【トルコ・シリア大地震】世界銀行はトルコ・シリア大地震によるシリア国内での被害でシリアの実質GDPが5.5%縮小し、復旧・復興の必要額が3年間で79億米ドルにのぼると発表(2023年3月20日)

世界銀行はトルコ・シリア大地震によるシリア国内での被害にかかる「緊急被害・ニーズ・アセスメント報告書」を発表した。

134ページからなる報告書によると、地震によりシリアの実質GDPは5.5%縮小し、復旧・復興の必要額は3年間で79億米ドル(初年度が37億米ドル、2、3年目が42億米ドル)にのぼると見られるという。

また農業部門への支援ニーズが全体の27%、住宅部門が18%、社会保障が16%、運輸が12%をそれぞれ示すという。

AFP, March 20, 2023、ANHA, March 20, 2023、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2023、Reuters, March 20, 2023、SANA, March 20, 2023、SOHR, March 20, 2023などをもとに作成。

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トルコのチャヴシュオール外務大臣はロシア側からモスクワで予定されていたロシア、トルコ、シリア、イランの外務省代表者会合延期の提案を受け、これに同意(2023年3月20日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、ロシア側から、3月15日から16日にモスクワで開催される予定だったロシア、トルコ、シリア、イランの外務省代表者会合について、延期の提案を受け、これに同意したことを明らかにした。

チャヴシュオール外務大臣は「ロシア側は日程の変更を申し出た。おそらくシリア側とともにこれを決定したのだろう。だが、ロシア側は将来、会談を準備すると付言、我々は同意した」と述べた。

AFP, March 20, 2023、ANHA, March 20, 2023、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2023、Reuters, March 20, 2023、SANA, March 20, 2023、SOHR, March 20, 2023などをもとに作成。

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【トルコ・シリア大地震】欧州委員会はトルコ・シリア大地震の被災者を支援するための国際援助会議「トルコとシリアの人々とともに」を開催:招待されなかったシリアは遺憾の意を表明(2023年3月20日)

欧州委員会はベルギーのブリュッセルで、2月6日に発生したトルコ・シリア大地震の被災者を支援するための国際援助会議「トルコとシリアの人々とともに」を開催し、EUおよび加盟諸国、国連機関、欧州投資銀行(EIB)、欧州復興開発銀行(EBRD)などの60以上の国・機関の代表者が一同に介した。

ウルズラ・ゲルトルート・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長と同評議会の議長国を務めるスウェーデンのウルフ・クリステルソン首相が議長を務めた会議では、70億ユーロを調達し、うち60億5000万ユーロをトルコに、9億5000万ユーロをシリアに人道支援のために供与することを決定した。

ただし、会議にシリア政府の参加は認められなかった。

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外務在外居住者省は声明を出し、同会議の開催において、シリア政府との調整がなされず、また参加の招待を受けなかったことに遺憾の意を表明、被災者の人道状況や生活状況を改善するには、シリア国民に対する集団的懲罰政策(経済制裁)の無条件での即時解除が最低限必要だと表明した。

https://www.facebook.com/Mofaexsy/posts/pfbid02YDVgfmKXSSJyE5abYLk2DVVUpMTfEuk7s9Z8QfYuauxvZmgNrbpeDLmkLvmrheD7l

SANA(3月19日付)が伝えた。

AFP, March 20, 2023、ANHA, March 20, 2023、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2023、Reuters, March 20, 2023、SANA, March 20, 2023、SOHR, March 20, 2023などをもとに作成。

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ダーイシュのスリーパーセルがヒムス県タドムル市近郊の砂漠地帯でシリア軍部隊を襲撃し、兵士1人を殺害(2023年3月20日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルがタドムル市近郊の砂漠地帯でシリア軍部隊を襲撃し、兵士1人を殺害した。

AFP, March 20, 2023、ANHA, March 20, 2023、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2023、Reuters, March 20, 2023、SANA, March 20, 2023、SOHR, March 20, 2023などをもとに作成。

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シャーム解放機構の狙撃部隊がシリア政府の支配下にあるイドリブ県カフルバッティーフ村近郊でシリア軍兵士2人を狙撃し、殺害(2023年3月20日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構の狙撃部隊がシリア政府の支配下にあるカフルバッティーフ村近郊でシリア軍兵士2人を狙撃し、殺害した。

これに対して、シリア軍もシャーム解放機構の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にある第46中隊基地一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

AFP, March 20, 2023、ANHA, March 20, 2023、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2023、Reuters, March 20, 2023、SANA, March 20, 2023、SOHR, March 20, 2023などをもとに作成。

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トルコ・シリア大地震の被害がもっとも深刻だとされるトルコ占領下のジンディールス町近郊(アレッポ県)で、トルコの支援を受ける武装集団がナウルーズを祝うために焚火を行っていた住民らに発砲、多数を殺傷(2023年3月20日)

アレッポ県では、ANHA(3月20日付)によると、トルコ占領下の「オリーブの枝」地域のジンディールス町近郊で、「占領国の傭兵」(トルコの支援を受けるシリア国民軍)がナウルーズを祝うために焚火を行っていたとして、住民らに発砲、4人を殺害した。


発砲したのは、ダイル・ザウル県出身のダーイシュ(イスラーム国)の元メンバーらが多く参加する東部自由人連合の戦闘員とされる。

シリア人権監視団によると、事件が起きたのはジンディールス町近郊のハイカジャ村で、東部自由人連合に所属するハサン・ダブアを名乗る戦闘員の一団が住民に向けて発砲し、7人が死傷した。

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ANHA、イナブ・バラディー(3月20日付)によると、事件を受けて、ジンディールス町および周辺農村の住民は、東部自由人連合と占領国トルコの退去を求めて、抗議デモを行った。

シリア人権監視団によると、住民らは「アーザーディー」(自由)と連呼して、東部自由人連合の退去を求めた。



抗議デモは、アフリーン市、マアバトリー町、ラージュー町でも行われた。

ジンディールス町は、2月6日のトルコ・シリア大地震によってもっとも深刻な被害を受けたとされる場所の一つ。

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北・東シリア自治局のアフリーン・シャフバー地区は声明を出し、「アブー・ハビーブを名乗るダーイシュのテロリストの1人」が犯行に及んだとしたうえで、「この犯罪がトルコ諜報機関の手によるものは明白で、クルド人の意志を打ち砕こうとするのが狙いだ」として、トルコの関与を断じ、厳しく非難した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアブドゥルハキーム・バッシャール代表も声明を出し、事件を厳しく非難した。

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また、同連立の傘下組織である暫定内閣国防省は声明を出し、発砲の原因に関して、民間人と戦闘員の間での口論がきっかけだったとしたうえで、シリア国民軍の憲兵隊が事件に関与した容疑者を追及すると発表した。

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一方、アブー・ハーティム・シャウラーを名乗る東部自由人連合の司令官はツイッターのアカウント(https://twitter.com/abohateem15/)を通じて、組織としての事件への関与を否定した。

AFP, March 20, 2023、ANHA, March 20, 2023、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2023、‘Inab Baladi, March 20, 2023、Reuters, March 20, 2023、SANA, March 20, 2023、SOHR, March 20, 2023、March 21, 2023などをもとに作成。

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シリア民主軍の政治部門であるシリア民主評議会の在米代表がホワイト・ハウスで開催されたナウルーズの祝典に出席し、バイデン米大統領と会見(2023年3月20日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治部門であるシリア民主評議会の在米(ワシントンDC)代表部のサイナム・ムハンマド代表が、ホワイト・ハウスで開催されたナウルーズの祝典に出席し、ジョー・バイデン米大統領と会見した。

ANHA(3月20日付)が伝えた。

AFP, March 20, 2023、ANHA, March 20, 2023、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2023、Reuters, March 20, 2023、SANA, March 20, 2023、SOHR, March 20, 2023などをもとに作成。

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北・東シリア自治局で支配地で「ノウルーズの抵抗の魂に賭けて我々はオジャランを解放し、占領を打ち負かす」と銘打ってノウルーズが祝われる(2023年3月20日)

ANHA(3月20日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるハサカ県(ハサカ市)、ラッカ県、アレッポ県(マンビジュ市、アイン・アラブ(コバネ)市)、ダイル・ザウル県(ハジーン市)では、「ノウルーズの抵抗の魂に賭けて我々はオジャランを解放し、占領を打ち負かす」と銘打ってノウルーズ(3月21日)の祝典が開催され、同自治局、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍および傘下組織、同軍の政治部門であるシリア民主評議会、自治局で活動する政治組織のメンバーや支持者、地元の部族が参加した。






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トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるラッカ県アイン・イーサー市近郊を砲撃(2023年3月20日)

ラッカ県では、ANHA(3月20日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のサイダー村、M4高速道路沿線、アイン・イーサー・キャンプ、穀物サイロを砲撃した。

AFP, March 20, 2023、ANHA, March 20, 2023、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2023、Reuters, March 20, 2023、SANA, March 20, 2023、SOHR, March 20, 2023などをもとに作成。

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【トルコ・シリア大地震】マフルーフ地方行政環境大臣がルシュディー国連シリア担当副特使を代表とする使節団と会談(2023年3月20日)

高等救援委員会の議長を務めるフサイン・マフルーフ地方行政環境大臣が、ナジャート・ルシュディー国連シリア担当副特使を代表とする使節団と会談し、トルコ・シリア大地震の被害や被災者への対応について意見を交わした。

SANA(3月19日付)が伝えた。

AFP, March 20, 2023、ANHA, March 20, 2023、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2023、Reuters, March 20, 2023、SANA, March 20, 2023、SOHR, March 20, 2023などをもとに作成。

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【トルコ・シリア大地震】ロシアからの食糧物資20トンを積んだ貨物輸送機がラタキア県に到着(2023年3月20日)

ロシアからの食糧物資20トンを積んだ貨物輸送機が殉教者バースィル・アサド国際空港(ラタキア県)に到着した。

https://www.facebook.com/syrianarabnews/posts/pfbid02g8PwDNiWSxRH4GDrRSMyMuWxctRaCNtNXemQCmKYPDUoTTHdrL1pByvWpYRgQAEQl

SANA(3月19日付)が伝えた。

AFP, March 20, 2023、ANHA, March 20, 2023、al-Durar al-Shamiya, March 20, 2023、Reuters, March 20, 2023、SANA, March 20, 2023、SOHR, March 20, 2023などをもとに作成。

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ロシア対外情報庁は米国がヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)で活動するシリア自由軍(旧革命特殊任務軍)に引き渡そうとしていると発表(2023年3月20日)

ロシア対外情報庁のセルゲイ・エフゲニエヴィチ・ナルイシキン長官は声明を出し、米国が重機関銃を搭載した四輪駆動車数十台、携帯式防空ミサイル・システム(Igla-S)、対戦車ミサイル・システム(TOW、NLAW)を、米国(有志連合)の占領下にあるヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)で活動するシリア自由軍(旧革命特殊任務軍)に引き渡そうとしていると発表した。

ナルイシキン長官によると、米国と英国は、シリア自由軍を通じて、シリア国内で潜伏を続けているダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルと協力しており、彼らテロリストは、スワイダー県、ダルアー県、ラッカ県、ダイル・ザウル県での敵対行為を煽動することを任務としており、供与される武器は、同地にあるシリア政府、シリア軍、イランの施設などへの攻撃に使用されるという。

RIAノーヴォスチ通信(3月20日付)が伝えた。

RIA Novosti, March 20, 2023をもとに作成。

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