『ガーディアン』:ロシアは原始的な兵器であるはずの「樽爆弾」の製造配置の「専門家」50人以上をシリアから受け入れる(2022年5月22日)

『ガーディアン』(5月22日付)は、複数の諜報員の話として、「樽爆弾」の製造配備にかかる豊富な経験を持つ50人以上の専門家が、数週間にわたってロシアに滞在し、同国軍と行動をともにしている、と伝えた。

専門家のロシア入りは、ロシア軍がウクライナ侵攻において化学兵器の使用を準備していると米国や欧州諸国が警鐘を鳴らし続けている要因の一つとしても理解され得るものだという。

対空兵器や航空兵器を有していなかったシリアの反体制派がシリア軍の制空権を奪えなかったのとは対象的に、ウクライナ軍は地対空ミサイルによって、ロシア軍の戦闘機やヘリコプターを撃墜している。

ある欧州の高官は「これがおそらく、彼ら(シリアからの専門家)が国境を越えて(ウクライナに入って)こない理由だろう…。その能力があることは知っている。だが、彼らがそれ(樽爆弾)を使えば、負ける。我々は誰がそれを使ったかを突き止めて、彼らをどんなかたちであれ殺害するだろう」と述べている。

同紙によると、樽爆弾の製造配置の専門家は、シリア政府がロシアに派遣した部隊の前衛をなしているのだと言う。

複数の諜報機関高官らは、ロシアに義勇兵として赴いたシリア軍兵士の数が800人から1,000人に達し、ロシア政府が彼らに月1,500~4,000米ドルを20ヵ月にわたって支給することを約束したと信じている。

なお、「樽爆弾」は円筒形の容器やドラム缶に爆薬や釘、金属片などを詰めて、ヘリコプターから投下し、起爆させるだけの原始的な兵器で、その製造に専門的な知識は必要ない。

AFP, May 23, 2022、ANHA, May 23, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 23, 2022、The Guardian, May 22, 2022、Reuters, May 23, 2022、SANA, May 23, 2022、SOHR, May 23, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米軍が違法に駐留するタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)内にあるルクバーン・キャンプで暮らしていた7家族が、キャンプ内の劣悪な生活環境を理由にシリア政府の支配地に脱出(2022年5月22日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、米軍が違法に駐留するタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)内にあるルクバーン・キャンプで暮らしていた7家族が、キャンプ内の劣悪な生活環境を理由に、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由してシリア政府の支配地に脱出した。

AFP, May 22, 2022、ANHA, May 22, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 22, 2022、Reuters, May 22, 2022、SANA, May 22, 2022、SOHR, May 22, 2022などをもとに作成。

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シリア民主軍が米主導の有志連合の支援を受けて、ダイル・ザウル県アブリーハ村を強襲し、IDPsの男性1人を拘束(2022年5月22日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が米主導の有志連合の支援を受けて、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるアブリーハ村を強襲し、男性1人を拘束した。

拘束された男性は、シリア政府の支配下にあるブーライル村出身の国内避難民(IDPs)。

AFP, May 22, 2022、ANHA, May 22, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 22, 2022、Reuters, May 22, 2022、SANA, May 22, 2022、SOHR, May 22, 2022などをもとに作成。

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トルコの占領下にあるアレッポ県のバーブ市とアアザーズ市でシリア国民軍に抗議するデモ、バーブ市では憲兵隊所長解任(2022年5月22日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるバーブ市でシリア国民軍に抗議するデモが行われた。

抗議デモは、複数の罪状で逮捕されていたシリア軍兵士1人が保釈金を支払って釈放されたことを受けたもの。

デモ参加者は、シリア国民軍憲兵隊の本舎や暫定内閣国防省のビルを襲撃し、抗議の意思を示した。

事態に対処するため、シリア革命反体制勢力国民連立の傘下にある暫定内閣のハサン・ハマーダ国防大臣は、シリア国民軍憲兵隊のバーブ市地区の所長を務めるアブドゥッラティーフ・アフマド大佐を解任し、ウバイダ・ミスリー少佐を後任の所長に任命した。

一方、ANHA(5月22日付)によると、アアザーズ市でも同様のデモが行われ、ハマーダ国防大臣の解任が要求された。

https://youtu.be/0446VYj0Mz8

AFP, May 22, 2022、ANHA, May 22, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 22, 2022、Reuters, May 22, 2022、SANA, May 22, 2022、SOHR, May 22, 2022などをもとに作成。

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ダルアー県フラーク市でシリア政府との和解に応じた元反体制武装集団メンバー1人が正体不明の武装集団の襲撃を受けて死亡(2022年5月22日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、フラーク市でシリア政府との和解に応じた元反体制武装集団メンバー1人が正体不明の武装集団の襲撃を受けて死亡した。

AFP, May 22, 2022、ANHA, May 22, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 22, 2022、Reuters, May 22, 2022、SANA, May 22, 2022、SOHR, May 22, 2022などをもとに作成。

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トルコ軍のドローンがラッカ県アイン・イーサー市東のムシャイリファ村近くで25歳の男性を狙って爆撃(2022年5月22日)

ラッカ県では、ANHA(5月22日付)によると、トルコ軍の無人航空機(ドローン)がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市東のムシャイリファ村近くで25歳の男性を狙って爆撃を実施、男性が重傷を負った。

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ハサカ県では、ANHA(5月22日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・タムル町近郊の発電所、ダルダーラ村、タッル・シャンナーン村、タッル・ジュムア村、ウガイビシュ村、カスル・トゥーマー・ヤルダー村、タウィーラ村、M4高速道路沿線、アブー・ラースィーン(ザルカーン)町近郊のタッル・ワルド村、ヒルバト・シャイール村、ダーダー・アブダール村を砲撃した。

一連の砲撃により、タッル・ジュムア村近郊の農地で農作業を行っていた住民3人が負傷した。

 

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるマーリア市で、シリア国民軍に所属するムウタスィム旅団と麻薬密売業者が撃ち合いとなった。

衝突は、21日深夜から22日未明にかけて、同市で10人が麻薬密売の容疑で拘束されたのを受けたもの。

AFP, May 22, 2022、ANHA, May 22, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 22, 2022、Reuters, May 22, 2022、SANA, May 22, 2022、SOHR, May 22, 2022などをもとに作成。

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ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表がシリアを訪問し、ミクダード外務在外居住者大臣と会談(2022年5月22日)

ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表がシリアを訪問し、ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣と会談した。

SANA(5月22日付)によると、会談では、双方共通の関心事、和解プロセス実施地域拡大などを通じたシリア政府による安定強化に向けた取り組みなどについて意見が交わされた。

ミクダード外務在外居住者大臣は、4月30日に施行されたテロ犯罪に対する恩赦(法令第7号)の重要性が説明されるとともに、トルコがシリア難民100万人の「自発的」帰還を目的とした新たなプロジェクトの開始を宣言したことへの危機感を伝え、国連にこうした試みに与しないよう求めた。

https://www.facebook.com/Mofaexsy/posts/3271626719791099

AFP, May 22, 2022、ANHA, May 22, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 22, 2022、Reuters, May 22, 2022、SANA, May 22, 2022、SOHR, May 22, 2022などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県、アレッポ県、ラッカ県で、指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続く(2022年5月22日)

SANA(5月22日付)によると、ダイル・ザウル県のダイル・ザウル市、アレッポ県のハイヤーン町、タッル・アラン村、ラッカ県のサブハ町で、指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続けられた。

AFP, May 22, 2022、ANHA, May 22, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 22, 2022、Reuters, May 22, 2022、SANA, May 22, 2022、SOHR, May 22, 2022などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で1人(2022年5月22日)

保健省は政府支配地域で新たに1人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者10人が完治したと発表した。

これにより、5月22日現在のシリア国内での感染者数は計55,879人、うち死亡したのは3,150人、回復したのは52,601人となった。

https://www.facebook.com/MinistryOfHealthSYR/posts/312192757755374

AFP, May 22, 2022、ACU, May 22, 2022、ANHA, May 22, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 22, 2022、Reuters, May 22, 2022、SANA, May 22, 2022、SOHR, May 22, 2022などをもとに作成。

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