ヨルダンのアブドゥッラー2世国王:「シアがウクライナ侵攻に注力することで、シリア南部に真空状態が生じ、イランがそれを埋め始めている」(2022年5月18日)

ヨルダン国王のアブドゥッラー2世は、中東の安全保障や経済的課題について議論を行うスタンフォード大学フーヴァー戦争・革命・平和研究所の「バトルグラウンズ」に参加し、ロシアがウクライナ侵攻に注力することで、シリア南部に真空状態が生じているとの見方を示した。

アブドゥッラー2世はまた、この真空状態をイランが埋め始めているとしたうえで、これが対シリア国境地帯に新たな問題をもたらすかもしれないと警鐘を鳴らした。

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フランス控訴院はラファージュ社がシリア国内でダーイシュをはじめとするテロ組織に資金を供与していたことが、人道に対する罪にあたるとの判断を下す(2022年5月18日)

フランスの控訴院は、フランスのセメント・メーカーで現在はスイスのホルシム社の傘下にあるラファージュ社(現ラファージュホルシム社)がシリア国内でダーイシュ(イスラーム国)をはじめとするテロ組織に資金を供与していたことが、人道に対する罪にあたるとの判断を下した。

ラファージュ社は、シリア国内のセメント工場を維持するため、フランス系企業が撤退した2012年以降も2014年までに1300万ユーロ(1370万米ドル)を「仲介人」に支払い続けていたことを認めていたが、その用途に関して責任を負っていなかったと主張し、フランスの司法裁判所は2019年に人道に対する罪の共謀罪にあたらないとの判決を下していた。

しかし、2019年9月に破棄院はこの判決を覆し、再審査が行われていた。

今回の破棄院の判断を受けて、ラファージュ社とブルーノ・ラフォン元CEOを含む幹部8人が改めて法廷に立たされる見込み。

破棄院の判断は最終的なものではなく、審理の途中経過として示されたもの。

AFP(5月19日付)などが伝えた。

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米国防総省は2019年3月に民間人70人あまりが死亡したとされる米軍の爆撃について、犠牲者のほとんどはダーイシュ・メンバーだったと結論づける(2022年5月18日)

米国のフッラ・チャンネル(5月18日付)は、2019年3月にダイル・ザウル県バーグーズ村に対して米軍が行った爆撃で民間人70人あまりが死亡したとされる事件について、米国防総省の調査が終了したと伝えた。

調査報告書(5月11日付)によると、爆撃は、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の要請を受けたものだとしたうえで、シリア民主軍は爆撃に先立って、現場に民間人がいないことを確認しており、犠牲者のほとんどはダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員だったが、若干の民間人も含まれていたという。

そのうえで、民間人の犠牲は意図したものではなく、爆撃は戦争犯罪にはあたらないと結論づけた。

ジョン・カービー米国防総省報道官によると、この爆撃で殺害されたのは56人、うち52人がダーイシュのメンバー、4人(女性1人と子供3人)が民間人だった。

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米軍使節団を乗せた車列が、ヘリコプターやドローンの護衛を受け、トルコの諜報機関に伴われて、トルコの占領下にあるアアザーズ市を訪問(2022年5月18日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月18日付)によると、米軍の使節団を乗せた車列が、ヘリコプターや無人航空機(ドローン)が上空を旋回し、護衛にあたるなか、トルコの諜報機関に伴われて、トルコの占領下にあるアアザーズ市を訪問した。

米国使節団の訪問の理由は明らかではない。

 

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米国は5月12日、財務省がシリア政府の支配が及ばないシリア北部に対する外国の投資を認める決定を下している。

投資解禁は、この地域の経済の安定化を通じて、イスラーム国を根絶するための戦略の一環で、農業、建設、金融など12のセクターが対象。

シーザー・シリア市民保護法(シーザー法)など米国による一連の経済制裁の対象となっているシリア政府支配への送金は引き続き認めないとしている。

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ヒムス県東部砂漠地帯でシリア軍部隊がダーイシュの要撃を受け、兵士2人死亡(2022年5月18日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タドムル市郊外のドゥーワ地区とアムール山の間に位置するザカーラー渓谷でシリア軍部隊がダーイシュ(イスラーム国)の要撃を受け、兵士2人が死亡、複数が負傷した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、正体不明の武装集団がダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるザッル村の給水所に設置されている人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の拠点を攻撃した。

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イスラエル・メディアは5月13日のイスラエル軍機によるシリアへのミサイル攻撃に際してロシア製のS-300が発射されたと伝える(2022年5月18日)

『イスラエル・ハヨム』紙(5月15日付)は、5月13日にイスラエル軍戦闘機がハマー県ミスヤーフ市一帯に対してミサイル攻撃を行った際、ロシア製のS-300長距離地対空ミサイルがイスラエル軍機に向けて発射されていた、と伝えた。

同紙は、発射されたS-300がロシア軍、シリア軍のいずれが保有しているものかは明らかではないとしつつ、シリアでS-300がこれまでにイスラエル軍戦闘機に向けて発射されたことはなかったと強調した。

ロシアがウクライナへの侵攻を開始して以降、イスラエルはウクライナへの武器供与を控えていたが、4月末にヘルメットやフラックジャケットを提供することを決定しており、S-300の発射はイスラエルの政策変更に対するロシア側の反発と見て取ることもできるという。

一方、イスラエルのチャンネル13も、S-300が発射されたとしつつ、イスラエル軍機に脅威を与えるものではなかったと伝えた。

S-300の発射が今回に限った例外的な措置だったのか、ロシアがシリア領内でのイスラエル軍の侵犯行為を規制するために新たな政策を採用したのかは不明だという。

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トルコ軍がシリア国民軍とともにラッカ県、アレッポ県各所を激しく砲撃(2022年5月18日)

ラッカ県では、ANHA(5月18日付)によると、トルコ軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市近郊のディブス村、ハーリディーヤ村、フーシャーン村、ジャディーダ村、マアラク村、アイン・イーサー・キャンプ、サクル・レストラン、M4高速道路沿線、サイダー村、ファーティサ村、ジャフバル村、ムシャイリファ村、スカイルー村、ヒーシャ村、ナヒール・レストラン、穀物サイロ、カルタージュ農場、タッル・サマン村を砲撃した。

SANA(5月18日付)によると、この砲撃で、住居などが被害を受け、住民多数が避難を余儀なくされた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、早朝にシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治地域からトルコ占領下のマーリア市一帯に向けてロケット弾複数発が発射された。

一方、ANHA(5月18日付)によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・アラブ(コバネ)市近郊のズール・マガール村、シュユーフ・ファウカーニー町を砲撃した。

トルコ軍はまた、シリア国民軍とともに、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市、同市近郊のカフル・ナーヤー村、ダイル・ジャマール村、カフル・アントゥーン村、イルシャーディーヤ村、タッル・アッジャール村、ハラービシャー村を砲撃した。

シリア人権監視団によると、シリア国民軍がマンビジュ市北のムフスィンリー村一帯に潜入を試み、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と交戦した。

また、同監視団によると、同日晩、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治地域からトルコ占領下のアフリーン市一帯に向けてロケット弾6発が発射された。

 

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のラアス・アイン市でシリア民主軍の憲兵隊の隊員どうしが撃ち合いとなり、2人が死亡、4人が負傷した。

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兵站物資を積んだ米軍の貨物車輌70輌からなる車列が、イラクからワリード国境通行所を経由してシリア領内に侵入(2022年5月18日)

ハサカ県では、SANA(5月18日付)によると、兵站物資を積んだ米軍の貨物車輌70輌からなる車列が、イラクからワリード国境通行所を経由してシリア領内に侵入、県内各所に違法に設置されている米軍基地に向かった。

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ダルアー県ナイーマ村で、バアス党ナイーマ班指導部書記長で同村議会の議長を務めるアワド・アッブード氏が殺害される(2022年5月18日)

ダルアー県では、SANA(5月18日付)によると、ナイーマ村で、バアス党ナイーマ班(フィルカ)指導部書記長で同村議会の議長を務めるアワド・アッブード氏が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

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ダイル・ザウル県、アレッポ県、ラッカ県で指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続く(2022年5月18日)

SANA(5月18日付)によると、ダイル・ザウル県のダイル・ザウル市、アレッポ県のハイヤーン町、タッル・アラン村、ラッカ県のサブハ町で、指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続けられた。

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アラブ石油輸出国機構(OAPEC)の第108回閣僚級会合がクウェートで開催され、シリアが議長国を務める(2022年5月18日)

アラブ石油輸出国機構(OAPEC)の第108回閣僚級会合がクウェートで開催され、2022年の議長国であるシリアのハーリド・ウライジュ石油鉱物資源省次官が議長を務めた。

また、これに先立ち第162回事務局会合もウライジュ次官を議長として開催された。


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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で1人(2022年5月18日)

保健省は政府支配地域で新たに1人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者16人が完治したと発表した。

これにより、5月18日現在のシリア国内での感染者数は計55,873人、うち死亡したのは3,150人、回復したのは52,558人となった。

https://www.facebook.com/MinistryOfHealthSYR/posts/309558571352126

AFP, May 18, 2022、ACU, May 18, 2022、ANHA, May 18, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 18, 2022、Reuters, May 18, 2022、SANA, May 18, 2022、SOHR, May 18, 2022などをもとに作成。

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