シャーム解放機構の圧力でコーカサス人、チェチェン人の戦闘員多数が欧州某国に出国(2023年1月12日)

シリア人権監視団は、複数筋から得た情報として、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県や隣接するラタキア県北部で活動を続けていた外国人戦闘員多数が数週間前からシリアから出国を続けている、と発表した。

同筋によると、シリアを出国している外国人戦闘員はコーカサス人、チェチェン人のジハード主義者で、その数は170人以上にのぼる。

出国は、シャーム解放機構からの圧力や要請を受けたもので、欧州の某国に移動したという。

シャーム解放機構はまた、シリアにとどまるコーカサス人やチェチェン人の戦闘員らに圧力をかけ、トルコ経由で欧州某国へと移動するよう求めている一方、トルキスタン人のジハード主義者に対しては出国を求めていないという。

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欧州の某国がどこかは不明だが、シリアで活動していたチェチェン人は最近になってウクライナに移動し、ロシア軍との戦闘に参加している(「シリアでアル=カーイダと共闘していたチェチェン人戦闘員がロシアの侵攻を受けるウクライナでの戦闘に参戦」を参照)。

AFP, January 12, 2023、ANHA, January 12, 2023、al-Durar al-Shamiya, January 12, 2023、Reuters, January 12, 2023、SANA, January 12, 2023、SOHR, January 12, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル県とラッカ県でシリア民主軍、アサーイシュがダーイシュのスリーパーセルの襲撃を受け、3人死亡(2023年1月12日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるヒサーン村で、内務治安部隊(アサーイシュ)の隊員1人が、ダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルのメンバーと見られる、オートバイに乗った武装集団によって銃で撃たれて、死亡した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュのスリーパーセルがラッカ市とラッカ・サムラ村を結ぶ街道で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の兵士2人を襲撃し、殺害した。

AFP, January 12, 2023、ANHA, January 12, 2023、al-Durar al-Shamiya, January 12, 2023、Reuters, January 12, 2023、SANA, January 12, 2023、SOHR, January 12, 2023などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県キバル村で、暖房用の灯油を受け取れないとして住民数十人が抗議デモ(2023年1月12日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるキバル村で、自治局が発行したカードを通じて配給されている暖房用の灯油を受け取れないとして住民数十人が抗議デモを行った。

AFP, January 12, 2023、ANHA, January 12, 2023、al-Durar al-Shamiya, January 12, 2023、Reuters, January 12, 2023、SANA, January 12, 2023、SOHR, January 12, 2023などをもとに作成。

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トルコ占領地とシリア政府・北・東シリア自治局共同統治地域を結ぶ通行所が再開、ウクライナで盗まれた小麦のシリアへの密輸が続く(2023年1月12日)

トルコで活動するシリア革命反体制勢力国民連立の傘下にある暫定内閣は、トルコの占領下にあるアレッポ県北部のいわゆる「ユーフラテスの盾」地域内のジャラーブルス市と、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市を結ぶ街道沿線のアウン・ダーダート村に設置されている通行所を2月に人道的な理由で再開し、民間人のみの往来を認めると発表した。

シリア人権監視団によると、同通行所は、2020年12月19日にシリア国民軍によって閉鎖され、その後2021年7月に再開されていた。

一方、北・東シリア自治局傘下のマンビジュ市および同郊外民主民政評議会も1月2日に、アウン・ダーダート村に面するウンム・ジャッルード村の通行所と、ラッカ県タブカ市に設置されている通行所を再開したと発表している。

なお、シリア人権監視団によると、アウン・ダーダート村とウンム・ジャッルード村の通行所を通じて、北・東シリア自治局配下の業者が、ウクライナで盗まれた小麦をトルコから大量に密輸入しているという。

AFP, January 12, 2023、ANHA, January 12, 2023、al-Durar al-Shamiya, January 12, 2023、Reuters, January 12, 2023、SANA, January 12, 2023、SOHR, January 12, 2023などをもとに作成。

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シリア軍と「決戦」作戦司令室がイドリブ県、ラタキア県で交戦(2023年1月12日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、「決戦」作戦司令室もカフルバッティーフ村一帯のシリア軍の拠点を狙って砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるクルド山地方各所を砲撃した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ハーン・アルナバ市の入口に設置されているシリア軍の検問所で、爆発物が仕掛けられた車が爆発し、兵士2人が負傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍第15師団の下士官がタッル・シハーブ町とハッラーブ・シャフム村を結ぶ街道で何者かによって銃で撃たれて死亡した。

AFP, January 12, 2023、ANHA, January 12, 2023、al-Durar al-Shamiya, January 12, 2023、Reuters, January 12, 2023、SANA, January 12, 2023、SOHR, January 12, 2023などをもとに作成。

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トルコ軍がアレッポ県北部にあるシリア軍の拠点を砲撃し、士官ら3人を殺害する一方、ハサカ県北部を自爆型ドローンで攻撃(2023年1月12日)

アレッポ県では、ANHA(1月12日付)によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のマイヤーサ村にあるシリア軍の拠点を砲撃し、士官3人を含む兵士4人が負傷、シリア人権監視団によると、このうち少将ら3人が死亡した(シリア人権監視団によると、その後、重傷を負っていた士官(大佐)も15日に死亡した)。

一方、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるいわゆる「ユーフラテスの盾」地域とシリア政府の支配地の境界に位置するターディフ市一帯でシリア軍とシリア国民軍が交戦した。

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ハサカ県では、ANHA(1月12日付)によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアームーダー市近郊のカルマトルー村を自爆型の無人航空機(ドローン)で攻撃した。

AFP, January 12, 2023、ANHA, January 12, 2023、al-Durar al-Shamiya, January 12, 2023、Reuters, January 12, 2023、SANA, January 12, 2023、SOHR, January 12, 2023、January 15, 2023などをもとに作成。

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シリア、トルコ、ロシアの三ヵ国外相会談が「来週」開催されると報じられるなか、シリア政府はトルコ軍の撤退が想定されないかたちでの会談を拒否、トルコ外相は「2月初旬になるだろう」と述べる(2023年1月12日)

マヤーディーン・チャンネル(1月12日付)は、シリアの複数の高官筋の話として、ロシアの仲介で準備が進められているファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣と、トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣の会談の日程について、「シリア政府が開催に同意していない」ため、画定していないと伝えた。

同高官筋によると、「ダマスカスは、シリア領内全域からのトルコ軍の撤退をはじめとする諸目的が想定されない段階で会合を準備することを拒否した」一方、「トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン政権には、選挙目当てでシリア政府と接近しようとしているが、ダマスカスはこうしたカードを切ることに関心はない」という。

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トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣も、訪問先のルワンダ訪問で記者団に対して、来週にロシア、シリア、トルコの三ヵ国外相会談を開催することが提案されたが、この日程は我々の予定に合っていない。それゆえ、会合の正確な日程はまだ確定していない」、「おそらく2月初旬になるだろう。ロシア側からいくつかの提案があり、我々はそれに取り組んでいる」と述べた。

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ロイター通信(1月11日付)などは、トルコ高官の話として、三ヵ国外相会談を「来週」開催するため日程調整が行われていると伝えていた。

AFP, January 12, 2023、ANHA, January 12, 2023、al-Durar al-Shamiya, January 12, 2023、Qanat al-Mayadin, January 12, 2023、Reuters, January 11, 2023、SANA, January 12, 2023、SOHR, January 12, 2023などをもとに作成。

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ロシアのラヴレンティフ大統領特使がシリアを訪問しアサド大統領と会談(2023年1月12日)

ロシアのアレクサンドル・ラヴレンティフ・シリア問題担当大統領特使を代表とする使節団がシリアを訪問し、アサド大統領と会談し、両国の戦略的関係のありよう、両国および両国民の利益に資するあらゆる分野での発展の仕組み、地域情勢、国際情勢について意見を交わした。

SANA(1月12日付)によると、アサド大統領は会談で、政治・情報戦が世界においてこれまで以上に激しさを増しており、そのことにより、政治姿勢を明示し、確たるものとすることが求められているとしたうえで、シリアはドンバス地方に対するロシアの軍事作戦を支援していると述べた。

これに対して、ラヴレンティフ特使は、ウクライナでの軍事作戦開始以来のシリアの建設的な姿勢を高く評価していると述べるとともに、世界の多くの国がロシアの勝利を信じており、米国やその同盟国による圧力にもかかわらず、ロシアやシリアを孤立させようとする試みは失敗したと強調した。

そのうえで、世界において開発投資を加速させる必要があり、ロシアがシリア、トルコ、ロシアの国防大臣会談を積極的に評価しており、こうした会合を継続し、外務大臣レベルでの会談に発展させることが重要だと述べた。

これに対して、アサド大統領は、シリア、トルコ、ロシアの国防大臣会談が実りあるものだったとしたうえで、占領やテロ支援を終らせるため、国家と国民が愛国的な原則に基づきつつ、こうした会合においてシリアが望んでいる具体的な目標や成果を実現させるため、シリアとロシアが慈善に連携・立案を行う必要があると述べた。





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AFP, January 12, 2023、ANHA, January 12, 2023、al-Durar al-Shamiya, January 12, 2023、Reuters, January 12, 2023、SANA, January 12, 2023、SOHR, January 12, 2023などをもとに作成。

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