アレッポ県ジャラーブルス市近郊の通行所の管理をめぐりシリア国民軍所属のスルターン・ムラード師団とシャーム自由人イスラーム運動が対立、シャーム解放機構が後者を支持、前者を脅迫(2023年1月8日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア国民軍に所属するスルターン・ムラード師団が、同じくシリア国民軍に属するアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動に対して、トルコ占領下のいわゆる「ユーフラテスの盾」地域の拠点都市の一つジャラーブルス市に近いハムラーン村の通行所を引き渡すよう要求し、緊張が高まった。

スルターン・ムラード師団の要求は、シリア革命反体制勢力国民連立傘下の暫定内閣国防省の承認に基づいて行われたものだが、シャーム自由人イスラーム運動は、これを拒否した。

スルターン・ムラード師団が通行所を掌握するために部隊を動員する姿勢を見せたのに対して、シリアのアル=カーイダとして知られる国際テロ組織のシャーム解放機構は、シャーム自由人イスラーム運動を支援、スルターン・ムラード師団が武力でハムラーン村の通行所を制圧した場合は、「オリーブの枝」地域の中心都市アフリーン市内になるスルターン・ムラード師団の本部や軍事キャンプを襲撃すると脅迫した。

AFP, January 9, 2023、ANHA, January 9, 2023、al-Durar al-Shamiya, January 9, 2023、Reuters, January 9, 2023、SANA, January 9, 2023、SOHR, January 9, 2023などをもとに作成。

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シャームの鷹旅団のシャイフ司令官は音声声明を出し、シリア政府との和解はあり得ないと表明(2023年1月8日)

シリア国民軍や国民解放戦線に所属し、シャーム解放機構と共闘関係にあるシャームの鷹旅団のアフマド・イーサー・シャイフ司令官は音声声明を出し、以下のように述べ、シリア政府との和解はあり得ないと表明した。

誰が和解するかは重要でない。誰が裏切るかは重要ではない。誰が逸脱するかは重要ではない。我々にとって真に重要なのは我々自身だ。
我々自身が重要だ。我々は裏切り者なのか? 我々はいつか和解するのか? 我々は原則を犠牲にして自分たちの利益を優先するのか?
我々はこうした和解を受け入れることはできない。すべての国には政策や国益があろうが、我々にも利益がある。

AFP, January 8, 2023、ANHA, January 8, 2023、al-Durar al-Shamiya, January 8, 2023、Reuters, January 8, 2023、SANA, January 8, 2023、SOHR, January 8, 2023などをもとに作成。

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OCHAは今年初となる境界経由(クロス・ライン)の人道支援を行い、政府支配地からシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県に人道支援物資を搬入(2023年1月8日)

イドリブ県では、国際連合人道問題調整事務所(OCHA)のシリア事務所がツイッターのアカウント(https://twitter.com/OCHA_Syria/)を通じて発表したところによると、人道支援物資を積んだ車列が、国連安保理決議第2575号、第2642号が定める境界経由(クロス・ライン)の人道支援の一環として、シリア政府の支配下にあるサラーキブ市方面から、M4高速道路沿線のタルナバ村の通行所を経由して、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るいわゆる「解放区」内に入った。

シリア人権監視団などによると、車列は18輌の貨物車輌からなる。

クロス・ラインでの人道支援が行われるのは2023年に入って初めて。

車列の移動に際して、シャーム解放機構の部隊がサラーキブ市とイドリブ市を結ぶ街道、M4高速道路のサラーキブ市・アリーハー市区間に多数展開し、厳戒態勢が敷かれた。

AFP, January 8, 2023、ANHA, January 8, 2023、al-Durar al-Shamiya, January 8, 2023、Reuters, January 8, 2023、SANA, January 8, 2023、SOHR, January 8, 2023などをもとに作成。

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米主導の有志連合の貨物車輌など50輌からなる車列がイラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入(2023年1月8日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合の貨物車輌など50輌からなる車列がイラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入し、県内各所の米軍基地に向かった。

AFP, January 8, 2023、ANHA, January 8, 2023、al-Durar al-Shamiya, January 8, 2023、Reuters, January 8, 2023、SANA, January 8, 2023、SOHR, January 8, 2023などをもとに作成。

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トルコ軍とシリア国民軍がハサカ県、ラッカ県を砲撃(2023年1月8日)

ハサカ県では、ANHA(1月8日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・タムル町近郊のタッル・タウィール村、タウィーラ村を砲撃した。

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ラッカ県では、ANHA(1月8日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市近郊のマアラク村を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のいわゆる「ユーフラテスの盾」地域に近いタッル・ジージャーン村、アブラ村一帯でシリア国民軍がシリア軍を攻撃、シリア軍兵士4人が死亡、2人が負傷した。

AFP, January 8, 2023、ANHA, January 8, 2023、al-Durar al-Shamiya, January 8, 2023、Reuters, January 8, 2023、SANA, January 8, 2023、SOHR, January 8, 2023などをもとに作成。

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シャーム解放機構がアレッポ県アフリーン市近郊に増援部隊を派遣(2023年1月8日)

アレッポ県では、ANHA(1月8日付)がトルコ占領下のいわゆる「オリーブの枝」地域内のジンディールス町の情報筋の話として伝えたところによると、シリアのアル=カーイダとして知られる国際テロ組織のシャーム解放機構の部隊が、戦車、兵員輸送車、装甲車、重火器やオートバイなどを積んだ車輌からなる増援部隊が、ジンディールス町および同町周辺の複数カ所に展開した。

シリア人権監視団も1月6日、シャーム解放戦線が4日から5日にかけて、アフリーン市近郊に戦車、装甲車、オートバイを積んだ貨物車輌などの増援部隊を派遣したと発表していた。

AFP, January 8, 2023、ANHA, January 8, 2023、al-Durar al-Shamiya, January 8, 2023、Reuters, January 8, 2023、SANA, January 8, 2023、SOHR, January 6, 2023などをもとに作成。

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