アル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県サルミーン市でシリア難民100万人の「自発的」帰還を口実とするトルコの新たな侵略の試みを非難(2022年5月27日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るサルミーン市で県東部からの国内避難民(IDPs)数十人が抗議デモを行い、シリア難民100万人の「自発的」帰還を目的とするトルコのプロジェクトとこれを口実としてレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が実施を示唆した新たな軍事侵攻に抗議の意志を示した。

AFP, May 28, 2022、ANHA, May 28, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 28, 2022、Reuters, May 28, 2022、SANA, May 28, 2022、SOHR, May 28, 2022などをもとに作成。

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外務在外居住者省はトルコのエルドアン大統領がシリア難民100万人の「自発的」帰還に向けた「安全地帯」を設置するための軍事侵攻を示唆したことを「植民地主義的侵略行為」にあたると非難(2022年5月25日)

外務在外居住者省は、国連事務総長と安保理議長宛てに書簡を送り、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が23日にシリア難民100万人の「自発的」帰還に向けた「安全地帯」を設置するための軍事侵攻を示唆したことに関して、「植民地主義的侵略行為」にあたると非難するとともに、シリア北東部を占領する米国の「手先」がトルコによる侵略に口実を与えていると指弾、国連に真摯な対応を求めた。

SANA(5月25日付)が伝えた。

https://www.facebook.com/Mofaexsy/posts/pfbid0n2AZNcJjaDALoj42VXhq9U8skWCN9yT4PxRHqEBBcLqs82Z7P9m1iN5s1GdJv4Sdl

AFP, May 25, 2022、ANHA, May 25, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 25, 2022、Reuters, May 25, 2022、SANA, May 25, 2022、SOHR, May 25, 2022などをもとに作成。

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ロシアのラブロフ外務大臣:「シリアの正統な政府の要請を受けてシリアに留まる」「シリアの主権や地域の平和に基づいてクルド人をめぐる問題を解決したい」(2022年5月27日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はRT(アラビア語版、5月27日付)のインタビューに応じ、そのなかで「我々はシリア・アラブ大統領の正統な大統領、この国の正統な政府の要請を受けてここ(シリア)にいる」と述べた。

ラブロフ外務大臣はまた、「我々は国連憲章が定める原則を完全に遵守している。我々は国連安保理決議第2254号が定める任務を遂行している。我々は将来もこの方針を守っていく」と強調した。

一方、トルコがシリア難民100万人の「自発的」帰還を口実にシリア北部への軍事侵攻を画策していることに関しては、「イラクやシリアのクルド人を統一しようとするさまざまな枠組みの間に問題が生じている。このことはもちろんこの地域の一部に緊張をもたらしている…。トルコがこれを避けて通ることはできない。我々は、シリアの主権や地域の平和に基づいてこうした問題を解決したい。我々はクルド人と対話を行っている。我々は彼らとの連絡のチャンネルを持っている。彼らに現代史を見直すよう促している。米国が誰かに対して行った約束に関わる歴史、こうした約束がどのように守られたのかを」と述べた。

AFP, May 27, 2022、ANHA, May 27, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 27, 2022、Reuters, May 27, 2022、RT, May 27, 2022、SANA, May 27, 2022、SOHR, May 27, 2022などをもとに作成。

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トルコがシリア北部侵攻の意思を示すなか、ロシア軍、米主導の有志連合の戦闘機、ヘリコプターが国境地帯に飛来、旋回を続ける(2022年5月27日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるカーミシュリー国際空港(カーミシュリー市)にロシア軍2機とヘリコプター6機が新たに配備された。

また、シリア軍士官が、ロシア軍部隊と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の部隊の護衛を受けて、トルコ国境に近いダルバースィーヤ市からアブー・ラースィーン(ザルカーン)町に至る国境地帯を巡回し、現地を視察した。

視察は、トルコ占領下にある「平和の泉」地域との境界でも行われた。

一方、27日早朝、ロシア軍と米主導の有志連合の戦闘機やヘリコプターが、カーミシュリー市、アームーダー市、ダルバースィーヤ市、アブー・ラースィーン町上空に飛来し、旋回を続けていた。

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がシリア北部への新たな軍事侵攻実施の意思を示し、同地に対する攻撃を激化させているのを受けた動きと見られる。

 

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機1機がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市上空に飛来、同市北部上空で旋回を続けた。

ロシア軍機の飛来は、トルコ軍とシリア国民軍がマンビジュ市北のズール・マガール村、ムフスィンリー村一帯への砲撃を行ったのを受けたもの。

AFP, May 27, 2022、ANHA, May 27, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 27, 2022、Reuters, May 27, 2022、SANA, May 27, 2022、SOHR, May 27, 2022などをもとに作成。

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トルコ軍がドローンでシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にアレッポ県タッル・リフアト市を爆撃(2022年5月27日)

ハサカ県では、ANHA(5月27日付)、SANA(5月27日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・タムル町近郊のタッル・タウィール村、タウィーラ村、スッカル・ウハイミル村を砲撃した。

トルコ軍とシリア国民軍はまた、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアブー・ラースィーン(ザルカーン)町一帯を砲撃した。

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アレッポ県では、ANHA(5月27日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のハサージク村、スムーカ村、シャフバー・ダム、スーガーニカ村、カンタリー村を砲撃した。

トルコ軍はまた、無人航空機(ドローン)でタッル・リフアト市を爆撃した。

シリア人権監視団によると、ドローンは市内の民家1棟を狙い、建物の一部が破壊された。

AFP, May 27, 2022、ANHA, May 27, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 27, 2022、Reuters, May 27, 2022、SANA, May 27, 2022、SOHR, May 27, 2022などをもとに作成。

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シリア軍がイドリブ県マアッルディブサ村「決戦」作戦司令室のドローン1機を撃墜(2022年5月27日)

イドリブ県では、SANA(5月27日付)の前線特派員によると、シリア軍がマアッルディブサ村上空で「占領国トルコの傭兵」(「決戦」作戦司令室)の無人航空機(ドローン)1機を撃墜した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

 

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍と「決戦」作戦司令室がクルド山地方のカッバーナ村一帯で砲撃戦を行った。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍と「決戦」作戦司令室がガーブ平原一帯で砲撃戦を行った。

 

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、フラーク市で若い男性1人が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

この若者は、最近になってレバノンから帰国していた。

また、サナマイン市では、シリア軍の士官(少尉)が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

AFP, May 27, 2022、ANHA, May 27, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 27, 2022、Reuters, May 27, 2022、SANA, May 27, 2022、SOHR, May 27, 2022などをもとに作成。

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ハサカ市でアラブ部族長名士評議会が開催され、シリア難民100万人の「自発的」帰還を口実とするトルコの新たな侵略の試みを非難(2022年5月27日)

ハサカ県では、SANA(5月27日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるハサカ市でアラブ部族長名士評議会が開催され、トルコ軍と「傭兵」(シリア国民軍)によるシリア領内に対する軍事的脅迫や侵略、シリア難民100万人の「自発的」帰還を目指す計略を非難した。

AFP, May 27, 2022、ANHA, May 27, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 27, 2022、Reuters, May 27, 2022、SANA, May 27, 2022、SOHR, May 27, 2022などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で2人(2022年5月27日)

保健省は政府支配地域で新たに2人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者7人が完治したと発表した。

これにより、5月27日現在のシリア国内での感染者数は計55,889人、うち死亡したのは3,150人、回復したのは52,642人となった。

https://www.facebook.com/MinistryOfHealthSYR/videos/401021608573509/

AFP, May 27, 2022、ACU, May 27, 2022、ANHA, May 27, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 27, 2022、Reuters, May 27, 2022、SANA, May 27, 2022、SOHR, May 27, 2022などをもとに作成。

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