トルコ政府はシリアの新政権への武器供与、米国との仲介を行う意思を表明:12月9日から13日にかけて、7,621人のシリア難民が自発的にトルコから帰還(2024年12月15日)

トルコのフルシ・アカル国防大臣は、トルコ記者団に対して、トルコが多くの国と軍事教練や軍事協力についての協定を結んでいるとしたうえで、シリアの新政権からの要請があれば、必要な支援を行う用意がある、と述べた。

CNN Turk(12月15日付)が伝えた。

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トルコのアリ・イェルリカヤ内務大臣は、アサド政権の崩壊後、12月9日から13日にかけて、トルコとシリアの国境通行所を通じて、7,621人のシリア人が自発的に帰還したことを明らかにした。

アナトリア通信(12月15日付)が伝えた。

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トルコのハカン・フィダン外務大臣はアラビーヤ・チャンネル(12月15日付)に対して、「我々はワシントンとシリアの新政権の仲介者として行動する用意がある」と述べた。

フィダン外務大臣はまた、「サウジアラビアともハイレベルでシリア情勢をめぐって対応を調整している」と付言した。

一方、ロシアに亡命したアサド大統領については、アサド大統領が首都ダマスカスを去ることを求める外部からの連絡を受けていたことを明らかにする一方、その逃亡に関する連絡は事前には受けていなかったと述べた。

AFP, December 15, 2024、Anadolu Ajansı, December 15, 2024、ANHA, December 15, 2024、Alarabia, December 15, 2024、CNN Turk, December 15, 2024、‘Inab Baladi, December 15, 2024、Reuters, December 15, 2024、SANA, December 15, 2024、Sham FM, December 15, 2024、SOHR, December 15, 2024などをもとに作成。

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イスラエル軍参謀総長のハレヴィ中将:「イスラエルがシリア国内情勢に関与することに正当性がない」(2024年12月15日)

イスラエル軍参謀総長のハルツィ・ハレヴィ中将は、占領下ゴラン高原情勢を視察、イスラエルがシリア国内情勢に関与することに正当性がないとする一方で、イスラエル軍による兵力引き離し地域での軍事行動が、あくまでイスラエルの安全保障を確保することだけを目的としていると述べた。

『イェディオト・アハロノト』(12月14日付)が伝えた。

AFP, December 15, 2024、ANHA, December 15, 2024、‘Inab Baladi, December 15, 2024、Reuters, December 15, 2024、SANA, December 15, 2024、Sham FM, December 15, 2024、SOHR, December 15, 2024、Ynet News, December 15, 2024などをもとに作成。

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米軍が違法に基地を設置しているハサカ県の基地2ヵ所に輸送機2機で軍装備品や兵站物資を輸送(2024年12月15日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア地域民主自治局の支配下にあり、米軍が違法に基地を設置しているハッラーブ・ジール村の農業用空港に、輸送機2機が軍装備品や兵站物資を輸送した。

またシャッダーディー市の基地にも輸送機2機が軍装備品や兵站物資を輸送した。

AFP, December 15, 2024、ANHA, December 15, 2024、‘Inab Baladi, December 15, 2024、Reuters, December 15, 2024、SANA, December 15, 2024、Sham FM, December 15, 2024、SOHR, December 15, 2024などをもとに作成。

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「自由の暁」作戦を継続中のシリア国民軍によって制圧されたアレッポ県マンビジュ市で、住民に対するシリア国民軍の対応に抗議するデモ(2024年12月15日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、「自由の暁」作戦を継続中のシリア国民軍によって制圧されたマンビジュ市で、住民に対するシリア国民軍の対応に抗議するための「尊厳のデモ」が行われた。

AFP, December 15, 2024、ANHA, December 15, 2024、‘Inab Baladi, December 15, 2024、Reuters, December 15, 2024、SANA, December 15, 2024、Sham FM, December 15, 2024、SOHR, December 15, 2024などをもとに作成。

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ハマー県とクナイトラ県で市民が何者かによって殺害される(2024年12月15日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ミスヤーフ市近郊で正体不明の武装集団が30代の男性1人を銃で撃ち殺害した。

ハマー市のムラービト通りでも、正体不明の武装集団男性1人を銃で撃ち殺害した。

さらにハルファーヤー市では、「シャッビーハ」と見られる前政権支持者が正体不明の武装集団によって拷問を受けて死亡した。

このほか、ミスヤーフ市の預言者モスク前で30代の男性が覆面姿の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、クナイトラ市で、何者かに殺害されたと見られる住民1人が墓地で遺体で発見された。

AFP, December 15, 2024、ANHA, December 15, 2024、‘Inab Baladi, December 15, 2024、Reuters, December 15, 2024、SANA, December 15, 2024、Sham FM, December 15, 2024、SOHR, December 15, 2024などをもとに作成。

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シリア人権監視団:旧政権の士官や「シャッビーハ」がラタキア県カルダーハ市近郊の村々で住民と会合を開き、「アラウィー派の防衛」を名目として武装蜂起を促そうとしている(2024年12月15日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構指導者でシリア軍事作戦局総司令部(「攻撃抑止」軍事作戦局)の部隊がムザイラア町一帯に部隊を展開させた。

部隊展開は前日に「前体制の残党」がムザイラア町でシャーム解放機構と共闘する国民解放戦線(シリア国民軍)所属のシャーム軍団の部隊を要撃、激しい戦闘の末にメンバー15人を殺害、多数を負傷させたことを受けたもの。

またラタキア市では、首都ダマスカスから来たと見られる覆面姿の武装集団が乗った車4台が、ファウズ社を強襲し、略奪を行うとともに、「旧体制のシャッビーハの残党」1人を連行した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団が複数の地元筋の話として、旧政権の士官や「シャッビーハ」がカルダーハ市近郊の村々で住民と会合を開き、「アラウィー派の防衛」を名目として武装蜂起を促そうとしているとの情報があると発表した。

AFP, December 15, 2024、ANHA, December 15, 2024、‘Inab Baladi, December 15, 2024、Reuters, December 15, 2024、SANA, December 15, 2024、Sham FM, December 15, 2024、SOHR, December 15, 2024などをもとに作成。

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シリア人権監視団:アサド政権崩壊後に回収された公文書から、各地の刑務所で拷問によって死亡した収監者166人の身元を新たに確認したと発表(2024年12月15日)

シリア人権監視団は、アサド政権崩壊後に回収された公文書から、各地の刑務所で拷問によって死亡した収監者166人の身元を新たに確認したと発表した。

AFP, December 15, 2024、ANHA, December 15, 2024、‘Inab Baladi, December 15, 2024、Reuters, December 15, 2024、SANA, December 15, 2024、Sham FM, December 15, 2024、SOHR, December 15, 2024などをもとに作成。

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トルコ軍とシリア国民軍が北・東シリア地域民主自治局の支配下にあるハサカ県タッル・タムル町近郊のタウィーラ村を砲撃(2024年12月15日)

ハサカ県では、ANHA(12月15日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍が北・東シリア地域民主自治局の支配下にあるタッル・タムル町近郊のタウィーラ村を砲撃した。

AFP, December 15, 2024、ANHA, December 15, 2024、‘Inab Baladi, December 15, 2024、Reuters, December 15, 2024、SANA, December 15, 2024、Sham FM, December 15, 2024、SOHR, December 15, 2024などをもとに作成。

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カッラスEU外交安全保障上級代表は、シリアの新政権が、少数派を迫害せず、女性の権利を保護することを保証し、宗教的過激主義を拒否する統一政府の枠組みが確立されるまで、制裁は解除しないと述べる(2024年12月15日)

カヤ・カッラスEU外交安全保障上級代表は、シリアに対するEUの経済制裁に関して、シリアの新政権が、少数派を迫害せず、女性の権利を保護することを保証し、宗教的過激主義を拒否する統一政府の枠組みが確立されるまで、解除することはないと述べた。

ロイター通信(12月15日付)が伝えた。

AFP, December 15, 2024、ANHA, December 15, 2024、‘Inab Baladi, December 15, 2024、Reuters, December 15, 2024、SANA, December 15, 2024、Sham FM, December 15, 2024、SOHR, December 15, 2024などをもとに作成。

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シリア民主軍のアブディー司令官はヨルダンのアカバ市で閉幕したアラブ連絡委員会拡大閣僚会合の声明への支持を表明(2024年12月15日)

ヨルダンのアカバで開催されていた合同連絡グループ閣僚会合に出席した米、アラブ連絡委員会、バーレーン、フランス、ドイツ、カタール、トルコ、UAE、英国、EU、ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表はシリア情勢に関する合同声明を発表して閉幕した。

声明では、移行政治プロセスがシリア人主導のもと、シリア人によって行われる必要があるとしたうえで、包括的、非宗派主義的な代議政体を樹立する必要があると信じていることが表明され、シリアの統合、領土保全、主演を全面支持すると表明した。

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人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のマズルーム・アブディー司令官はXのアカウント(https://x.com/mazloumabdi)を通じて、ヨルダンのアカバ市で閉幕したアラブ連絡委員会拡大閣僚会合について、対話に向けた道を開くためのステップとして、シリア全土での戦闘の全面停止を訴えた閉幕声明を支持すると表明した。

AFP, December 15, 2024、ANHA, December 15, 2024、‘Inab Baladi, December 15, 2024、Reuters, December 15, 2024、SANA, December 15, 2024、Sham FM, December 15, 2024、SOHR, December 15, 2024などをもとに作成。

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シャーム解放機構が主導するシリア救国内閣所属の総合治安機関はイドリブ市と周辺地域で宗教的・社会的規範を撤退させることを目的とした服装規制を行うため、同機関の要員が展開したと発表(2024年12月15日)

シャーム解放機構が主導するシリア救国内閣所属の総合治安機関は、フェイスブックのアカウント(https://www.facebook.com/profile.php?id=61550753802879)で、イドリブ市と周辺地域に限って、当局(総合管理局)の決定に基づき、宗教的・社会的規範を撤退させることを目的とした服装規制を行うため、同機関の要員が展開したと発表した。

AFP, December 15, 2024、ANHA, December 15, 2024、‘Inab Baladi, December 15, 2024、Reuters, December 15, 2024、SANA, December 15, 2024、Sham FM, December 15, 2024、SOHR, December 15, 2024などをもとに作成。

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シャーム解放機構がシリア北西部の統治を委託する政治問題局は、同局のバシール・アリー宗派問題局長が、キリスト教徒が多く住むダマスカス県のドゥワイラア地区を訪問したと発表(2024年12月15日)

シャーム解放機構がシリア北西部の統治を委託する組織の一つで、ムハンマド・バシール暫定首相主導のもとで、シリア救国内閣とともに移行プロセスを推し進める政治問題局はXのアカウント(https://x.com/syriadpa)で、同局のバシール・アリー宗派問題局長が、キリスト教徒が多く住むダマスカス県のドゥワイラア地区を訪問したと発表した。

AFP, December 15, 2024、ANHA, December 15, 2024、‘Inab Baladi, December 15, 2024、Reuters, December 15, 2024、SANA, December 15, 2024、Sham FM, December 15, 2024、SOHR, December 15, 2024などをもとに作成。

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内務省はヒムス県での警官、治安部隊への加入を希望する者に、警察大学(個人訓練コース)への入学募集を開始するとしたうえで、申請に必要な文書の詳細について発表(2024年12月15日)

内務省はヒムス県での警官、治安部隊への加入を希望する者に、警察大学(個人訓練コース)への入学募集を開始するとしたうえで、申請に必要な文書の詳細について発表した。


AFP, December 15, 2024、ANHA, December 15, 2024、‘Inab Baladi, December 15, 2024、Reuters, December 15, 2024、SANA, December 15, 2024、Sham FM, December 15, 2024、SOHR, December 15, 2024などをもとに作成。

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シリア軍事作戦局総司令部(「攻撃抑止」軍事作戦局)は、クルド人に融和を呼びかけるとシャーム解放機構指導者で総司令部司令官のジャウラーニーことアフマド・シャルア氏のビデオ映像を公開(2024年12月15日)

シリア軍事作戦局総司令部(「攻撃抑止」軍事作戦局)は、クルド人に融和を呼びかけるシャーム解放機構指導者でシリア軍事作戦局総司令部(「攻撃抑止」軍事作戦局)司令官のアブー・ムハンマド・ジャウラーニーことアフマド・シャルア氏のビデオ映像を公開した(ビデオはその後削除された)。

ビデオ映像のなかでのシャルア氏の発言内容は以下の通り:

クルド人は祖国の一部で、我々と同じく大きな不正に晒されてきた。
体制崩壊によって、彼らが苛まれてきた不正はなくなるだろう。
クルド人は今後のシリアの基礎をなす一部だ。
我々シリアはともに暮らし、我々一人ひとりがが法律に基づいて権利を得ることになる。これからは、クルド人への対する不当な扱いはなくなり…、シリアにでは新たな規範と新しい歴史が始まる。
我々は住民らが自分たちの村、そして地域に帰還することをめざす。

AFP, December 15, 2024、ANHA, December 15, 2024、‘Inab Baladi, December 15, 2024、Reuters, December 15, 2024、SANA, December 15, 2024、Sham FM, December 15, 2024、SOHR, December 15, 2024などをもとに作成。

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イスラエル軍戦闘機がタルトゥース県に対して過去最大規模の爆撃を行う一方、ダルアー県とクナイトラ県を結ぶ幹線道路1本を閉鎖(2024年12月15日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍戦闘機が14日深夜から15日未明にかけて、ドゥマイル市近郊の山岳地帯やアイン・マニーン町近郊にあるシリア軍の武器貯蔵施設複数ヵ所に対して爆撃を行った。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍戦闘機がダイル・ザウル航空機とのレーダー施設複数ヵ所、ユーフラテス川に架かる、ダイル・ザウル市とハトラ村を結ぶ橋を爆撃した。

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タルトゥース県では、イスラエル軍戦闘機が県内各所を狙って過去最大規模の爆撃を行った。

シリア人権監視団によると、攻撃で、ハリースーン村近郊の第23防空旅団司令部およぶ拠点複数ヵ所、イスカブラ大隊基地、ダフル・バルーティーヤ村、ハッラーブ村、マルサヒーン村、ドゥライキーシュ市近郊の2ヵ所、マリカ村近くの地対地ミサイル貯蔵施設複数ヵ所と防空施設、アッカール平野北の複数ヵ所、ザーマー村近郊の第107兵舎などが標的となった。

『ワタン』(12月16日付)によると、7人が負傷、マルサヒーン村では民家1棟で火災が発生した。

また、バクリーヤ村、バムラカ村、シュバート村、ワースィタート村、バドリーヤ村、ジャウバ村では、爆風で家屋のドアが外れたり、家や車の窓ガラスが割れたりといった被害が出た。

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シリア人権監視団によると、アサド政権が崩壊した12月8日以降、イスラエル軍による爆撃は13県に及び、その回数は473回に達している。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、クーヤー村の名士らからなる使節団の要請を受けて、イスラエル軍が名士2人と会談、イスラエル側は同地での武力行使の停止、武器の引き渡しを要求した。

同監視団によると、ダルアー県ヤルムーク川河畔やクナイトラ県の村々は、イスラエル軍の要請に従っているという。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍が、クナイトラ県とを結ぶマアラカ村沿線の幹線道路1本を封鎖した。

AFP, December 15, 2024、ANHA, December 15, 2024、‘Inab Baladi, December 15, 2024、Reuters, December 15, 2024、SANA, December 15, 2024、Sham FM, December 15, 2024、SOHR, December 15, 2024などをもとに作成。

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ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表がシリアを訪問し、シャーム解放機構指導者でシリア軍事作戦局総司令部(「攻撃抑止」軍事作戦局)司令官のジャウラーニーことアフマド・シャルア氏と会談(2024年12月15日)

ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表がシリアを訪問し、シャーム解放機構指導者でシリア軍事作戦局総司令部(「攻撃抑止」軍事作戦局)司令官のアブー・ムハンマド・ジャウラーニーことアフマド・シャルア氏と会談した。

『ワタン』(12月15日付)によると、会談では、シリア情勢の変化を踏まえて、新たな現実に適応するための国連安保理決議第2254号の見直しの必要性が議論された。

シャルア氏は、シリアの課題に迅速かつ効果的に対処するための協力の重要性を強調し、シリア領土の一体性の維持、復興、経済発展の達成に焦点を当てるべきだと訴えた。 また、移行期の各段階に慎重かつ精密に対応し、強力かつ効果的な体制を構築するために各機関の再整備を行う必要性についても言及した。

さらに、難民の安全な帰還を促進するための環境整備と、それを支える経済的・政治的支援の提供の重要性が確認された。 そして、これらの手順については、専門チームの監督のもと、極めて慎重かつ正確に実行し、拙速を避けることが求められる述べ、最良のかたちでこれらを実現するよう訴えた。

一方、ペデルセン特別代表は記者会見で、欧米諸国が科している経済制裁を解除することが望ましいとの見解を示した。

AFP, December 15, 2024、ANHA, December 15, 2024、‘Inab Baladi, December 15, 2024、Reuters, December 15, 2024、SANA, December 15, 2024、Sham FM, December 15, 2024、SOHR, December 15, 2024、al-Watan, December 15, 2024などをもとに作成。

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