シャーム解放機構とシリア国民軍第3軍団の停戦合意の履行の動きが見られるなか、散発的戦闘は続く(2022年10月15日)

アレッポ県では、イナブ・バラディー(10月15日付)、シリア人権監視団などによると、シャーム解放機構とシリア国民軍第3軍団が14日に停戦合意を署名したにもかかわらず、同日深夜から15日未明にかけて、トルコ占領下のいわゆる「オリーブの枝」地域内のシャッラーン町一帯とマシュアラ村で激しく交戦し、マシュアラ村の近くにある国内避難民(IDPs)キャンプ(コルテク1)で火災が発生した。

https://www.facebook.com/SyriaCivilDef/videos/848411806332518/

戦闘はイスラーム軍と第3軍団の一部組織がシャーム解放機構と第3軍団の停戦合意を拒否したのを受けたもの。

一方、トルコ軍は、シャーム解放機構とシリア国民軍第3軍団が激しく交戦していたカフルジャンナ村(アアザーズ市西)に車輌10数輌からなる増援部隊を派遣した。

また、シリア革命反体制勢力国民連立の傘下にある暫定内閣の使節団がシャーム解放機構によって制圧されたアフリーン市を訪問し、同地の地元評議会、シリア国民軍憲兵隊と事態への対応について協議した。

なお、停戦合意を受けて、シャーム解放機構はアフリーン市から部隊の一部をイドリブ県方面に撤退させた。

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トルコ占領下のいわゆる「ユーフラテスの盾」地域でも、シャーム戦線とハムザ師団はバーブ市近郊のカッバースィーン村一帯で再び激しく交戦した。

これを受け、シリア国民軍に所属する北部旅団と北の鷹旅団は、シャーム戦線とハムザ師団の兵力を引き離すことを目的として拠点を強化した。

一方、バーブ市では、停戦合意を履行するかたちで、第3軍団を主導するシャーム戦線が市内にある軍事アカデミー、ズィラーア軍事キャンプから撤退した。

ハムザ師団に引き渡すのが目的だが、撤退に先立ち、シャーム戦線は捕獲していたハムザ師団の車輌複数輌を焼却した。

こうしたなか、シャーム解放機構の総合治安機関の使節団がアアザーズ市に到着、バーブ・サラーマ国境通行所の近くで、シリア国民軍第3軍団の司令部と会合を開いた。

会合の内容は不明。

なお、「ユーフラテスの盾」地域では、マーリア市の住民や同地で活動するシリア国民軍の戦闘員らが、アアザーズ市方面に向かって抗議のデモ行進を行い、シャーム解放機構の進行に拒否の姿勢を示した。

シャーム解放機構は、アアザーズ市方面への進軍を画策していたが、抗議行動を受けてこれを中断した。

AFP, October 15, 2022、ANHA, October 15, 2022、al-Durar al-Shamiya, October 15, 2022、‘Inab Baladi, October 15, 2022、Reuters, October 15, 2022、SANA, October 15, 2022、SOHR, October 15, 2022などをもとに作成。

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シリア軍がイドリブ県、ラタキア県で「決戦」作戦司令室と砲撃戦(2022年10月15日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるムサイビーン村、ザーウィヤ山地方一帯、アーフィス村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、「決戦」作戦司令室は、住民が帰還を始めたシリア政府支配禍のマアッラト・ヌウマーン市を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍と「決戦」作戦司令室がクルド山地方のカッバーナ村一帯で砲撃戦を行った。

AFP, October 15, 2022、ANHA, October 15, 2022、al-Durar al-Shamiya, October 15, 2022、Reuters, October 15, 2022、SANA, October 15, 2022、SOHR, October 15, 2022などをもとに作成。

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北・東シリア自治局はシリア・クルディスタン共和党が法律に違反したとして、支配地域内での活動を禁止(2022年10月15日)

北・東シリア自治局は声明を出し、シリア・クルディスタン共和党が法律に違反したとして、支配地域内での活動を禁止した。

声明では、2022年10月6日に開催された政党問題委員会の会合において、シリア・クルディスタン共和党が政党認可法(2018年法律第6号)の第4条第1項、第2条、第20条に違反したことを確認したとしたうえで、同法第33条に基づき、同党の活動を禁止、すべての事務所を閉鎖するとしている。

これに関して、シリア人権監視団によると、シリア・クルディスタン共和党の幹部筋は、北・東シリア自治局の支配地域で唯一汚職に反対してきたとしたうえで、自治局が、党内規の第7条における「クルド人政党」という文言を「諸民族の政党」へと変更したことを口実に活動を禁止したと批判した。

AFP, October 15, 2022、ANHA, October 15, 2022、al-Durar al-Shamiya, October 15, 2022、Reuters, October 15, 2022、SANA, October 15, 2022、SOHR, October 15, 2022などをもとに作成。

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トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下アレッポ県北部各所を砲撃(2022年10月15日)

アレッポ県では、ANHA(10月15日付)によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のタナブ村、バイナ村を砲撃した。

トルコ軍はまた、アイン・アラブ(コバネ)市近郊のクーラーン村、ジャイサーン村を砲撃したほか、シリア国民軍とともにマンビジュ市近郊のアラブ・ハサン村を砲撃した。

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ダルアー県ジャースィム市で、関係当局がシリア軍および地元住民からなる民兵と協力し、ダーイシュのメンバーに対する治安作戦を継続(2022年10月15日)

ダルアー県では、SANA(10月15日付)によると、ジャースィム市で、関係当局がシリア軍および地元住民からなる民兵と協力し、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバーに対する治安作戦を継続した。

関係当局はジャースィム市北部に、ダーイシュの本部が複数あるとの情報を入手し、15日早朝にイラク人の司令官(アミール)ら多数がいた本部の一つを強襲した。

ダーイシュとの戦闘で、これまでにダーイシュのメンバー7人と地元民兵3人(ジャースィム市出身2人、タファス市出身1人)が死亡している。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、スフナ市南の砂漠地帯で「イランの民兵」がダーイシュ(イスラーム国)の武装グループと交戦、民兵3人が死亡した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルと思われる武装集団が、ズィーバーン町にある油田投資家の家をRPGロケット弾で攻撃した。

AFP, October 15, 2022、ANHA, October 15, 2022、al-Durar al-Shamiya, October 15, 2022、Reuters, October 15, 2022、SANA, October 15, 2022、SOHR, October 15, 2022などをもとに作成。

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2020年にシリア軍によって解放されたM5高速道路沿線のマアッラト・ヌウマーン市(イドリブ県)に住民800世帯以上が帰還(2022年10月15日)

イドリブ県では、SANA(10月15日付)によると、2020年にシリア軍によって解放されたM5高速道路沿線のマアッラト・ヌウマーン市に住民800世帯以上が帰還した。

避難していた住民の帰還は、インフラなどの基本サービスが復旧したのを受けたもの。



AFP, October 15, 2022、ANHA, October 15, 2022、al-Durar al-Shamiya, October 15, 2022、Reuters, October 15, 2022、SANA, October 15, 2022、SOHR, October 15, 2022などをもとに作成。

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シリア政府支配地域での新型コロナウイルスの新規感染者は1人、コレラ感染者総数は825人(2022年10月15日)

保健省は政府支配地域で新たに1人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者2人が完治したと発表した。

これにより、10月15日現在のシリア国内での感染者数は計57,333人、うち死亡したのは3,163人、回復したのは54,153人となった。

https://www.facebook.com/MinistryOfHealthSYR/posts/pfbid0A1iFrZWZKB4y7zUdDhPt1dkMg7bum8Ag3a3x4BBed2ySCroN2XAPiNzgLLQ7asdgl

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保健省はまた、コレラ感染者数に関して、感染者数が825人に達し、うちこれまでに43人が死亡したと発表した。

感染者数の県別内訳は、アレッポ県519人、ダイル・ザウル県145人、ハサカ県63人、ラッカ県29人、ラタキア県23人、スワイダー県17人、ダマスカス県10人、ハマー県8人、ヒムス県7人、ダルアー県3人、クナイトラ県1人。

死者の県別内訳は、アレッポ県36人、ハサカ県4人、ダイル・ザウル県2人、ダマスカス県1人。

https://www.facebook.com/MinistryOfHealthSYR/posts/pfbid02bLUfj23MXHguU2qoQpnQeURMUjPq17M6HqWx8AYxYCb7Z5VbjHnkz3sZg9dRuDxgl

AFP, October 15, 2022、ACU, October 15, 2022、ANHA, October 15, 2022、al-Durar al-Shamiya, October 15, 2022、Reuters, October 15, 2022、SANA, October 15, 2022、SOHR, October 15, 2022などをもとに作成。

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