集団、武装連合に加えて、最近では、イスラーム軍など新たな武装連合が次々と発足している。

**

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長が、ロバート・フォード前シリア大使と会談し、自由シリア軍への支援や人道支援のあり方について協議したことを明らかにした。

連立は声明で「出席者は、ジュネーブ2に関する米国のビジョンがシリア国民の大多数のビジョンや連立の基本方針と一致しており、シリアの未来にアサドがいる場所はないという点で一致していることを確認した」と強調した。

**

アレッポ市革命市民運動体連合(16団体から構成)が声明を出し、シャームの民のヌスラ戦線などの反体制武装集団がシリア革命反体制勢力国民連立を拒否するなどの姿勢を占めていることに関して、「シリア国内の市民団体、政治勢力を排除する動き」と批判、連立への支持を表明した。

**

アレッポ県西部の「解放区」の司法を担当するとされる中央裁判所は、イード・アル=アドハーを記念して、2013年10月3日以前の「イスラーム教徒に対する殺人罪」、「個人の権利に関する犯罪」に対する恩赦を行うと発表した。

クッルナー・シュラカー(10月6日付)が伝えた。

**

クッルナー・シュラカー(10月6日付)によると、自由シリア軍「第1旅団」広報局長で、2013年6月19日に頭を撃たれ重態だったムハンマド・シャリーフ・アブー・バッサーム氏(記者)が死去した。

シリア政府の動き

アサド大統領は『シュピーゲル』(10月6日付)のインタビューに応じた(http://www.spiegel.de/spiegel/damaskus-bericht-aus-einer-belagerten-stadt-a-926471.html)。

SANA, October 6, 2013
SANA, October 6, 2013

インタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り:

「政治的な決定がなされるたびに、間違いは生じるものだ。世界のどこでもそうしたことは起こる。我々は人間に過ぎない」。

「複数の個人が犯した個人的間違いが起きた。我々みなが間違いを犯した。大統領も間違えを犯した」。

「彼ら(反体制武装集団)がすべての責任を負っていて、我々が何の責任もないと言い切ることなどできない」。

「現実は白黒はっきりした世界ではない。グレーゾーンがある。しかし、我々が自衛しているという言葉は基本的には正しい」。

またSANA(10月7日付)はインタビューの一部をアラビア語で転載した(http://sana.sy/ara/2/2013/10/08/506134.htm)。

SANAが転載したアサド大統領の主な発言は以下の通り。

「過去10年間の西側による政治決定のすべては、意図的か否かはともかく、アル=カーイダを支援する性質を持っていた…。西側の支援によって、シリアでは今日、80カ国からのアル=カーイダ戦闘員がいる」。

「西側はいつも後になってから徐々に現状を認識している。我々が激しい抗議運動に直面していると言っていた頃、西側は平和的なデモだと言ってきた。我々が武装集団のなかに過激派がいると言っていた頃、そしてアル=カーイダがいると言っていたのに、西側はテロリストがごくわずかだと言っていた。しかし今、西側は武装集団のほぼ50%がそうだ(テロリストだ)と理解している」。

「紛争は外国から我々の国に持ち込まれている。反体制勢力のメンバーは外国で腰を下ろし、5つ星のホテルで暮らしている…。しかし彼らはシリアに何の基盤もない。(シリアで)受け入れられている実質的な反体制勢力とは、武器を持たない政治的存在のことをいう…。つまり、もし誰かが武器を放棄し、日常生活に戻れば、我々は彼を反体制活動家とみなして対話できる…。対話を通じた解決は可能だが、武装集団との対話はない」。

「反体制勢力を名乗る者たちの代表は…自分たちを代表して話しているのか、それともシリアの人々を代表しているのか、あるいは彼らの背後にいる国を代弁しているのか?…自分たちがシリア国民を代表していると言う場合、それは投票箱を通じてしか明示し得ない」。

(アサド政権が正統性を失ったとする米国などの主張に関して)「オバマは米国の大統領であって、シリアに関して判断を下すようないかなる正統性もここ(シリア)では持っていない。彼には、誰を大統領に選ぶかをシリア国民に強いる権限などない。彼が言っていることは現実にまったくそぐわない。2年半前に、彼は私が去るべきだと言った。しかしその後何が起きたか?彼の言葉が何らかの影響を及ぼしたか?何も影響を及ぼしていない」。

「我々は化学兵器を使っていない。それ(米国などの嫌疑)は間違えだ。西欧が描くイメージは正しくない」。

**

イフバーリーヤ・チャンネル(10月5日付)は、兵士10人、民間人13人、民兵9人を殺害したと証言するアレッポ市マイサル地区出身の少年(シャアバーン・ハミーダくん)の映像を放映した。

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、キリスト教徒が多く住むカッサーア地区のフランス病院周辺、バーブ・トゥーマ近く、聖十字架教会などに、迫撃砲が着弾し、市民4人が死亡、10数人が負傷した。

Champress, October 7, 2013
Champress, October 7, 2013

これに関して、SANA(10月7日付)は、反体制武装集団が撃った3発の迫撃砲弾が着弾し、8人が死亡、27人が負傷したと報じた。

またシリア人権監視団によると、バルザ区、ジャウバル区、カダム区で、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を激化させた。

一方、SANA(10月6日付)によると、ジャウバル区、バルザ区、カーブーン区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷・拠点、装備を破壊した。

**

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ジュバーター・ハシャブ氏、ウーファーニヤー村に軍が砲撃を加える一方、反体制武装集団はアフマル丘の軍の拠点を手製の迫撃砲で砲撃した。

一方、SANA(10月6日付)によると、軍がマガッル村での反体制武装集団の追撃を完了し、同村の治安を回復した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、タイバト・イマーム市とスーラーン市の周辺一帯で軍と反体制武装集団が交戦し、軍の戦車3輌が破壊された。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ワアル地区などが軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(10月6日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、ジャウラト・シヤーフ地区、クスール地区、ワアル地区、ダール・カビーラ村、ガースィビーヤ村、ハーリディーヤ村、ウンム・タバービール村、ラッフーム村、アブー・ハワーディード村、サムアリール村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷・拠点、装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アルバイーン山一帯で軍と反体制武装集団が交戦し、戦闘員4人が死亡した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アアザーズ市に近いマアリーン村で、民主統一党人民防衛隊がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の拠点を砲撃、交戦した。

複数の消息筋によると、民主統一党人民防衛隊は、ダーイシュが自由シリア軍北の嵐旅団との戦闘の末に制圧したアアザーズ市一帯を、対トルコ国境のアティマ村に向かって進軍している、という。

またハナースィル市に近いウンム・アームード村で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、クッルナー・シュラカー(10月6日付)によると、アフリーン市で民主統一党人民防衛隊と「イスラーム・ムジャーヒド参謀・部隊」を名乗る武装集団が停戦に合意した。

他方、SANA(10月6日付)によると、ハマー市とアレッポ市を結ぶ街道(サラミーヤ市、ハナースィル市、サフィーラ市、アレッポ国際空港経由)を軍が再開した。

またアレッポ中央刑務所周辺、キンディー大学病院、バービース村、マーイル町、フライターン市、カフィーン村、ハイヤーン町、マアルスティー村、アッザーン村、マアスラーニーヤ市、ナイラブ村北部、シャイフ・ナッジャール市、アンジャーラ村、マンスーラ村、アナダーン市南部、ムスリミーヤ村南部、カフルナーハー村、バルクーム村、ダイル・ハーフィル市、ICARDA周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャーム自由人大隊、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷・拠点、装備を破壊した。

さらにアレッポ市では、旧市街、サラーフッディーン地区、カースティールー地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷・拠点、装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(10月6日付)によると、バハーリーヤ市北部の鉄道駅からカースィミーヤ市にいたる2キロ地点を軍が制圧、治安を回復した。

**

イドリブ県では、SANA(10月6日付)によると、タッル・ハドヤー村、ズィルバ村、ハッルーズ村、アーリヤ村、ジャーヌーディーヤ町、カスタン村、カフル・ウワイド市、カフルシャラーヤー市、マアッルディブスィー市、バニーン市、ブサクラー村、ビーニーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの鷹旅団、ファジュル旅団、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷・拠点、装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(10月6日付)によると、ダルアー市、ナワー市、ヌアイマ村、イズラア市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ムウタスィム大隊の戦闘員らを殺傷・拠点、装備を破壊した。

諸外国の動き

AFP(10月6日付)などによると、化学兵器禁止機関の先遣調査隊がシリア国内で化学兵器の破壊を開始した。

調査隊内の匿名筋によると、調査隊メンバーはシリア国内の「某所で調査と破壊を開始」し、重機を使って未装填の化学兵器用弾頭、手榴弾、薬剤を充填するための設備を破壊した」という。

**

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、フランスのTV5(10月6日付)などに対して「11月半ばのジュネーブ2会議開催は確実ではない」としたうえで、アサド政権、反体制勢力双方に「無条件でジュネーブに向かう」よう呼びかけた。

**

チュニジア内務省高官は、チュニジア人女性がシリア国内でのサラフィー主義者の活動に参加し、「結婚ジハード」(性的慰安)を行っていた問題に関して、「戦闘員に社会奉仕(負傷者の手当、料理、洗濯など)を行うためにシリアに行ったチュニジア人女性はせいぜい15人しかおらず、その一部が結婚ジハードの名のもと、慰安に利用された…。彼女らのうち4人が帰国し、うち1人が妊娠している」と述べた。

また同高官は「妊娠した女性は戦闘員に対して「社会奉仕」を行い、彼らと性的交渉を持ったと証言している」と付言した。

さらにシリアから帰国したチュニジア人女性からの情報として「チェチェン、ドイツ、フランス、エジプト、イラク、モロッコからイスラーム教徒の女性が来ており」、結婚ジハードを行っていたと述べた。

AFP(10月6日付)が伝えた。

**

『シュピーゲル』(10月6日付)は、シリアが外国の攻撃を受けた場合、イランの防空兵器・戦闘機、イラン・イスラーム革命防衛隊(パスダラン)を派遣するとの合意を2012年11月にシリアとイランが結んでいたとドイツ諜報機関が秘密報告書で指摘していた、と報じた。

AFP, October 6, 2013、Der Spiegel, October 6, 2013、al-Hayat, October 6, 2013, October 7, 2013, October 8, 2013、al-Ikhbariya, October
5, 2013、Kull-na Shuraka’, October 6, 2013、Naharnet, October 6, 2013、Reuters,
October 6, 2013、Rihab News, October 6, 2013、SANA, October 6, 2013, October
7, 2013、Der Spiegel, October 6, 2013、UPI, October 6, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア革命反体制勢力国民連立と自由シリア軍参謀委員会がアサド政権との対話拒否などを骨子とする5項目について合意、国連報道官はOPCW先遣調査隊がシリア国内で化学兵器の国際管理・廃棄に向けた活動を開始したと発表(2013年10月5日)

反体制勢力の動き

10月3日から幹部会合を行っていたシリア革命反体制勢力国民連立と自由シリア軍参謀委員会(最高軍事評議会)は声明を出し、両組織がアサド政権退陣を起点としないかたちでの対話拒否などを骨子とする5項目について合意したと発表した。

同声明によると、両組織が合意した5点は以下の通り:

1. シリア革命反体制勢力国民連立と自由シリア軍参謀委員会の連絡・調整活性化を増進する。
2. 相互互恵を基礎とした反体制組織の統合を呼びかける。
3. シリア革命反体制勢力国民連立、自由シリア軍参謀委員会、移行期首班、シリア革命の諸組織を尊重する必要を改めて強調するとともに、移行期政府の早期発足をめざす。
4. 自由シリア軍の枠組みのもとで、革命軍事組織の統合・合併プロセスを加速する。
5. 「シリアのテロ体制」とのいかなる対話も拒否し、アラブ・イスラーム世界が国際社会に先駆けて、アサド大統領の退陣、政権移譲、戦争犯罪人の処罰を保障するまで、対話を受け入れない。

**

自由シリア軍合同司令部中央広報局のファフド・ミスリー氏は声明を出し、シリア人以外のすべての外国人戦闘員に対して、ただちにシリアから立ち去るよう呼びかける一方、外国人戦闘員の潜入に関与してきた国に対して、潜入支援を停止するよう求めた。

またシリア・ムスリム同胞団に対して、「革命の盾委員会」、「民間人保護委員会」などの武装部門を解体し、自由シリア軍に統合するよう求めた。

さらに、ミスリー氏は、シャームの民のヌスラ戦線をアサド政権に属する勢力だと断じたうえで、国民に対して、ヌスラ戦線ではなく、自由シリア軍に参加するよう呼びかけるとともに、ヌスラ戦線やイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が掲げる黒旗やアル=カーイダのスローガンを拒否するとの姿勢を明示した。

**

ダマスカス郊外県で活動する革命指導評議会は声明を出し、シリア国内のすべての反体制武装集団に対して、イスラーム軍に参加するよう呼びかけた。

『ハヤート』(10月6日付)が報じた。

**

クッルナー・シュラカー(10月6日付)によると、イバード・ハッック旅団がシャバーブ・フダー大隊に合流した。

**

反体制活動家のワリード・ブンニー弁護士は声明を出し、「6ヶ月前に周知の理由で」参加を凍結していたシリア革命反体制勢力国民連立から正式に脱会すると発表した。

組織体系の充実とバランス確保を目的としていたはずの連立の拡大が望ましい目標に至らなかった、というのが脱会の理由。

**

民主的変革諸勢力国民調整委員会はダマスカスで中央委員会(最高意思決定機関)を開催し、ジュネーブ2会議に代表団を派遣することを最終決定した。

クッルナー・シュラカー(10月9日付)によると、61人のメンバーが出席した中央委員会の冒頭、ハサン・アブドゥルアズィーム代表は、トルコが紛争の解決を妨害するような行動をとっていると批判する一方、イランと米国の接近を歓迎した。

また渉外局長のハイサム・マンナーア氏も滞在先のパリからスカイプで会合に参加した。

シリア政府の動き

カドリー・ジャミール経済問題担当副首相は、変革解放人民戦線第2回大会で「外国の干渉を阻止することは、政権ではなくシリアを救済することだ」と述べた。

そのうえで、ジャミール副首相は、ジュネーブ2会議に変革解放人民戦線に代表を派遣する意思を示した。

クッルナー・シュラカー(10月5日付)が報じた。

国内の暴力

タルトゥース県では、シリア人権監視団によると、トルクメン人が多く住むマトラース村を軍が砲撃した。

同監視団によると、砲撃に先立って、軍と村の長老が、指名手配者・離反兵を軍に投降させることで合意し、約20人の若者が出頭したが、村の周辺で軍、国防隊と反体制武装集団が交戦し、兵士20人を含む28人が死亡、多数が負傷したという。

しかしこれに関して、SANA(10月6日付)は、軍がマトラース村住民の支援のもと、村に潜入しようとする反体制武装集団のアジトなどを攻撃・破壊、複数の戦闘員を殺傷、またこれを受けて反体制武装集団の戦闘員43人が軍に身柄を投降したと報じた。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ザバダーニー地区で爆発が起きた。

またバルザ区、タダームン区、ヤルムーク区で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(10月6日付)によると、カーブーン区、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、サーリヒーヤ殉教者大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(10月6日付)によると、ドゥーマー市郊外、ハラスター市、ザマルカー町、ダイル・サルマーン市、カースィミーヤ市、ナバク市、リーマー農場で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、シャームの民のヌスラ戦線シャリーア委員会本部など、複数の拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市クスール地区、ラスタン市で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市近郊の第93旅団基地周辺で、軍と反体制武装集団が交戦した。

**

アレッポ県では、SANA(10月6日付)によると、アレッポ中央刑務所、キンディー大学病院、マーイル町、ハンダラート・キャンプ、バービース村、アッザーン村、ズィルバ村、マアーッラト・アルティーク村、カフルハムラ村、ハーン・トゥーマーン村、アレッポ市カースティールー地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またヌッブル市、ザフラー町に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、子供3人が死亡、複数の市民が負傷した。

**

ヒムス県では、SANA(10月6日付)によると、ヒムス市クスール地区、バーブ・フード地区、カラービース地区、グータ地区、ラスタン市、カフルナーン村、ジャッブーリーン村、サアン村、ザアフラーナ村、ハーリディーヤ村、ダール・カビーラ村、ガジャル村、ドゥワイル村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(10月6日付)によると、カフル・ウワイド村、ビンニシュ市、マラティーン村、ザルズール村、ダルクーシュ町、ハマーマ村、ジャーヌーディーヤ町、アーリヤ村、アイン・ラールーズ村、カストゥーン村、マアッルダブサ村、ブワイティー村、マルイヤーン村、ラーマ村、カフルルーマー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、SANA(10月6日付)によると、ハサカ県タッル・ハジャル地区で爆弾が仕掛けられたバイクが爆発し、女性1人が死亡、10人が負傷した。

レバノンの動き

UNHCRはレバノン国内のシリア人避難民の数が77万9,000人に達したと発表した。

このうち67万8,100人が難民登録を終え、10万1,000人が登録申請中だという。

諸外国の動き

国連のマーティン・ニルスキー報道官は、化学兵器禁止機関(OPCW)の先遣調査隊がシリア国内の某所で化学兵器の国際管理・廃棄に向けた活動を開始したと発表した。

ニルスキー報道官は、またシリア政府がOPCWに提出した化学兵器関連の文書が、信頼に足るものだとの見方を示す一方、2014年半ばまでの全廃を目標とする廃棄の日程が「シリア人専門家が参加するかたちで設置される技術作業グループの活動次第」だと述べた。

シリア政府は約300トンの神経ガス、サリンガスを45カ所に分散させて保有していると考えられている。

AFP, October 5, 2013、al-Hayat, October 6, 2013、Kull-na Shuraka’, October 5, 2013, October 9, 2013、Naharnet,
October 5, 2013、Reuters, October 5, 2013、Rihab News, October 5, 2013、SANA,
October 5, 2013、UPI, October 5, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハサカ県で人民防衛隊がイスラーム国やヌスラ戦線と交戦しサラフィー主義戦闘員14人を殲滅、シリアで活動するパレスチナ諸派が「パレスチナ人民によるシリア支持の姿勢」を強化するための会合を呼びかけることで合意(2013年10月4日)

反体制勢力の動き

自由シリア軍参謀委員会(最高軍事評議会)は会合を開き、シリア国内の戦況や活動方針などについて協議・確認した。

シリア革命反体制勢力国民連立によると、この会合には、サリーム・イドリース参謀長以下、参謀委員会メンバー30人が出席、シリア革命反体制勢力国民連立が代表するシリア革命の政治的文民的指導部」と連携することが重要だとの点を確認した。

会合に先立って、自由シリア軍参謀委員会とシリア革命反体制勢力国民連立は合同会合を開いていた。

**

シリア革命反体制勢力国民連立に属する有識者らが共同声明を出し、「アサド大統領と政権幹部の退任なくして、シリア政府といかなる会合、対話もなし」と主唱、連立にジュネーブ2会議への不参加を求めた。

共同声明には、アブドゥッラッザーク・イード氏、カマール・ルブワーニー氏(連立)、ファウワーズ・タッルー氏、ムヒーッディーン・ラーズカーニー氏(作家)、ファラジュ・ビールクダール氏(詩人)、バッサーム・イマード氏(元大使)、アリー・ドゥユーブ(記者)らが署名した。

**

クッルナー・シュラカー(10月5日付)は、ダマスカス郊外県東グータ地方の「解放区」で活動する反体制政党・政治組織が会合を開き、シリア国内で活動する政治組織、革命組織による新たな政治同盟の結成を準備することを決定・発表したと報じた。

同様の会議は今年1月下旬にも開かれており、その際、「東グータ革命諸勢力国民連合」の名で政治同盟が結成されていたという。

東グータ革命諸勢力国民連合は、ニザール・サマーディー氏を総合調整役(代表)とし、ムンズィル・アブドゥルアール氏、マフムード・シャーキル氏が副調整役を、ハーリド・ウマル氏が書記を務める。

シリア政府の動き

アサド大統領はHalk TV(10月4日付)の単独インタビューに応じた(http://sana.sy/ara/2/2013/10/05/505831.htmhttp://www.halkhaber.tv/video-191)。

SANA, October 4, 2013
SANA, October 4, 2013

アサド大統領の主な発言は以下の通り:

「今日、我々は二つのトルコがあると言える。第1に、これが基礎をなしているのであるが、トルコ国民である…。彼らの立場は明確で…シリアに対する戦争を拒否し、エルドアン政府がシリアでの流血に関与することを拒否するというものだ…。もう一つのより小さい側面は、エルドアンとその政府の一部のメンバーからなるもので、シリアでの流血に完全に関与している。数十万のシリア人の流血の責任は、エルドアンによって代表されているこの政府にある。シリアのインフラを破壊した責任…、地域の安定を破壊した責任もである」。

「真実は、化学兵器を使用したのがテロ集団だということだ。彼らは国連調査団が到着した翌日に化学兵器をしようし、シリアという国家に敵対するようなテロリスト寄りの報告書を作成させようとした」。

「化学兵器の問題はジュネーブ2会議とは異なった問題だ。ジュネーブ2会議は、シリア国内の政治プロセスと関係がある一方で、近隣諸国によるテロリスト潜入阻止、物的支援や武器支援の停止と関係がある。つまり実質的に二つの問題(化学兵器廃棄とジュネーブ2会議)には関係はない」。

「エルドアン首相は狂信的た。トルコはテロリストが国境を通過し、シリア軍と民間人を攻撃することを許している」。

「これらのテロリストは近い将来、トルコに影響をもたらすことになろう。トルコは高い代価を払うことになる」。

「シリア国境、そして一部トルコ国境にいるテロリストは近い勝利、トルコに影響を及ぼすことになろう。トルコは高い代価を払うことになろう。テロをカードのようにポケットのなかに忍ばせ、必要な時に使うということなどあってはならない。なぜならテロは、隙あらば刺してくるサソリのようなものだからだ」。

「憲法が規定する国家の義務とは、国民を守り、テロと戦うことだ。当初から我々は、国民を守り、テロと戦うという決定を行っていた…。しかし細かい点に関して…、常に間違えは起きている。これは当然だ。しかし我々はどのように間違えを評価するのか?結果なくして間違えを評価などできない。危機が終わることなくして、我々は結果を客観的に評価することもできない…。特に危機の初めには、内的な要因もあった。しかし今日、実質的にはシリアの危機の大部分は外的な要因によるものだ。外的な要因があるなか、どのように国内の間違えを評価できるというのか?こうした言説は客観的ではない。それゆえ、我々はこの問題に関して、危機が収束した段階で正確な評価を行う」。

(国外避難民に関して)「我々は何度もこれらの人々にシリアに戻るよう呼びかけてきた」。

「イランはシリア問題だけでなく、ほかの問題において、さらには地域の安定のために、地域において重要な国である」。

「シリアのクルド人はシリアのすべての国民と同様に自衛している。彼らは当初から、テロリストに対して、祖国、そして国家を支持するという断固たる姿勢をとってきた」。

国内の暴力

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ジュワーディーヤ市近郊のサファー村で、民主統一党人民防衛隊が、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線と戦い、サラフィー主義戦闘員14人を殲滅した。

Kull-na Shuraka', October 4, 2013
Kull-na Shuraka’, October 4, 2013

この戦闘で、民主統一党の戦闘員4人も死亡した。

一方、SANA(10月4日付)によると、シャッダーディー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(10月4日付)が、タッル・ハラフ市にあるイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)とシャームの民のヌスラ戦線の拠点への民主統一党人民防衛隊の砲撃が続くなか、「カブール、ターリバーン」と書かれた車輌10数台が、ダーイシュとヌスラ戦線の援軍としてタッル・ハラフ市内に入ったと報じた。

**

ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(10月5日付)によると、複数の反体制武装集団がナースィリーヤ村の「第555武器庫」を戦車で急襲、軍兵士を殺害し、戦車複数輌を捕獲した。

戦闘に参加した武装集団は、アブー・ムーサー・アシュアリー旅団、ウマル・ムフタール旅団、リヤード・サーリヒーン大隊。

またシリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市で、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えたほか、ナシャービーヤ町、ビラーリーヤ村を軍が空爆した。

一方、SANA(10月4日付)によると、ザマルカー町、ハラスター市、アルバイン市、ダイル・サルマーン市、カースィミーヤ市、アシュアリー農場、ドゥーマー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、西サムダーニーヤ市周辺で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍側が被害を受けた。

これに対して、軍が同市とジュバーター・ハシャブ村を砲撃、対する反体制武装集団もタルール・アフマル地方にある軍の拠点を迫撃した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タファス市、ダーイル町、ダルアー市などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、マヤーディーン市、アシャーラ市を軍が砲撃・空爆する一方、反体制武装集団はダイル・ザウル市を手製の迫撃砲で攻撃した。

**

アレッポ県ではシリア人権監視団によると、アレッポ市のアレッポ城周辺、カッラーサ地区で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(10月4日付)によると、バービース村、ナッカーリーン村、クワイリス村、ラスム・アッブード村、アルバイド村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、サラーフッディーン地区、アシュラフィーヤ地区、バニー・ザイド地区、カースティールー地区、ライラムーン地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、タフタナーズ市、ビンニシュ市を軍が空爆した。

一方、SANA(10月4日付)によると、サラーキブ市周辺、サルジャ村、ハッルーズ村、アーリヤ村、ジャーヌーディーヤ町、カニーヤ村、カーディリーヤ村、カスタン村、ミシュミシャーン村、タッル・サラムー村、アブー・ズフール航空基地周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、SANA(10月4日付)によると、バルザ区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(10月4日付)によると、ウンム・ダバービール市、サムアリール村、ダール・カビーラ村、カフルラーハー市、キースィーン市、ガースィビーヤ村、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、クスール地区、カラービース地区、ワーディー・サーイフ地区、サンダ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またタッルカラフ市郊外で、レバノン領から潜入を試みる反体制武装集団を国境警備隊が撃退した。

諸外国の動き

PFLP-GCのタラール・ナージー副書記長は声明を出し、シリアで活動するパレスチナ諸派が「シリアが晒されている陰謀に対抗するため、パレスチナ人民によるシリア支持の姿勢」を強化するための会合を呼びかけることで合意したと発表した。

同声明によると、シリアの紛争は「シリア、バッシャール・アサド大統領だけでなく、我々(パレスチナ人)みなをおとしめることを目的とている」という。

ダマスカス県ヤルムーク区の状況について、ナージー副書記長は、パレスチナ諸派が「平和的にキャンプから武装集団を退去させようとしている」と述べ、「武装集団は依然としてキャンプを占領しており…殺し合っている」ことを認めるとともに、これらの武装集団がキャンプからの退去を拒否していることを明らかにした。

**

オーストラリアのスコット・モリソン移民大臣は、UNHCRによるシリア人避難民救済策の一環として、シリア人避難民500人を受け入れると発表した。

UPI(10月4日付)が報じた。

**

AFP(10月4日付)、UPI(10月4日付)によると、フランスのドーバー海峡に面する港町カレで、10月2日から港湾施設の一部を占拠していたシリア人避難民約60人を、フランス当局が事実上追放し、避難民はイギリスへ向かった。

地元高官によると、避難民はフランスでの滞在許可を取得しておらず、難民申請も可能だったが、「彼らのフランス滞在を奨励するのではなく、彼らの状況を改善する」ために国外退去処分にしたという。

**

サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣は訪問先のイタリアで、エンリコ・レッタ首相と会談、シリア情勢などについて協議した。

AFP, October 4, 2013、al-Hayat, October 5, 2013、Kull-na Shuraka’, October 4, 2013, October 5, 2013、Naharnet,
October 4, 2013、Reuters, October 4, 2013、Rihab News, October 4, 2013、SANA,
October 4, 2013、UPI, October 4, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

軍が数週間におよぶ戦闘の末アレッポ市南部の要衝ハナースィル市を完全制圧するなか、シリア国内で活動する複数のサラフィー主義武装集団がイスラーム国にアアザーズ市および同市周辺からの撤退を求める(2013年10月3日)

反体制勢力の動き

シリア国内で活動するイスラーム軍など複数のサラフィー主義武装集団がインターネットを通じて共同声明を出し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)にアレッポ県アアザーズ市および同市周辺からの撤退を求めた。

声明はシャーム自由人運動(アブー・アブドゥッラー・ハマウィー)、イスラーム軍(ムハンマド・ザフラーン・アブドゥッラー・アッルーシュ)、タウヒード旅団(アブドゥルカーディル・サーリフ)、ハック旅団、シャームの鷹旅団(アフマド・イーサー・シャイフ)、フィルカーン旅団が発表、「ダーイシュの同胞に部隊、装備をただちに自らの拠点に撤退させる」ことを求めた。

また北の嵐旅団に治しても、「即時発砲停止」を行うよう呼びかけた。

そのうえで、ダーイシュと北の嵐旅団に対して、「イスラーム主義諸派合同シャリーア法廷」(アレッポ市のシャリーア委員会本部で48時間以内に開催予定)の裁定に服するよう呼びかけた。

**

アラビーヤ(10月3日付)によると、ラスタン軍事評議会は声明を出し、ヒムス県におけるイラク・シャーム・イスラーム国とシャームの民のヌスラ戦線の駐留を認めないとしたうえで、48時間以内にヒムス市北部郊外一帯から退去するよう最後通告を出した。

**

クッルナー・シュラカー(10月3日付)は、ダイル・ザウル県ブーカマール市で活動する武装集団4組織が「スンナとジャマーアの民軍」として統合したと報じた。

同組織に参加したのは、ファトフ旅団、アサルの民旅団、スンナの獅子旅団、ラーヤの民旅団で、司令官はアブー・ムンタスィルを名乗る離反少尉が務めるという。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のナジーブ・ガドバーン駐米代表は、ザマーン・ワスル(10月3日付)に、国連総会に合わせてニューヨークを訪問したアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長ら使節団が、イランやヒズブッラーの戦闘員のシリア駐留を「非難」し、「政治的解決に入る前にシリアから退去することを求める」べきだと、安保理常任理事国などに伝えたことを明らかにした。

また、ガドバーン代表によると、連立使節団はニューヨークでのシリアの友連絡グループ会合で、国連安保理決議第2118号、シリア国内の過激派の排除、人道支援、ジュネーブ2会議について協議、安保理決議については、国連憲章第7章に依拠した制裁を明記できなかった点、化学兵器以外の兵器によるアサド政権の殺戮を追及していない点などへの不満の意を伝えたという。

またジュネーブ2会議については、トルコ、UAE、カタールに参加を正式に要請した。

**

反体制活動家で元文化大臣のリヤード・ナアサーン・アーガー氏は、DPA(10月5日付)に、シャームの民のヌスラ戦線など国内の反体制武装集団がシリア革命反体制勢力国民連立を拒否したことに関して、「連立と自由シリア軍参謀委員会に対して、(ジュネーブ2会議での)交渉で政権に譲歩しないように圧力をかけている」との見方を示した。

またジュネーブ2会議そのものについては「時間だけを食うパレスチナ和平交渉のようになることを恐れている」と懸念を表明した。

**

ダマスカス郊外県で活動する反体制武装集団5組織が、アムジャード・イスラーム連合を結成し、統合した。

アムジャード・イスラーム連合に参加したのは、ウンム・クラー旅団、サハーバ末裔旅団、アビー・ザッル・ガファーリー旅団、グータ殉教者旅団、アルバイン殉教者旅団。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、軍と国防隊が数週間におよぶ反体制武装集団との戦闘の末、アレッポ市南部の要衝ハナースィル市を完全制圧し、アレッポ市・サラミーヤ市(ハマー県)間の兵站路を回復した。

3日の戦闘で、軍は反体制武装集団の戦闘員25人を殺害する一方、国防隊の戦闘員18人と軍の兵士数十人が戦死したという。

一方、SANA(10月3日付)によると、クワイリス村、アルバイド村、カスキース村、ラスム・アッブード村、バーブ・アレッポ街道、カフルハムラ村、アターリブ市北部、アレッポ市サラーフッディーン地区、ジュダイダ地区、旧市街、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団を追撃、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シャーム・イスラーム自由人運動、シャームの民のヌスラ戦線、ハック旅団、ミクダード・ブン・アスワド大隊が、県北部のアラウィー派の町カフルナーン村を制圧した。

同村では、先月19日から、これらの武装集団と軍、国防隊が攻防を続けていた。

一方、SANA(10月3日付)によると、カフルナーン村、ヒムス県クスール地区、ダール・カビーラ村、ガースィビーヤ村、ハーリディーヤ村、ウンム・サフリージュ村、ラッフーム村で、軍が反体制武装集団を追撃、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またレバノン領から、タルビーサ市、ガントゥー市、タッルカラフ市郊外に潜入しようとした武装集団を軍が撃退した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団が対ヨルダン国境に近いバッカール村を制圧する一方、軍はダルアー市のダム街道地区などを砲撃した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カーブーン区に軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(10月3日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団を追撃、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(10月3日付)によると、ザマルカー町、ドゥーマー市郊外、シャイフーニーヤ村、ダイル・サルマーン市郊外、カースィミーヤ市郊外、バイツ・サワー村、ダーライヤー市、バスィーマ村、カーラ市郊外、ヤブルード市、ナースィリーヤ村、ラヒーバ農場などで、軍が反体制武装集団を追撃、シャー布民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(10月3日付)によると、ハーン・ジャウズ村、ラウダ村で、軍が反体制武装集団を追撃、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(10月3日付)によると、タルマラ村で、軍が反体制武装集団を要撃し、ザーウィヤ山軍事評議会のメンバー全員を殲滅した。

またジスル・シュグール市郊外、アブー・ズフール航空基地周辺、ミシュミシャーン村、カニーヤ村、カーディリーヤ村、ハマーマ村、ザルズール村、アイン・アルーズ村、タッル・マニス村、カフルルーマー村、サラーキブ市、タウーム市、ビンニシュ市、アルバイーン山周辺、ウンム・ジャリーン村、タッル・サラムー村で、軍が反体制武装集団を追撃、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(10月3日付)によると、ダルアー市、アトマーン村、インヒル市、ブスラー・シャーム市、ナワー市で、軍が反体制武装集団を追撃、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(10月3日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国が占拠するラッカ市内の公園で、アッバース朝時代のカリフ、ハールーン・ラシードの像の頭が何者かによってもがれ、破壊されているのが発見された。

Kull-na Shuraka', October 3, 2013
Kull-na Shuraka’, October 3, 2013

レバノンの動き

『ジュムフーリーヤ』(10月3日付)は、ヒズブッラー幹部がミシェル・スライマーン大統領と会談し、シリアからのヒズブッラー戦闘員の撤退について協議したと報じた。

同紙によると、ヒズブッラーは撤退プロセスを開始するにふさわしい条件がレバノン国内で整うことを希望すると伝え、現時点での撤退に消極的な姿勢を示したという。

諸外国の動き

化学兵器禁止機関の調査先遣隊は声明を出し、シリア国内での活動を開始、「調査団が活動する地域の安全を確保するため、シリアの当局との協力を始めた」と発表した。

AFP(10月3日付)によると、先遣隊のうち9人が早朝、ダマスカス県内の滞在先のホテルを出発し、調査現場に向かったが、どこに向かったかは不明だという。

**

トルコ国会は、有事にシリアへの軍部隊派遣を政府に認めた法律(2012年10月4日承認)の有効期限を1年間延長することを承認した。

同法律は2013年10月4日に期限切れとなる予定だった。

ロイター通信(10月3日付)が報じた。

**

化学兵器禁止機関執行理事会で、サウジアラビアのアブドゥッラー・シャグルード代表大使は、国際社会に対して、シリア危機のあらゆる側面に対処するための道義的・法的責任を負うよう呼びかけるとともに、化学兵器使用などの犯罪をもたらしたすべての者を処罰すべきだと主張した。

AFP, October 3, 2013、Alarabia.net, October 3, 2013、DPA, October 3, 2013、al-Hayat, October 4, 2013, October 5, 2013、al-Jumhuriya, October 3, 2013、Kull-na Shuraka’, October 3, 2013、Naharnet, October 3,
2013、Reuters, October 3, 2013、Rihab News, October 3, 2013、SANA, October
3, 2013、UPI, October 3, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア当局が国連安保理が採択した議長声明を「同国武装テロ集団の存在」を明確化するものとして評価するなか、シリア・ムスリム同胞団はシリア革命反体制勢力国民連立がジュネーブ2会議へ参加した場合同連立を脱退すると表明(2013年10月2日)

反体制勢力の動き

反体制武装連合「イスラーム軍」のムハンマド・ザフラーン・アブドゥッラー・アッルーシュ司令官は、同連合発足後初の司令として、「改悛センター」に離反将校のサイード・ジュムア大佐を追跡するよう命じた。

Kull-na Shuraka', October 2, 2013
Kull-na Shuraka’, October 2, 2013

アッルーシュ司令官によると、ジュムア大佐は、ムハンマド軍に所属すると偽り、ムハンマド軍とイラク・シャーム・イスラーム軍(ダーイシュ)の対立を煽っていたという。

クッルナー・シュラカー(10月2日付)が報じた。

**

リハーブ・ニュース(10月3日付)によると、シリア・ムスリム同胞団のウマル・ムシャウワフ広報局長は「もし、シリア革命反体制勢力国民連立がこれまでの決定を無視してジュネーブに行くことを決めたら、同胞団は連立を脱会する」としたうえで、ジュネーブ2会議への参加が「革命への裏切り」にあたると非難した。

**

シリア革命司令部最高評議会が声明を出し、9月28、29日に会合を開き、ジュネーブ2会議への参加を拒否するとともに、アサド政権の打倒を改めて主張、「革命の利益とシリア国民の存在」に合致しない移行期政府を拒否するとの意思を示した。

**

クッルナー・シュラカー(10月2日付)は、クルド最高委員会が8月15日付で、「西クルディスタンでの報道・取材活動」を目的とする検閲機関「自由情報連合」を結成していたと批判的に報じた。

**

シリア人権監視団は、2011年3月の紛争発生から2013年9月末までの死者総数が11万5,000人以上に達したと発表、また9月の死者数が約5,000人にのぼったと主張した。

同監視団はまた、犠牲者のうち約6,000人が子供、約4,000人が女性、約3,000人が身元不明だと指摘した。

一方、シリア人権ネットワークは、2011年3月から2013年9月までに紛争に巻き込まれて死亡したジャーナリストが23人にのぼったと発表した。

同ネットワークによると、これらの犠牲者は、政権と反体制勢力双方によって殺害された。

シリア政府の動き

フェイスブックのページ「シリア・アラブ共和国大統領府」(https://www.facebook.com/SyrianPresidency)は、アスマー・アフラス大統領夫人が、紛争での犠牲者の遺族を慰問した際の写真を公開した。

Kull-na Shuraka', October 2, 2013
Kull-na Shuraka’, October 2, 2013

**

『イクティサーディー』(10月2日付)は、内務省の情報として、ダマスカスの刑事保安課が、シリア中央銀行との調整のもと、シリア国内最大手の両替商「アーラミーヤ両替」社を閉鎖処分とした、と報じた。

同社が米ドル、ユーロを違法に売買していたことが理由だという。

またクッルナー・シュラカー(10月2日付)によると、これを受け、シリア中央銀行のマネー・ロンダリング撲滅委員会のズハイル・サフルール委員長が汚職容疑で逮捕された。

Kull-na Shuraka', October 2, 2013
Kull-na Shuraka’, October 2, 2013

**

ワーイル・ハルキー首相は人民議会で、2011年3月の紛争発生以降のシリア国内の被害総額が2兆9,000億シリア・ポンド(165億米ドル)に達すると証言した。

SANA(10月2日付)が報じた。

**

ウムラーン・ズウビー情報大臣は、ジュネーブ2会議に参加する反体制勢力の代表に関して、ロシア・トゥデイ(10月3日付)に「ダマスカスこそがシリア人どうしの対話開始の基本構想を持ち、前提条件なしジュネーブに行く準備を示してきた」としたうえで、「アル=カーイダ、ヌスラ戦線に属する者、そしてそれらを支持する者たちは、対話の当事者ではない」と述べた。

またウムラーン情報大臣は「自らの手を血で染めていない者たちと我々は対話する。外国にシリアへの軍事的・政治的介入を求めることでシリアに敵対した者は、(対話の)当事者ではない」と強調した。

国内の暴力

ラタキア県では、シリア・アラブ・テレビ(10月3日付)が、ラウダ村での「テロリスト」掃討を続けている軍が、自由シリア軍創設者のリヤード・アスアド大佐らを殺害した、と報じた。

ラウダ村での戦闘で、軍は、アスアド大佐のほか、ムスタファー・バイラク氏(イドリブ県の自由シリア軍司令官)、アサド・アリー氏、イブラーヒーム・マジュブール氏、ウサーマ・バッルー氏、アブドゥルカーディル・アーガー氏、アフマド・ハーッジ・アリー氏、アフマド・ラッハール氏(ムハージリーン大隊司令官)、リヤード・バッルー氏(スンナの民大隊司令官)、ガッサーン・バッルー氏(サハーバの民大隊司令官)を殺害したという。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アアザーズ市周辺の生活道路やバーブ・サラーマ国境通行所にいたる街道で、未明からイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が自由シリア軍北の嵐旅団の検問所などを襲撃、進軍した。

北の嵐旅団は、フェイスブック(10月2日付)で、ダーイシュが民間人を逮捕していると非難する一方、戦闘でダーイシュ戦闘員多数を殺害したと発表した。

またシリア軍が、ダーイシュなどサラフィー主義武装集団によって占拠されているマンナグ航空基地一帯を空爆する一方、軍戦闘機がハーン・アサル村、サフィーラ市の防衛工場機構を機関銃で攻撃した。

軍がハナースィル市に進軍し、サフィーラ市への兵站路を確保しようとしているという。

一方、SANA(10月2日付)によると、マンスーラ村、タッルアラン村・サフィーラ市間、カフルナーハー村、アレッポ中央刑務所周辺、キンディー大学病院周辺、フライターン市、タッル・ジャニーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市旧市街、バニー・ザイド地区、ラーシディーン地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アルバイーン山周辺で、軍と反体制武装集団が交戦し、戦闘員4人が死亡した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区、カーブーン区、ヤルムーク区で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団によって制圧された対ヨルダン国境の旧税関施設に対して、軍が空爆を行った。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(10月2日付)によると、リーマー農場、ナバク市、アッブ農場、シャイフーニーヤ村東部、ビラーリーヤ村郊外、バハーリーヤ市郊外、ナシャービーヤ町郊外、ムライハ農場、カフル・ザイト市、ナースィリーヤ村東部、スィーン湖付近で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(10月2日付)によると、ヒムス市ワアル地区、カラービース地区、クスール地区、バーブ・フード地区、サムアリール村、ラスタン市、アブー・ハワーディード村、アルシューナ村、バルダアヤート村、タッル・ジャディード村、マシュラファ村、ハウワーシュ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、SANA(10月2日付)によると、カーブーン区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、SANA(10月2日付)によると、ムーリク市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

NNA(10月2日付)によると、北部県アッカール郡のマシュター・ハンムード村、シャイフ・ムハンマド丘、ハルサ地方に、シリア領内から発射された迫撃砲弾複数発が着弾、無人の民家などが破壊された。

諸外国の動き

国連安保理は、人道的危機に見舞われているシリア国民を支援するために、国際社会にさらなるコミットを求めるとともに、すべての紛争当事者に暴力を停止し、人道支援を受け入れる態勢を整え、国際人道法違反を軽減することを呼びかける議長声明(SG/SM15366)を採択した。

シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表は、国連安保理議長声明(SG/SM15366)採択に関して「この声明はシリア領内で犯罪を犯している武装テロ集団がいることを明確に指摘している」との評価を下した。

**

リハーブ・ニュース(10月2日付)は、エジプトの国境警備隊が、地中海岸の町イドクー市で、イタリアに海路で不法入国を試みようとしていたシリア人、パレスチナ人40人を逮捕したと報じた。

AFP, October 2, 2013、al-Hayat, October 3, 2013、al-Iqtisadi, October 3, 2013、Kull-na Shuraka’, October 2, 2013、Naharnet, October 2,
2013、NNA, October 2, 2013、Reuters, October 2, 2013、Rihab News, October
2, 2013、SANA, October 2, 2013、UPI, October 2, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラーム国報道官が音声声明のなかで自組織が「シリアとイラクで大規模な攻撃に曝されている」としつつ使徒末裔旅団と北の嵐旅団などを非難する一方、自由シリア軍最高軍事評議会報道官はアサド大統領に再び正統性を与えたとして安保理決議第2118号を非難(2013年10月1日)

反体制勢力の動き

イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の報道官を名乗るブー・ムハンマド・アドナーニー氏はインターネットを通じて音声声明(https://www.youtube.com/watch?v=YhoAoA233vY)を出し、シリアとイラクで「大規模な攻撃」に曝されているとしたうえで、イラク国内のモスクに対する爆弾テロをダーイシュが行ったとの批判を否定、「こうした行為はシーア派の仕業で、憎きサファヴィー朝の治安機関との調整のもとになされた」と主張した。

Rihab News, October 1, 2013
Rihab News, October 1, 2013

そのうえで、こうした「大規模攻撃」が、イラクにおけるダーイシュの活動に何の影響も及ぼさないと強調した。

またシリア情勢に関して、ダーイシュは、自分たちが準備したアレッポ県マンナグ航空基地攻略計画を、自由シリア軍が実行したことを明らかにするとともに、ハマー県東部に対して自ら攻撃を行い「ヌサイリー態勢の検問所を殲滅、ハマー市の防衛拠点、武器庫などを襲撃した」ことを認めた。

一方、ラッカ県、ダイル・ザウル県、アレッポ県、ハマー県での使徒末裔旅団や北の嵐旅団との対立について、アドナーニー氏は、ダーイシュが「解放区」に集結しているとの情報を否定するとともに、これらの地域での戦端は使徒末裔旅団と北の嵐旅団の側が開いたと反論した。

そのうえで、ダーイシュはこの間も「ヌサイリー派の本拠地カルダーハに向けて」前進を進めていると強調し、アサド政権との武装闘争に専念していると主張した。

さらに、使徒末裔旅団に関しては、その指導者がフランスを訪れ、ダーイシュに対抗するための資金・軍事支援を求めていると批判、また「イスラーム教徒にアルコールを飲むよう強要している」と指弾した。

このほか、アドナーニー氏は、メディアがダーイシュのイメージを悪化させようとしていると批判、「メディアはダーイシュがイスラーム教徒の頭を切断し、皮を剥いでいるというイメージを人々に与えようとしている。またイラクで行ったことをシャームでも行うと思わせようとしている…。しかしダーイシュは、決定的な法的証拠が無ければ誰一人として背教宣告はしない。ダーイシュは、アミールからそのメンバーにいたるまで、アッラーの法に従い、不正をしかける者のみを懲罰する」と強調した。

**

AFP(10月1日付)によると、自由シリア軍最高軍事評議会(参謀委員会)報道官のカースィム・サアドッディーン大佐とアレッポ地元評議会のヤフヤー・ナアナーア議長が、フランス下院議員主催のシンポジウムに出席するためにパリを訪問した。

サアドッディーン大佐は、国連安保理決議第2118号に関して「この決議は国連にとって恥で、スキャンダルだ。国際社会は化学兵器に没頭し、10万人の紛争犠牲者を忘れてしまった」と述べた。

ナアナーア議長は化学兵器撤廃問題を通じて「バッシャール・アサドは再び尊敬に値する合法的な存在になった…。これらすべての虐殺はなぜこんな状態になってしまったのか?シリア革命が化学兵器問題のため…ではなく、シリアに法治国家を建設するために行われていたのだ」と述べた。

**

自由シリア軍合同司令部中央広報局のファフド・ミスリー氏はAKI(10月1日付)に対して移行期における同組織のビジョンを明らかにした。

それによると、反体制勢力と「殺戮に手を染めていない」アサド政権双方の代表者からなる軍事評議会と文民評議会を設置したうえで、両評議会のメンバーからなる合同議長評議会を発足し、政務の遂行、テクノクラート内閣の樹立、憲法起草、国民和解の準備などが進められる一方、治安・国防最高評議会が設置され、治安機関、国軍、自由シリア軍の再編が行われるという。

ミスリー氏はまた、「殺戮に関与したアサドと政権幹部の退任を伴わない危機の収束はいかなる政治的解決・対話も成功させない」と主張した。

シリア政府の動き

ウムラーン・ズウビー情報大臣はダマスカスで開かれた「愛国的メディアと現下の挑戦」と題されたワークショップで、アサド政権が次期大統領選挙に出馬し、大統領に再選されるべきだと述べた。

ズウビー情報大臣は「シリアは存続する。国家、祖国、人民、そして大統領もだ。これはシリア人による選択だ…。強力で愛国的で、闘争を続ける名誉あるすべてのシリア国民…は、反体制勢力、米国、裏切り者、外国の手先が何を望もうと、そして何を拒もうと、バッシャール・アサド大統領がこの国の大統領であることを求めている」と述べた。

またアサド大統領の選挙への立候補については「大統領が望む決定を下す権利がある」と述べた。

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、軍の戦車・装甲車がバルザ区への突入を試みたが、「自由シリア軍が…撃退し、装甲車2輌を破壊、兵士40人を殺害、軍に制圧されていた建物を解放した」。

軍はまた、カーブーン区、ジャウバル区にも突入を試み、双方に人的被害が出た。

さらにヤルムーク区、カダム区でも軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(10月1日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市で、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(10月1日付)によると、アーリヤ農場、ミスラーバー市、ナシャービーヤ町、バハーリーヤ市郊外、カースィミーヤ市郊外、ナースィリーヤ村、ルハイバ市郊外、ジャイルード市郊外、ザバダーニー市郊外の山間部、サアサア町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム旅団、使徒末裔旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、イドリブ市北部に反体制武装集団が侵入し、軍と交戦した。

またマアッラト・ヌウマーン市、アルバイーン山周辺で、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ハナースィル市周辺、カルバーティーヤ市、ヌッブル市、ザフラー町で、軍、国防隊が反体制武装集団と交戦、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(10月1日付)によると、アウラム・クブラー町、マンスーラ村、アナダーン市、カフルダーイル村、ダーラト・イッザ市、ICARDA東部、ズィルバ村、アレッポ中央刑務所周辺、キンディー大学病院周辺、シャイフ・サイード市、クワイリス村、アルバイド村、カスキース村、ラスム・アッブード村、アレッポ旧市街、ジュダイダ地区、カースティールー地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(10月1日付)によると、ダルアー市、タファス市、ナワー市、ジッリーン村、ラジャート市、フラーク市、インヒル市、タイバ町、タッル・サマン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(10月1日付)によると、ラウダ村、ラビーア町、ドゥーリーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(10月1日付)によると、カルアト・ヒスン市、ワーディー・ナダーラ村、ダール・カビーラ村、タルビーサ市、ラスタン市、ガースィビーヤ村、ヒルブナフサ村、ナースィリーヤ村郊外、ヒムス市カラービース地区、バーブ・フード地区、ワルシャ地区、クスール地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、イスラーム諸国会議機構(OIC)のエクメレッディン・イフサン・オグル事務局長と会談後の記者会見で、「反体制勢力は…過激派を支持する姿勢を表明せず、テロ的なビジョンを持つことがなければ、ジュネーブ2会議での代表(の派遣)を否定しない…。このことはアサド大統領も述べていたことだ」と述べた。

また「最近まで、我々は西側諸国が(ジュネーブ2)大会への反体制勢力の参加を保障し、早急にそれを実現し得ることを期待していた。しかし、彼らはそうすることができていない。11月半ばまでにそうすることができるかは分からない」と西側諸国を批判した。

**

化学兵器禁止機関の調査先遣隊(20人)がレバノンから陸路でシリアのダマスカスに入った。

**

アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官はジュネーブで記者会見を開き、移住を希望するシリア人に対して17カ国が門戸を開くことに同意したと述べた。

シリア人の受け入れに同意した国は、オーストラリア、オーストリア、カナダ、フィンランド、ドイツ、ハンガリー、ルクセンブルグ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、スペイン、スウェーデン、スイス、デンマーク、フランス、米国、メキシコ。

**

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、衛星写真や活動家らの証言をもとに、9月29日に10人以上の犠牲者が出たラッカ市の中学校に対する攻撃で、シリア軍が燃料気化爆弾を使用したと指摘、非難した。

AFP, October 1, 2013、al-Hayat, October 2, 2013、Kull-na Shuraka’, October 1, 2013、Naharnet, October 1,
2013、Reuters, October 1, 2013、Rihab News, October 1, 2013、SANA, October
1, 2013、UPI, October 1, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

自由シリア軍北の嵐旅団が声明のなかでアアザーズ市を占拠するイスラーム国に対する徹底抗戦の構えを示すなか、ムアッリム外相は国連総会での一般討論演説のなかでジュネーブ2会議への「無条件」での参加の必要を強調(2013年9月30日)

反体制勢力の動き

自由シリア軍北の嵐旅団がフェイスブック(9月30日付)に声明を出し、アアザーズ市を占拠するイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)に関して「彼らのアミールはバッシャール・アサドだ」と断じたうえで、アアザーズ市がシリア軍とダーイシュ双方の「墓場」になるだろう」と脅迫、徹底抗戦の構えを示した。

北の嵐旅団は声明で「ダーイシュは、これまでの声明で、彼らのアミールがバッシャール・アサドで、彼がムジャーヒドゥーンに武器を入手し、シリアを嘘とねつ造で埋没させるよう度々求めてきた、と述べてきた。我々の対応は、アアザーズをアサドの戦車と兵士の墓場にするというものであり、また我々は、愛しい町アアザーズを、いわゆるダーイシュの兵士の墓場にすることを約束する」と主張した。

また「シャーム自由人旅団、ヌスラ戦線、タウヒード旅団、使徒末裔旅団などのムジャーヒドゥーンと同様、我々は彼らが裏切ったと考えている」と付言した。

**

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表は、『ラアユ』(9月30日付)に「ジュネーブ2会議開催を阻んでいたすべての障害は、米露合意とシリアの化学兵器禁止条約加盟を受けてなくなった」としたうえで、自らが率いる国民調整委員会、シリア革命反体制勢力国民連立、そしてクルド最高委員会が反体制勢力として代表を派遣するかたちで調整を進めていることを明らかにした。

また「武器を通じて紛争を決着させることは不可能で、反体制勢力はそれによって政権を倒すことはできず、政権は治安・軍事的解決によって事態を決着させることはできない。化学兵器使用は紛争の質を変化させた…。この武器は政権と反体制勢力双方によって使用されたと評価できる」と述べた。

アサド大統領の進退については、「アサドも国民がこの問題を決すると言っている…。国際社会、地域社会、アラブ世界が、対話の雰囲気を準備することが肝要だ。解決はシリア人の手によるものとなろうが、国際社会の支援と保障が必要だ」と強調した。

シリア軍と自由シリア軍の統合の可否について「両軍に共通の利益はあるが、時期尚早だ。双方の信頼が醸成されていないため、現時点では困難だ」としつつ、「ジュネーブ2が開催され…、逮捕者・捕虜が釈放され、移行期政府が発足すれば、両軍にある種の協力をもたらすのにふさわしい雰囲気が醸成されるだろう」と述べた。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のルワイユ・サーフィー報道官はAKI(9月30日付)に「連立はアサド退陣の要求をあきらめていない。なぜなら独裁体制を根絶するには、独裁者を根絶する必要があるからだ…。連立の現下の要求は、人道犯罪で処罰するため国際刑事裁判所にアサドを立たせることだ…。彼と彼の制度をどう廃するかは、あらゆる交渉の一部をなすだろう」と述べた。

**

シリア民主主義者連合は29、30日の2日間にわたってトルコのイスタンブールで結成大会を開き、約250人が出席、書記長、事務局(41人)、執行部(11人)などを選出、またジュネーブ2会議などへの対応について協議した。

リハーブ・ニュース(9月30日付)によると、ジュネーブ2会議への対応については、出席者の多くが支持の姿勢を示したが、カマール・ルブワーニーは「革命の成果を無に帰す罠」と参加拒否の姿勢を示したという。

大会は、ミシェル・キールー氏を初代書記長に、また以下のメンバーを事務局、執行部、風紀委員会メンバーに選出した。

執行部:アブドゥルアズィーズ・タンムー、ウマル・クーシュ、バヒーヤ・マルディーニー、マーズィン・ハッキー、カールティーン・タッリー、ターイズ・サーラ、サーイル・ムーサー、サーイブ・イバーラ、サミール・スアイファーン、ザカリヤー・サッカール、バヒージャ・トゥラード

事務局:ハサン・イスマーイール、ファルハーン・アフマド・シャイフ・バクル、ムハンマド・マフムード、カーワー・ハリール、タウフィーク・ハムドゥーシュ、アリー・ジャルバー、イッザト・バフラ、ワリード・ウマリー、マーズィン・ラビーウ、ファーディー・ムトラク、ワリード・ナッブーニー、ナイルーズ・ムハマド、ムフイーッディーン・イースー、ルーシャン・カースィム、ジュワーン・ムハンマド、アフマド・イスマーイール・アーリフ、ナディーム・ガンヌーム、アフマド・イスマーイール・イスマーイール、ダッハーム・サッターム、アーディル・ダルーシュ、ナジャーティー・タイヤーラ、ハーズィム・ダーキル、ムハンマド・サイード・ナッハース、スィナー・アイヤーシュ、スハイル・ジャービリー、アブドゥッラー・ラシュワーニー、バッサーム・バッラーン、マフムード・カルウー、フザイファ・バッラ、ムアイイド・スカイフ、サバー・ハドゥール、イブラーヒーム・ハウワーシュ、ウサーマ・サンマーン、ムラード・イスマーイール、アブドゥッラフマーン・マタル、アブドゥッラティーフ・ミスリー、アブドゥルジャッバール・フワイディー、スィナーフワイジャ、アブディー・ユースフ・アフマド、イリヤース・ワルダ、アラー・バーシャー

風紀委員会:アイマン・アブー・ハーシム、ファルハーン・アフマド・ザルダシュト・ムスタファー・ハリール、アリー・アッラーウ、サビーハ・ハリール、ムハンマド・シャイヒー、ムハンマド・バッサーム・タブリーヤ

**

シリア民主主義者連合の書記長に選出されたミシェル・キールー氏は、同連合結成大会を取材したアナトリア通信の記者に対して、現時点でジュネーブ2会議に参加する意思はないと述べた。

キールー氏は「後から誰もついてこないような4、5人の(反体制勢力)代表がジュネーブに行き…私の首を斬るのなら、こうした条件のもとでジュネーブには行かない…。いずれにせよ、私はジュネーブには行かないし、誰も私を推挙していない。私自身、ジュネーブに行くことを推挙しない。アラブ世界で反体制勢力を支援する真の雰囲気が情勢されれば…、そして米露間で国際的支持のバランスが生じれば…、我々はジュネーブに行く」と述べた。

また「シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長にジュネーブに行くべきでないと忠告した、と米国などに対してニューヨークで先日、個人的に述べた」と付言した。

一方、シャームの民のヌスラ戦線など13の反体制武装集団が、シリア革命反体制勢力国民連立を拒否したことに関して「アフマド・トゥウマ暫定内閣首班がシャリーア法廷を受け入れないと述べたためだろう」としたうえで「シャリーア法廷はカリフ制国家建設の基礎をなしており、シャリーア法廷を創設するものは、国を非民主的な選択肢へと導くことになろう」と非難した。

**

共産主義行動党は声明を出し、国連安保理決議第2118号に関して「内戦を回避し、国民を守るための小さな一歩」と評価するとともに、国際社会に対して、ジュネーブ2会議に関する誓約を遵守し、全権を委任された移行期政府樹立に尽力するよう呼びかけた。

**

クッルナー・シュラカー(10月1日付)によると、シリア革命反体制勢力国民連立の駐カタール代表部(大使館)のニザール・ヒラーキー代表(大使)は領事部のアスマー・クルディー女史を解雇した。

在カタールの代表部やシリア人学校に縁故者を雇用させたことに、在留シリア人から抗議があったことが理由だという。

シリア政府の動き

シリアのワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は第68回国連総会で一般討論演説を行い、ジュネーブ2会議への「無条件」での参加の必要を強調した。

SANA, September 30, 2013
SANA, September 30, 2013

ムアッリム外務在外居住者大臣は「武器、資金、教練といった面でテロを支援し続けるなかで、政治的解決を云々しても、それは単なる幻想、欺瞞である…。シリアにおいて政治的解決を欲する者、とりわけこれまでに何度も政治的解決を支持すると言ってきた者は、シリアへのあらゆる敵対的行為を停止し、無条件でジュネーブに向かわねばならない。なぜなら国民が国の運命を決めるのであり、シリア国民のみが自らの指導者、代表、将来、国家の形態を選択する権限を唯一もっているからだ」と述べた。

また「シリアは政治的解決に向け遵守してきたが、このことは平穏に暮らす市民を攻撃するテロを放置することを意味しない。ヒムス、アレッポ、そしてマアルーラーで起きたように、モスクや教会が破壊することを傍観することを意味しない」と付言した。

さらに化学兵器の廃棄については、国連安保理決議第2118号で定められた行程を遵守することを強調する一方、「みなが現在直面している脅威とは、テロリストにこうした武器を手渡している者たちが、直ちに廃棄に応じるかということだ…。我が国のテロリストは、周知の地域諸国、西側諸国から化学兵器を供与されている。彼らこそが我々の兵士や市民に毒ガスを用いている」と述べ、化学兵器使用の疑いがある反体制武装集団、そしてその支援国である西側諸国こそが、決議遵守を誓約すべきだとの見解を示した。

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団などによると、カフルスーサ区、マーリキー地区、ティシュリーン公園、カッバース地区に迫撃砲弾複数発が着弾し、マーリキー地区にある中国大使館が被弾、1人が負傷、建物の一部が被害を受けた。

新華社通信(9月30日付)によると、反体制武装集団が撃った迫撃砲の着弾により、シリア人職員1人が負傷し、建物や窓などが被害を受けたという。

中国外交部報道官は「事件に衝撃を受けた。厳しく非難する」と述べた。

この迫撃砲攻撃に関して、クッルナー・シュラカー(9月30日付)は、2発の迫撃砲弾がマーリキー地区の大統領宮殿の屋根などに着弾したほか、カフルスーサ区の軍事情報局正門、首相府近くの建物に着弾したと報じた。

このほか、バルザ区では、軍と国防隊がシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦、軍が同地区を砲撃した。

一方、SANA(9月30日付)によると、カーブーン区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

またクッルナー・シュラカー(9月30日付)によると、ジュダイダト・シャイバーニー市の軍検問所前で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、兵士10人が死亡した。

一方、SANA(9月30日付)によると、アドラー市、シャイフーニーヤ村、ミスラーバー市、バハーリーヤ市、アルバイン市、ハラスター市、ルハイバ市、ザバダーニー市郊外の山間部、ナースィリーヤ村、ダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市は、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャーム自由人旅団、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、タッル・アブヤド市西方のスーサク村周辺で、民主統一党人民防衛隊がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(9月30日付)によると、ダイル・ザウル市ブール・サイード通り、ズィーバーン町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(9月30日付)によると、アレッポ市旧市街、バニー・ザイド地区、ジュダイダ地区、ライラムーン地区、ダイル・ハーフィル市、アンジャーラ村、マンスーラ村、クワイリス村、アルバイド村、カスキース村、ラスム・アッブード村、アレッポ中央刑務所周辺、キンディー大学病院周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月30日付)によると、マルマリーター村、カフルナーン村、ガースィビーヤ村、ハーリディーヤ村、ダール・カビーラ村、カルアト・ヒスン市、アーミリーヤ村、アイン・ダナーニール村、ダイル・フール村、ザアフラーナ村、アイン・フサイン村ヒムス市ワアル地区、クスール地区、カラービース地区、ジャウラト・シヤーフ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、リハーブ・ニュース(10月1日付)によると、ハサカ市でマサーキン・マハッタ地区西方のバアス党支部棟近くで爆発が置き、党民族治安局(現国民安全保障会議)のアブドゥッサラーム・ジュドゥーア代表が暗殺された。

ジュドゥーア代表は28日に同職に任命され、カウカブ山の軍部隊を視察したあと、ハサカ市に立ち寄り、随行者3人とともに暗殺されたという。

諸外国の動き

『ハヤート』(10月1日付)は、国連安保理で、周辺諸国からシリア国内への国連の人道機関による人道支援をアサド政権に認めるよう求める安保理議長声明案の審議が始まったと報じた。

複数の外交筋によると、反体制勢力の「解放区」への人道支援を許す可能性のあるこの声明案にロシアは難色を示しているという。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、フランス・インター(9月30日付)で「バッシャール・アサドは好き勝手なことを言っているが、十万人以上が犠牲となったことへの責任を人道犯罪者としてとらねばならない」としたうえで、「ジュネーブ2会議は、安保理常任理事国などが出席するかたちで、マイノリティを尊重した統合的な移行期政府について合意するために議論がなされねばならない」と述べた。

また「ジュネーブ2で、我々はテロリスト、過激派、アル=カーイダが利益を得ないよう、政権の代表と穏健な反体制勢力の代用の間で解決策が案出されることを望んでいる」と付言した。

**

化学兵器使用に関する国連監視団が、シリア国内での調査を終えて、ダマスカスを撤収、レバノンに向かった。

**

化学兵器禁止機関の調査先遣隊(20人)がレバノンのベイルートに到着した。

**

赤十字国際委員会は声明を出し、2013年9月の1ヶ月間にシリア国内各地で、32万人に食糧を、10万8,000人に家財道具を、41,240人に調理・掃除器具を提供したと発表した。

また同委員会は、アレッポ市東部のジスル・ハッジ地区での廃棄物収集、各県の住民・避難民に供給するための水道の整備を行ったと発表した。

**

サウジアラビアは、第68回国連総会での一般討論演説を急遽とりやめた。

『ハヤート』(10月2日付)は、信頼できる消息筋の話として、シリア情勢をめぐる国連の対応、化学兵器使用に関する国連調査団の報告書の内容への不満が理由だと報じた。

**

国境なき医師団(MSF)は、フェイスブック(9月30日付)などを通じて、8月21日のダマスカス郊外県での化学兵器攻撃に関するMSFの姿勢を説明するメゴ・テルジアン会長の映像を公開した(http://www.youtube.com/watch?v=LqFSCFbqMlA&feature=youtu.be)。

このなかで、テルジアン会長は、MFSの発表が「国連の報告と同様には扱えない」としたうえで、「国連の調査と見解が化学兵器使用の有無を見極める」と述べた。

また映像のナレーションは「MFSの発表は武力干渉を正当化する道具ではありません」と付言した。

AFP, September 30, 2013、AKI, September 30, 2013、al-Hayat, October 1, 2013、Kull-na Shuraka’, September 30, 2013, October 1, 2013、Kurdonline,
September 30, 2013、Naharnet, September 30, 2013、Reuters, September 30,
2013、al-Ra’y, September 30, 2013、Rihab News, September 30, 2013, October 1, 2013、SANA,
September 30, 2013、UPI, September 30, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラーム旅団を含む国内で活動する43の反体制武装集団が「シリア・イスラーム軍」の名で統合を発表する一方、自由シリア軍合同司令部中央広報局は声明のなかで国連安保理決議第2118号が定める懲罰の不十分さを理由にこれを拒否(2013年9月29日)

反体制勢力の動き

『ハヤート』(9月30日付)などによると、国内で活動する43の反体制武装集団が「シリア・イスラーム軍」の名で統合した。

司令官はイスラーム旅団司令官でシリア・イスラーム解放戦線代表のムハンマド・ザフラーン・アッルーシュ氏(1970年、ドゥーマー市生まれ)が務めるという。

参加した武装集団は以下の通り:

1. イスラーム旅団
2. イスラーム軍旅団
3. イスラーム教徒軍旅団
4. サイフ・ハック旅団
5. シャームの鷲旅団
6. 勝利の吉報旅団
7. シャーム征服旅団
8. グータの盾旅団
9. スィッディーク大隊
10. タウヒード・シャーム旅団
11. 首都南部大隊
12. バドル旅団
13. ウマル・ブン・アブドゥルアズィーズ旅団
14. ジュンド・タウヒード旅団
15. サイフ・イスラーム旅団
16. ウマル・ブン・ハッターブ旅団
17. ムアーッズ・ブン・ジャバル旅団
18. ファールーク旅団
19. ズバイル・ブン・アウワーム旅団
20. ズィー・ヌラーン旅団
21. アンサール旅団
22. ハムダ旅団
23. 防空旅団
24. 迫撃ロケット旅団
25. 機甲旅団
26. イシャーラ旅団
27. ザーヒル・バイバルス旅団
28. サイフ・ハック旅団
29. カラムーン・コマンド旅団
30. アブドゥッラフマーン旅団
31. ムラービティーン旅団
32. バーディヤ旅団
33. アンサール・スンナ旅団
34. アフル・バイト旅団
35. アターリブ殉教者旅団
36. 海岸戦線旅団
37. アイン・ジャールート旅団
38. アンサール・タウヒード大隊
39. ムジャーヒディーン大隊
40. アビー・タッジャーナの鷹
41. スンナ大隊
42. アンサール大隊
43. バッラー・ブン・アーズィブ大隊

**

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長はニューヨークの国連本部で潘基文事務総長と会談した。

マーティン・ニルスキー国連報道官は、会談でジャルバー議長が、ジュネーブ2会議に連立が代表団を派遣する用意があるとの意思を示したことを明らかにした。

**

シリア革命反体制勢力国民連立の駐カタール代表部(大使館)で領事を務めていたウマル・イドリビー氏、会計担当のイヤーブ・フィトヤーン氏、広報担当のウマル・ラクルーク氏らが、ニザール・ヒラーキー駐カタール代表に対して辞表を提出し、連立を脱会した。

駐カタール代表部が在外シリア人のニーズに積極的に応えようとしていないこと、そして不明朗な会計などが脱会の理由。

**

自由シリア軍合同司令部中央広報局(ファフド・ミスリー氏)は声明を出し、国連安保理決議第2118号がいかなる懲罰行為もアサド政権に迫っていないと非難、拒否すると発表した。

シリア政府の動き

アサド大統領はイタリアのライ・ニュース24のインタビューに応じ、シリアの化学兵器廃棄を定めた国連安保理決議2118号への対応などについて意見を述べた(http://www.youtube.com/watch?v=dH0SYTiyHaQ&feature=c4-overview )。

SANA, September 29, 2013
SANA, September 29, 2013

インタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り:

「シリアはすべての化学兵器の廃棄を求めている国連安保理決議を遵守するだろう…。我々はもちろん遵守する。我々の歴史は、我々が署名したすべての条約を遵守していることを示している」。

「我々はこの決議がかたちを得るのに先立って化学兵器禁止条約に加盟した…。加盟は決議ではなく、我々自身の意志と関係がある。もちろん、我々には、そうしたいという意志があるのだ。なぜなら、2003年に我々は、中東全域における化学兵器の根絶を求める提案を安保理に対して行っているからだ…。(シリアは)条約のすべての条項を実施するし、いかなる留保も行わない」。

(米国とイランの接近に関して)「これはシリアで起きていることによい影響を与えると考えている…。イランはシリアの同盟国であり、我々はイラン人を信頼している。イラン人はシリア人と同様…アメリカ人を信頼してはいない…。イラン人と米国人の接近は単なるジェスチャーではない。具体的に検討された動きであり、イラン・イスラーム革命以来のイラン人の米国人との関係の経験に基づいている…。もし米国人がこの接近に誠実であるなら、シリア危機だけでなく、それ以外のさまざまな問題にも良い結果をもたらすと思う」。

「率直に言うと、欧州諸国は今日、こうした役割(ジュネーブ2会議開催における役割)を果たすだけの能力を持っていない。なぜなら、成功を実現するための様々な要素を持ち合わせていないからだ…。欧州のほとんどの国は10年前にジョージ・ブッシュが政権を握って以降、他国に対して米国のように対処するようになってしまった…。しかしこうした役割には信頼性が必要だ…。どの欧州の国について信頼性があると言うことができるだろう。人道支援と言っておきながら、独立以来最悪の制裁をシリアに科してきた…。必要な基礎が充たされなければ、こうした役割は果たし得ない」。

国内の暴力

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市内の高校を軍が空爆し、生徒10人を含む16人が死亡した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カラムーン山地一帯郊外のナースィリーヤ村にある軍の拠点・武器庫(第413武器庫)など複数カ所を反体制武装集団が奇襲し、兵士19人を殺害した。戦闘では反体制武装集団戦闘員複数名も死亡したという。

またムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市などに、軍が砲撃を行った。

このほか、ザマルカー町で反体制武装集団が国防隊の民兵14人を要撃、殺害した。

一方、SANA(9月29日付)によると、アッブ農場、マイダアー町、ダーライヤー市、リーマー農場、ナースィリーヤ村、ナバク市、ダイル・アティーヤ市郊外、ハラスター市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ジュッブ・ジャッラーフ町、マスカル・ヒサーン村、ラッフーム村、アナク・ハワー村、ハウラ地方で、軍と反体制武装集団が交戦し、双方に複数の死傷者が出た。

一方、SANA(9月29日付)によると、ヒムス市ワアル地区、ハミーディーヤ地区、ワーディー・サーイフ地区、クスール地区、サビール地区、アクラマ地区、カラム・シャーミー地区、ラスタン湖ダム、タッルドゥー市、サムアリール村、キースィーン村、ラッフーム村、ダール・カビーラ村、ハーリディーヤ村、ガジャル村、タッルカラフ市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、SANA(9月29日付)によると、バルザ区、カーブーン区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ファトフ旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(9月29日付)によると、マルジュ・フージャ村、カサーティル村、サーキヤト・カルト村、マルジュ・ザーウィヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人運動の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(9月29日付)によると、ダイル・ザウル市のラシュディーヤ地区、シャイフ・ヤースィーン地区、旧空港地区、マリーイーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(9月29日付)によると、アブー・ジャッバール村、クワイリス村、アルバイド村、カスキース村、ラスム・アッブード村、アレッポ旧市街、ジュダイダ地区、ライラムーン地区、ナイラブ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(9月29日付)によると、マアラカ村、カンスフラ村、ラールーズ村、カフル・ウワイド村、ハッルーズ村、アーリヤ村、タルヒーヤ村、バーッラ村、バザーブール村、カフルルーマー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(9月29日付)によると、サマン村、シューマラ村、ブスラー・シャーム市、ダルアー市、ムダウワラ市、アラーリー村、フラーク市、インヒル市、ヒルバト・ティール市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

MTV(9月29日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール村のシャアブ検問所で、レバノン軍がシリアに向かおうとしていたトラックから使用できなくなった迫撃砲を押収した。

諸外国の動き

ヨルダンのペトラ通信(9月29日付)は、同国北部ラムサー市のモスクにシリア領内から発射された迫撃砲弾が着弾した事件(26日)に関して、ムハンマド・ムーマニー広報担当国務大臣(内閣報道官)が、アンマンのシリア大使間にヨルダン政府が抗議文を送り、事件の再発を防ぐための措置を要請した、と報じた。

AFP, September 29, 2013、al-Hayat, September 30, 2013、Kull-na Shuraka’, September 29, 2013、Kurdonline, September
29, 2013、MTV, September 29, 2013、Naharnet, September 29, 2013、Reuters,
September 29, 2013、Rihab News, September 29, 2013、SANA, September 29, 2013、UPI,
September 29, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア革命反体制勢力国民連立のジャルバー議長は国連安保理決議第2118号採択をおおむね評価、一方同連立はラッカ市の教会に破壊行為を行ったイスラーム国を「シリア革命を逸脱している」として非難(2013年9月28日)

反体制勢力の動き

反体制組織の統一司法評議会の検事長は、シリア国民評議会のバッサーム・イスハーク氏が、9月26日に出演したアラビーヤ・チャンネルで、シャームの民のヌスラ戦線など13の武装集団がシリア革命反体制勢力国民連立を拒否したことを「アサド政権による工作活動で、国外の武装集団以外によるものだ」と評したことに対して、名誉毀損容疑での起訴に向けて動くと発表した。

検事長はまた、シリア国民評議会に対してイスハーク氏の除名と制裁を要請した。

**

クッルナー・シュラカー(9月28日付)は、トルコの首都アンカラで自由シリア軍の武装組織を統合するためのマラソン会合が開催され、参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長、タウヒード旅団のアブドゥルカーディル・サーリフ氏らが出席したと報じた。

**

ファールーク・ウマル旅団は声明を出し、ダマスカス郊外県ドゥーマー市一帯を活動拠点とするシャバーブ・フダー大隊に合流すると発表した。

**

『ハヤート』(9月29日付)は、活動家らの話として、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、アレッポ県トゥワイヒーナ村の中学生以上の女子生徒にヒジャーブを身につけて登校することを義務づけたと報じた。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長は国連安保理決議第2118号採択に関して「我々の要求の一部が実現したことは光栄だ」としつつ「我々は国連憲章第7章に基づくより明確な決議を望んでいた。決議には言及はなされているが、明確な決議は採択されなかった…。しかしこの決議には同調できる」と述べた。

**

シリア国民反体制勢力国民連立は声明を出し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)によるラッカ市のサイイダ・ビシャーラ教会への破壊行為を「道徳基盤、市民権に反する」としたうえで、「この組織はシリア革命を逸脱しており、シリア国民の希望、崇高なる革命の原則を何ら代表してない」と非難した。

連立はまた別の声明で、ランクース市のハーリド・ブン・ワリード・モスクへの自爆テロをアサド政権の犯行と断じ、非難した。

シリア政府の動き

アサド大統領は、ムハンマド・ナーイフ・カッドゥール・アイニーヤ氏をダイル・ザウル県知事に任命した。

SANA(9月28日付)が報じた。

**

ニューヨークを訪問中のワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は、インドネシアのマルティ・ナタレガワ外務大臣、レバノンのアドナーン・マンスール暫定外務大臣と相次いで会談し、シリア情勢の対応などについて協議した。

SANA(9月28日付)が報じた。

ムアッリム外務在外居住者大臣は、ジュネーブ2会議に関してスカイ・ニュース・アラビック(9月28付)に対して「アサド大統領の将来を議論する余地はない。これはシリア憲法が決定する問題だ」と述べた。

またムアッリム外務在外居住者大臣は、スカイ・ニュース・アラビックに対しシリア革命反体制勢力国民連立に関して「米国にシリア攻撃を要請したことで、シリア国民の眼前で瓦解した」と非難した。

さらにジュネーブ2会議において誰が反体制勢力を代表すべきかとの問いに対して「シリアで許可されたすべての野党」と答えるとともに「まだ参加するよう連絡を受けていない国内の愛国的野党組織がある…。シリア国民のほとんどの成員が代表されることを望むなら、参加の輪を拡げねばならない」と述べた。

そのうえで「ドーハで作られた(シリア革命反体制勢力国民)連立が、ジュネーブ大会の傘下に身を置き、反体制勢力の唯一の代表とみなされ、参加に先立って条件を提示するということは、お笑いであり、誰かに権力を手渡すためにジュネーブに行くことはないと言っておこう」と付言した。

国内の暴力

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人運動、イスラーム・カーディスィーヤ旅団、イスラーム聖地大隊、アンサール・フダー大隊、イスラーム・ムサンナー運動が、4日間にわたる軍との交戦の末、ナスィーブ国境通行所に近いダルアー市旧税関地区を制圧した。

自由シリア軍南部地区司令官で、ヤルムーク大隊を率いるバッシャール・ズウビー氏は『ハヤート』(9月29日付)に対して、旧税関地区制圧には、自由シリア軍に属する武装集団と、ヌスラ戦線をはじめとするイスラーム主義武装集団が参加したことを明らかにしたうえで、「対レバノン国境の戦闘はまだ終わっていない。我々は両国間のすべての国境通行所を解放し…、両国国境地帯全土を掌握する」との意思を示した。

『ハヤート』(9月29日付)によると、ダマスカスとアンマンを結ぶ主要幹線道路上のナスィーブ国境通行所は依然シリア軍の支配下にあるという。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、サイドナーヤー町、タルフィーター村で、軍、人民諸委員会が、反体制武装集団と交戦した。

またラアス・マアッラ町、マイダヤー市を空爆する一方、反体制武装集団はカラムーン山地一帯の第413燃料庫を制圧した。

一方、SANA(9月28日付)によると、ザマルカー町と、ダマスカス県ジャウバル区、カーブーン区を結ぶ戦線に向かって軍が進軍、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またハラスター市、バハーリーヤ市周辺、ドゥーマー市、マイダアー町、ダーライヤー市、サイドナーヤー町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、アドラー市、ブルダーン市に、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民3人が死亡した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がアドナーニーヤ村、アレッポ市ハーリディーヤ地区の軍施設・拠点を砲撃した。

一方、SANA(9月28日付)によると、ICARDA周辺、アレッポ州王刑務所、カブターン・ジャバル村、アイティーン村、カフルカール村、バーブ市、ラスム・アッブード村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市サラーフッディーン地区、アンサーリー地区、ブスターン・カスル地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アティマ村のイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)拠点を民主統一党人民防衛隊が攻撃した。

一方、SANA(9月28日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺、アルバイーン山周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、SANA(9月28日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・地下トンネル・装備を破壊した。

またカッバース地区では、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、子供1人が負傷した。

**

ヒムス県では、SANA(9月28日付)によると、ムハージリーン村、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、カラービース地区、クスール地区、ダール・カビーラ村、カフルナーン村、キースィーン村、サムアリール村、ブルジュ・カーイー村、ガジャル村、ザーラ村、タルビーサ市、カルアト・ヒスン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、SANA(9月28日付)によると、カーミシュリー市で、治安当局が住民の協力のもと、カッドゥール・ベク地区でシャームの民のヌスラ戦線メンバー15人を逮捕した。

レバノンの動き

NNA(9月29日付)によると、北部県アッカール郡のヌーラ村、クバイヤート村にシリア領から発射された迫撃砲弾3発が着弾し、兵士3人が負傷した。

諸外国の動き

『ハヤート』(9月29日付)は、イラク治安筋の話として、アンバール県のアーナ市、ワラーワ市が24日シリアから潜入したサラフィー主義(アル=カーイダ)武装集団の襲撃を受けたとしたうえで、対シリア国境地域の制圧をめざすこれらの組織の活動が活発化していると報じた。

**

ヒューマン・ライツ・ウォッチの国連ディレクターのフィリップ・ボロピオン氏は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関する国連安保理決議2118号に関して、「この決議は数百人の子供をガスで殺害したことをはじめとする深刻な犯罪に対する正義を保障することに失敗した」と批判した。

なおヒューマン・ライツ・ウォッチは、8月21日のダマスカス郊外県の化学兵器攻撃を口実に米国が準備したシリアへの軍事攻撃に対して態度を留保していた。

AFP, September 28, 2013、al-Hayat, September 29, 2013、Kull-na Shuraka’, September 28, 2013、Kurdonline, September
28, 2013、Naharnet, September 28, 2013, September 29, 2013、Reuters, September
28, 2013、Rihab News, September 28, 2013、SANA, September 28, 2013、Sky News
Arabic, September 28, 2013、UPI, September 28, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

化学兵器使用に関する国連調査団は国内7カ所での調査を行った末に10月末までに調査報告書を提出すると発表、国連安保理では「化学兵器の国際管理・廃棄に関する米露合意」に法的拘束力を与える安保理決議第2118号を全会一致で採択(2013年9月27日)

反体制勢力の動き

自由シリア軍の北の嵐旅団は「ナフラワーンの戦い作戦室」の名で声明を出し、アアザーズ市を含むアレッポ県全土でイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)に「戦線布告」すると発表した。

Kull-na Shuraka', September 27, 2013
Kull-na Shuraka’, September 27, 2013

これに先だって、ダーイシュは声明を出し、北の嵐旅団に28日晩までに「武器引き渡しと改悛」を求めていた。

**

『ザマーン・ワスル』(9月27日付)は、自由シリア軍司令官の情報として、シャームの民のヌスラ戦線の指導者アブー・ムハンマド・ジャウラーニー氏が、ダイル・ザウル県でヌスラ戦線戦闘員がイラク・シャーム・イスラーム戦線(ダーイシュ)に協力していることを叱責した、と報じた。

同報道によると、ジャウラーニー氏は、9月初めにダイル・ザウル県スハイル市を視察訪問し、「戦闘面、素行面、宗教面での綱紀粛正」を戦闘員に求めたという。

**

シャームの民のヌスラ戦線のアミール、アブー・ウンス氏が、自由シリア軍とのインタビューに応じ、その映像がユーチューブなどを通じて配信された。

アブー・ウンス氏はインタビューのなかで、自由シリア軍に所属するイスラーム主義部隊の協力・連携のもと、ダルアー県のナスィーブ国境通行所に近いダルアー市旧税関地区制圧を行ったことを明らかにした。

https://www.youtube.com/watch?v=4d-xVjn-8OI

**

クッルナー・シュラカー(9月27日付)は、反体制活動家らの情報として、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)のジャラーブルス州(アレッポ県ジャラーブルス地方)の組織が、アッラーと預言者ムハンマドを中傷した者を死刑に処するとする警告文を回付している、と報じた。

シリア政府の動き

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は第68回国連総会出席のために訪問中のニューヨークで、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣、中国の王毅外交部長、アルジェリアのラムターン・アマーミラ外務大臣と相次いで会談し、シリア情勢について協議した。

SANA(9月27日付)によると、会談では、化学兵器廃棄に関する米露合意の履行、ジュネーブ2会議の開催などについて意見が交換されたという。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、アフリーン市郊外のジンディールス地方ジャルマ村、サルーラ村を襲撃、民主統一党人民防衛隊と交戦した。

またダーイシュは、アティマ市郊外のムハンマディーヤ村を砲撃した。

このほか、ハーディル村各所への軍の砲撃により11人が死亡した。

一方、SANA(9月27日付)によると、シャイフ・サイード市、クワイリス村、ラスム・アッブード村、アルバイド村、カスキース村、ムスリミーヤ街道、アレッポ市・イドリブ市街道、バーブ街道地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ県では、サラーフッディーン地区、スワイカ地区、ザフラーウィー地区、バニー・ザイド地区、アンサーリー地区、カッラーサ地区、サーフール地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団、SANA(9月27日付)によると、ランクース市のハーリド・ブン・ワリード・モスク近くで爆弾が仕掛けられた車が爆発し、少なくとも30人が死亡、数十人が負傷した(その後(9月30日)、シリア人権監視団は、死者数が48人となったと発表した)。

またダーライヤー市、カラムーン山地一帯などが軍の砲撃を受ける一方、ジュダイダト・アルトゥーズ町一帯で、大規模な逮捕摘発活動を行った。

一方、SANA(9月27日付)によると、ハラスター市、ドゥーマー市郊外、バハーリーヤ市郊外、シャブアー町郊外、サイイダ・ザイナブ町郊外、ダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市、ナバク市郊外、ルハイバ市、ナースィリーヤ村、フーシュ・アラブ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム旅団戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、SANA(9月27日付)によると、カーブーン区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月27日付)によると、カルアト・ヒスン市、カフルナーン村、ダール・カビーラ村、タッルダハブ市、ガジャル・ガソリン・スタンド、タドムル市郊外、ブルジュ・カーイー村、カフルラーター村、キースィーン村、サムアリール村、タッルドゥー市、シャーイル山(ハマー県)西部、ヒムス市カラービース地区、ワルシャ地区、バーブ・フード地区、ジャウラト・シヤーフ地区、クスール地区、ハミーディーヤ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(9月27日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺、カフルラーター市、アルバイーン山一帯、ナイラブ村、カフルルーマー村、マアッラト・ヌウマーン市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(9月27日付)によると、軍がナスィーブ・ジャービル国境通行所に近いダルアー市旧税関地区で反体制武装集団と交戦し、外国人戦闘員を殺傷した。

またアトマーン村、ナーフタ町、ヌアイマ村、ナワー市、東ムライハ町、タスィール町、ザアルーラ市、ガディール・ブスターン市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

ミシェル・スライマーン大統領はBBC Arabic(9月27日付)のインタビューに応じ、「(レバノンの)すべての当事者がシリアから戦闘員を撤退させるプロセスを行っている」と述べた。

一方、スライマーン大統領は『ハヤート』(9月28日付)に対して、「シリアの化学兵器はレバノンに密輸されておらず、レバノンにあるという証拠もない」と述べた。

諸外国の動き

化学兵器使用に関する国連調査団はダマスカスで声明を出し、化学兵器使用が疑われる7カ所での調査を9月30日までの予定で行い、10月末までに調査報告書を提出すると発表した。

調査が行われるのは以下7カ所:

1. アレッポ県ハーン・アサル村(3月19日使用疑い)
2. アレッポ県アレッポ市シャイフ・マクスード地区(4月13日使用疑い)
3. イドリブ県サラーキブ市(4月29日使用疑い)
4. ダマスカス郊外県東グータ地方(8月21日使用疑い)
5. ダマスカス郊外県フバーリーヤ市(8月22日使用疑い)
6. ダマスカス県ジャウバル区(8月24日使用疑い)
7. ダマスカス郊外県アシュラフィーヤ・サフナーヤー市(8月25日使用疑い)

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は第68回国連総会で一般討論演説を行い、シリアでの化学兵器使用問題に関して、西側に対して証拠がないままに、アサド政権に「嫌疑や非難」を向けるべきでないと非難、「バイアスのないかたちで」調査を行うよう呼びかけるとともに、安保理に対しては「事実のみに依拠して」同問題に検討を加えるよう求めた。

**

イランのハサン・ロウハーニー大統領は第68回国連総会出席のために訪問中のニューヨークで、「ジュネーブ大会であれ、別の国際会議であれ…、イランが参加すれば、シリア国民のためになるよう、実質的に参加の呼びかけに応えるだろう」と述べた。

**

国連安保理は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関する米露合意(14日)に法的拘束力を与える安保理決議第2118号を全会一致で採択した。

同決議は、化学兵器使用を「国際社会の平和と安全への脅威」と位置づけ、8月21日のダマスカス郊外県で化学兵器攻撃を「もっとも強い言葉で非難」した。

アサド政権による合意不履行に関して、「国連憲章第7章のもと措置を講じる」と明記されているが、実際の制裁や武力行使については新たな決議の採択が必要となる。

このほか同決議は、すべての紛争当事者が参加し、移行期政府樹立などを骨子とする紛争の平和的・政治的解決をめざした2012年6月のジュネーブ合意を全面支持した。

国連安保理決議第2118号の全文は以下の通り(http://www.un.org/News/Press/docs/2013/sc11135.doc.htm):

“The Security Council,

“Recalling the Statements of its President of 3 August 2011, 21 March 2012, 5 April 2012, and its resolutions 1540 (2004), 2042 (2012) and 2043 (2012),

“Reaffirming its strong commitment to the sovereignty, independence and territorial integrity of the Syrian Arab Republic,

“Reaffirming that the proliferation of chemical weapons, as well as their means of delivery, constitutes a threat to international peace and security,

“Recalling that the Syrian Arab Republic on 22 November 1968 acceded to the Protocol for the Prohibition of the Use in War of Asphyxiating, Poisonous or Other Gases and of Bacteriological Methods of Warfare, signed at Geneva on 17 June 1925,

“Noting that on 14 September 2013, the Syrian Arab Republic deposited with the Secretary-General its instrument of accession to the Convention on the Prohibition of the Development, Production, Stockpiling and Use of Chemical Weapons and on their Destruction (Convention) and declared that it shall comply with its stipulations and observe them faithfully and sincerely, applying the Convention provisionally pending its entry into force for the Syrian Arab Republic,

“Welcoming the establishment by the Secretary-General of the United Nations Mission to Investigate Allegations of the Use of Chemical Weapons in the Syrian Arab Republic (the Mission) pursuant to General Assembly resolution 42/37 C (1987) of 30 November 1987, and reaffirmed by resolution 620 (1988) of 26 August 1988, and expressing appreciation for the work of the Mission,

“Acknowledging the report of 16 September 2013 (S/2013/553) by the Mission, underscoring the need for the Mission to fulfil its mandate, and emphasizing that future credible allegations of chemical weapons use in the Syrian Arab Republic should be investigated,

“Deeply outraged by the use of chemical weapons on 21 August 2013 in Rif Damascus, as concluded in the Mission’s report, condemning the killing of civilians that resulted from it, affirming that the use of chemical weapons constitutes a serious violation of international law, and stressing that those responsible for any use of chemical weapons must be held accountable,

“Recalling the obligation under resolution 1540 (2004) that all States shall refrain from providing any form of support to non-State actors that attempt to develop, acquire, manufacture, possess, transport, transfer or use weapons of mass destruction, including chemical weapons and their means of delivery,

“Welcoming the Framework for Elimination of Syrian Chemical Weapons dated 14 September 2013, in Geneva, between the Russian Federation and the United States of America (S/2013/565), with a view to ensuring the destruction of the Syrian Arab Republic’s chemical weapons programme in the soonest and safest manner, and expressing its commitment to the immediate international control over chemical weapons and their components in the Syrian Arab Republic,

“Welcoming the decision of the Executive Council of the Organization for the Prohibition of Chemical Weapons (OPCW) of 27 September 2013 establishing special procedures for the expeditious destruction of the Syrian Arab Republic’s chemical weapons programme and stringent verification thereof, and expressing its determination to ensure the destruction of the Syrian Arab Republic’s chemical weapons program according to the timetable contained in the OPCW Executive Council decision of 27 September 2013,

“Stressing that the only solution to the current crisis in the Syrian Arab Republic is through an inclusive and Syrian-led political process based on the Geneva Communiqué of 30 June 2012, and emphasising the need to convene the international conference on Syria as soon as possible,

“Determining that the use of chemical weapons in the Syrian Arab Republic constitutes a threat to international peace and security,

“Underscoring that Member States are obligated under Article 25 of the Charter of the United Nations to accept and carry out the Council’s decisions,

“1.   Determines that the use of chemical weapons anywhere constitutes a threat to international peace and security;

“2.   Condemns in the strongest terms any use of chemical weapons in the Syrian Arab Republic, in particular the attack on 21 August 2013, in violation of international law;

“3.   Endorses the decision of the OPCW Executive Council 27 September 2013, which contains special procedures for the expeditious destruction of the Syrian Arab Republic’s chemical weapons programme and stringent verification thereof and calls for its full implementation in the most expedient and safest manner;

“4.   Decides that the Syrian Arab Republic shall not use, develop, produce, otherwise acquire, stockpile or retain chemical weapons, or transfer, directly or indirectly, chemical weapons to other States or non-State actors;

“5.   Underscores that no party in Syria should use, develop, produce, acquire, stockpile, retain, or transfer chemical weapons;

“6.   Decides that the Syrian Arab Republic shall comply with all aspects of the decision of the OPCW Executive Council of 27 September 2013 (Annex I);

“7.   Decides that the Syrian Arab Republic shall cooperate fully with the OPCW and the United Nations, including by complying with their relevant recommendations, by accepting personnel designated by the OPCW or the United Nations, by providing for and ensuring the security of activities undertaken by these personnel, by providing these personnel with immediate and unfettered access to and the right to inspect, in discharging their functions, any and all sites, and by allowing immediate and unfettered access to individuals that the OPCW has grounds to believe to be of importance for the purpose of its mandate, and decides that all parties in Syria shall cooperate fully in this regard;

“8.   Decides to authorize an advance team of United Nations personnel to provide early assistance to OPCW activities in Syria, requests the Director-General of the OPCW and the Secretary-General to closely cooperate in the implementation of the Executive Council decision of 27 September 2013 and this resolution, including through their operational activities on the ground, and further requests the Secretary-General, in consultation with the Director-General of the OPCW and, where appropriate, the Director-General of the World Health Organization, to submit to the Council within 10 days of the adoption of this resolution recommendations regarding the role of the United Nations in eliminating the Syrian Arab Republic’s chemical weapons program;

“9.   Notes that the Syrian Arab Republic is a party to the Convention on the Privileges and Immunities of the United Nations, decides that OPCW-designated personnel undertaking activities provided for in this resolution or the decision of the OPCW Executive Council of 27 September 2013 shall enjoy the privileges and immunities contained in the Verification Annex, Part II(B) of the Chemical Weapons Convention, and calls on the Syrian Arab Republic to conclude modalities agreements with the United Nations and the OPCW;

“10.  Encourages Member States to provide support, including personnel, technical expertise, information, equipment, and financial and other resources and assistance, in coordination with the Director-General of the OPCW and the Secretary-General, to enable the OPCW and the United Nations to implement the elimination of the Syrian Arab Republic’s chemical weapons programme, and decides to authorize Member States to acquire, control, transport, transfer and destroy chemical weapons identified by the Director-General of the OPCW, consistent with the objective of the Chemical Weapons Convention, to ensure the elimination of the Syrian Arab Republic’s chemical weapons programme in the soonest and safest manner;

“11.  Urges all Syrian parties and interested Member States with relevant capabilities to work closely together and with the OPCW and the United Nations to arrange for the security of the monitoring and destruction mission, recognizing the primary responsibility of the Syrian Government in this regard;

“12.  Decides to review on a regular basis the implementation in the Syrian Arab Republic of the decision of the OPCW Executive Council of 27 September 2013 and this resolution, and requests the Director-General of the OPCW to report to the Security Council, through the Secretary-General, who shall include relevant information on United Nations activities related to the implementation of this resolution, within 30 days and every month thereafter, and requests further the Director-General of the OPCW and the Secretary-General to report in a coordinated manner, as needed, to the Security Council, non-compliance with this resolution or the OPCW Executive Council decision of 27 September 2013;

“13.  Reaffirms its readiness to consider promptly any reports of the OPCW under Article VIII of the Chemical Weapons Convention, which provides for the referral of cases of non-compliance to the United Nations Security Council;

“14.  Decides that Member States shall inform immediately the Security Council of any violation of resolution 1540(2004), including acquisition by non-State actors of chemical weapons, their means of delivery and related materials in order to take necessary measures therefore;

“15.  Expresses its strong conviction that those individuals responsible for the use of chemical weapons in the Syrian Arab Republic should be held accountable;

“16.  Endorses fully the Geneva Communiqué of 30 June 2012 (Annex II), which sets out a number of key steps beginning with the establishment of a transitional governing body exercising full executive powers, which could include members of the present Government and the opposition and other groups and shall be formed on the basis of mutual consent;

“17.  Calls for the convening, as soon as possible, of an international conference on Syria to implement the Geneva Communiqué, and calls upon all Syrian parties to engage seriously and constructively at the Geneva Conference on Syria, and underscores that they should be fully representative of the Syrian people and committed to the implementation of the Geneva Communiqué and to the achievement of stability and reconciliation;

“18.  Reaffirms that all Member States shall refrain from providing any form of support to non-State actors that attempt to develop, acquire, manufacture, possess, transport, transfer or use nuclear, chemical or biological weapons and their means of delivery, and calls upon all Member States, in particular Member States neighbouring the Syrian Arab Republic, to report any violations of this paragraph to the Security Council immediately;

“19.  Demands that non-State actors not develop, acquire, manufacture, possess, transport, transfer or use nuclear, chemical or biological weapons and their means of delivery, and calls upon all Member States, in particular Member States neighbouring the Syrian Arab Republic, to report any actions inconsistent with this paragraph to the Security Council immediately;

“20.  Decides that all Member States shall prohibit the procurement of chemical weapons, related equipment, goods and technology or assistance from the Syrian Arab Republic by their nationals, or using their flagged vessels or aircraft, whether or not originating in the territory of the Syrian Arab Republic;

“21.  Decides, in the event of non-compliance with this resolution, including
unauthorized transfer of chemical weapons, or any use of chemical weapons
by anyone in the Syrian Arab Republic, to impose measures under Chapter VII
of the United Nations Charter;

“22.  Decides to remain actively seized of the matter.

**

国連の潘基文事務総長は国連安保理決議第2118号採択に関して「国際社会は自らの任務を遂行した…。これは、長い期間を経たのちのかすかな希望だ」と述べた。

また潘事務総長は、ジュネーブ2会議を11月15日に開催すると発表し、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表が開催までの期間に、大会を成功させるために必要な準備を行うことを明らかにした。

『ハヤート』(9月29日付)が報じた。

**

バラク・オバマ米大統領は国連安保理決議第2118号採択に先立って「国際社会の大いなる勝利」だと述べるとともに、「この拘束力を持つ決議は、アサド政権が公約を実行しなければならず、不履行の場合は報いを受けることを保障している」と自賛した。

**

ジョン・ケリー米国務長官は国連安保理決議第2118号採択に関して「シリアの化学兵器の破壊」が米国の主な目的だったとしたうえで、「軍事力の行使によってもこの目的を実現できただろうが、安保決議はこれ以上のことを成し遂げた」と自賛した。

そのうえで「我々の目的は、アサド政権に8月21日に国民に対して化学兵器を使用したことを公の場で処罰することだ。安保理決議に従い、化学兵器に関わる高官は処罰されるだろう」と述べた。

一方、ジュネーブ2会議については、全権を委任された移行期政府の樹立が重要だとの見方を示した。

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は国連安保理決議第2118号採択に先だって「(化学兵器使用疑惑は)安保理のもとで正しく調査され、100%の確証を得ねばならない」と述べた。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は国連安保理決議第2118号採択に関して「安保理はやっとその名にふさわしいことを行った」と述べた。

AFP, September 27, 2013、BBC Arabic, September 27, 2013、al-Hayat, September 28, 2013, September 29, 2013, September 30, 2013、Kull-na Shuraka’,
September 27, 2013、Kurdonline, September 27, 2013、Naharnet, September 27,
2013、Reuters, September 27, 2013、Rihab News, September 27, 2013、SANA, September
27, 2013、UPI, September 27, 2013、Zaman al-Wasl, September 27, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア革命反体制勢力国民連立のスタンドプレイに対して主にシリア国内の諸組織から激しい反発の声が沸き起こるなか、アレッポ県では人民防衛隊がイスラーム国と交戦し後者のアミールを殺害、ヌスラ戦線司令官は後者によって拉致される(2013年9月26日)

反体制勢力の動き

ザマーン・ワスル(9月26日付)は、シリア国内のサラフィー主義武装集団が、「ムハンマド軍」の名で統合をめざしていると報じた。

この動きは、シリア革命反体制勢力国民連立による「シリア国民軍(中核)」の創設に向けた動きに対抗して4ヶ月前に始動したという。

ヌスラ戦線をはじめとする13の武装集団が、シリア革命反体制勢力国民連立を拒否する声明を出したのも、この動きの一環だという。

「ムハンマド軍」には、シャーム自由人大隊、イスラーム旅団、タウヒード旅団などの参加が見込まれ、その兵力は約50,000人に達し、スンナ派戦闘員のみから構成され、2014年末までの結成をめざすという。

**

弁護士組合評議会を名乗る組織が声明を出し、同評議会および現地の軍事部門が、シリア革命反体制勢力国民連立を拒否するとしたシャームの民のヌスラ戦線など13の武装集団に同調すると発表、「連立はシリア国民の代表ではない」と非難した。

またジュネーブ2会議への参加を示唆した最近の幹部らの発言に関しても「革命の要請に反する」と批判した。

一方、アフマド・トゥウマ氏が発足をめざしている暫定政府については、シリア国内の勢力をもって構成するよう呼びかけるとともに、「責任を負うことができなければ承認しない」と述べた。

**

シリア国民評議会元事務局長のブルハーン・ガルユーン氏は、シリア革命反体制勢力国民連立を拒否するとしたシャームの民のヌスラ戦線など13の武装集団の声明に関して「反体制勢力の信頼回復の努力を打ちのめす」動きと批判した。

**

シリア民主世俗主義諸勢力連立は声明を出し、化学兵器使用を口実とした米英仏のシリア攻撃の試みを非難する一方、シリア革命反体制勢力国民連立を構成する諸勢力に対して、連立を脱会し、新たな政治同盟を結成するよう呼びかけた。

**

アンマール・ワーウィー空挺大尉はユーチューブ(9月26日付)などを通じて声明を出し、シリア国内の30以上の反体制武装集団がシリア革命反体制勢力国民連立と自由シリア軍参謀委員会を承認しないと発表した。

連立と参謀委員会を拒否した武装集団は「シリア国内総合司令部」を名乗る連合組織に所属する武装集団で、共同声明には、リヤード・アスアド大佐、アブー・ワファー大佐(ダマスカス郊外県革命評議会)などが署名しているという。

http://www.youtube.com/watch?v=cyM-8GybxHU

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ジャンディーラス地方とイドリブ県アティマ地方の間で、民主統一党人民防衛隊がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と交戦し、後者のアレッポ州のアミールを名乗るUAE人が死亡した。

またクッルナー・シュラカー(9月26日付)は、複数の活動家らの話として、ラッカ県のシャームの民のヌスラ戦線を指揮するアブー・サアド・ハドラミー司令官が、24日にアレッポ県カフルダーイル村で消息を絶ったと報じた。

同報道によると、ハドラミー司令官は、シリア東部、北部で躍進するイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)への対応についての指示を受けるため、シリア国内の某所でヌスラ戦線指導者のアブー・ムハンマド・ジャウラーニーと会う途中に、ダーイシュに拉致されたとみられる。

ハドラミー司令官はシリアのラッカ県出身で、本名はムハンマド・サイード・アブドゥッラーで、当初は平和的なデモを主導していたが、その後、ヌスラ戦線に参加、ラッカ県の司令官になったという。

一方、SANA(9月26日付)によると、カブターン・ジャバル村、マンスーラ村、クワイリス村、ラスム・アッブード村、ナイラブ村、ハーン・アサル村、アレッポ中央刑務所周辺、キンディー大学病院周辺、アッザーン市、ザバディーヤ市、バヤーヌーン町、シャイフ・サアド村、ハイヤーン町、アズィーザ村、カフルカール村、ミンタール村、ハーン・トゥーマーン村、アレッポ市ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員がラッカ市内のサイイダ・ビシャーラ教会(ギリシャ・カトリック教会)の、十字架やイコンを焼き討ち、教会にイスラーム国の旗を打ち立てた。

**

ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(9月26日付)が、シャームの民のヌスラ戦線と反体制武装集団のスルターン・バーシャー・アトラシュ大隊の間で、拉致合戦が激化、緊張が高まっていると報じた。

同報道によると、ムサイフラ町のヌスラ戦線シャリーア委員会に、アトラシュ大隊のファドル・ザインッディーン司令官らが、身柄拘束中の同大隊戦闘員2人の釈放を直談判したことが事の発端。

しかし、ヌスラ戦線は、ザインッディーン司令官ら全員をフラーク市で逮捕、これに対してフラーク市の活動家らがヌスラ戦線のメンバー4人を逮捕し、ザインッディーン司令官らとの捕虜交換を行ったという。

また、シャリーア委員会は、身柄を拘束していた2人のうちの1人ファドル・サーミー・ザインッディーンを釈放した。

スルターン・バーシャー・アトラシュ大隊は自由シリア軍の部隊で、スワイダー県出身者が主体で、指導者のハルドゥーン・ザインッディーン氏らは2013年初めに軍との戦闘で戦死している。

一方、SANA(9月26日付)によると、ナワー市、インヒル市、ヌアイマ村、アトマーン村、アドワーン村、ザアルーラ市、アイン・バーシャー市、ヒーラーン村、ガディール・ブスターン市、カラク村、ヤードゥーダ村、ブスラー・シャーム市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(9月26日付)によると、ハミード村、ジャフファ村、ダルダーラ村で、民主統一党人民防衛隊がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線と交戦、両村を制圧した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(9月26日付)によると、フタイタト・トゥルクマーン市、シャブアー町、リーハーン農場、シャイフーニーヤ村、カースィミーヤ市、ダブラ市、ダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市、ランクース市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、SANA(9月26日付)によると、マーリキー地区のイラク大使館内の領事館棟に迫撃砲弾が着弾し、イラク人女性1人が死亡、3人が負傷した。

シリア人権監視団によると、バルザ区、ジャウバル区で、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

さらに、ドゥンマル区では、10人が軍に逮捕された後、拷問を受けて死亡した。

一方、SANA(9月26日付)

によると、カーブーン区、バルザ区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、スーラーン市、東西ムファッキル村内の軍施設を、反体制武装集団が迫撃し、三村を制圧した。

**

ヒムス県では、SANA(9月26日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、クスール地区、ジャウラト・シヤーフ地区、ワルシャ地区、カラービース地区、タルビーサ市、ガントゥー市、ラスタン市、ハウラ地方、ダール・カビーラ村、サムアリール村、タドムル市郊外、カフルラーター市、マアッルブライト市、カフルヌブーダ町、マアッルダッス市、バザーブール村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(9月26日付)によると、ダイル・ザウル市ウルフィー地区、ムワッザフィーン地区、ハウィーカ地区、労働者住宅地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(9月26日付)によると、スーダー村、トゥッファーハ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・リャブコフ外務次官は「(シリアの)化学兵器廃棄のプロセスが実機段階に入れば、これらの武器が破壊される場所の安全を保障する必要が生じるだろう」としたうえで、「ロシア側はこれらの場所を守ることを支援する用意がある」と述べた。

**

シリアの友連絡グループがニューヨークの国連本部で会合を開き、シリア革命反体制勢力国民連立への支援継続・強化などについて協議した。

会合には、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長ら使節団が出席した。

『ハヤート』(9月28日付)によると、フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、会合で、シリアの化学兵器廃棄を定めた国連安保理決議の必要を強調した。

またジョン・ケリー米国務長官は「ここにいる皆が、軍事的勝利などないと考えている。いずれかの当事者が勝利を宣言する前にシリアは崩壊するだろう」と述べた。

さらに、サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣は、化学兵器廃棄に関する米露合意の履行を、国連憲章第7章に基づく国連安保理決議を通じてシリア政府に迫るべきだと述べる一方、化学兵器問題をめぐるアサド政権の姿勢については「国民の虐殺と正統性回復…のため、時間稼ぎを行っている」と非難した。

また反体制勢力への支援に関して「シリアの将来に過激派が影響を及ぼす道を経つ最善の手段が、穏健派に最大限の支援を行うことだと何度も確認してきた」と述べ、シリア革命反体制勢力国民連立と自由シリア軍(参謀委員会)への全面支援の必要を訴えた。

一方、シリア革命反体制勢力国民連立のジャルバー議長は、国内で台頭する反体制サラフィー主義者を「アサド政権の産物」と断じた。

ジャブラー議長は「アル=カーイダとつながりのある組織は、シリア国民、彼らの革命、愛国的な自由シリア軍とは無関係だと考えている…。過激化の現象は、政権の支援と計画のもとに顕在化した。政権は自由のための革命を宗派内戦にしようとしており、多くのテロ組織を作り出し、彼らに武器を供与した」と述べた。

AFP, September 26, 2013、al-Hayat, September 27, 2013, September 28, 2013、Kull-na Shuraka’, September 26,
2013, September 27, 2013、Kurdonline, September 26, 2013、Naharnet, September
26, 2013、Reuters, September 26, 2013、Rihab News, September 26, 2013、SANA,
September 26, 2013、UPI, September 26, 2013、Zaman al-Wasl, September 26,
2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア革命反体制勢力国民連立のジャルバー議長ら使節団が米国務長官およびブラーヒーミー共同特別代表と会談し「ジュネーブ2会議に出席する」との意向を伝える、反体制武装集団が対ヨルダン国境のナスィーブ国境通行所の大部分を制圧(2013年9月25日)

SANA, September 25, 2013
SANA, September 25, 2013

反体制勢力の動き

国連総会に合わせてニューヨークに滞在中のシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長ら使節団が、ジョン・ケリー米国務長官、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表と会談した。

『ハヤート』(9月26日付)によると、会談でケリー米国務長官は、シリアの化学兵器廃棄に関する米露合意の実施、反体制勢力への軍事支援、ジュネーブ2会議開催を通じた政治的解決の必要を確認する一方、「過激派の台頭への懸念」を表明したという。

一方、ジャルバー議長は、ブラーヒーミー共同特別代表との会談で、全権を有する移行期政府樹立に向けてジュネーブ2会議に出席するとの意向を伝えたという。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のアナス・アブダ報道官は、シャームの民のヌスラ戦線など13の武装集団が連立および連立が発足をめざしている移行期政府を拒否したことに関して「ヌスラ戦線、ないしはアル=カーイダに属するいかなる組織による承認も求めないと強調する」と述べた。

アブダ報道官はまた、シリア革命反体制勢力国民連立の使節団が国連総会に合わせてニューヨークを訪問中に声明が発せられたことを「タイミングがまったくふさわしくない」と非難した。

**

『ハヤート』(9月26日付)によると、自由シリア軍に属するという士官100人以上が共同声明を出し、ジュネーブ2会議をボイコットする意思を示した。

声明は、自由シリア軍創設者のリヤード・アスアド大佐や、マーリク・クルディー大佐らが署名している。

士官らは声明で「アサド政権とのいかなる対話、そして現政権打倒以外に事態に帰結しようとするいかなる大会もあらためて非難するとともに、イラン政府が問題の一部をなしており、シリアをめぐるいかなる大会にも参加すべきでないと述べる」と非難した。

**

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア渉外局長は、ラワーン・カッダーフさんに「結婚ジハード」を強要されたと証言させたシリア・アラブ・テレビの番組に関して「戦争犯罪だ」と非難した。

**

シリア民主フォーラムは声明を出し、シリアの化学兵器廃棄をめぐる米露合意が、シリアへの軍事攻撃を回避したと評価しつつ、アサド政権による暴力を停止させるために引き続き圧力をかけ続けるよう国際社会に呼びかけた。

シリア政府の動き

アサド大統領はヴェネズエラの国営放送Tele Surの単独インタビューに応じた(http://sana.sy/ara/2/2013/09/26/504394.htm)。

インタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り:

「テロリストたちは一つのメッセージを表明しているだけだ。彼らが担っているのは不正に満ちた暗黒の教えだ。彼らにとって自分たちと同じように考えない者は、生きるに値しない人間だ…。一方、外国が資金援助、煽動、計画するテロ活動があり、祖国にはもはや希望がないとシリア人を絶望させようとしている…。しかし、こうしたテロ活動は別の影響をもたらした。シリア人は今日、これまで以上に祖国を守ろうと結束している」。

「米政府の言説は最低限の信頼さえない…。シリア危機が発生した当初から、米国の政策は嘘のうえに作られていた…。8月21日にシリアで化学兵器が使用されたという問題が生じると、米政権は直接ねつ造に関与した。しかし、米政権は自らの主張を裏付ける証拠を何ら示していない。つまり、実質的に米国民を欺いたのだ」。

「国連憲章第7章(に基づく安保理決議)に関して、我々は懸念していない。なぜならシリアは自らが署名したすべての合意を履行しているからだ」。

「米国が攻撃する潜在的可能性は常に存在する。あるときは化学兵器を根拠とし、また別のときには別の口実を根拠とするからだ。重要なのは、米国が過去数十年やっていることが、安保理、国連憲章、国家を守る者たち権、人道的・道徳的慣習のすべてを無視したものだということだ。我々は常に、世界のどこかで(攻撃の)可能性があることを踏まえておかなければならない。これが今のシリアに起きていることだ…。しかし米国が行ってきた戦争や介入は、米国の国益に反している…。米国民の利益に反している」。

「米国は今、シリア国民に誰が政権に入るのか、そして誰が政権から去るのかを強要することなどできない。この問題は100%シリア国民の希望に従うものだ。友好国でさえ、この問題に何の役割も果たすことはできない」。

「実際のところ、私は、米国が介入を止めれば世界はよりよくなると考えている。我々は米国に誰かを助けてもらいたいなどと思っていない。我々は世界のすべての問題を解決できないといったのはオバマだ。米国が世界のすべての問題を解決しない方がよい」。

「シリアの危機に対するイランの姿勢は極めて客観的だ。なぜなら、シリアで起きていることの真実を知っているからだ」。

(グータ地方での化学兵器攻撃に関して)「実質的な証拠のすべては、テロリストがダマスカス周辺で化学兵器を使用したことを示している」。

「正確を期すると、これらの集団にサウジアラビアやカタールが化学兵器を提供したことを示すものはない。しかし、これらの国がシリア危機発生当初からテロリストを支援してきたことは周知の事実だ。彼らはあらゆる最新鋭兵器を提供してきた…。とくにサウジアラビアには、この種の物質をテロリストに供与する能力がある」。

「イスラエルは敵国だ…。今日、対シリア戦線の複数の地域でテロリストを直接支援している。つまりゴラン高原で、兵站、医療、情報支援を行い、テロリストに武器装備を供与している」。

「イスラエルの核兵器に関して、誰も何も言わない…。米国によってあらゆる政策、そしてあらゆる犯罪を完全に保護されているならず者国家だからだ。こうした保護が…安保理、そして国連で存在する限り…、イスラエルの武器が議題に上ることはない」。

「ジュネーブ2会議は、シリアのすべての成員による対話の道を開くうえで、不可欠で重要なステップだ。しかし、ジュネーブ2会議は、シリア国内の対話に置き換えることはできない。国民投票を経ねばならない国民の意見に代わるものなど決してない。これは、シリアの危機を解決するための政治プロセスに関する我々の基本路線だ。しかし、こうした対話すべては、テロ支援が停止されなければ、いかなる実質的な結果も現地でもたらさない」。

「国外にいる当事者について言うと、我々は彼らの背後にいる国々に(対話への参加の有無を)聞かねばならない。米国、フランス、英国、サウジアラビア、カタールなどといった国にだ…。彼らはシリア国民に属していないがゆえに、これらの国にジュネーブに行けと言われれば来るし、こうしろと言われれば、その通りにするだろう」。

「我々には立ち向かう以外の選択肢はない。なぜなら、この地域の未来は政治的に、シリアで起きることにかかっているからだ。我々はシリアだけを守っているのではない。我々の国益だけを守っているのではない。我々の原則だけを守っているのではない。我々は我々の国民、この地域のすべての未来を守っている。この地域は世界の心臓だ」。

**

バッシャール・ジャアファリー国連代表は声明を出し、第68回国連総会で一部の国が、シリアでの紛争の当事者をジュネーブ2会議に向かわせようとせず、シリアやイランに批判を集中させている、と批判した。

国内の暴力

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団が、対ヨルダン国境のナスィーブ国境通行所で、軍と交戦の末、兵士数十人を殺害し、同通行所の施設など大部分を制圧した。

反体制武装集団はまた、通行所西側一帯、空軍情報部の施設なども合わせて制圧したという。

ヤルムーク旅団の司令官を名乗るバッシャール・ズウビー氏は『ハヤート』(9月26日付)に、「ナスィーブ国境通行所の約70%を制圧した」ことを明らかにした。

またズウビー氏は、ダルアー県を拠点とする軍事評議会(アフマド・ファフド・ニウマ司令官)が「この計画にはまったく関係ない」と述べ、同県での戦闘をめぐって対立し合っていることを示唆した。

さらに『ハヤート』(9月26日付)は、この攻撃が、シャームの民のヌスラ戦線、聖なる家の翼大隊など自由シリア軍に属さないサラフィー主義者が、自由シリア軍南部作戦司令室との調整のもとに主導したと伝えた。

同紙によると、この攻撃を受け、ヨルダン軍の増援部隊が対シリア国境に展開し、厳戒態勢を強化した。

**

アレッポ県では、『ハヤート』(9月26日付)によると、アレッポ国際空港に近い防衛工場機構周辺で軍と反体制武装集団が交戦し、戦闘員4人が死亡、またアズィーザ村での戦闘では軍兵士10人が死亡した。

一方、SANA(9月25日付)によると、アッサーン村、シャイフ・サイード村、アレッポ中央刑務所周辺、キンディー大学病院周辺、ハーン・アサル村、ワディーヒー村、カフルカール市、バナーン・フッス市、ダイル・ハーフィル市、フマイマ村、アブー・ジャッバール村、ミンタール村、ハイヤーン町、ダフラ・ナジュム村、アッザーン村、ラスム・ウカイリシュ村、アズィーザ村、クワイリス村、ラスム・アッブード村、アレッポ市ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、アバウィード村で、ラヒーヤ村から避難してきた住民5人(子供2人を含む)が軍によって処刑された。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アブー・ズフール航空基地周辺を軍が空爆した。

一方、SANA(9月25日付)によると、アルバイーン山周辺の村々、カフルラーター市、マアッラトミスリーン市、アブー・ズフール航空基地周辺、ブワイティー市、ウンム・ジャリーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ラアス・アイン市近郊のハミード村で、民主統一党人民防衛隊が、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線と交戦の末、同村を制圧した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区、ジャウバル区、バルザ区を軍が砲撃した。

一方、SANA(9月25日付)によると、カーブーン区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(9月25日付)によると、軍がザマルカー町のザマルカー橋で、反体制武装集団を殲滅、道橋および周辺一帯を完全制圧した。

またマアルーラー市では、サフィール・ホテル周辺などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線戦闘員を殲滅した。

このほか、シャイフーニーヤ村、ビラーリーヤ村、シャブアー町郊外、フジャイラ村、ダーライヤー市、ヤブルード市、ラアス・アイン市、ナースィリーヤ村、アトナ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、グータの盾大隊、ルクンッディーン殉教者大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(9月25日付)によると、バイト・イブリフ村、ラビーア町で、軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦、外国人戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月25日付)によると、タドムル市郊外の農場地帯、キースィーン市、ガジャル村、タルビーサ市、ダール・カビーラ村、ガントゥー市、ザアフラーニナ市、ラスム・サブア市、ラッフーム村、ハワーディーブ市、ヒムス市バーブ・フード地区、ワルシャ地区、カラービース地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

ナハールネット(9月25日付)は、ベカーア県バアルベック郡アルサール市で、軍の警告を無視して検問所を立ち去ろうとしたミニバスに軍が発砲、乗っていた1人が死亡、2人が負傷した、と報じた。

同報道によると、殺害されたのはシャームの民のヌスラ戦線メンバーだという。

諸外国の動き

化学兵器使用に関する国連調査団が、シリア国内での調査を再開するため、再入国した。

アンジェラ・ケイン国連軍縮問題高等代表はアラビーヤ(9月25日付)に対して、調査団が8月の訪問時に予定していた3カ所(アレッポ県ハーン・アサル村、ヒムス市、ダマスカス郊外県タイバ村)での調査を行うと述べた。

**

英国のニック・クレイグ副首相は、シリア人避難民への人道支援策として1億6,000万米ドルの追加支援を行うと発表した。

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官と会談し、ヨルダンとレバノンのシリア人避難民への支援策として、1,000万米ドル相当の支援を行うことを明らかにした。

**

国連の常任理事国5カ国の外相と潘基文事務総長が会談し、シリア情勢への対応について協議した。

**

チュニジアのルトフィー・ベン・ジッドゥー内務大臣は地元ラジオ(9月25日付)に対して、チュニジア人青年を軍事教練施設やシリアに送り込み、テロ活動を行わせようとしたネットワークを摘発、これまでに約300人を逮捕したと述べた。

AFP, September 25, 2013、al-Hayat, September 26, 2013、Kull-na Shuraka’, September 25, 2013、Kurdonline, September
25, 2013、Naharnet, September 25, 2013、Reuters, September 25, 2013、Rihab
News, September 25, 2013、SANA, September 25, 2013、UPI, September 25, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヌスラ戦線を含むサラフィー主義武装集団13組織がシリア革命反体制勢力国民連立と同連立暫定政府を拒否するとの声明を発表、オバマ大統領は国連総会の一般討論演説のなかで「化学兵器で子供たちを殺したアサド政権が正統性を失っている」とを改めて主張(2013年9月24日)

反体制勢力の動き

シリアのサラフィー主義武装集団13組織が共同声明(声明第1号)を発し、シリア革命反体制勢力国民連立と同連立暫定政府を拒否すると発表、また反体制武装集団に対して、シャリーアのもとに統合するよう呼びかけた(http://www.youtube.com/watch?v=Lj1bheERxzs&feature=player_embedded)。

Kull-na Shuraka', September 24, 2013
Kull-na Shuraka’, September 24, 2013

「声明第1号」に署名したのは、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム・イスラーム自由人運動、タウヒード旅団、イスラーム旅団、シャームの鷹旅団、シャーム・イスラーム暁運動、イスラーム・ヌール運動、ヌールッディーン・ザンキー大地、アレッポ「命令に従い正しく進め」連合、第19師団、アンサール旅団。

**

イスラーム旅団のザフラーン・アッルーシュ司令官はビデオ声明を出し、ダマスカス県およびダマスカス郊外県に「アサド政権を打倒するためのダマスカス作戦室」を開設したと発表した(http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=FeNghh3RPn8)。

アッルーシュ司令官によると、同作戦室は以下の反体制武装集団から構成されるという。

イスラーム旅団
フィルカーン旅団
ハビーブ・ムスタファー旅団
シャーム・イスラーム自由人運動
サハーバ旅団・大隊
ムスリミーン軍旅団

**

クッルナー・シュラカー(9月24日付)は、国連第68回総会に合わせてニューヨークに滞在中のシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長ら連立幹部が、アラブ各国の閣僚と会談し、シリア情勢について協議したと報じた。

シリア政府の動き

ムハンマド・ジハード・ラッハーム人民議会議長はダマスカスを訪問中の欧州の報道機関の使節団と会談した。

会談で、ラッハーム議長は、シリアで起きていることを客観的に報道し、シリア国民に対する武装テロ集団の犯罪を国際世論に知らしめることが報道機関に求められていると述べるとともに、米英仏が、ロシアによる化学兵器廃棄のイニシアチブにもかかわらず、依然としてシリアの危機を長引かせようとしていると非難した。

そのうえで、「シリア国民が民主主義、自由、人権保護を欲していると主張する米国などが、憲法も持たない…同盟国のサウジアラビアやカタールについての関心を示さない」と指摘、シリア国民に関心を示すのであれば、「テロとの戦いに関する国連決議を遵守し、シリアへの武器とテロリストの流れを止めるべきだ」と主張した。

**

『ジュムフーリーヤ』(9月24日付)は、アサド大統領の資産が5億5,000万米ドルから15億米ドルだと西側諸国の専門家が推計している、と報じた。

同紙によると、ラーミー・マフルーフの資産は推計で50億米ドルに達し、また2011年以降の米国による制裁で米国が凍結したアサド大統領の資産は8,000万米ドルだけだという。

**

クッルナー・シュラカー(9月24日付)は、法務省の信頼できる消息筋の話として、国民安全保障会議が、テロ法廷検事長に対して、大統領のいとこで反体制活動家のリーバール・アサド氏の起訴を要請したと報じた。

**

シリア・アラブ・テレビ(9月24日付)は、父親に「結婚ジハード」を強要されたというラワーン・カッダーフさんの証言を放映した。

al-Hayat, September 26, 2013
al-Hayat, September 26, 2013

カッダーフさんはダルアー県出身の16歳で、父親にレイプされたあと、反体制武装集団に売られ、性的関係を強要された、と証言した。

しかしこの放送に対して、フェイスブックなどで、証言がプロパガンダだとの批判が相次いだ。

**

クッルナー・シュラカー(9月25日付)は、複数の活動家の話として、リヤード・サーリヒーン大隊が、ワダーフ・ジャミール・アサド大尉(大統領のいとこ)を捕捉したと報じた。

ユーチューブ(9月24日付)にアップされた映像で、ワダーフ・アサド大尉は、自身が第127戦車旅団に所属し、ダマスカス県に向かう途中で捕らえられたと自供、軍の将兵に「バッシャール・アサドは必ず倒れる」と述べ、離反を呼びかけた。

http://www.youtube.com/watch?v=A1DnBhWvkTw&feature=player_embedded

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハーン・シャイフ・キャンプ郊外の第7師団基地周辺で軍と反体制武装集団が交戦、反体制武装集団が第88旅団基地を迫撃し、タッル・ルカイス、タッル・ブーザの軍の拠点2カ所を制圧した。

これに関して、『ハヤート』(9月25日付)は、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人大隊、サハーバ大隊が反体制武装集団に対する軍の包囲を解除するために反転攻勢をかけている、と報じた。

ダマスカスに本部を構えているというサハーバ大隊の司令官でアブー・ムアーッズを名のる活動家によると、この反転攻勢は、ダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市などへの包囲を解除し、食糧、医薬品、武器を供給することをめざしているという。

一方、SANA(9月24日付)によると、ハラスター市、リーハーン農場、シャブアー町郊外、フジャイラ村、ダーライヤー市、ザバダーニー市郊外の山間部、マアルーラー市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム旅団戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団などによると、タダームン区で、爆弾が仕掛けられた車が爆発し、少なくとも7人が死亡、15人が負傷した。SANA(9月24日付)によると、この爆発で3人が死亡、11人が負傷した。

同地区は23日に、バアス党シリア地域指導部のヒラール・ヒラール副書記長が視察したばかり。

またSANA(9月24日付)によると、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、『ハヤート』(9月25日付)によると、ラアス・アイン市郊外のジャーファー村の北部郊外一帯を民主統一党人民防衛隊が完全制圧した。

人民防衛隊は、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線と数日にわたる戦闘の末、同地を制圧した。

これに関して、クッルナー・シュラカー(9月24日付)は、人民防衛隊がジャーファー村(ヤズィーディー派の村)、ダルダーラ村、および周辺の農場を完全制圧したと報じた。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市に対する軍の砲撃で、市民3人が死亡した。

**

アレッポ県では、AFP(9月24日付)が、アレッポ市郊外工業地区の住民が避難先から徐々に帰宅し、日常生活再開に奮闘している、と報じた。

一方、SANA(9月24日付)によると、アレッポ市サラーフッディーン地区、アシュラフィーヤ地区、ジュダイダ地区、マーリキーヤ村、アレッポ中央刑務所周辺、キンディー大学病院周辺、マンスーラ村、バヤーヌーン町、ダイル・ジャマール村、ナイラブ村、バーブ市北部、ハーン・アサル村、ワディーヒー村、シャイフ・サイード村、クワイリス村、ラスム・アッブード村、カフルカール村、バナーン・フッス村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(9月24日付)によると、ダルアー市各所、カフルシャムス町、ムザイリーブ町、タファス市、サイダー町、ブスル・ハリール市、アトマーン村、マイーナ市、シャイフ・サアド村、アドワーン村、ラフィード市、ヒーラーン村、ザアルーラ市、マアラカ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザイル県では、SANA(9月24日付)によると、ジャディード・アカイダート村、ダイル・ザウル市ムワッザフィーン地区、ウルフィー地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

LBCI(9月24日付)などによると、アレッポ県アアザーズ市で反体制武装集団に拉致されたシーア派巡礼者の家族が、トルコ大使館前で抗議デモを行い、シリアの反体制勢力に圧力をかけ、家族を解放するよう求める一方、「我々はレバノンのすべてのトルコ人に対して嫌がらせを行うだろう。我々の行動が気にいらなければ、レバノンから立ち去ることができる」と脅迫した。

諸外国の動き

バラク・オバマ米大統領は第68回国連総会で一般討論演説を行い、アサド政権に関して「国民を殺戮し、子供たちをガスで殺した指導者は、破壊しつくされた国で統治の正統性を回復することはできない」と述べた。

また「ロシアとイランは、アサド政権の存続に固執することは、両国が恐れている結果、テロリストによるさらなる暴力がシリアを席巻するという結果を直接招くということを悟る時が来た…。シリアが戦争前の状態に戻ると考えることは幻想だ」と警告した。

そのうえで化学兵器廃棄問題に関して「アサド政権に誓約を遵守させるための強力な安保理決議を作らねばならない」と述べ、国連憲章第7章に依拠する決議採択を主張するとともに、こうした決議が採択できない場合「国連は国際法の基本すら科すことができなくなってしまう」と警鐘を鳴らした。

さらに「米国がシリアで望んでいるのは、シリア国民の普通の生活、隣国の安定、化学兵器廃棄に反するものではない。シリアはテロリストの温床にならないことを明言する」と述べた。

**

トルコのアブドゥッラ・ギュル大統領は国連第68会総会で一般討論演説を行い、「この戦争(シリアの紛争)は地域の安定と平和を真に脅かすものとなった。冷戦時代の代理戦争が繰り返されることで、シリアにさらなる混乱がもたらされる」と懸念を表明した。

ギュル大統領はシリアの化学兵器廃棄に関する米露合意を歓迎する一方、アサド政権が「(化学兵器使用以外の)犯罪の責任を免れることがあってはならない」と主張、「パワー・バランス」を維持する政策が紛争を長引かせるとしたうえで、アサド政権を打倒するための戦略を国際社会と近隣諸国は推し進めるべきだと呼びかけた。

そのうえで「我々はシリア国民を放置しておくことはできないし、そうすべきでない…。強力な支援の言葉は今、真の行動を伴わなければならない」と訴えた。

**

フランスのフランソワ・オランド大統領は国連第68会総会で一般討論演説を行い、イランに対して、シリアの化学兵器廃棄に向けた「具体的なイニシアチブ」を発揮するよう求めた。

そのうえで国連憲章第7章に基づく安保理決議の採択を呼びかけた。

**

カタールのタミーム・ビン・ハマド首長が第68回国連総会で一般討論演説を行い、国際社会に対して、シリアでの化学兵器攻撃をはじめとする犯罪への追及がなされなければ「人権や国際法のしくみが信頼を失うだろう」と懸念を示した。

**

国連の潘基文事務総長は第68回総会で演説し、「国際社会は化学兵器使用に関与した者を裁かねばならない」と述べた。

**

『ハヤート』(9月25日付)は、ジョン・ケリー米国務長官とロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣が会談し、シリアの化学兵器廃棄に関する国連安保理決議案について協議したと報じた。

同報道によると、会談ではロシア側の提案についての協議が行われたが、同案は西側諸国が求めている「強い内容」ではない、という。

**

ロシアのセルゲイ・リャブコフ外務次官は、連邦議会下院で「(シリア政府の)協力拒否、誓約不履行、ないしは誰であれ、化学兵器を使用した場合になされる一連の措置の一つとして、国連憲章第7章に言及することもあり得る」と述べた。

しかし「国連安保理決議が憲章第7章に基づくことはあり得ず、制裁や力の行使が自動的になされることはないと改めて繰り返す。安保理決議は常に、化学兵器禁止機関の執行理事会の決定を支援するものではねければならない」と強調した。

**

米ホワイトハウスは、周辺諸国のシリア人避難民の流入などに対処するため、3億4,000万米ドルの追加支援を行うと発表した。

これにより、米国の人道支援総額は14億米ドルになるという。

このうち、レバノン軍の国境警備体制の強化のために870米ドルを、また避難民対策として7,400万米ドルがレバノンに供与されるという。

**

『ハヤート』(9月24日付)は、ヨルダン閣僚の話として、ヨルダン政府がシリアでの戦闘に参加しようとしているサラフィー主義者に対して大規模な摘発キャンペーンを行っていると報じた。

同報道はまた、サラフィー主義指導者の話として、この摘発キャンペーンで、約120人が逮捕されたと伝えた。

彼らは、シリアに潜入し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)やシャームの民のヌスラ戦線に合流しようとしていたという。

**

ヨルダン国王アブドゥッラー2世は、第68回国連総会に合わせて声明を出し、「炎上している都市に平和と繁栄の家を建てることはできない。今日、我々は地域の炎上を無視できない…。未来を守るため、世界は我々とともにこの火災を止めねばならない」と述べた。

アブドゥッラー2世はシリアの紛争を「人道レベル、安全保障レベルにおいて国際的な災害」としたうえで「過激派が、シリアの人種的宗教的分断を利用している」と非難し、「シリアでの流血を止めるため、政治的移行プロセスを加速させる時が来た」と述べ、国際社会に行動を求めた。

AFP, September 24, 2013、al-Hayat, September 24, 2013, September 25, 2013、al-Jumhuriya, September 24, 2013、Kull-na Shuraka’, September 24, 2013, September 25,
2013、Kurdonline, September 24, 2013、LBCI, September 24, 2013、Naharnet,
September 24, 2013、Reuters, September 24, 2013、Rihab News, September 24,
2013、SANA, September 24, 2013、UPI, September 24, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

クルド・シリア民主党がシリア・クルド国民評議会からの脱会を発表するなか、ヌスラ戦線を含むサラフィー主義諸組織がアアザーズ市におけるイスラーム国の停戦合意不履行に対応するための会合を開く(2013年9月23日)

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のワリード・ウマリー氏はクッルナー・シュラカー(9月23日付)に、「優先的に実施されねばならない…多くのアイデアがあるにもかかわらず…、決定が遅れている」としたうえで「一部の古参が活動を止め、事態を硬直化させている」と非難した。

**

ダマスカス郊外県東グータ地方で活動する市民諸委員会を代表する革命通信調整局は声明を出し、反対女性活動家のラッザーナ・ザイトゥーナ弁護士が、自宅前で何者かからの発砲を受け、3日以内に立ち退くよう脅迫を受けたと発表、彼女との連帯の意思を表明した。

**

クッルナー・シュラカー(9月24日付)によると、クルド・シリア民主党(ジャマール・シャイフ・バーキー書記長)が、シリア・クルド国民評議会からの脱会を発表した。

脱会は、シリア・クルド国民評議会が、参加政党に評議会以外の政治同盟からの脱会を求めたことに抗議したもの。

クルド・シリア民主党は、民主統一党とともに、民主的変革諸勢力国民調整委員会に参加している。

また脱会の背景には、シリア・クルド国民評議会のシリア革命反体制勢力国民連立への合流がある、という。

なおシリア・クルド国民評議会の要請に対して、シリア・クルド・アーザーディー党はシリア国民民評議会を脱会し、要請に従った。

一方、シリア・クルド国民評議会のファイサル・ユースフ前事務局長はフェイスブックで、クルド・シリア民主党が評議会脱会を受けて、民主統一党との戦略的協力合意を結んだと綴った。

シリア政府の動き

アサド大統領は中国中央電視台(CCTV)のインタビューに応じた(http://middleeast.cntv.cn/2013/09/23/VIDE1379913323970489.shtml)。

SANA, September 23, 2013
SANA, September 23, 2013

インタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り:

(シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関して)「おそらく一つだけ困難がある。それは一部地域の治安状況による基本的な困難で、これらの地域には査察団が入ることを…許さないだろう。武装集団がいる地域のことを言っている。彼らはおそらくこうした活動を妨害しようとしている。つまり査察団が入ることを阻止しようとするだろう。我々はこれらのテロリストが外国の命令のもとに活動しており、テロリストは査察団が入ることを妨害することで、シリア政府が合意実施を妨害していると非難しようとするだろう」。

「一部の国が、シリア政府を非難する目的で、査察団を攻撃することをテロリストに求めれば(化学兵器廃棄の合意への履行が遅れることもある)…。テロリストがいろいろな場所に出没できることをご存じでしょう。彼らは特定の地域にとどまっているわけではない。しかしこうしたことは潜在的にあり得るだけだ」。

(化学兵器の保有に関して)「シリアはこの兵器(化学兵器)を数十年前から製造している。大量にあるのは当然のことだ。なぜなら我々は戦時下の国だ。我々には40年も前に占領された土地がある。しかし、いかなる状況下でも、シリア軍は基本的に、伝統的兵器のみで戦闘を行う準備をしてきた」。

「どんな国、どんな国においても、化学兵器は常にテロリストなどの破壊分子の手に渡らないよう、特別な条件下で保管されている。こうした集団は敵対する国から送り込まれる。しかし、この問題に関しては心配することはない。シリアの化学兵器は安全な地域、場所にある。シリア・アラブ軍がこれらの場所を完全に掌握している」。

(化学兵器廃棄の合意を遵守し得るか否かに関して)「この点に関しては二つの理由で心配はない。第1に、シリアは独立以来、自らが署名したすべての合意を遵守している…。我々を安心させるもう一つの点は、中国とロシアが安保理で果たしている役割である。両国は安保理がシリアへの攻撃を正当化するような根拠として利用されないよう努めている。しかし、米英仏が安保理決議案、ないしは米露合意をめぐって彼らが望んでいる合意を通じてやろうとしていることは、自分たちをシリアという想像上の敵との戦いにおける勝者に見せようとすることが目的だ。だから我々は、この手の合意…に関心を示したり、懸念したりしなくてもよいのだ」。

「米国は戦争を正当化する理由を探したければ、別のさまざまな理由を探すことができる。米国は戦争を止めようとはしない。なぜなら化学兵器の引き渡しに関しては、シリアとロシアが合意しているだけだからだ。また、世界中、そして米国内でシリアへの戦争が拒否された。なぜならその理由が満足いくものではなかったからだ…。米国が他国に対して覇権主義的な政策を続けたいと考えている限り、我々は現下の危機とは別に懸念し続けねばならない。とくに、西側諸国は、国連憲章、国際法を度外視しようといるなか、常に懸念し続けねばなんらない」。

「シリア軍は伝統的戦争を基本として構築されている。化学兵器(廃棄)はこの問題(シリア軍への武力)に影響を与えないだろう…。化学兵器の使用を自殺だと言う人もいる。我々シリアは、自殺に向かうことはない」。

「1980年代に我々が化学兵器の製造を始めたとき、シリアとイスラエルの間で伝統兵器に関して大きな格差があった…。1990年代後半に、シリアは化学兵器の製造を停止した。なぜなら、伝統兵器に関する格差の一部が解消されたからだ…。1980年代にあった化学兵器保有の根拠がもはや基本的にはなくなっていたのだ。だから、私は2003年に中東全体における大量破壊兵器の廃棄を(安保理に)提言したのだ」。

「化学兵器が見返り(として供与された)とは言えないが、我々とロシアの間には武器に関するさまざまな契約がある。それゆえシリアの軍備増強は(ロシアとの)合意以前から行われており…、化学兵器の問題とも無関係だ。関係があるのは、我々はイスラエルと敵対しており、領土を占領されているという点だ。我々は伝統的軍備を増強するのは当然なのだ…。(ロシアから供与を受けた軍備の一例としては)対空防空兵器がある」。

(8月21日のグータ地方での化学兵器攻撃に関して)「(反体制武装集団が使ったことを示す)さまざまな証拠がある。さまざまな化学物質に関する物的証拠、そしてこれらの物質の保存手段などであり、それらは数度に分けてロシア側に送られた…。別の理由としては、隣国からこれらの物質の一部を運んだとするテロリストの自供もある。これについてはシリアのテレビで放映された」。

(ジュネーブ2合意に関して)「我々はジュネーブのイニシアチブを当初から支援してきた…。ジュネーブ大会に希望を抱いている。しかし希望は現実的なものでなければならない…。ジュネーブ大会の成功を保障する第1の要素は、テロ活動の停止、国外からのテロリストの潜入の停止、これらのテロリストへの武器、資金の提供の停止だ。これを実行しなければ、いかなる政治的活動も幻想となってしまうし、何の価値もなくなってしまう」。

(ジュネーブ大会開催にふさわしい状況かとの問いに対して)「問題はシリア政府でも、ロシア、中国、イラン、そして世界の多くの国にあるのではない…。問題は実際には、米国をはじめとする一部西側諸国にある。これらの国は、テロリストに有利なような現地の軍事情勢を実現しようとして、ジュネーブ大会に入ろうとしている。また別の理由もある。彼らは今もなおいわゆる反体制勢力の統合を実現できていない。むろん、それはシリア国民に属していないので反体制勢力でもないのだが…。常に彼らどうしの間で戦いが起きている…。しかし我々は…このステップ(ジュネーブ2会議)を行うのにふさわしいと考えている」。

(ジュネーブ2会議へのシリア政府の参加の条件に関して)「一部の国の反体制武装集団への武器・資金援助は条件ではない…。シリアのあらゆる場所でテロリストが破壊殺戮を行えば、(ジュネーブ2会議で)真の行動などあり得ない。前提条件について話はしないが…。大会開催後もテロが続けば、その限りにおいて大会には価値はない」。

「我々は武器を持ついかなる者との交渉も受け入れない。我々は反体制勢力と交渉する。反体制運動とは政治活動だ。反体制運動が人々を殺すテロ活動であることはない。それゆえ、我々は武装蜂起した者とは交渉する…。また外国の介入を受け入れるすべての者との交渉も受け入れない。軍事介入であれ、政治介入であれ」。

「これらの者(テロリスト)の大部分はシリアの国外からやって来る…。もしシリア国民、シリア社会が、テロリストを支援していれば、彼らはより強力だっただろう。またシリア社会が軍を支援すれば、軍はより強い存在になる。それゆえ、現地のパワー・バランスに関していうと、事態は軍にとって有利である。大部分のシリア人が軍を支持しているので、軍は過去数ヶ月間進軍を続けてきた」。

「国家とテロリストの間に戦闘停止はあり得ない。世界じゅうの国家が憲法に従って、市民を攻撃するあらゆるテロと戦う義務がある。なぜなら国家が市民を守るというのは自明のことだからだ。停戦すれば、テロリストを承認することになる。さらに、そうすれば、我々は国民を防衛するという任務を放棄することになる」。

(ジュネーブ2会議参加をめぐる政府のレッドラインに関して)「レッドラインは第1に、市民、国家、軍に武器を向けることだ。第2に、どのようなかたちであれ外国の介入を唱道することだ」。

(2014年の大統領選挙へのアサド大統領の出馬を国民が望んでいると思うかとの問いに対して)「国民の一部は望んでいて、一部が望んでいないことは自明だ。多数派が誰かを特定するデータはない。しかし兆候はある。危機が始まって2年半を経ても、シリア国民が国家を支持質しているという兆候だ」。

「中国はあらゆる意味で世界的な大国だ。政治、軍事、経済の面で。しかし我々シリアにとって今重要なのは、中国がシリアの危機を通じて行ってきた姿勢だ。とりわけロシアとの強力を通じて中国が示してきた基本姿勢は、シリアの危機に良い影響を与えてきた…。こうした役割が、シリアへの攻撃を行うために安保理を利用しようとした一部の西側諸国の動きを阻止した」。

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、バーブ・ハワー国境通行所に近いハザーヌー町周辺で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と地元の反体制武装集団(自由シリア軍)と交戦し、ダーイシュの指導者の一人でリビア人のウサーマ・ウバイディー(アブー・アブドゥッラー・リービー)を含むダーイシュ戦闘員13人が死亡した。

al-Hayat, September 24, 2013
al-Hayat, September 24, 2013

またクッルナー・シュラカー(9月23日付)によると、ハザーヌー町の地元戦闘員6人と少女1人も死亡したという。

複数の目撃者によると、ダーイシュはアレッポ県のバーティヌー村を制圧した後、ハザーヌー町周辺に検問所を設置、またザーウィヤ山にも進入しているという。

シリア人権監視団は、ダーイシュがハザーヌー町出身者2人を逮捕しようとして戦闘が発生したと発表したが、クッルナー・シュラカー(9月23日付)は、21日のハーリム市郊外ハッターン村での反体制シャイフのサラーフッディーン・ハブラス氏暗殺未遂に関連して、地元武装集団が拘束していたダーシュシュ戦闘員の釈放をめぐる交渉が決裂したのを受け、ダーイシュがハザーヌー町、カッリー市、バーティブー市に通じる街道、ハイル・サラーフ市に通じる街道の検問所を攻撃し、戦闘になったと報じた。

アブー・アブドゥッラーの死を伝えた声明によると、彼は2003年からイラクで活動を行い、その後、シリア当局に逮捕され、リビアに送還、3年間服役した。

数ヶ月前にシリアの反体制活動に参加、シリア人戦闘員の教練を行っていたという。

一方、クッルナー・シュラカー(9月23日付)によると、イラン人戦闘員1人がバーブ・ハワー国境通行所で「自由シリア軍」に逮捕された。

このイラン人は、ダマスカス郊外県のサイイダ・ザイナブ町で親政権のアブー・ファドル・アッバース旅団に加わるためにラタキア県のカサブ国境通行所からシリアに入国しようとしていたが、間違ってバーブ・ハワー国境通行所から入国しようとしたのだという。

他方、SANA(9月23日付)によると、マアッラトミスリーン市、ビンニシュ市、サルミーン市、カンスフラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、『ハヤート』(9月24日付)によると、タウヒード旅団、シャーム自由人大隊、シャームの民のヌスラ戦線が、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)によるアアザーズ市での停戦合意不履行に対応するための会合を開き、事態悪化を抑止するために調整することで合意した。

しかし、ダーイシュは声明を出し、アアザーズ市の北の嵐旅団を「浄化した」と発表した。

ダーイシュは声明で、北の嵐旅団が、シリア軍によるマンナグ航空基地(アレッポ県)への攻撃を保障し、民主主義というアッラーが啓示した以外の方法での統治を主唱していると非難した。

また北の嵐旅団が、シリアに潜入したジョン・マケイン米上院議員を出迎え、ドイツや米国の諜報機関と通じていると断言した。

そのうえで、アレッポ県アアザーズ市に近いバーブ・サラーマ国境通行所の往来を制限していると指摘し、「改悛の扉は開を開かねば…、ダーイシュ戦闘員は彼らのムチを切り裂くだろう」と脅迫した。

一方、SANA(9月23日付)によると、ナイラブ村、バナーン・フッス村、アレッポ宗王刑務所周辺、キンディー大学病院周辺、ハーン・アサル村、ワディーヒー村、サフィーラ市、クワイリス村、ラスム・アッブード村、アレッポ市バニー・ザイド地区、ジュダイダ地区、旧市街、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がシリア軍マンスーラ方面司令官のキリスト教徒士官を「イスラームに改宗した」ことを受けて釈放した。

また軍は、タブカ市各所に空爆を行った。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区、カーブーン区に対して軍が激しい砲撃・空爆を行った。

一方、クッルナー・シュラカー(9月23日付)によると、共和国護衛隊のアンマール・アフマド・シャリーフィー大佐がバルザ区で反体制武装集団の要撃を受けて死亡した。

シャリーフィー大佐は先週、バルザ区攻略の司令官に就任したばかりだったという。

またカーブーン区でも、反体制武装集団は「カーブーンの獅子」と呼ばれていたシリア軍のラーティブ・アイユーシュ大尉を殺害したという。

他方、SANA(9月23日付)によると、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(9月23日付)によると、ドゥーマー市郊外、リーハーン農場、ハラスター市、ムライハ市、ダイル・サルマーン市郊外、シャブアー町郊外、ダブラ市郊外、ダイルハビーヤ市周辺、ヤブルード市郊外、ブルダーン市郊外、アドラー市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月23日付)によると、タイバ村、シャンダーヒーヤ村、ラスタン湖、カフルナーン村、ブルジュ・カーイー村、タッルドゥー市、キースィーン市、ヒムス市ワーディー・サーイフ地区、ジャウラト・シヤーフ地区、バーブ・フード地区、クスール地区、カラービース地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(9月23日付)によると、ダイル・ザウル市ティーム地区で軍が反体制武装集団への特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、SANA(9月23日付)によると、ファッラーフ村で反体制武装集団が仕掛けた爆弾が爆発し、女性1人を含む2人が死亡した。

レバノンの動き

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長はマナール・チャンネルを通じてテレビ演説を行い、ベイルート県郊外のダーヒヤでの軍・治安部隊への治安権限の移譲、シリア情勢などについて語った。

Naharnet, September 23, 2013
Naharnet, September 23, 2013

8月15日のベイルート県郊外での爆弾テロに関して、ナスルッラー書記長は「シリア国内で、反体制勢力として活動しているタクフィール主義者によるものだ…。治安機関も同じ結論に達していると思う」と述べた。

シリアの化学兵器問題に関しては「米国防長官は、化学兵器がヒズブッラーに手渡されると警鐘を鳴らした翌日、シリア革命反体制勢力国民連立は、シリア政府がヒズブッラーに化学兵器を与えたと主張した。また一部の「利口な」反体制指導者は、我々は1トンの化学物質を受け取ったと主張した。しかしこれは嘲笑に値する言いがかりだ」と述べた。

また「小麦、穀物、あるいは伝統的な兵器を運ぶのとは違う。しかし、一部のレバノンの勢力は、このメディア・キャンペーンに加わり、レバノンに化学兵器が持ち込まれたのではと恐れている…。こうした言いがかりは、レバノン、そして国民すべてに危険な影響を与える」と付言した。

そのうえで「私はこうした言いがかりを完全に否定する。私はレバノン国民に、こうした言いがかりが行われていることに慎重になるよう呼びかける」と強調した。

諸外国の動き

トルコのアブドゥッラ・ギュル大統領は国連総会出席のために訪問したニューヨークで記者団に「予防的措置、装甲車・戦車の展開にもかかわらず、我々はテロリストの潜入を阻止できない」と述べ、トルコ経由でシリアに潜入していたサラフィー主義戦闘員がトルコに退却していることを明らかにした。

ギュル大統領はそのうえで「過激派は我々の安全保障にとって大いなる懸念のもととなっている」と付言した。

『ヒュッリイェト』(9月23日付)が伝えた。

**

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、ソチで開かれた集団安全保障条約機構首脳会議で、シリア情勢に関して「いかなる軍事介入も国際法違反であり、国連の正統性への敵対行為である」と述べた。

そのうえで、加盟国のアルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタンが、「シリア情勢が政治的・平和的方法以外によっては正常化し得ないという点で合意した」ことを明らかにした。

プーチン大統領はその一方で「(シリアの)過激派は無から発生したわけではないし、消えてなくなることもない。国を超えてテロが拡がる問題こそが、真の問題であり、すべての条約加盟諸国の国益に直接影響を及ぼし得る」と警鐘を鳴らした。

**

中国外交部報道官は、シリア政府が化学兵器計画の申告書を化学兵器禁止機関に提出したことに関して「化学兵器条約加盟後にシリアが行った重要なステップだと考える」と評価、「専門家派遣など、シリアの化学兵器廃棄に関して同機構への支援を続ける」と述べた。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、シリアの化学兵器廃棄問題に関する安保理の内容に関して三つの条件を示した。

三つの条件とは、①シリアで再び化学兵器が使用された場合、安保理が違反を審議できるようにすること、②米露合意の不履行に対して、国連憲章第7章に基づく措置を明記すること、③8月21日の化学兵器攻撃の実行者の裁判・処罰。

**

AFP(9月23日付)によると、ヨルダンの国家治安裁判所は、シリアへの潜入を試みたヨルダン人ジハード主義者5人に禁固5年の有罪判決を下した。

5人は2012年2月にシリアに潜入し、シャームの民のヌスラ戦線に加わろうとして逮捕されていた。

AFP, September 23, 2013、al-Hayat, September 24, 2013、Kull-na Shuraka’, September 23, 2013, September 24,
2013、Kurdonline, September 23, 2013、Naharnet, September 23, 2013、Reuters,
September 23, 2013、Rihab News, September 23, 2013、SANA, September 23, 2013、UPI,
September 23, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

 

シリア革命反体制勢力国民連立のジャルバー議長がジュネーブ2会議参加に向けた従来の条件を軟化させる、サアドッディーン大佐が(自由シリア軍)最高軍事評議会と参謀委員会の間の「高度な調整」の存在を暴露(2013年9月22日)

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長は、国連安保理に書簡を送り、ジュネーブ2会議への参加に関して、ジュネーブ大会(2012年)の合意に基づき、すべての当事者が全権を有する移行期政府の発足に同意しなければならないとの立場を表明し、アサド政権退陣を参加の条件としてきたこれまでの主張を軟化させた。

ロイター通信(9月22日付)が報じた。

しかし、ザマーン・ワスル(9月22日付)によると、これに対して連立のバドル・ジャームース事務局長は、ジャルバー議長の発言の一部しか公表されていないと反論、「連立の内規にアサド大統領と現政権の幹部、そしてシリア国民に対する犯罪に関与したすべての者の解任」をめざすと規定されていると強調した。

また政治委員会メンバーのカマール・ルブワーニー氏は、「ジュネーブ2会議に参加したものは、犯罪者との共謀容疑で裁かれる…。またイランの占領、さらにはシリア革命への強奪に関与した容疑で裁かれる」と牽制した。

**

自由シリア軍参謀委員会(最高軍事評議会)報道官のカースィム・サアドッディーン大佐はクッルナー・シュラカー(9月22日付)に、参謀委員会が近くイスタンブールで会合を開き、ジュネーブ2会議で審議予定の移行期政府の人事に関して協議することを明らかにした。

サアドッディーン大佐は、このなかで自らが報道官だと名乗る「最高軍事評議会」がサリーム・イドリース参謀長率いる参謀委員会の間に「高度な調整」があると述べ、両組織が一枚岩でないことを暴露した。

またファフド・ミスリー氏が率いる自由シリア軍合同司令部中央広報局については、「存在しない…。自由シリア軍を何ら代表していない」と述べた。

そのうえで移行期政府の時人事については、国防大臣と内務大臣のポストを求める意向を示した。

**

クッルナー・シュラカー(9月22日付)は、民主統一党支持者がハサカ県ダルバースィーヤ市の住民に対して、イラク・クルディスタン地域の旗を掲げている家を焼き討ちにすると脅迫し、この旗に変えてTEV-DEMの旗を掲揚するよう求めている、と報じた。

**

アフバール・アーン(9月22日付)は、37人の女性ジハード主義者が、ダマスカス郊外県東グータ地方で狙撃訓練などを受け、「女性部隊」を結成したと報じた。

**

自由シリア軍最高軍事評議会(参謀委員会)報道官のカースィム・サアドッディーン大佐は、チュニジア女性が「結婚ジハード」(慰安婦)としてシリア国内に送り込まれてきたとの情報に関して「メディアのねつ造」と断じ、「不貞行為」とみなしていると述べた。

クッルナー・シュラカー(9月23日付)が伝えた。

シリア政府の動き

ビシュル・リヤード・ヤーズジー観光大臣は、2011年3月の危機以降、271の観光宿泊施設が営業を停止し、3,300億シリア・ポンドの損失が発生、約300の観光プロジェクトが停止し、25万8,000人が職を失った、と発表した。

『ティシュリーン』(9月22日付)が伝えた。

**

オリエント・ネット(9月22日付)は、8月21日のダマスカス郊外県での化学兵器攻撃は、アラウィー派将兵からなる秘密治安部隊の「第450部隊」が行ったと主張した。

同ネットによると、この部隊は化学研究調査センターに所属し、シリアの化学兵器プロジェクトを統括しているのだという。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、ダマスカス・ヒムス国際幹線道路沿いの内務省施設近くで、爆弾を仕掛けた車を爆発させ、軍の兵士多数を死傷させた。

同監視団によると、ダマスカス郊外県でのダーイシュのテロはこれが初めて。

これに対して、軍は、ナバク市、ヤブルード市、および両市郊外など、ダーイシュのテロが発生した地点周辺を空爆、砲撃した。

またダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市、バイト・サフム市で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

このほか、ハーン・シャイフ・キャンプでは、軍の拘置所で拘束されていた市民3人が拷問を受け、死亡したという。

一方、SANA(9月22日付)によると、ハラスター市、ドゥーマー市郊外、シャブアー町、フタイタ・トゥルクマーン市、ザバダーニー市およびブルダーン市郊外の山間部、リーマー農場、ダーライヤー市、ナバク市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム旅団、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またジャルマーナー市に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民2人が負傷した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、バルザ区で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、ロシア外務省は声明を出し、マズラア地区にあるロシア大使館に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾、うち1発が本舎を直撃し、スタッフ3人が軽傷を負った、と発表した。

外務省声明によると、迫撃砲はマッザ区から発射されたという。

他方、SANA(9月22日付)によると、カーブーン区、ジャウバル区、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またマズラア地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民1人が負傷した。

**

アレッポ県では、自由シリア軍の北の嵐旅団が声明を出し、アアザーズ市での停戦合意の第1項(身柄拘束者の釈放)をイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が遵守していないと非難した。

北の嵐旅団によると、ダーイシュは40人の身柄拘束者のうちの9人しか釈放しておらず、「猶予期間を経て、ダーイシュが合意を履行しなければ、彼らは法的裁きを受けねばならない」と警鐘を鳴らした。

なお『ハヤート』(9月23日付)によると、アアザーズ市の大部分はダーイシュが制圧しており、北の嵐旅団は同市西側入り口を維持しているのみで、アブー・イブラーヒーム・シーシャーニーの一団(ダーイシュ)が両者の兵力を引き話すかたちで検問所を設置しているという。

一方、SANA(9月22日付)によると、クワイリス村、ラスム・アッブード村、アレッポ中央刑務所周辺、キンディー大学病院周辺、ハーン・アサル村、ワディーヒー村、アッザーン村、ラスム・ウカイリシュ村、ラスム・シャイフ村、バーブ市・ナスルッラー市街道、ダイル・ハーフィル市・タイバト・イマーム市街道、カブターン・ジャバル村、アイティーン市、ハーン・トゥーマーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、旧市街、バニー・ザイド地区、ブスターン・カスル地区、スッカリー地区、バーブ・ハディード地区、シャイフ・サイード地区、ジュダイダ地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、『ハヤート』(9月23日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がバーブ・ハワー国境検問所から約10キロの地点に位置するハザーヌー町を襲撃、「自由シリア軍」と交戦した。

ザマーン・ワスル(9月22日付)は、この戦闘を受けて、トルコの当局が、バーブ・ハワー国境通行所に通じるトルコ両側の通行所も閉鎖した、と報じた。

一方、SANA(9月22日付)によると、タッル・サラムー村、サルジャ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、『ハヤート』(9月23日付)によると、シャッダーディー市郊外で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を襲撃し、戦線の武器を奪った。

また、民主統一党人民防衛隊はラアス・アイン市郊外のジャーファー村で、武器を輸送していたダーイシュとヌスラ戦線の車輌2台を攻撃、破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ラサーファ地区で軍と反体制武装集団が交戦、またハミーディーヤ地区に地対地ミサイルが着弾した。

一方、SANA(9月22日付)によると、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区で、軍が反体制武装集団の作ったトンネルを破壊したほか、旧空港地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月22日付)によると、ヒムス市カラービース地区、クスール地区、ジャウラト・シヤーフ地区、ガジャル村、ザアフラーナ村、カフルナーン村、ガースィビーヤ村、ダール・カビーラ村、キースィーン村、タッルドゥー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(9月22日付)によると、シャイフ・サアド村、ナワー市、フラーク市、西ムライハ村、ガディール・ブスターン市、ザアルーラ市、アトマーン村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

クナイトラ県では、SANA(9月22日付)によると、ラフィード市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、ロシアのChannel 1(9月22日)に、シリアの化学兵器廃棄をめぐる問題に関して「米国は、ロシアが国連憲章第7章に基づく決議を支持しなければ、化学兵器禁止機関での活動を止めるとして我々を揺すり始めた…。西側諸国はシリアの体制を転換するという戦略目標によって盲目になってしまっている」と批判した。

また「西側諸国は、リビアで一度裏切ったということを認めたがらない…。イラクでも裏切り、事態を放置した…。彼らの唯一の目的とは優位を確保することだ」と述べた。

さらに、アサド政権が倒れたら「シリアが再び世俗国家になることはなかろう」としたうえで、反体制武装集団の「3分の2から4分の3はジハード主義者だ」との見方を示した。

**

ロバート・フィスク記者は『インディペンデント』(9月22日付)で、8月21日のダマスカス郊外県での化学兵器攻撃に使用された毒ガスが、ロシアからシリア軍に供与されたものではないとの「証拠」をロシア側が握っているとの噂がシリア国内で流れていることを明らかにした。

フィスク記者によると、この毒ガスはソ連時代に製造され、アラブ諸国のなかではイエメン、エジプト、リビアにしか供与されていなかったという。

http://www.independent.co.uk/voices/comment/gas-missiles-were-not-sold-to-syria-8831792.html

**

ヨルダンのシリア人避難民管理局のウィダーフ・ハンムード局長はAFP(9月22日付)に「多くのシリア人が危機発生以降、教までに自発的に帰国し、その数は91,000人に達する」と述べた。

またハンムード局長によると、ヨルダン国内のシリア人避難民の総数は54万3,029人で、うち12万1,130人がザアタリー・キャンプに収容されているという。

**

ドイツ内務省の連邦憲法擁護庁(BfV)はドイツ紙に対し、約170人のイスラーム過激派がドイツからシリアに潜入し、その一部が戦闘に参加していることを明らかにした。

**

リハーブ・ニュース(9月21日付)は、イラクのペシュメルガが、シリア領内にカラシニコフ銃40丁を密輸しようとしていた男性2人を拘束、銃を押収したと報じた。

AFP, September 22, 2013、Akhbar al-An, September 22, 2013、al-Hayat, September 23, 2013、The Independent, September 22, 2013、Kull-na Shuraka’, September 22, 2013, September 23,
2013、Kurdonline, September 22, 2013、Naharnet, September 22, 2013、Orient
Net, September 22, 2013、Reuters, September 22, 2013、Rihab News, September
22, 2013、SANA, September 22, 2013、Tishrin, September 22, 2013、UPI, September 22, 2013、Zaman al-Wasl, September 22, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

自由シリア軍合同司令部中央広報局が反体制武装活動に参加している外国人戦闘員に対しシリアを去るよう求めるなか、化学兵器禁止機関はシリア政府から保有する化学兵器に関する申告書を受け取ったと発表(2013年9月21日)

反体制勢力の動き

自由シリア軍合同司令部中央広報局のファフド・ミスリー氏はスカイ・ニュース(9月21日付)で、反体制武装活動に参加している外国人戦闘員に関して、「正統なイスラーム教の道徳と自由シリア軍の原理に反した振る舞いゆえに、歓迎されていない」と非難、「過激派であるかどうかにかかわらず…ただちにシリアを去らねばならない」と述べた。

**

クッルナー・シュラカー(9月21日付)は、ロシアのセルゲイ・リバコフ外務副大臣がシリア訪問時(9月18日)に、民主的変革国民調整委員会の執行部と会談し、ジュネーブ2会議などに関して協議したと報じた。

同報道によると、この会合で、ロシア側は、ジュネーブ2会議に、同委員会、シリア革命反体制勢力国民連立、クルド人合同使節団の3団体を反体制勢力の代表として参加させる意向を示したほか、移行期政府の閣僚ポストに関して、委員会に2閣僚を配分することを提案したという。

またクウェート紙『アンバー』(9月21日付)は、ジュネーブ2会議後に発足される移行期政府の閣僚候補についての情報を得たと報じた。

それによると、アサド政権が外務、内務、防衛大臣のポストを得る一方、民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア渉外局長が入閣するという。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長は、レバノンのマロン派のビシャーラ・ラーイー総大司教、シリア正教会アンタキア総大司教のイグナチウス・ザッカー1世イワス、ギリシャ・カトリックのアンタキア総大司教のグレゴリウス3世ラッハーム、ギリシャ正教会アンタキア総大司教のヨハネ10世に書簡を送り、ダマスカス郊外県マアルーラー市を襲撃したのは、反体制武装集団ではなく、アサド政権の軍だと訴えた。

またジャルバー議長は、8月21日付のグータ地方での化学兵器攻撃についても、反体制武装集団の犯行でないと伝えた。

クッルナー・シュラカー(9月21日付)が報じた。

**

シリア革命反体制勢力国民連立はイランのホセイン・ロウハーニー大統領の『ワシントン・ポスト』への寄稿に関して、イランがアサド政権を政治的、経済的、軍事的に支援するなかで「皮肉」だと非難した。

**

『ハヤート』(9月22日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立の使節団が国連総会に合わせて、米国を訪問し、西側各国を含む「シリアの友人連絡グループ」の外相、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表とジュネーブ2会議などについて協議するための準備が行われていると報じた。

同報道によると、使節団は、アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長、サーリム・ムスラト副議長、ミシェル・キールー氏、ブルハーン・ガルユーン氏、ルワイユ・サーフィー氏、ナジーブ・ガドバーン氏、ムンズィル・マーフース氏からなるという。

**

クッルナー・シュラカー(9月21日付)は、ダマスカス郊外県で活動する武装集団が、自由シリア軍参謀委員会のもとに第4師団を結成したと報じた。

第4師団に参加したのは以下の組織。

タウヒードの獅子旅団
トルクメン旅団
スバイナ殉教者旅団
ハジャル・アスワド旅団
ゴランの鷹旅団
イマーム・リファーイー大隊
ヤルムーク自由人旅団
ジュンドッラー大隊
ハジャル・アスワド中隊
自由司令部
ゴラン・コマンド大隊
ナバク殉教者大隊
ウマル・ブン・アブドゥルアズィーズ大隊
真理の険大隊
シャーム殉教者大隊

国内の暴力

ハマー県では、SANA(9月22日付)によると、タッル・マラフ村、ジャルマ村、シャイフ・ハディード町、ムハルダ市・スカイラビーヤ市街道で軍がシャームの民のヌスラ戦線の掃討を完了、同地の治安を回復した。

一方、シリア人権監視団によると、シャイフ・ハディード町で、軍が市民15人を殺害した。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(9月22日付)によると、シャブアー町周辺、ダイル・アサーフィール市郊外、バハーリーヤ農場、カースィミーヤ農場、ドゥーマー市郊外、ムライハ市郊外、フサイニーヤ町、ヤブルード市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またサイイダ・ザイナブ町では、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が2発着弾し、市民3人が死亡した。

**

ダマスカス県では、SANA(9月22日付)によると、バルザ区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(9月22日付)によると、バイト・イブリク村、カビール村、ダルーシャーン村、クーム村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム戦線(ダーイシュ)の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、「自由シリア軍」がサフィーラ市の防衛工場機構近くの6つの村を制圧し、同機構とアレッポ国際空港などを結ぶ軍の兵站線を遮断した、とシリア革命反体制勢力国民連立が発表した。

また『ハヤート』(9月22日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がアアザーズ市での停戦合意を履行するかたちで、身柄拘束していた北の嵐旅団メンバー9人を釈放した。

一方、SANA(9月22日付)によると、ナイラブ村、ダイル・ハーフィル市、バーブ市・ダイル・ハーフィル市街道、ターディフ市、クワイリス村、ラスム・アッブード村、アドナーニーヤ村、カスィース村、シャイフ・サイード村、アイティーン村、ワディーヒー村、ハッダーディーン村、ラスム・バクルー村、ラスム・ウカイリシュ村、ラスム・シャイフ村、アレッポ市ジュダイダ地区、旧市街で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市内のイバーラ・モスク近くに反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民2人が死亡した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(9月22日付)によると、ダイル・ザウル市アルディー地区、シャイフ・ヤースィーン地区、ハウィーカ地区、シュマイティーヤ町で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャーム自由人大隊、アッバース旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月22日付)によると、カフルナーン市、キースィーン市、ガジャル村、カフルラーハー市、カルアト・ヒスン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(9月22日付)によると、ダルアー市、タファス市、アトマーン村、ハーッラ市、ジャースィム市、ナマル町、アーリヤ市、タッル・マハッス市、ラフィード市、ナワー市、マアラカ市、サイダー町、シャイフ・サアド村、アドワーン村、ガディール・ブスターン市、ウンム・ルーカス市、ウマーン市で、軍が反体制武装集団と交戦し、ムウタッズ・ビッラーヒ旅団、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(9月21日付)によると、「自由シリア軍」がハーリム市郊外のハッターン村で、反体制シャイフのサラーフッディーン・ハブラス氏暗殺を阻止した。

諸外国の動き

化学兵器禁止機関(本部ハーグ)は、シリア政府から、化学兵器の種類、量、保管場所、保管形態、研究・製造施設に関する申告書を受け取ったと発表した。

同申告書は、9月14日の米露合意において「1週間以内の提出」が定められていた。

化学兵器禁止機関はまた、検証チームが申告書に関する情報の確認を行っていると付言した。

また化学兵器禁止機関は、22日に予定していた、シリアの化学兵器の検査・廃棄に関する計画書の作成を審議するための会合を延期することを決定した。

シリア政府が提出した申告書の内容の確認が完了しないことが理由。

**

ロシアのセルゲイ・イヴァノフ大統領府長官はストックホルムでの国際戦略研究研究所の大会で「現時点で私が述べることは、あくまでも理論的、仮定的なものだが、もしアサド大統領が騙していることが分かったら、我々は態度を変えるだろう」と述べた。

イヴァノフ長官は、シリアでの化学兵器使用に関して、政権ないしは反体制勢力のいずれかが嘘をついているとしたうえで「我々が態度を変え、国連憲章第7章に基づくこともある…。しかしこれはあくまでも理論上の話であって、今のところその証拠(アサド政権による使用の証拠)はない」と述べた。

ロシアの複数のメディアなどが報じた。

**

『ハヤート』(9月21日付)は、サウジアラビアのアブドゥッラー国王の指示のもと、シリア同胞救済国民キャンペーンがレバノン国内のシリア避難民への住居提供のプログラムを準備、空マンション560部屋を借り上げ、560世帯に提供した、と報じた。

同プログラムは1,000部屋を提供する予定。

**

ヨルダン国王アブドゥッラー2世は、米『ワールド・ポリスィー・ジャーナル』誌に寄稿し、そのなかでシリア人避難民受け入れなどの問題に対してヨルダンへのさらなる支援を行うよう国際社会に訴えた。

ヨルダンの国営ペトラ通信(9月21日付)が伝えた。

**

UNICEFの東・北アフリカ地域事務所のマリア・カリビス代表は、レバノンのシリア人避難民が収入を得るために児童労働に依存するようになっていると発表した。

カリビス代表はまた、難民登録を終えた約40万人のシリア人児童のうち、公立大学に通えているのが4分の1程度だけであることを明らかにした。

AFP, September 21, 2013、al-Abna’, September 21, 2013、al-Hayat, September 21, 2013, September 22, 2013、Kull-na Shuraka’, September 21,
2013、Kurdonline, September 21, 2013、Naharnet, September 21, 2013、Reuters,
September 21, 2013、Rihab News, September 21, 2013、SANA, September 21, 2013、UPI,
September 21, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラーム旅団の司令官は東グータ地方の若者にジハードに参加するよう呼びかけた声明を「承認しない」と発表、安保理常任理事国を含まない28か国外相がシリアにおけるすべての紛争当事者に対して暴力停止を呼びかける共同声明を発表(2013年9月20日)

反体制勢力の動き

イスラーム旅団のムハンマド・ザフラーン・アブドゥッラー・アッルーシュ司令官は声明を出し、東グータ地方の若者にジハードへの参加を呼びかけた19日の声明(20日付声明)に関して、「我々はこの文書を承認しない。文書は我々(の姿勢)を代表しない」と関与を否定した。

Rihab News, September 20, 2013
Rihab News, September 20, 2013

**

ダマスカス郊外県革命評議会指導部報道官を名乗るムハンマド・サイード氏はクッルナー・シュラカー(9月20日付)に、イスラーム旅団の司令官であるアブー・マアルーフがマアルーラー市での政府との「停戦」を反故にするだろうと述べた。

サイード氏によると、アブー・マアルーフは「政権が捕虜釈放の見返りに、マアルーラー市での停戦(攻撃停止)をめざしているが、それは同市一帯地域での弱さゆえであり、いずれ軍を動員して、再び停戦を破り、メディアでの勝利を収めようとしている。我々はアッラーの許しのもと、こうしたことを決して許さない」と述べたという。

シリア政府の動き

カドリー・ジャミール経済問題担当副首相は、ロシア・トゥデイ(9月20日付)に、ジュネーブ2会議の開催中に停戦を求めるだろうと自身が述べたとする『ガーディアン』(9月19日付)の報道内容を否定した。

**

『ハヤート』(9月21日付)は、複数の反体制筋の話として、ダマスカス郊外県マアルーラー市一帯の完全制圧作戦を指揮していた第3師団のサリーム・バラカート少将が当局によって逮捕されたと報じた。

同報道は、制圧作戦の「失敗」を受けて、バラカート少将が逮捕されたと報じている。

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区で、軍と反体制武装集団が交戦、またヤルムーク区に迫撃砲弾が着弾した。

一方、SANA(9月20日付)によると、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備・地下トンネルを破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市周辺を軍が空爆した。

一方、SANA(9月20日付)によると、シャブアー町、ダイル・アサーフィール市、ザマルカー町、アーリヤ農場、ダイル・サルマーン市、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、ヤブルード市、ザバダーニー市郊外の山間部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月20日付)によると、スルターニーヤ村、西サラーム村、東サラーム村で、軍が反体制武装集団の掃討を完了、同地の治安を回復した。

またヒムス市バーブ・フード地区、クスール地区、ジャウラト・シヤーフ地区、ラスタン市、ダール・カビーラ村、ハーリディーヤ村、ガントゥー市、ガジャル村、キースィーン市、タルビーサ市、ダイル・フール村、ドゥワイル村、マスラビーヤ村、マクラミーヤ村、カフルラーハー市、タッルドゥー市、カフルナーン村、ザアフラーナ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(9月20日付)によると、フライターン市、ダイル・ハーフィル市、フマイマ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市サラーフッディーン地区、旧市街、サーフール地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(9月20日付)によると、アトマーン村、シャイフ・サアド村、アドワーン村、ナワー市、タイバ町、ムザイリーブ町、ヤードゥーダ村、ジーザ町、フラーク市、ヌアイマ村、ジャースィム市、ラジャート市、アブー・ガーラ市、ライード市、アイン・フライジャ市、サイダー町、バサーラ市、ナダー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ヨルダン人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アルバイーン山各所、タマーニア町、マルイヤーン村などを軍が空爆・砲撃した。

一方、SANA(9月20日付)によると、ビンニシュ市、ムスィービーン市、ファイルーン市、イドリブ中央刑務所周辺、ナフリヤー市、カフルラーター市、タッル・サラムー村、ブワイティー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

レバノンの声ラジオ(9月20日付)などによると、ベカーア県西ベカーア郡で、RPG、手榴弾、爆発物80キロを所持していたパレスチナ人1人とシリア人2人を当局が逮捕した。

諸外国の動き

チュニジアの女性家族問題省は声明を出し、サラフィー主義者がシリアでの戦闘に慰安婦を派遣しているいわゆる「結婚ジハード」問題に関して、「宗教道徳的価値に明らかに反する…忌まわしい行為」と非難、当局に然るべき法的措置を行うよう求めた。

UPI(9月20日付)が報じた。

**

欧州、アジア、アフリカ、オセアニア、ラテンアメリカの28カ国外相が、シリアにおけるすべての紛争当事者に対して暴力停止を呼びかける共同声明を発表した。

共同声明に署名したのは、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、コートジボワール、クロアチア、キプロス、チェコ、デンマーク、エジプト、エストニア、EU、フィンランド、ギリシャ、ハンガリー、インドネシア、アイルランド、カザフスタン、ラトビア、ルクセンブルグ、オランダ、ポーランド、スロバキア、スロベニア、スペイン、スイス、タイの外相。

日本の外相は署名していない。

**

イランのホセイン・ロウハーニー大統領は『ワシントン・ポスト』(9月20日付)に「なぜイランは建設的関与をめざすのか」と題したコラムを寄稿した。

同コラムのなかで、ロウハーニー大統領はシリアとバーレーンの情勢に触れ、両国に「国民対話」を行うよう呼びかけるとともに、イランがシリアの紛争当事者を仲介すると述べた。

**

イタリアの沿岸警備隊は、シチリア島近くでシリアの紛争から逃れてきたというシリア人400人以上が乗った船2隻を発見し、シラクーザ港に曳航した。

避難途中で22歳の女性1人が死亡したという。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、8月に入って、3,300人のシリア人が同様のルートでイタリアに避難したという。

**

国際原子力機関(IAEA)は総会で、イスラエルに核拡散防止条約(NPT)への加盟と査察の受け入れを求める決議案を賛成43、反対51、棄権32で、否決した。

決議案はアラブ諸国が提出、ロシア、中国が賛成したが、米国、西欧諸国、日本は反対した。

AFP, September 20, 2013、al-Hayat, September 21, 2013, September 22, 2013、Kull-na Shuraka’, September 20,
2013、Kurdonline, September 20, 2013、Naharnet, September 20, 2013、Reuters,
September 20, 2013、Rihab News, September 20, 2013、SANA, September 20, 2013、UPI,
September 20, 2013、The Washington Post, September 20, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア革命反体制勢力国民連立がイスラーム国によるアアザーズ市制圧を「シリア革命勢力への敵対行為」として非難するなか、タウヒード旅団とイスラーム国が同市での停戦合意に署名したと報じられる(2013年9月19日)

反体制勢力の動き

イスラーム旅団、フダー青年大隊、コマンド部隊などから構成されるシャリーア委員会は20日付で声明を出し、ダマスカス郊外県東グータ地方の1983~1994年生まれの青年に対して、「ジハードの義務」を果たし、「アサドの悪党とイスラームの敵」に対する戦闘に参加するよう呼びかけた。

Rihab News, September 20, 2013
Rihab News, September 20, 2013

**

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)によるアアザーズ市制圧を「シリア革命勢力への敵対行為」、「シリア革命の得枠組みから逸脱している」と非難した。

**

自由シリア軍参謀委員会のルワイユ・ミクダード政治広報調整官は『シャルク・アウサト』(9月19日付)に、「イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)をはじめとするジハード主義集団には、反体制武装集団を標的にするため、計画的で調整された動きがある」と批判した。

ミクダード調整官は「これらの組織は、政府軍と戦い、独裁体制からシリア人を解放するのを支援するためにシリアにやってきた。しかし、我々は今日、彼らが民衆を弾圧し、宗教を利用して彼らを脅迫し、彼らを口実にシリア人を弾圧してきた体制にとって代わってしまった」と述べた。

シリア政府の動き

シリア外務在外居住者省は国連安保理議長と事務総長宛てに書簡を送り、そのなかで米国、およびその西側同盟国、一部地域諸国が、国連憲章、国際法、そしてテロとの戦いに関する国連安保理決議に違反して、シリア国内のアル=カーイダおよびその分派を含む武装テロ集団に資金、武器を供与していると指摘した。

声明は、米英仏、トルコ、サウジアラビア、カタールを名指しで批判し、これらの国の活動に対処するよう国連に求めた。

**

カドリー・ジャミール経済問題担当副首相は『ガーディアン』(9月19日付)のインタビューに応じ「反体制武装集団も、政権も、相手の陣営を負かすことはできない。パワーバランスは早々に変わることはない」としつつ、「外国の介入がなくなることが、停戦と平和的政治プロセスの開始をもたらす」と主張した。

そのうえで、反体制武装集団との停戦に合意できれば、「中立的な友好国」の監視団による「国際管理のもと」化学兵器の廃棄が行われるだろうとの見方を示した。

一方、アサド政権の退陣の是非について「体制が今のようなかたちで続くことを恐れてはならない。様々な具体的理由により、現体制はこれまでの体制ではなくなった」と述べ、西側諸国にアサド政権の主導のもとでの改革を支援するよう呼びかけた。

**

クッルナー・シュラカー(9月21日付)は、欧州議会のヴェロニク・ドゥ・カイザー議員(ベルギー)がシリアを訪問し、アサド大統領と会談したと報じた。

同報道によると、会談で、アサド大統領は民主的変革諸勢力国民調整委員会のアブドゥルアズィーズ・ハイイル氏が2012年9月の中国訪問を終え、帰国した直後に誘拐された事件に関して、「武装集団が彼を誘拐した」と答えたという。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団などによると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が北の嵐旅団を放逐し、制圧したアアザーズ市に、自由シリア軍を名乗るタウヒード旅団などが増援部隊を派遣した。

Kull-na Shuraka', September 19, 2013
Kull-na Shuraka’, September 19, 2013

タウヒード旅団の報道官だというアブー・ハサン氏はAFP(9月29日付)の取材に対し、「タウヒード旅団が事態収集のため活動する…。我々はこの対立を収集するために尽力したい。みなが満足する解決にいたり、両当事者を治める委員会を設置し、民衆の要求を実現しなければならない」と述べた。

また「アアザーズ市民は動揺していて、アアザーズ市からの「ダーイシュ」の撤退と、前線に去ることを求めている」と付言した。

アアザーズ市を奪われた北の嵐旅団は声明を出し「我々は、タウヒード旅団に対して、人民を保護するというアッラーへの宣誓を履行するため、アアザーズ市にただちに向かい、同市を守り、ダーイシュから解放するよう求めている」と発表した。

アブー・ルワイユ・ハラビーを名乗る活動家によると、北の嵐旅団は、アアザーズ市内の病院でボランティア活動をしていたドイツ人医師を拉致しようとしたダーイシュと争い、同市を奪われたという。

またハラビー氏は「アアザーズを制圧したダーイシュは、国境通行所に近づき、アレッポ北部一帯を制圧しようとしているようだ」と危機感を露わにした。

複数の目撃者によると、このドイツ人医師は「国境なき医師団」のメンバーで、同医師が活動していた病院へのダーイシュの襲撃によって、2人が死亡し、その後、ダーイシュと北の嵐旅団の戦闘によってさらに2人が死亡し、戦闘も対シリア国境近くにまで拡がったという。

ザマーン・ワスル(9月19日付)によると、アブー・イブラーヒーム・シーシャーニーらダーイシュの一部司令官は「イスラームの血が流れないよう」戦闘停止を呼びかけたが、外国人戦闘員はこの呼びかけに応じず、戦闘を続けたという。

またダーイシュの司令官の一人によると、ダーイシュの攻撃は、指導者のアブー・バクル・バグダーディーから祝福されている一方、別の指導者のアブー・アブドゥッラフマーン・クワイティーは「事態収拾を試みたが、失敗した」という。

しかしその後、クッルナー・シュラカー(9月19日付)などは、タウヒード旅団とダーイシュがアアザーズ市での停戦合意に署名したと報じ、文書の写真を公開した。

停戦合意内容は以下の通り:

1. 双方(ダーイシュ、北の嵐旅団)による即時発砲停止。
2. 双方が拘束した逮捕者の24時間以内の釈放。
3. 双方の行方不明者・身柄拘束者の返還。
4. 合意履行と兵力引き離しのため、タウヒード旅団による検問所設置。
5. シャリーア委員会での紛争の審理。
6. 北の嵐旅団への48時間以内の拠点の返還。
7. タウヒード旅団とムハンマド軍による合意履行の保証。

なおイラク・シャーム・イスラーム国の略称である「ダーイシュ」(داعش)は、同集団のアラビア語名「الدولة الإسلامية في العراق والشام」の頭字語。

**

同じく、アレッポ県では、SANA(9月19日付)によると、クワイリス村、ラスム・アッブード村、ハイヤーン町北部、アレッポ中央刑務所周辺、アレッポ市サラーフッディーン地区、ジュダイダ地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ジャッブーリーン村街道で、反体制武装集団が仕掛けた爆弾が爆発し、近くを走っていたバス2台に乗っていた14人が死亡した。

14人のなかには、国防隊民兵も含まれていたという。

一方、SANA(9月19日付)によると、カフルナーン村、タッルドゥー市、キースィーン市、タッルダハブ市、ガースィビーヤ村、ラスタン市、ヒムス市カラービース地区、ジャウラト・シヤーフ地区、ワーディー・サーイフ地区、ワルシャ地区、アクラード・ダースィニーヤ村、ファルハーニーヤ村、カフルラーハー市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またカフルナーン村の住民が反体制武装集団によって襲撃され、13人が死亡、複数が負傷、さらにマシュラファ村でも、反体制武装集団の襲撃により、1人が死亡、6人が負傷した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団が軍の戦闘機を攻撃、撃墜したとの情報が流れた。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、バルザ区で、軍と反体制武装集団が交戦した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザマルカー町の南部環状道路沿いの軍拠点の近くで爆弾が仕掛けられた車が爆発し、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(9月19日付)によると、シャブアー町、ダイル・アサーフィール市、ミスラーバー市、アルバイン市、ザマルカー町、ドゥーマー市、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、ダーライヤー市郊外、ムウダミーヤト・シャーム市郊外、カタナー市郊外、ラアス・アイン市、サルハー村、ジャイルード市、アドラー市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(9月19日付)によると、ラタキア市ブスターン・サマカ地区で、関係当局が反体制武装集団のアジトを捜索、手榴弾、拳銃、爆弾などを押収した。

**

イドリブ県では、SANA(9月19日付)によると、ビンニシュ市、マアッラトミスリーン市、クーリーン市、ナフリヤー市、カフルラーター市、カフルルーマー村、マアルシャムシャ市、タッル・サラムー村、ブワイティー村、アブー・ズフール航空基地周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(9月19日付)によると、ダイル・ザウル市アルディー地区にある農業研究施設近くで、軍が反体制武装集団と交戦し、戦闘員を殲滅、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

ムスタクバル潮流のウカーブ・サクル議員は、LBCI(9月19日付)に「我々はシリアの反体制武装集団に武器を供与する手段を持っていない」と述べ、シリアの紛争への関与を否定した。

またヒズブッラーに関して「シリア、エジプト、バーレーンに戦闘員が輸出されたことで、レジスタンスは終わった…。もはやレジスタンスではない。単なる請負人になってしまった」と非難した。

諸外国の動き

チュニジアのルトフィー・ベン・ジッドゥー内務大臣は議会で、シリアに「結婚ジハード」の名目で派遣されたチュニジア人女性をめぐる問題に関して、「20人、30人、そして100人(の戦闘員)が彼女らと交わり、結婚ジハードの名のもとでの性的交渉の結果、彼女らは身ごもって帰国しているが、我々は沈黙し、手をこまねいているだけだ」と発言した。

ベン・ジッドゥー内務大臣はまた、2012年3月以降、シリアでの戦闘に参加しようとした6,000人の出国を阻止し、チュニジア人のシリアへの潜入を支援していた86人を逮捕したことを明らかにした。

AFP(9月19日付)が報じた。

**

ロイター通信(9月19日付)は、トルコ高官からの情報として、アレッポ県アアザーズ市での北の嵐旅団(アフマド・ガザーラ大尉)とイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘を受け、トルコ当局がキリス市とアアザーズ市を結ぶオンジュプナル国境通行所を一時的に封鎖したと報じた。

**

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、ダマスカス郊外県での8月21日の化学兵器攻撃に関して「挑発だったことを示すあらゆる根拠がある」と述べた。

プーチン大統領は、その一例として、国連調査団の報告書が攻撃に使用されたと指摘したロケット弾について「こうした挑発を行うために、キリル文字が書かれたロケット弾を見つけて利用することは難しいことではない」と述べた。

シャームプレス(9月19日付)などが伝えた。

**

フランスのフランソワ・オランド大統領は、訪問先のマリでの記者会見で「ロシアは(シリア政府に兵器を)定期的に供与している。しかし、我々は諸外国とともに、より広い枠組みのもと、監視可能な枠組みでこれを行う。なぜなら、武器が自由シリア軍でなく、ジハード主義者の手に渡ることを我々は受け入れられないからだ」と述べ、反体制武装集団への武器供与の意思を示した。

**

アナス・フォー・ラスムセンNATO事務局長は、シリアの化学兵器廃棄に関して、NATOが直接関与することはないとしつつ、「もちろん一部の加盟国は個別に貢献する用意があり、またその能力を持っている」と述べた。

AFP, September 19, 2013、Champress, September 19, 2013、The Guardian, September 19, 2013、al-Hayat, September 20, 2013、Kull-na Shuraka’, September 19, 2013, September 21,
2013、Kurdonline, September 19, 2013、LBCI, September 19, 2013、Naharnet,
September 19, 2013、Reuters, September 19, 2013、Rihab News, September 19,
2013、SANA, September 19, 2013、al-Sharq al-Awsat, September 19, 2013、UPI, September 19, 2013、Zaman al-Wasl, September 19,
2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イラク・シャーム・イスラーム国とヌスラ戦線が反体制武装集団との戦闘の末にアアザーズ市を制圧するなか、民主統一党のムスリム共同党首はシリア革命反体制勢力国民連立への合意をめぐるシリア・クルド国民評議会のスタンドプレイを非難(2013年9月18日)

反体制勢力の動き

民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首は『ハヤート』(9月19日付)のインタビューに応じて、シリア革命反体制勢力国民連立へのシリア・クルド国民評議会の合意などへの見方について語った。

インタビューでムスリム共同党首は、クルド最高会議を構成するシリア・クルド国民評議会と民主統一党が主導する西クルディスタン人民議会が「シリア革命反体制勢力国民連立との交渉は、クルド最高委員会の名で行うことで合意した。しかし、彼ら(シリア・クルド国民評議会)は、単独行動を行い、クルド最高委員会を崩壊させた。それゆえ我々は(シリア・クルド国民評議会のシリア革命反体制勢力国民連立の合流を定めた)合意に反対している。この合意はクルド人の立場を代表していない。なぜならクルド最高委員会を経由していないからだ」と批判した。

また、シリア革命反体制勢力国民連立に関して「あなた方は統一の意見をもって集まっている訳でもなければ、クルド人を攻撃するシャームの民のヌスラ戦線に対する共通の姿勢も持っていない、そう私は彼らに言ってやった…。彼らが国内のイスラーム主義戦闘員を制御していないことが明らかになったとき、いったいどういう根拠に基づいて我々は彼らと合意をするのか?」と非難した。

そのうえで連立総合委員会(114人)でのシリア・クルド国民評議会合流の是非を問う採決で、出席者80人中52人しか支持票を投じなかった点に着目し、合流は「連立内でも違法」と主張した。

しかし、シリア革命反体制勢力国民連立がアフマド・トゥウマ氏の首班への選出を通じて発足をめざしている移行期政府については、「協力の用意がある」と述べた。

一方、ジュネーブ2会議に関して、「クルド人の権利の承認は必要不可欠だ」としたうえで、参加の意思を強く示した。

さらに、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国との戦闘については、トルコからの支援があると批判した。

**

自由シリア軍合同司令部(ファフド・ミスリー)は、革命運動諸勢力と共同声明を出し、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関する査察・調査の対象を、レバノン領にも拡大するよう求めるとともに、シリアの化学兵器がヒズブッラーの武器庫に移設された証拠を持っていると主張した。

同声明によると、シリアの化学兵器は3ヶ月前に、ベカーア県ヘルメル郡と北部県アッカール郡の無人地帯にあるヒズブッラーの武器庫に移設されたのだという。

**

ダマスカス郊外県マアルーラー市から敗走したカラムーン解放戦線が、サイイダ・ザイナブ町とジャルマーナー市の国防隊に所属する「シャッビーハ」を捉え、彼らから「軍から報酬をもらった別のシャッビーハが反体制武装集団を装ってマアルーラー市に送り込まれていた」との証言を得たとし、その映像をユーチューブで公開した。

クッルナー・シュラカー(9月18日付)が報じた。

**

シリア・トルクメン民主運動を名乗る組織が声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立へのシリア・クルド国民評議会の合流に関する合意を「シリアの領土、国民の統合に抵触する」と非難し、賛否の態度を保留すると発表した。

**

シリア民主フォーラムの政治局は声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立が「シリア革命反体制勢力国民連立が交わす合意、締結文書などの一切は、体制転換後に選出される国会での承認をもって正式に発効する」との決定を下したことに関して、「シリアの主権を代表していると主張する」暴挙と非難し、「決して受け入れられない」と拒否の姿勢を示した。

また声明は、シリア民主フォーラムが連立に加盟していないと改めて主張、創設者で連立に参加したミシェル・キールー氏らと一線を画していることを明らかにした。

シリア政府の動き

米国のフォックス・ニュースは、アサド大統領との独占インタビューを行い、放映した(http://video.foxnews.com/v/2680700063001/)。

SANA, September 18, 2013
SANA, September 18, 2013

インタビューは9月17日にダマスカスでデニス・クシニッチ前下院議員と記者のグレッグ・パルコット氏が行った。

インタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り:

(化学兵器を保有しているのかとの問いに対して)「もちろんだ。先週我々が(化学兵器禁止)条約に加わったが、これは我々が(化学兵器を)持っているということを意味する。そして我々はそう言ったのだ。だからもう秘密ではない…。我々はそれを廃棄するために国際的な合意(米露合意)に参加したのだ」。

(化学兵器廃棄の合意の履行に関して)「オバマ大統領は私を信用すべきだと思わない。まず、シリア国民が私を信用すべきであって、オバマ大統領ではない。次に、合意や国際関係について話す場合、そこには(履行のための)しくみがあって、この仕組みは客観的な基準に準拠すべきだ…。信用するかしないか…は、個人的な関係ではない」。

(化学兵器を早急に廃棄できるかとの問いに対して)「廃棄は技術的にとても難しい作業だと思う。多額の資金が必要で、シリアの備蓄を廃棄するには10億(ドル)がかかると見積もる人もいる。我々は専門家ではないが、これは最近の評価だ。だから、専門家に「早急に」という言葉がどういう意味なのかをあなた方は尋ねなければならない…。おそらく1年前後はかかるのだろう…。もし米国政府がこうした資金を供与し、有毒物質を米国に責任をもって持ち去るのであれば、やってもらいたい。もちろん、こうしたことは国連の特定の組織との協力のなかで行われるものだが…。我々は何の条件も示さない。どこにでも持ち去っていって欲しい」。

「我々がこの合意(化学兵器廃棄に関する)合意に同意したとき、我々はこの合意に完全に協力したいと思ったのだ。一部分だけでない。これは非常に明確なことだと思う」。

「米国の脅しがあって我々が合意したという誤解がある。事実、G20サミット前、ロシアのイニシアチブが提案される前、米国の脅しは、化学兵器の引き渡しに関するものではなかった。それは、こうした兵器を二度と使わせないためにシリアを攻撃するというものだった…。我々はいかなる脅しにも決して屈しなかった。事実我々は、ロシアのイニシアチブ、我々のニーズと確信に応えたのだ。だから(化学兵器廃棄に関して)国連憲章第7章に依拠するかどうかは、大国どうしのポリティクスに関わる問題だ」。

(化学兵器廃棄の合意履行に関して)「我々がしなければならない唯一のことは、情報を提供すること、我々の施設に彼ら(化学兵器禁止機関や国連調査団)がアクセスできるようにすることで、そのことに問題はない。明日にでもできる…。問題はどのくらい彼らがすべての化学兵器を廃棄できるかだ。なぜならそれはきわめて複雑だからだ。意思の問題ではなく、技術に関わる問題だ」。

(化学兵器使用に関する国連調査団の報告書について)「彼らはサンプルを入手したし、客観的だとされる。我々は公式の報告書を出してはいないが、問題は私がサリン・ガスの使用に同意したかどうかということだ…。私は(国連の報告書に)まだ同意はしない。証拠を得るまで待たねばならない…。彼らはミッションをまだ完了していない。彼らは戻ってくる。我々は彼らと議論して、詳細を示すことになろう…。我々は(国連の報告書を)見なければならない。そして同意するかしないかを言う前に議論しなければならない」。

(化学兵器の使用が戦争犯罪なのは)「自明で、軽蔑に値する。そして犯罪だ…。しかしビデオや写真が信頼できるかを誰も検証していない…。唯一検証されたものと言えば、国連調査団が持ち帰ったサンプルだけだ…。しかし検証されていないビデオに基づいて報告書を作ることはあってはならない」。

(シリア軍がサリン・ガスを装填したロケット弾で攻撃を行ったことと国連報告書が示唆しているとの意見に関して)「報告書はこうしたこと…について言及していなかった…。何よりもまず、サリン・ガスは「キッチン・ガス」と呼ばれている。誰でも家で作れるからだ…。反乱分子であればだれでもサリンは作れる。また、我々は彼らがみな複数の国の政府の支援を受けており、こうした化学兵器を持っている国の政府であれば彼らに化学兵器を手渡せる」。

「自分の軍のそばでサリンを使うことはできない。これが第1だ。第2に、敗走しているのではなく、進軍しているなかで、大量破壊兵器は使わない。状況は軍にとって有利だった。第3に…化学兵器は特殊部隊のみが使用し…、歩兵部隊などの伝統的な部隊は使用しない。だからあなたの指摘(シリア軍が化学兵器を使用したとの指摘)は現実的でなく、本当ではない」。

「我々はテロ集団がサリンを持っているという証拠を持っており、ロシアにそれを渡した…。なぜこの点を無視するのか?」

「世俗国家とは宗教、宗派、民族に関係なく市民に対処することを意味する。なぜなら、シリアは坩堝だからだ。我々は数十の異なる文化・価値観からなっている。もしこうした世俗的社会を背景とする世俗国家がなくなってしまえば…、シリアは解体するだろう」。

「我々が直面しているのは内戦ではなく、戦争だ。しかも新しい種類の戦争だ…。(シリアで活動するジハード主義者に関して)誰も正確な数は分からない…。しかし数万人のジハード主義者がいることを知っている…。正確なデータはないが、80~90%の反乱分子とテロリストがアル=カーイダとその分派だ…。もちろん別のグループもいるが、その数は小さく、マイノリティになりつつある。当初、ジハード主義者がマイノリティだったが、2012年末までに…彼らはマジョリティになった」。

「我々は数万人のシリア人を失った。主にテロリストの攻撃、暗殺、自爆テロによってだ…。(政府軍の兵員の犠牲者は)15,000人以上はいる…。大多数の無実の人々は政府ではなく、テロリストに殺された。賢明な政府で自国民を殺す政府など世界のどこにもない」。

「いかなる外交努力であってもまず、テロリストの流れ、テロリストへの兵站支援、武器・資金供与を停止させることから始められるべきだ。そのうえで…、シリア人はテーブルにつき、シリアの将来、政治システム、憲法、そしてすべてを議論することができる…。このことはテロリストと交渉することを意味しない」。

(オバマ大統領に伝えたいことはとの問いに対して)「あなたの国民に耳を傾け、国民の常識に従いなさい。それだけです」。

「(紛争)当初から、テロリストや外国人がシリアに来る前から(国民の要求を受け入れてきた)。2011年当初から、紛争が始まった6日後に、我々は変わらねばならないと言った。そしてその2、3ヶ月後には憲法改正のプロセスを始めた…。最初から、もし要求があるのなら、すべてを変える用意があると言ってきた。国民が反対したら大統領に何ができ、そしてどのように成功を収められようか…?大統領であるためだけに大統領になりたいというのか?それは非現実的だし、不可能だ」。

「テロリストが侵入した場合、市民は、テロリストに人間の盾として利用されない限りはその場を立ち去る…。だから多くの避難民が発生している。また多くの場合、シリア軍は民間人が(避難して)生活していない地域を攻撃する」。

「もしシリア国民が大統領になって欲しいというのなら、とどまらなければならない。もし彼らが望まなければ、ただちに辞めねばならない…。しかし米国政府、そしてその同盟国である西欧諸国、そしてアラブ世界の操り人形だけが、大統領は去るべきだ、シリア国民はそうすべきだと繰り返している…。この陣営だけが主権国家の問題に干渉している」。

「我々はいつも世界中の国、なかでも米国とよい関係を持ちたいと思っている。なぜなら世界でもっとも偉大な国だからだ…。しかしこのことは、米国が向かって欲しいと思う方向に我々が向かうことを意味しない。我々には我々の国益があり、文明があり、意思がある。彼らはそれを受け入れ、尊重すべきなのだ」。

**

アサド大統領は、ロシアのセルゲイ・リバコフ外務副大臣を代表とするロシアの使節団とダマスカスで会談した。

SANA, September 18, 2013
SANA, September 18, 2013

会談で、アサド大統領は、西側諸国および一部地域諸国が支援するタクフィール主義テロの攻撃に対抗するシリアに対するロシア側の支持の姿勢を高く評価し、謝意を示した。

一方、リバコフ外務副大臣は、会談後に記者団に対して、化学兵器に関する情報の提出が「期日に沿って行われるという保障を我々は得た」と述べた。

また8月21日のダマスカス郊外県での化学兵器攻撃が反体制勢力によるものであることを示すとして、シリア政府がロシア側に提示した証拠に関して、「いかなる政治的目的もない…極めて明確で重要な証拠だ」と述べた。

そのうえで、これらの証拠に充分関心が払われていないことを遺憾だとしたうえで、化学兵器使用に関する国連調査団が早急にシリアに戻り、調査を完了することを望むと述べた。

SANA(9月18日付)が報じた。

**

ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣はAFP(9月18日付)に、シリアの化学兵器廃棄に関する安保理決議に関して「国連憲章第7章に基づく決議になるというのは、西側諸国の大嘘だと思う。第7章には決して依拠しないと思う。まったく正当性がない。米露合意はこの点に何ら言及していなからだ」と述べた。

国内の暴力

アレッポ県では、『ハヤート』(9月19日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国とシャームの民のヌスラ戦線が反体制武装集団との戦闘の末に、アアザーズ市を制圧した。

リハーブ・ニュース(9月18日付)によると、イスラーム国とヌスラ戦線は、イスラーム国のアブー・アナス・バグダーディーを名乗る指導者の一人を北の嵐旅団が殺害したと主張し、同市を襲撃、制圧した。

衝突を未然に防ぐため、タウヒード旅団が両者の和解を仲介したが、不調に終わっていたという。

イスラーム国とヌスラ戦線はまた、戦闘で北の嵐旅団の戦闘員5人を殺害、100人を捕捉したという。

一方、SANA(9月18日付)によると、ハーン・アサル村、ラスム・アッブード村、クワイリス村、ウワイジャ地区、アレッポ市ジャンドゥール地区、ライラムーン地区、ジュダイダ地区、旧市街で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・武器を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA革命通信(9月18日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国が県内にある使徒末裔旅団の本部複数カ所を包囲し、重火器で攻撃した。

一方、SANA(9月18日付)によると、ダイル・ザウル市ウルフィー地区で、軍が反体制武装集団の武器庫を攻撃破壊、またマリーイーヤ村、ズィヤーリー村、ムーハサン市郊外の街道で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・武器を破壊した。

また、同市では、イラク・シャーム・イスラーム国が、カスィール・ヒンダーウィー大隊、アッバース大隊を名乗る反体制武装集団と交戦し、多数の死者が出たという。

**

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(9月18日付)によると、ラアス・アイン市近郊のアルーク村、ジャフファ村、ハミード村、ラウディー村に侵入したシャームの民のヌスラ戦線とイラク・シャーム・イスラーム国と、民主統一党人民防衛隊が交戦し、4つの村を奪還、制圧した。また、タッル・ハラフ村などでも、両者が交戦した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区を軍が空爆した。

一方、SANA(9月18日付)によると、バルザ区、カーブーン区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点を破壊、武器弾薬を押収した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市で軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を行った。

またバイト・サフム市入り口とシャブアー町郊外の農場で、軍、国防隊、ヒズブッラーの戦闘員が反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(9月18日付)によると、ドゥーマー市、シャブアー町周辺、バハーリーヤ市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・武器を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団が、ザーウィヤ山のカフルズィーター市で「11人が軍によって戦場処刑され、焼き殺された」と発表した。

またサルジャ村への軍の空爆で、女性1人が死亡した。

一方、SANA(9月18日付)によると、サルミーン市、ビンニシュ市、カフルラーター市、カフルルーマー村、マアッラト・ヌウマーン市、マアッルシャムシャ市、サルジャ村、アブー・ズフール航空基地周辺、カルン・ガザール村、シュハイハ村、フータ村、タッル・サラムー村、ウンム・ジャリーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・武器を破壊した。

**

ハマー県では、SANA(9月18日付)によると、カフルヌブーダ町で、軍がシャームの民のヌスラ戦線拠点に特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・武器を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(9月18日付)によると、アトマーン村、フラーク市、シャイフ・マスキーン市、ヒルバト・ガザーラ町、ダーイル町、タファス市、ハーッラ市、インヒル市、シャイフ・サアド村、タスィール町、ナワー市、イズラア市、ムハッジャ村、ムザイリブ市、ヤードゥーダ村、タッル・シハーブ町、ナスィーブ村、バッカール村、ダルアー市で、軍が反体制武装集団と交戦し、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・武器を破壊した。

またシャイフ・マスキーン市で反体制武装集団が仕掛けようとしていた爆弾が誤爆し、戦闘員3人が死亡した。

**

ヒムス県では、SANA(9月18日付)によると、レバノン領内からタッルカラフ市郊外に潜入しようとした反体制武装集団を国境警備隊が撃退した。

またキースィーン市、カフルナーム村、ヒムス市クスール地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・武器を破壊した。

諸外国の動き

インテルファクス通信(9月18日付)によると、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、シリアでの化学兵器使用に関する国連調査団の報告書について、政治的に偏りがあると批判し、ダマスカス郊外県での化学兵器攻撃がシリアの反体制勢力の犯行であることを示すシリア政府提供の情報を近く国連安保理に示すと述べた、と報じた。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、化学兵器使用に関する国連調査団の報告書に関して「国連が任命した調査団の客観性について誰も疑問を抱くことなどできない…。ロシアは安保理決議採択を遅らせるために、報告書について曖昧な点を強調しようとしている」と述べ、ラブロフ外務大臣の姿勢を非難した。

**

米国のサマンサ・パワー国連大使は、シリアの化学兵器廃棄に関して、国連総会で「化学兵器が使われたというだけでは不十分だ…。我々はそれを使用した者を非難しなければならない」と述べ、シリア政府に廃棄に関する合意を遵守させるための強力な国連安保理決議が必要だと訴えた。

**

国連のマーティン・ニルスキー報道官は、化学兵器使用に関する国連調査団の報告書に関して「報告書の結論には議論の余地がない」と述べ、報告書の内容に懐疑的なロシアの姿勢を暗に非難した。

**

アナス・フォー・ラスムセンNATO事務局長は、英国のデヴィッド・キャメロン首相と会談し、シリア情勢などへの対応について協議した。

会談後の会見で、ラスムセン事務局長は、シリアの化学兵器の廃棄について「シリア政府が国際社会の求めに完全に応じることを期待している。そうしない場合、我々には国際社会の対応が必要になる」としたうえで、「軍事的選択肢を残すことは、外交的・政治的努力に勢いを与えることになるだろう」と述べ、強力な安保理決議の採択が必要だとの見解を示した。

**

イランのホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務副大臣は、国連のバレリー・アモス人道問題担当事務次長と会談し、シリア情勢への対応などについて協議した。

会談で、アブドゥッラフヤーン外務副大臣は「一部の国が武装集団やアル=カーイダに公然と武器供与を増強している」と非難、「シリア政府が保有する武器の行方を決定するのと同じように、シリアのテロ集団が保有する化学兵器を実質的・真剣に廃棄するための計画を作る必要がある」と主張した。

**

中国外交部報道官は、シリア情勢に関して、「国連の枠組みのなかでの化学兵器問題の解決」を支持するとしたうえで、「政治的解決を奨励する」べきだと強調した。

**

ローマ法王フランシスコはシリア情勢に関して「私の心は親愛なるシリア国民とともにある。彼らの人道的苦しみは対話を通じてのみ解決し得る」と述べた。

**

『ハヤート』(9月19日付)は、トルコの地元高官の話として、民主統一党が実効支配するシリア領内の対トルコ国境地域に対して、赤新月社などトルコ経由での人道支援を始めていると報じた。

この動きは、トルコの労働社会問題省も支援しており、ハサカ県アイン・アラブ地方などに人道支援物資が届けられたのだという。

AFP, September 18, 2013、al-Hayat, September 19, 2013、Kull-na Shuraka’, September 18, 2013, September 19,
2013、Kurdonline, September 18, 2013、Naharnet, September 18, 2013、Reuters,
September 18, 2013、Rihab News, September 18, 2013、SANA, September 18, 2013、UPI,
September 18, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍総司令部が軍ヘリコプターのトルコへの領空侵犯および撃墜に関する声明を発出するなか、仏大統領がカタール外相との会談を行いアサド政権の「人道に対する罪」を懲罰する意向で合意(2013年9月17日)

反体制勢力の動き

第5師団化学兵器課の課長だったという離反士官のザーヒル・サーキト准将は、アサド政権が化学兵器をシリア人とイラク人のマフィアを経由して自由シリア軍に転売しようとしている、と述べた。

そのうえで、サーキト准将は、自由シリア軍のすべての部隊とジハード主義者に、化学兵器を購入しないよう呼びかけた。

クッルナー・シュラカー(9月17日付)が報じた。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長はイスタンブールでテレビ演説を行い、シリアの化学兵器廃棄に関して、国連憲章第7章に依拠した安保理決議を採択するよう国際社会に呼びかけた。

クッルナー・シュラカー(9月17日付)などが報じた。

**

クッルナー・シュラカー(9月18日付)によると、クルド最高委員会代表者会合が開催され、クルド人地域内のアラブ人、キリスト教徒などとの連絡調整などについて協議した。

会合には、シリア・クルド国民評議会代表者であるムスタファー・マシャーイフ氏、ムハンマド・サーリフ・アブドゥー氏、フアード・アリークー氏が出席しただけで、シリア・クルド民主党のムハンマド・イスマーイール氏、民主統一党のアースィヤー・アブドゥッラー氏、サイナム・ムハンマド氏、イルハーム・アフマド氏、アブドゥッサラーム・アフマド氏、アブドゥルカリーム・ウマル氏は欠席した。

**

シリア・クルド国民評議会を主導するシリア・クルド・イェキーティー党の政治局は声明を出し、ハサカ県ラアス・アイン市および同市周辺に対するシャームの民のヌスラ戦線とイラク・シャーム・イスラーム国の包囲・攻撃を非難し、シリア革命反体制勢力国民連立に対して、包囲解除のための責任を果たすよう求めた。

シリア政府の動き

シリア・アラブ・テレビ(9月17日付)は、シリア軍総司令部が軍ヘリコプターのトルコへの領空侵犯と撃墜に関する声明を出したと報じた。

同声明によると、領空侵犯したヘリコプターは、ラタキア県ブダーマ村に近いブーヌスィーヤ地方でトルコ国境を経由して潜入するテロリストを監視する偵察活動を行っていたが…、誤ってトルコ領空をわずかを侵犯、このことに気づいた直後にシリア領内に帰還しようとしたが、その際、トルコ軍戦闘機から直接攻撃を受け、シリア領内に墜落した」という。

また「トルコ側の対応は極めて迅速であったが、帰還途中だったヘリコプターは、いかなる戦闘任務にもついていなかった。このことは、シリアに対して緊張を高めようとしているエルドアン政府の真意を示すものである」と付言した。

**

ワーイル・ハルキー首相は、紛争で被災した一部地域の復興と避難住民帰宅のための今年度(2013年度)計画を実施するため、300億シリア・ポンド(1億5000万米ドル)を投入することを明らかにした。

ハルキー首相によると、前年度(2012年度)の復興資金は、150億シリア・ポンド(7500万米ドル)だったという。

SANA(9月17日付)が報じた。

国内の暴力

イドリブ県では、リヤーブ・ニュース(9月17日付)によると、トルコ国境に面したバーブ・ハワー国境通行所で、爆弾が仕掛けられた車が爆発し、少なくとも10人が負傷し、トルコ領内に搬送された。

複数の活動家によると、爆発は「自由シリア軍」が管理する国境通行所の入り口、トルコ国境から数百メートルの場所にあるサラフィー主義者の検問所で発生したという。

またシリア人権監視団によると、アルバイーン山一帯で、軍と反体制武装集団が交戦、またサラーキブ市を軍が空爆した。

一方、SANA(9月17日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺、サルマーニーや村、アルバイーン山周辺、マンティム村、ビカフルーン村、カフルラーター市、カフルルーマー村、マアッラト・ヌウマーン市、ウンム・ジャリーン村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、クッルナー・シュラカー(9月17日付)は、ジスル・シュグール市周辺の村落を空爆していたシリア軍ヘリコプターを「自由シリア軍」が撃墜したと報じた。

また「自由シリア軍」がアルバイーン山解放作戦を開始し、シリア軍のT72戦車などを破壊し、司令官の一人(大佐)を殺害した、と報じた。

**

ダマスカス郊外県では、前日のSANAの報道に続いて、シリア人権監視団が、シャブアー町が軍によって完全制圧されたと発表した。

同監視団によると、軍によるシャブアー町の完全制圧は、ヒズブッラーの戦闘員の支援のもとに行われ、反体制武装集団との交戦では戦闘員11人が死亡したという。

また同監視団によると、ダイル・アサーフィール市への軍の砲撃で、子供1人を含む4人が死亡した。

一方、SANA(9月17日付)によると、軍によって制圧されたシャブアー町で、ダマスカス国際空港街道に沿って反体制武装集団が通行する車輌を狙撃するために作った全長500メートルのトンネルが発見された。

またハラスター市、ドゥーマー市郊外、ダイル・サルマーン市、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、フサイニーヤ町、ルハイバ市、ヤブルード市、ダーライヤー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、ダマスカス郊外県シャブアー町の武装集団の広報調整官は、クッルナー・シュラカー(9月17日付)に対して、同市がまだ陥落していないと述べた。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区、カーブーン区で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を行った。

一方、SANA(9月17日付)によると、バルザ区、カーブーン区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアマーラ地区、カッサーア地区、アッバースィーイーン地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、市民5人が死亡、子供2人を含む数十人が負傷した。

**

ヒムス県では、SANA(9月17日付)によると、レバノン領からタッルカラフ市郊外に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

またヒムス市バーブ・スィバーア地区、バーブ・トゥルクマーン地区に潜入しようとした反体制武装集団も、軍が撃退した。

このほか、ヒムス市クスール地区、バーブ・フード地区、カラービース地区、ダール・カビーラ村、ガントゥー市、バイト・ハッバハーン市、ラスタン市、ウンム・リーシュ村、ラッフーム村、ウンム・ハワーディース市、ヒブラ市、ムフターリーヤ村、シンダーヒーヤ村、ティールマアッラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(9月17日付)によると、ダイル・ザウル市ブアージーン地区、アブド村、ブーライル村、ムーハサン市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(9月17日付)によると、アターリブ市、アウラム・スグラー村、ワディーヒー村で、トルコから武器を運び込もうとしていた反体制武装集団の車輌を軍が攻撃・破壊した。

またクワイリス村、アルバイド村、ラスム・アッブード村、マンスーラ村西部、アレッポ・ラッカ街道で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市では、スワイカ地区、ザフラーウィー市場、裁判所、スライマーン・ハラビー地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、SANA(9月17日付)によると、タッル・アウダ村、ラヒーヤト・ザーヒル村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

NNA(9月17日付)は、ベイルート北部のハーラート村(レバノン山地県ジュバイル郡)で、爆弾を仕掛けようしていたシリア人が誤爆し、死亡したと報じた。

諸外国の動き

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、対シリア国境でトルコ軍戦闘機がシリア軍ヘリコプターを撃墜したことに関して記者会見で「トルコ軍はしなければならないことをしたまでだ」と述べた。

またエルドアン首相は「トルコはシリアとの軍事的対決に関する交戦規則を変更した。トルコ軍兵士は特定の地域に向かうことを許されている…。新規則は、国境の侵犯が行われたときなどに適用される」と付言した。

**

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、シリア革命反体制勢力国民連立暫定政府首班のアフマド・トゥウマ氏と会談した。

連立が出した声明によると、両者は、シリア・トルコ間の国境検問所の管理強化、シリア国内の避難民の住居確保を行う必要がある点で一致した。

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、モスクワを訪問したフランスのローラン・ファビウス外務大臣と会談し、シリア情勢への対応について協議した。

ラブロフ外務大臣は「最終目標がシリアの紛争の政治的正常化に到達することという点で合意した」と述べたが、『ハヤート』(9月18日付)によると、化学兵器廃棄問題への具体的な対応をめぐって歩み寄りは見られなかった。

一方、ファビウス外務大臣は、シリアでの化学兵器使用に関する国連調査団の報告書について「シリア政府が化学兵器を使用したことが明らかになった」と述べ、「西側諸国による圧力が大きな役割を果たした」と自賛しつつ、「地域への化学兵器拡散を阻止するための早急な措置が必要だ」と述べた。

**

フランスのフランソワ・オランド大統領は、カタールのハーリド・アティーヤ外務大臣とパリで会談し、シリア情勢について協議し、アサド政権の人道に対する罪を懲罰する点で一致した。

『ハヤート』(9月18日付)が報じた。

**

ジェニファー・サキ米国務省報道官は、シリア情勢をめぐるロシアの姿勢に関して「流れに逆らって泳いでいる」と非難した。

**

英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、シリアでの化学兵器使用に関する国連調査団の報告書の内容に関して「広範に化学兵器が使用されたことを明らかにしている客観的なこの報告書を歓迎する…。シリアの政権のみが攻撃の責任を追及されることは極めて明白だ」とする声明を出した。

またヘイグ外務大臣は、シリアでの化学兵器廃棄を支援するため専門家を派遣する用意があると付言した。

**

中国外務省報道官はシリアでの化学兵器使用に関する国連調査団の報告書の内容に関して「報告書を充分そして真剣に検討する」と述べた。

**

キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長はシリアでの化学兵器使用に関する国連調査団の報告書の内容に関して声明を出し「サリン・ガスを装填した地対地ミサイルが使用されたと詳述している報告書は…犯罪者を特定することの助けになるだろう」と指摘、改めて化学兵器の使用を強く非難した。

**

イスラエルのマイケル・オレン国連代表大使は、シリアでの化学兵器使用に関する国連調査団の報告書の内容に関して『ワシントン・ポスト』(9月17日付)に「アル=カーイダと同盟を結んでいる反体制勢力にアサドが敗北することの方が、アサドがイランと同盟することよりもましだ」と述べた。

また「アサドを退任させれば、イラン、ヒズブッラーの同盟が弱まるだろう。イスラエルにとって最大の脅威は、テヘラン、ダマスカス、そしてベイルートに至る戦略的アーチだ。我々はアサド政権がこのアーチの要石をなしていると見ている」と付言した。

**

国連のバレリー・アモス人道問題担当事務次長は、シリア情勢に関して、国外避難民200万人以上、国内避難民400万人以上の合わせて約700万人が人道支援を必要としていると述べた。

また、シリアへの国連の人道支援に関して、2013年だけで44億米ドルが必要だが、現時点で18億4000万米ドルしか資金を確保できていない、と付言した。

**

国連の潘基文事務総長は記者会見で、「シリアの化学兵器問題への対処方法に関する枠組み合意に米露がいたると楽観している」と述べた。

**

ヒューマン・ライツ・ウォッチのリチャード・ディッカー国際司法プログラム局長は「化学兵器を封印するのみで、それを使用した責任者を訴追しないというのでは、犠牲者に対する侮辱だ」と述べ、シリアの化学兵器廃棄に関する国連安保理決議に、国際刑事裁判所への付託を明記すべきだと主張した。

AFP, September 17, 2013、al-Hayat, September 18, 2013、HRW.org, September 17, 2013、Kull-na Shuraka’, September
17, 2013, September 18, 2013、Kurdonline, September 17, 2013、Naharnet, September
17, 2013、NNA, September 17, 2013、Reuters, September 17, 2013、Rihab News,
September 17, 2013、SANA, September 17, 2013、UPI, September 17, 2013、The
Washington Post, September 17, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア革命反体制勢力国民連立が総合委員会会合の閉幕宣言のなかで「アサド政権に与えることをめざしたロシアの陰謀」を非難する一方、ガルユーン氏は同連立とシリア・クルド国民評議会の合意の枠組みから民主統一党を排除する姿勢を明示(2013年9月16日)

反体制勢力の動き

『デイリー・テレグラフ』(9月16日付)は、シリアの反体制武装集団の約半分がアル=カーイダと関係のあるサラフィー主義者だと結論づけた英国のIHS Jane’sの報告書の一部を紹介した。

IHS Jane’sの報告書によると、シリアの反体制武装勢力は、約1,000の細胞、約10,000人の戦闘員からなるアル=カーイダとつながりのある「過激派」(extremists)と、約35,000人の「強硬派」(hardliners)からなるという。

「過激派」と「強硬派」の違いは、同報告書によると、前者は外国人から、後者は主にシリア人からなっている点だという。

またこうしたサラフィー主義者以外に、30,000人以上の戦闘員がより穏健なイスラーム主義組織に属しているのだという。

同報告書は、戦闘員へのインタビューや諜報機関の推計をもとに、シリア国内で約10万人の戦闘員が反体制運動に参加しているとしたうえで、「世俗的なグループが反体制派を主導しているという考え方は何ら裏付けがない」と結論づけている。

**

シリア革命反体制勢力国民連立はイスタンブールでの4日にわたる総合委員会会合を閉幕した。

4日間の会合では、アフマド・トゥウマ氏が暫定政府首班に選出される一方、シリア・クルド国民評議会の連立への合意に関する文書が承認された。

閉幕声明で、連立は8月21日のダマスカス郊外県での化学兵器攻撃をアサド政権による「体系的暴力」と非難するとともに、「化学兵器の引き渡しと解体は、犯罪者を免責する措置ではない」と主張、「国際社会、とりわけシリアの友(連絡グループ)に最低限の信頼を維持するため…、自由シリア軍に武器を供与し、アサド政権の国民に対する暴力を停止させる」よう求めた。

また化学兵器廃棄に向けたロシアのイニシアチブについて「革命を生き埋めにし、シリア国民を殺戮するさらなる機会をアサド政権に与えることをめざした陰謀」と非難した。

さらに、ジュネーブ2会議に関しては、「アサド体制の存続を含意するいかなる決定、シリアの将来を描くことに現体制を象徴する者が参加するかたちでのいかなる政治的解決をも拒否する」との姿勢を明示した。

一方、クッルナー・シュラカー(9月16日付)によると、シリア革命反体制勢力国民連立のトルクメン国民ブロックは、シリア・クルド国民評議会の連立への合流に関する合意を受け、総合委員会で声明を回付し、トルクメン人をクルド人と同じく「民族」(シャアブ)として承認し、憲法でその民族的権利を保障するよう求めた。

このほか、総合委員会では、シリア革命反体制勢力国民連立が交わす合意、締結文書などの一切は、体制転換後に選出される国会での承認をもって正式に発効することが14日に決定された、という。

**

シリア革命反体制勢力国民連立の暫定政府首班のアフマド・トゥウマ氏はロイター通信(9月16日付)のインタビューに応じ、そのなかで「反体制勢力は民主主義がイスラームの教えに反しないということを明示することで、アル=カーイダに対して思想的に立ち向かわねばならない。また反体制戦闘員が制圧している地域における公共福祉を回復することでアル=カーイダの人気に歯止めをかけねばならない」と述べた。

トゥウマ氏はまたアラビーヤ(9月16日付)のインタビューも応じ、サラフィー主義がシリア社会に固有の思想ではないと述べ、「民主的文化の普及を通じた…市民社会の再建と民主制の確立」をめざすと述べる一方、国際社会に対して「暫定政府が(シリア国内で)活動できるよう飛行禁止空域の設置」を求めた。

**

シリア国民評議会元事務局長のブルハーン・ガルユーン氏はリハーブ・ニュース(9月16日付)に、シリア・クルド国民評議会のシリア革命反体制勢力国民連立の合意に関して、「クルド人代表の決定は(シリア・クルド国民)評議会内でなされねばならず、クルド最高委員会の決定であってはならない」と述べ、民主統一党を排除する姿勢を明示した。

**

民主的変革諸勢力国民調整委員会のムンズィル・ハッダーム報道官はAKI(9月16日付)に、シリアの化学兵器廃棄に関する米露合意について「危機の政治的解決の糸口にならなければ、シリア人には何の役にも立たない」と述べた。

ハッダーム報道官はまた「シリア国民は、暴力を停止し、ジュネーブ2会議を準備する必要がある。これは化学兵器に関する合意を実施するためにも不可欠である。シリアのほとんどの地域で戦闘が続けば、合意を実施することはできない」と指摘した。

一方、ジュネーブ2会議に関しては「国民調整委員会、クルド最高委員会、シリア革命反体制勢力国民連立は合同の使節団を結成しなければならない」と述べた。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、SANA(9月16日付)によると、シャブアー町の反体制武装集団の武器庫と爆弾製造工場に対して、軍が特殊作戦を行い、戦闘員約40人を殲滅、武器を破壊・押収した。

またハラスター市、フジャイラ村でも、軍が反体制武装集団の追撃を続け、戦闘員20人以上を殺害、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、SANA(9月16日付)によると、ジャウバル区、ドゥンマル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、SANA(9月16日付)によると、ハムラー村、ラヒーヤ村、ラーラー村、ラビーア村、アフィーフ村、カルアト・ラヒーヤ村、タッル・ダリール村で、軍が反体制武装集団の掃討を完了し、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員を殲滅し、同地の治安を回復した。

またムーリク市を襲撃しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

**

イドリブ県では、SANA(9月16日付)によると、マアッルシャムサ市、アブー・ズフール航空基地周辺、ビンニシュ市、シャビーバ市、マアッラトミスリーン市、サルミーン市、マアッラト・ヌウマーン市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(9月16日付)によると、アウラム・クブラー町、カスティールー街道、フライターン市東部、バーブ・アレッポ街道、アターリブ市、ICARDA付近で、トルコから武器弾薬を運び込もうとしていた反体制武装集団の車輌を軍が破壊、武器・弾薬を押収した。

またハッダーディーン村、クワイリス村、アルビード村、ラスム・アッブード村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市旧市街、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(9月16日付)によると、ブスラー・シャーム市で自爆攻撃を行おうとしていた反体制武装集団戦闘員が運転していた車を破壊、同戦闘員を殺害した。

またタファス市、ムザイリーブ町、ダーイル町、インヒル市、シャイフ・マスキーン市、ヌジャイフ村、タスィール町、イズラア市、シャイフ・サアド村で、軍が反体制武装集団の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷した。

**

ヒムス県では、SANA(9月16日付)によると、ヒムス市ワアル地区に侵入しようとした反体制武装集団を殲滅した。

またアブー・アラーヤー村、マスウーディーヤ村、ジュッブ・ジャッラーフ町に対して、反体制武装集団が迫撃砲で攻撃を行ったが、死傷者は出なかった。

**

ハサカ県では、SANA(9月16日付)によると、タッル・イード村、ムワイナ村、ラジャム・アスウース村で、軍が反体制武装集団の拠点を攻撃・破壊、戦闘員を殺傷した。

諸外国の動き

米英仏の外相はパリで会談し、シリアの化学兵器廃棄に関する米露合意への対応を協議した。

会談後の記者会見で、フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、参加国が「数日中に、強力な国連安保理決議を採択する必要がある」との認識で一致したとしたうえで、アサド政権が化学兵器廃棄に関する約束をしない場合、軍事的措置を含む制裁を念頭に、「深刻な結果を招く」との文言を安保理決議に盛り込むべきだとの姿勢を示した。

またアサド政権が化学兵器を使用したと断じたうえで、「兵器使用者の責任の追及」を決議に盛り込むべきだとも主張した。

一方、ジョン・ケリー米国務長官は、「アサド政権が合意に違反した場合の結果については、ロシアも含めて我々すべてが合意している」と述べ、ジュネーブでのロシアとの会談で、ロシア側が国連憲章第7章に基づく決議について同意したとの見解を示した。

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、モスクワでエジプトのナビール・ファフミー外務大臣と会談し、シリア情勢などについて協議した。

会談後、ラブロフ外務大臣は「シリアへの武力行使に含みを持たせるような内容を持ったいかなる安保理決議案もジュネーブ合意(シリアの化学兵器廃止に関する米露合意)を失敗させるだろう」と述べ、国連憲章第7章に基づく決議をめざす米国の姿勢が合意の「誤解」によるものだと暗に批判した。

また「脅迫や攻撃を行う口実を探すことは、ジュネーブ2会議を失敗させるための挑発や試みを反体制勢力に煽動することを意味する」と付言した。

そのうえで「ジュネーブ2大会の期日を議論する必要があると我々のパートナー(西側諸国)は考えているはずだ。我々は…準備ができている。シリア政府も使節団の派遣に同意している」と述べ、西側諸国に反体制勢力(シリア革命反体制勢力国民連立など)を説得して、交渉に向かわせるよう求めた。

**

シリアでの化学兵器の調査を使用する国連調査団が潘基本文事務総長に報告書を提出、その内容が公開された。

報告書は、国連調査団が持ち帰った環境・医療サンプルを検査した結果、サンプルが収集されたアイン・タルマー村、ムウダミーヤト・シャーム市、ザマルカー町のすべてで、化学兵器の装填が可能な地対地ミサイルが使用され、同ミサイルによって攻撃がされた地域でサリン・ガスが使用された痕跡が発見されたこと確認されたと指摘した。

同報告書によると、国連調査団は、患者や医療スタッフの証言、そしてカルテを検証、また36人の患者(ムウダミーヤト・シャーム市で16人、ザマルカー町で20人)に対面調査を行い、尿などのサンプルを採取した。

そして検査の結果、ムウダミーヤト・シャーム市の尿サンプル100%、ザマルカー町のサンプル91%からサリン・ガスを吸引したことが確認された。

全文はhttp://www.un.org/disarmament/content/slideshow/Secretary_General_Report_of_CW_Investigation.pdfを参照。

**

国連の潘基文事務総長は、シリアで8月21日に化学兵器が使用されたと結論づけた国連調査団の報告書に関して「もっとも厳しい表現で化学兵器使用を非難する。こうした行動は戦争犯罪で、国際的な外交儀礼へのあからさまな違反であると考える」と述べた。

そのうえで、「米露合意を早急に実施するため化学兵器禁止条約と安保理が行動することを望む」と付言した。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣はRTLラジオ(9月16日付)に、8月21日のシリアでの化学兵器攻撃に関する国連調査団の報告書に関して「攻撃元に関して、疑いの余地はない…。シリア政府の犯行だと述べている人々の主張を裏づけるものだ」と述べた。

**

シリアでの人権侵害を調査するための国際調査委員会のパウロ・ピニェイロ委員長はジュネーブで記者会見を開き、シリアでの紛争において、化学兵器の使用が疑われている事例が14件あることを明らかにした。

同委員長は、これらの事例について調査を進めているとする一方、「化学兵器を使用したのが誰なのか、そして使われた物質が何なのかは判明していない」と付言した。

**

トルコのビュレント・アルンジュ副首相は、アンカラで記者会見を開き、トルコ領空を侵犯したシリア軍のヘリコプターをトルコ軍の戦闘機が撃墜したと発表した。

定例閣議後の記者会見で、アルンジュ副首相は「シリア軍のMi-17ヘリコプターが国境から2約2キロのハタイ県ギュヴェッジ村上空を侵犯、度重なる警告にもかかわらず侵犯を続けたため、我々の戦闘機がミサイルで攻撃、これによりヘリコプターはシリア領内に墜落した」と述べた。

これに関して、アフメト・ダウトオール外務大臣は、国連安保理とNATOに報告すると述べた。

**

シリアでの人権侵害を調査するための国際調査委員会のメンバーで前国際連合戦争犯罪主任検事のカルラ・デル・ポンテ女史は、スイスのテレビ局とのインタビューで、シリアの反体制武装集団の半数がサラフィー主義者だとするIHS Jane’sの報告書について「信頼できる情報です。彼ら(サラフィー主義者)はもう少し多いと言えます」と述べた。

AFP(9月16日付)が伝えた。

**

シリアでの人権侵害を調査するための国際調査委員会のメンバーの一人のカーリン・アブーザイド女史は、ロイター通信(9月16日付)に、「もっとも卑劣な(人道)犯罪を行っている集団を調べるのであれば、とくに外国人戦闘員(の行為)を調べなさい」と述べた。

**

ジェイ・カーニー米ホワイトハウス報道官は、シリアでの化学兵器使用に関する国連調査団の報告書の内容に関して「シリアの政権のみが保有する地対地ミサイルによるサリン・ガス発射に言及しているこの報告書の情報は、攻撃が同政権によるものだということを明確に表している」と述べた。

AFP, September 16, 2013、AKI, September 16, 2013、Alarabia.net, September 16, 2013、The Daily Telegraph, September 16, 2013、al-Hayat, September 17, 2013, September 18、Kull-na Shuraka’, September 16, 2013、Kurdonline,
September 16, 2013、Naharnet, September 16, 2013、Reuters, September 16,
2013、Rihab News, September 16, 2013、SANA, September 16, 2013、UPI, September
16, 2013などをもとに作成。

 

(C)青山弘之 All rights reserved.