シャーム解放機構のジャウラーニー指導者がイドリブ市で活動家らと会合を開き、シリア政府との和解を拒否(2023年1月2日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月3日付)、反体制系チャンネルのシリア・テレビ(1月3日付)などによると、シャーム解放機構のアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者がイドリブ市で活動家らと会合を開き、最近の政治情勢について意見を交わした。

ジャウラーニー指導者は会合で、シリア政府(とトルコ)との和解をめざそうとする政治路線を推し進めることは不可能だとしたうえで、それがシリア政府の再生をもたらし、トルコや欧州に数百万という難民を新たに流入させるとの見方を示し、以下の通り述べた。

犯罪者体制との和解を誰かが望んでも、それは成功しない。この土地はそこに住む者のものであり、この言葉は彼らの言葉そのものだ。我々は準備ができている。
軍事的な変化を監視するとともに、あらゆる政治的な動きも毎日追っている。占領された地域にいつ戻ることができるのかと問う者に対してこう言いたい。我々はそのための努力を惜しむことはない。我々はそのための機会を待ち、犯罪者とのいかなる和解も受入れない。そのことを考える者に対して断固たる姿勢をとることになる。
勝利は保証されている。我々が自分たちの言葉を軍事的、社会的、制度的に一つにするのであれば。そうしなければ、我々は勝利を実現するのに必要な要素を推し進めることを怠ることになる。
我々は、インフラのほとんどが破壊された地域に暮らしている。持続的な戦争状態と、さまざまな占領軍の攻撃の脅威が続くなかにいる。にもかかわらず、我々はこの地域を建設するという義務を行っている。さまざまな組織がサービスを提供し、毎年、その役割とやり方を改善させようとしている。我々には軍事的な準備はできている。我々は各戦線を守り、攻撃の計画を立て、あらゆる種類、かたちの戦争に向けた訓練を行っている。


AFP, January 3, 2023、ANHA, January 3, 2023、al-Durar al-Shamiya, January 3, 2023、Reuters, January 3, 2023、SANA, January 3, 2023、SOHR, January 3, 2023、Syria TV, January 3, 2023などをもとに作成。

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シャーム解放機構のジャウラーニー指導者はビデオ声明でシリア政府とトルコの接近を拒否(2023年1月2日)

シャーム解放機構の傘下にあるアムジャード広報機構は、アブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者のビデオ声明(https://amjaad.video/watch/BiyZLBC1kIxjqQc)を配信した。

声明のなかで、ジャウラーニー指導者は以下のように述べ、シリア政府とトルコの和解に拒否の姿勢を示した。

祝福されしシリア革命は、犯罪者体制とその同盟者に対して継続されている闘争において、新たな課題に直面している。犯罪者体制と同盟者であるロシアが、トルコ側と行っている対話は、シリア革命の諸目標に抵触する深刻な逸脱である。

世界よ。国民は、犯罪者体制の支配のもとで屈辱と不名誉の生活を送るか、イスラームと革命の裁定を経て名誉と尊厳の生活を送るかを選択した。選択したのだ。地球のすべての国がまとまろうとも、国民は、アッラーの許しのもと、思いとどまることはない。

この戦いは、人々が地位を争うための政争でもなければ、一つの家のなかで行われる内戦でもない。真実と虚偽の戦いであり、その夜は昼のごとく、滅びし者のみがそれを免れることできる。それとともにある者は救われ、そこから身を引く者は敗北し、敵対する者は滅びる。

名誉ある革命児たちよ。悲しんではならない。絶望してはならない…。革命には、民、指導者、そして兵がいる。彼らは、革命を守り、その民に奉仕するため、昼とともに夜に至る。我々は備えており、来るべき偉大なる日のために備えている。

数千という自由な女性たちを犯した罪、あるいは数千という無垢な子供を殺した罪、死の樽(爆弾)を投下し、住民の眼前で数百万という家を破壊したことに対して、この犯罪者体制はどのように報いを受け、寛大に対処されるというのか?

起こっていることに一喜一憂してはならない。過ぎ去りしものは、残されたものよりはるかに多い。時は近づいており、その時はより悲惨で重大な時となるだろう。

すべての誠実なる者に、努力し、誠実であり、我々に手を差し伸べ、これらの課題に対処するために我々を支え、犯罪者体制打倒まで誓約を続けて欲しい。

AFP, January 2, 2023、ANHA, January 2, 2023、al-Durar al-Shamiya, January 2, 2023、Reuters, January 2, 2023、SANA, January 2, 2023、SOHR, January 2, 2023などをもとに作成。

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アレッポ県バーブ市で、学生らがシリア政府とトルコの接近に抗議するデモ(2023年1月2日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のいわゆる「ユーフラテスの盾」地域の拠点都市バーブ市で、学生らが12月28日にロシアの首都モスクワで行われたシリアのアリー・マフムード・アッバース国防大臣、ロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣、トルコのフルシ・アカル国防大臣の会談など、シリア政府とトルコの接近に抗議するデモを行った。

デモ参加者らは「我々は和解しない」。「化学兵器で子供を殺した者と和解しない」などと書かれたプラカードを掲げて拒否の意志を示した。

AFP, January 2, 2023、ANHA, January 2, 2023、al-Durar al-Shamiya, January 2, 2023、Reuters, January 2, 2023、SANA, January 2, 2023、SOHR, January 2, 2023などをもとに作成。

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シリア軍がアレッポ県西部でシャーム解放機構のメンバー1人を殺害(2023年1月2日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が県西部でシャーム解放機構のメンバー1人を殺害した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のスフーフン村、ファッティーラ村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カタナー市で、体制打倒と「革命」継続を訴える落書きが発見された。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、サイダー町とアイン・ザカル村を結ぶ街道に何者かが仕掛けた爆弾が爆発し、シリア軍の士官(中佐)1人が死亡した。

また、フラーク市では、正体不明の武装集団がパン工場の経営者を銃で撃ち殺害した。

AFP, January 2, 2023、ANHA, January 2, 2023、al-Durar al-Shamiya, January 2, 2023、Reuters, January 2, 2023、SANA, January 2, 2023、SOHR, January 2, 2023などをもとに作成。

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シリア民主軍はダーイシュ掃討を目的とする「ジャズィーラの稲妻」作戦で戦闘員や傭兵14人を逮捕(2023年1月2日)

ハサカ県では、ANHA(1月2日付)によると、12月29日にハサカ県フール・キャンプ、タッル・ハミース市一帯、タッル・ブラーク町一帯などで、北・東シリア自治局内務治安部隊(アサーイシュ)、米主導の有志連合とともにダーイシュ(イスラーム国)掃討を目的とする「ジャズィーラの稲妻」作戦を開始した人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、戦闘員や傭兵14人を逮捕した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるシュハイル村で米主導の有志連合がシリア民主軍の支援を受けて空挺作戦を実施し、ダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルのメンバー1人を逮捕した。

一方、ザッル村で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のパトロール部隊がダーイシュ(イスラーム国)メンバーと見られる30代の男性1人を殺害した。

AFP, January 2, 2023、ANHA, January 2, 2023、al-Durar al-Shamiya, January 2, 2023、Reuters, January 2, 2023、SANA, January 2, 2023、SOHR, January 2, 2023などをもとに作成。

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トルコ軍はシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるハサカ県タッル・タムル町近郊のドローンで攻撃(2023年1月2日)

ハサカ県では、ANHA(1月2日付)によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・タムル町近郊のアウジャ村を無人航空機(ドローン)で攻撃した。

シリア人権監視団によると、トルコ軍のドローンが狙ったのは民家。

また、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるいわゆる「平和の泉」地域の拠点都市の一つラアス・アイン市近くの国境地帯で、シリア国民軍東部自由人連合の手引きでトルコに密入国しようとしたダイル・ザウル県出身の男性1人が、トルコ軍憲兵隊に射殺された。

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ラッカ県では、ANHA(1月2日付)によると、トルコ軍がシリア政府の支配下にあるアイン・イーサー市西方一帯、同市近郊のサイダー村、M4高速道路沿線一帯を砲撃した。

一方、SANA(1月2日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の車輌1台が、タッル・サマン村とアイン・イーサー市を結ぶ街道で正体不明の武装集団の襲撃を受け、兵士多数が死傷した。

AFP, January 2, 2023、ANHA, January 2, 2023、al-Durar al-Shamiya, January 2, 2023、Reuters, January 2, 2023、SANA, January 2, 2023、SOHR, January 2, 2023などをもとに作成。

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シリア中央銀行は、公立銀行や両替商に対する為替レートを1米ドル4,522シリア・ポンドに(2023年1月2日)

シリア中央銀行は、公立銀行や両替商に対する為替レートを1米ドル4,522シリア・ポンドに、国外から個人が受け取るドルに対する為替レートを4,500シリア・ポンドに改訂した。

SANA(1月2日付)が伝えた。

AFP, January 2, 2023、ANHA, January 2, 2023、al-Durar al-Shamiya, January 2, 2023、Reuters, January 2, 2023、SANA, January 2, 2023、SOHR, January 2, 2023などをもとに作成。

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イスラエル軍がダマスカス国際空港を爆撃、空港が一時利用不能に(2023年1月2日)

シリア軍筋は報道声明を出し、1月2日午前2時頃、イスラエル軍がガリラヤ湖(ティベリウス湖)北東方面からダマスカス国際空港(ダマスカス郊外県)をミサイル多数で攻撃し、シリア軍兵士2人が死亡、2人が負傷するとともに、若干の物的被害が生じ、空港が利用不能となった。

https://www.facebook.com/ARMY.ALASSAD1/posts/pfbid0dczfnXxcP88Qa8Swy2wsEXssjbDgGrk7W4wcV13kbJLFUD9pyPRJbVt4s8n5vubUl?__cft__[0]=AZXnEBbdPYSeB5lnfCcB9xkirlG3cMAr1npo994AhZbmSdjo343Hsxgp4GvQorc81sDTqpzgHcMYuBlOLuNBVfXB7aha2F9U-ZqYBgRY59oQ-7M3hT0eDkcqm-aAxvV3DqXtOtaeP0-ETyYxK5f49WOmBcMCKW2qT09cRa45AabUQxykxUKHahBSu0NTVTJZRfAoD4pH4VslHdLKQc5tavFz&__tn__=%2CO%2CP-R

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運輸省はその後声明を出し、職員や関係機関が復旧作業を行い、午前9時から空港の業務を再開すると発表した。

https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=pfbid0q8Nt739Med28Z9U3ZxGiEQgjWedmk6q9sGZHLDJKePYdSr32Sv1NUUYy3f1RqPTcl&id=100064584436235&__cft__[0]=AZXLk-wJiHCBBbZ_iN7nB14wg6_bJJ5eks8Zk0dso2l972Bre0scbtj0MvbmNDr-0cqNc64sGRUrWDmlVphPBAup4L_XtcKAH8T3egViLwyfw1EIL1e8TKTGOZG9gGTL88RKVCb4FRi3qdpH72bYGNRJWplGo0Cpj-fIYHXHB86pGnE_WRkLTi68siSdSiqCMBw1jyXJ8hmzrDrGwXFr9nFa&__tn__=%2CO%2CP-R

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また、外務在外居住者省は国連事務総長と安保理議長に書簡を送り、主権、領土の一体性の防衛と、内政干渉を拒否するシリアおよび不屈のシリア国民に対する犯罪と非難するととも、12月30日のダイル・ザウル県でのティーム油田従業員に対するテロ攻撃の直後に行われた今回の爆撃が、ダーイシュ(イスラーム国)とイスラエルの連携を立証していると断じた。

そのうえで、国連に対して、こうした犯罪行為を非難し、再発防止に向けた緊急の行動をとるよう要請した。

https://www.facebook.com/Mofaexsy/posts/pfbid036NejCpLME6XzSbRyz2grDMDB8YnJBTZ4M4tHyJBxzjhuA8Stmf1H1Szni5JJuPWil?__cft__[0]=AZWSuyLoq56MM3PbQekb_tcWcxXiMKPp4KtGnk-tdR3QY-KZL6t9qpI3liZA3G46cr6vNEo-6LuTLgbRCoJ3RG24P_sY0589wenIRYFjeJ6cN6cJUFaYmT2_gv7Z3nJfNca5No9DSMUN5CmZyeOJyeeGlRPCzM0jqSxxuFXwt6eKnTR9r-A3vqQB1O-27LD7SehyGhw_7COIQ2meYIfo5HvO&__tn__=%2CO%2CP-R

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SANA(1月2日付)が伝えた。

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シリア人権監視団によると、爆撃は、空港近くの武器弾薬庫1棟を含む2棟が狙われ、シリア人2人を含む4人が死亡した。

また、旅客機用の滑走路の使用は再開されたが、貨物機および緊急離着陸用の滑走路の復旧作業は続いているという。

シリア人権監視団によると、その後死者は7人となった。

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タイムズ・オブ・イスラエル(1月2日付)は、攻撃直後に撮影されたとされる、ダマスカス国際空港の衛星画像を公開した。

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ロシア当事者和解調整センターのオレグ・エゴロフ副センター長は、イスラエル軍の攻撃に関して、F-16戦闘機4機がダマスカス郊外県ブライ村にある航空基地(ブライ航空基地)を狙い、兵士6人が死亡、3人が負傷したと発表した。

RIAノーヴォスチ通信(1月2日付)が伝えた。

AFP, January 2, 2023、ANHA, January 2, 2023、al-Durar al-Shamiya, January 2, 2023、Reuters, January 2, 2023、RIA Novosti, January 2, 2023、SANA, January 2, 2023、SOHR, January 2, 2023、January 3, 2023、Times of Israel, January 2, 2023などをもとに作成。

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