イスラエル軍はシリア政府の支配を脱したクナイトラ県フドル村地域で武装集団を受けた国連監視所の反撃を支援:レバノンでのヒズブッラーの停戦違反に対処、フーシー派のミサイルを撃破(2024年12月7日)

イスラエル軍は、シリアの状況およびイエメンのアンサール・アッラー(フーシー派)およびレバノンのヒズブッラーとの戦況にテレグラムの公式アカウント(https://t.me/idfofficial)で以下の通り発表した。

午前6時40分
先ほど、イエメンからのミサイル1発をイスラエル空軍が撃破。ミサイルはイスラエル領内に入る前に撃破され、警戒警報は発令されなかった。

午前11時1分
現況評価に基づき、イスラエル軍は、イスラエルとシリアの国境に隣接するゴラン高原地域での防衛任務のために追加部隊を招集している。 この増援は、同地域の防衛を強化し、さまざまなシナリオへの部隊の備えを向上させることを可能にするものである。

午後3時2分
シリア国境での事態を受けて、昨日(金曜日)、ヨルダン渓谷北部およびゴラン高原南部において参謀総長主導の演習が完了した。同演習では、作戦局が空路および陸路を通じて迅速に参謀部隊を配備する訓練を行い、新たな事態にリアルタイムで対応するための応答時間と実行能力を評価した。 演習の目的は、地上部隊と空軍の連携を強化し、発生する様々な事態に迅速に対応する能力を向上させることであった。 この演習には、さまざまな訓練プログラムおよび部隊からの兵士が参加し、その一部はシリア国境沿いでの防衛任務を強化するため、ゴラン高原地域に残留した。

午後4時19分
イスラエル空軍は終日、レバノン南部でのテロリストの活動に対する作戦を実施した。
うち一件においては、イスラエル軍は、イスラエルとレバノンの間の合意や了解事項に違反し、レバノン南部に展開している部隊に脅威を与えるヒズブッラーのテロリストを特定し、これを攻撃した。

午後6時49分
シリアのハドル村地域(クナイトラ県)にある国連の監視所1ヵ所が武装した集団の攻撃を受けた。

イスラエル空軍は現在、この攻撃を撃退する国連部隊を支援している。 イスラエル空軍はゴラン高原地域に増援部隊を展開させており、イスラエルの国家と市民を守るための活動を引き続き行う予定である。

AFP, December 7, 2024、ANHA, December 7, 2024、‘Inab Baladi, December 7, 2024、Naharnet, December 7, 2024、NNA, December 7, 2024、Qanat al-Manar December 7, 2024、Reuters, December 7, 2024、SANA, December 7, 2024、SOHR, December 7, 2024などをもとに作成。

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ロシア当事者和解調整センターは、ロシア空軍の支援を受けるシリア軍が、反体制派の集結地点、指揮所などに対してミサイルと爆撃による攻撃を続け、過去24時間でテロリスト300人以上を殲滅、車輛55輌を破壊したと発表(2024年12月7日)

ロシア当事者和解調整センターのオレグ・イグナシュク副センター長は、ロシア空軍の支援を受けるシリア軍が、反体制派の集結地点、指揮所などに対してミサイルと爆撃による攻撃を続け、過去24時間でテロリスト300人以上を殲滅、車輛55輌を破壊したと発表した。

RIAノーヴォスチ通信(12月7日付)、タス通信(12月7日付)が伝えた。

RIA Novosti, December 7, 2024、TASS, December 7, 2024をもとに作成。

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部族軍、東部の獅子といった民兵組織数百人がシリア軍兵士を装ってイラクに脱出(2024年12月7日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、「イランの民兵」数百人がシリア軍の軍服を着用、シリア軍兵士を装ってイラクに脱出した。

イラクに逃亡したのは、部族軍、東部の獅子といった民兵組織のメンバーだという。

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一方、イラク通信(12月7日付)は、イラクがアンバール県のカーイム国境通行所(シリア側はダイル・ザウル県ブーカマール国境通行所)を経由してイラクに避難したシリア軍兵士1,000人以上を保護したと伝えた。

AFP, December 7, 2024、ANHA, December 7, 2024、INA, December 7, 2024、‘Inab Baladi, December 7, 2024、Reuters, December 7, 2024、SANA, December 7, 2024、Sham FM, December 7, 2024、SOHR, December 7, 2024などをもとに作成。

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ロシアのラヴロフ外務大臣、イランのアラーグジー外務大臣、トルコのフィダン外務大臣がカタールの首都ドーハで会談し、シリア情勢への対応について協議(2024年12月7日)

ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外務大臣、イランのアッバース・アラーグジー外務大臣、トルコのハカン・フィダン外務大臣がカタールの首都ドーハで会談し、シリア情勢への対応について協議した。

会談後アラーグジー外務大臣は、記者団に対して、戦闘をただちに終わらせるべきで、シリア政府と反体制派の間で政治的対話を始めることが重要であるという点で合意したことを明らかにした。

一方、ロシアのラブロフ外務大臣は、戦闘停止が現下の主要な課題だとしたうえで、あらゆる手段を講じて反体制派に対抗していくという考えを示した。

ラブロフ外務大臣はまた、アラブ諸国とロシア、イラン、トルコの外務大臣らによるドーハ・フォーラムにおいて、シリアの反体制派がテロリストと距離を置くことが必要だとしたうえで、とロリストを利用して目的を達成しようとするべきではないと述べた。

また、全力でシリアを支援し、トルコとシリアの関係正常化に務めると付言した。

AFP, December 7, 2024、ANHA, December 7, 2024、‘Inab Baladi, December 7, 2024、Reuters, December 7, 2024、SANA, December 7, 2024、Sham FM, December 7, 2024、SOHR, December 7, 2024などをもとに作成。

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シリア軍がクナイトラ県、ダルアー県、スワイダー県から部隊を撤退させ、南部作戦司令室諸派と見られる地元武装集団が同地を掌握:ロシア軍も兵力引き離し地域(AOS)から撤退(2024年12月7日)

シリア人権監視団によると、シリア軍がクナイトラ県、ダルアー県、スワイダー県各所に展開させていた部隊を撤退させ、南部作戦司令室諸派と見られる地元武装集団が同地を掌握した。

シリア軍は兵力引き離し地域(AOS)に隣接する地域からも撤退、これと前後して、ロシア軍もAOSの監視ポストに駐留させていた憲兵隊を撤退させた。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、サナマイン市の第9師団の撤退を受けて、「南部作戦司令室」が県全域を掌握、首都ダマスカスまで20キロ弱の距離に到達した。

一方、シリア軍はサナマイン市を砲撃し、民間人6人が死亡した。

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スワイダー県では、シリア人権監視団によると、地元武装集団がスワイダー中央刑務所に収容されていた収監者を解放した。

また、スワイダー県で活動する反体制武装勢力諸派からなる合同作戦司令室は声明を出し、同県の自治を担うと発表した。

合同作戦司令室は、尊厳の男たち運動、ジャバルの民連合、ジャバル旅団、征服者たちを名乗る組織からなる。

声明の内容は以下の通り:

スワイダ県における最近の情勢を受け、県の安全と安定を確保し、生活を通常の状態に戻すことを目的として、共同作戦室に属する軍事勢力は以下の通りを発表する:
予防措置:県内の治安を確保するため、一連の予防措置を講じる。これには、公的および私的財産の保護、市民の安全の維持が含まれる。
混乱対策:地元勢力は、破壊行為や混乱を引き起こすすべての試みに対処し、公的機関や私有財産に対する暴動や窃盗を行う者を拘束する。
武装解除の実施:市内の安全を完全に確保した後、スワイダー市から武装勢力の撤退を段階的に実施する。同時に、都市の治安を守り、安定を保証するための専門部隊を配置する。
市民活動の活性化:すべての市民団体に対し、統治プロセスにおける役割を強化し、さまざまな分野で市民団体を形成する必要性を訴える。
共同協力:すべての地元勢力に対し、共同作戦室を通じた協力と連携を呼びかけ、県とその住民を守るという目標の一体性を確認する。
緊急通報の受付:24時間体制で通報を受け付ける緊急電話番号を設置し、迅速な対応と安全保障の確保を図る。
宗教的・社会的禁止:宗教指導者たちは、公的または私的財産に危害を加える行為に対して、宗教的・社会的に禁止されていることを強調し、すべての人の安全と安心を守る価値観と慣習を遵守する必要性を再確認する。

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ダマスカス郊外県では、シリア軍が首都ダマスカス南西のアルトゥーズ町、ザーキヤ町、ハーン・シャイフ町、サアサア町、首都ダマスカス北のアッサール・ワルド町、ヤブルード市、フライタ村、ナースィリーヤ村、ルハイバ市などから撤退を開始した。

一方、ドゥルーズ派宗徒多く暮らすジャルマーナー市で住民らが体制打倒を訴えてデモが発生し、政府の支配を脱した。

これを受けて、シリア軍は、ジャルマーナー市、カタナー市、ムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市、キスワ市、マッザ航空基地一帯、ドゥマイル航空基地一帯からも撤退した。

このほか、ドゥーマー市で反体制デモが発生、軍事情報局の要員が発砲し、若い男性1人と子ども1人が死亡した。

AFP, December 7, 2024、ANHA, December 7, 2024、‘Inab Baladi, December 7, 2024、Reuters, December 7, 2024、SANA, December 7, 2024、Sham FM, December 7, 2024、SOHR, December 7, 2024などをもとに作成。

トルコ軍とシリア国民軍がアレッポ県マンビジュ市一帯を激しく攻撃(2024年12月7日)

アレッポ県では、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するマンビジュ軍事評議会によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア地域民主自治局の共同支配下に位置するマンビジュ市近郊のアウン・ダーダート村、ダラジュ村、ウンム・ジャッルード村、サイヤーダ村をj砲撃、シリア国民軍がウンム・アダス村への進攻を試み、マンビジュ軍事評議会が迎撃した。

またアレッポ市とラッカ県のタブカ市を結ぶ街道沿線のダイル・ハーフィル市の宣戦では、トルコ軍が無人航空機で20回以上の攻撃を行った。

一連の攻撃により、マンビジュ市近郊で住民2人が負傷した。

また、アリーマ町一帯に対するトルコ軍とシリア国民軍の発砲で、若い男性1人が負傷した。

これに対して、シリア民主軍に所属するタブカ軍事評議会は、マスカナ市一帯でシリア国民軍の戦闘員27人を殲滅したと発表した。
ANHA(12月7日付)が伝えた。

AFP, December 7, 2024、ANHA, December 7, 2024、‘Inab Baladi, December 7, 2024、Reuters, December 7, 2024、SANA, December 7, 2024、Sham FM, December 7, 2024、SOHR, December 7, 2024などをもとに作成。

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シリア民主軍のアブディー総司令官はダル・ザウル県を含む支配地全域における恩赦を実施すると発表(2024年12月7日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のマズルーフ・アブディー総司令官はXを通じて声明を出し、ダル・ザウル県を含む支配地全域における恩赦を実施すると発表した。


恩赦は、シリア民主軍がダイル・ザウル県のユーフラテス川東岸のいわゆる「7ヵ村」、ダイル・ザウル市、ブーカマール市など東岸全域を掌握したことを受けた措置。

AFP, December 7, 2024、ANHA, December 7, 2024、‘Inab Baladi, December 7, 2024、Reuters, December 7, 2024、SANA, December 7, 2024、Sham FM, December 7, 2024、SOHR, December 7, 2024などをもとに作成。

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米占領下のヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)で活動するシリア自由軍が、シリア軍の戦略的撤退を受けてヒムス県中部に進攻し、ダマスカス郊外県との県境にまで到達(2024年12月7日)

ヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)で、同地を違法に占領する米主導の有志連合の支援を受けて活動を続けているシリア自由軍が、シリア軍が戦略的撤退を実施したヒムス県中部に進攻し、ダマスカス郊外県との県境にまで到達した。

シリア自由軍のアフマド・フドル広報局長がイナブ・バラディー(12月7日付)の取材に対して答えたところによると、同組織は、ガッラーブ山の複数ヵ所、イラクのバグダードと首都ダマスカスを結ぶ街道に設置されている複数の検問所を制圧、シリア軍が放棄した戦車、装甲車、重火器などを鹵獲した。

AFP, December 7, 2024、ANHA, December 7, 2024、‘Inab Baladi, December 7, 2024、Reuters, December 7, 2024、SANA, December 7, 2024、Sham FM, December 7, 2024、SOHR, December 7, 2024などをもとに作成。

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ホックスタイン米レバノン特使:「シリアの現状はイランがヒズブッラーに武器を供給することが困難にする可能性がある」(2024年12月7日)

アモス・ホックスタイン米レバノン特使は、カタールの首都ドーハで行われた記者会見において、シリアの現状について、イランがヒズブッラーに武器を供給することが困難になる可能性があると指摘した。

ロイター通信(12月7日付)が伝えた。 さらに、同氏は「ヒズボラ」はイスラエルと戦う、またはアサドを支援するほど強力ではないかもしれないが、レバノンにおける支配的な存在としての地位を維持するには多くの力を必要としないとも述べた。したがって、「ヒズボラ」は弱体化している一方で、レバノンという文脈では依然として強力であり得るという見解を示した。

AFP, December 7, 2024、ANHA, December 7, 2024、‘Inab Baladi, December 7, 2024、Reuters, December 7, 2024、SANA, December 7, 2024、Sham FM, December 7, 2024、SOHR, December 7, 2024などをもとに作成。

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シャーム解放機構の支配地の自治(行政)をシリア救国内閣とともに担う政治問題局は化学兵器使用の可能性はないと主張(2024年12月7日)

シャーム解放機構の支配地の自治(行政)をシリア救国内閣とともに担う政治問題局は声明を出し、シリア政府が過去に数十回にわたり化学兵器を使用したとしたうえで、国際社会に対して「我々が化学兵器やアサド政権の支配下にある可能性のある軍事拠点に対して一貫した立場を保持していることを安心してほしい」と主張、いかなる状況下でも化学兵器や大量破壊兵器を使用する意図や意欲はないことを強調した。

AFP, December 7, 2024、ANHA, December 7, 2024、‘Inab Baladi, December 7, 2024、Reuters, December 7, 2024、SANA, December 7, 2024、Sham FM, December 7, 2024、SOHR, December 7, 2024などをもとに作成。

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トランプ米次期大統領:「シリアは我々の友ではない。米国はこれに一切関与すべきではない」(2024年12月7日)

ドナルド・トランプ米次期大統領はXのアカウント(https://x.com/realDonaldTrump)でシリア情勢について以下の通り言及した。

シリアの反体制派戦闘員が、これまでにない動きで多くの都市を完全に掌握し、非常に高度に調整された攻勢を展開している。彼らは現在、ダマスカスの郊外に達しており、アサド打倒に向けた大規模な行動を起こす準備をしているのは明らかである。 ロシアは、ウクライナで60万人以上の兵士を失い、非常に苦戦しているため、シリアでのこの進軍を阻止する能力を失っているようだ。ロシアは何年にもわたってシリアを保護してきたが、その役割が危機に瀕している。これは、(バラク・)オバマ元大統領が「砂上の赤い線」を守るという約束を果たさなかったことに端を発し、大混乱が発生し、ロシアが介入したという経緯がある。しかし現在、ロシアはおそらくアサド自身と同様に、シリアから撤退を余儀なくされつつあり、それがロシアにとって最善の結果となる可能性がある。ロシアがシリアで得た利益はほとんどなく、唯一の成果はオバマを非常に愚かに見せることだった。だが、いずれにせよ、シリアは混乱状態にあり、我々(米国)の友ではない。米国はこれに一切関与すべきではない。この戦いは我々のものではない。その成り行きを見守り、関与しないようにすべきだ。

AFP, December 7, 2024、ANHA, December 7, 2024、‘Inab Baladi, December 7, 2024、Reuters, December 7, 2024、SANA, December 7, 2024、Sham FM, December 7, 2024、SOHR, December 7, 2024などをもとに作成。

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ブルームバーグ:アサド大統領は、シリアでの権力維持、あるは国外への安全な脱出を目指して、米国に間接的に二つの提案を行う(2024年12月7日)

ブルームバーグ(12月7日付)は、外交筋や消息筋などから得た話として、アサド大統領が、シリアでの権力維持、あるは国外への安全な脱出を目指して、米国に対して間接的に二つの提案を行ったと伝えた。

同サイトによると、第1の提案は、アサド大統領が、UAEを介して、ドナルド・トランプ次期米大統領に対して行ったもので、その内容は、シリアがレバノンのヒズブッラーなどイランの支援を受けるすべての武装勢力の関係を断絶する代わりに、西側諸国がその影響力を行使してシリア国内での戦闘を停止させるというもの。

第2の提案は、シリア正教会のイグナティウス・エフレム2世総主教を12月2日にハンガリーのビクトル・オルバン首相のもとに派遣した際に示されたもので、シリアのキリスト教少数派がイスラーム過激派が勝利した場合に直面する「存在の危機」を訴える内容だったという。

AFP, December 7, 2024、ANHA, December 7, 2024、Bloomberg, December 7, 2024、‘Inab Baladi, December 7, 2024、Reuters, December 7, 2024、SANA, December 7, 2024、Sham FM, December 7, 2024、SOHR, December 7, 2024などをもとに作成。

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大統領府はアサド大統領がダマスカスを離れた、あるいは特定の国に短期訪問を行ったとの情報を否定(2024年12月7日)

大統領府は午後5時25分、フェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/SyrianPresidency/)を通じて声明を出し、アサド大統領が首都ダマスカスから脱出したとの一部情報を否定した。

声明の内容は以下の通り。

一部外国メディアは、バッシャール・アサド大統領がダマスカスを離れた、あるいは特定の国に短期訪問を行ったとの噂や虚偽のニュースを流している。
大統領府は、これらの噂を全面的に否定し、それが明らかな意図を持っていることを指摘するとともに、それが新しい手法ではなく、過去の戦時中にシリアの国家と社会を混乱させるために用いられてきた偽情報戦略の一環であると強調している。
大統領府はまた、アサド大統領が首都ダマスカスから憲法が規定する愛国的職務を遂行し続けていることを確認し、大統領に関するすべてのニュース、活動、声明は、大統領府のプラットフォームおよびシリア国営メディアから発信されるものであることを強調する。

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ムハンマド・ガーズィー・ジャラーリー内閣は緊急閣議を開き、「攻撃抑止」軍事作戦局の攻勢に伴う混乱への対応について協議した。

閣議での主な確認事項は以下の通り:

政府は、複数の都市や地域に対するテロ組織の攻撃によってもたらされた緊急事態や新たな状況に対処するための経験と能力を有している。
現在の政府は、政策や戦略、計画について議論するために集まるのではない。
政府には現時点で、唯一の政策と目標がある。それは、軍武装部隊の耐久力を支えることで、テロ組織から逃れて県内で避難している国内避難民への全面的な支援と保護を提供することである。
シリアが直面している真の戦いは、シリア国家の主権決定を掌握するための戦いであり、それは「意識の戦い」であり、祖国への信念と国民的アイデンティティへの執着の戦いである。
また、地理的な戦いは詳細に過ぎず、我が軍の勇士たちが2011年から現在に至るまで継続して戦い続けているものである。


AFP, December 7, 2024、ANHA, December 7, 2024、‘Inab Baladi, December 7, 2024、Reuters, December 7, 2024、SANA, December 7, 2024、Sham FM, December 7, 2024、SOHR, December 7, 2024などをもとに作成。

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国防省はダマスカス郊外県からの部隊撤退を否定(2024年12月7日)

国防省はフェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/mod.gov.sy/)を通じて、以下の通り発表した。

午前9時44分

軍事筋:
ダルアー県およびスワイダー県で活動する我らが軍部隊は、再配置と再展開を実施し、同方面で強力な防衛・治安態勢を構築した。これは、テロリストが軍の分散した検問所や拠点を攻撃し、我らが軍の注意を逸らそうとしたことを受けたものである。我らが軍は、ヒムス県およびハマー県におけるテロ組織との戦いで主導権を取り戻しつつある。総司令部は、我らが軍が国家と国民の安全を最優先に考え、事態に対応していることを強調するとともに、これらのテロ行為に対して断固たる姿勢で対処していくことを表明する。

午前11時45分

軍事筋:
テロリストたちは、一部の村や地域に侵入し、住民に短時間だけ撮影を許可するよう求め、その後すぐにその地域を離れる行動を取っている。この目的は、それらの映像を自身のメディア・ページで公開し、あたかもその地域を支配しているかのように見せかけることである。これは、汚れた情報戦の一環として、我らが国民や勇敢なる軍の士気に影響を与えようとする試みである。

午後1時31分

軍事筋:
我らが軍は、ハマー県西部郊外およびホムス県北東部郊外で、テロリストの補給路と移動ルートに対して砲撃とミサイル攻撃を実施した。また、シリア・ロシア軍の合同航空隊部隊が爆撃を行い、テロリスト多数を殲滅し、多くの車輛や装甲車を破壊した。

午後2時15分

軍事筋:
テロリストがヒムス市南東のカルヤタイン市一帯に侵入したとの一部のメディアの報道は事実無根である。我らが軍は依然として同地域に駐留しており、完全な戦闘準備態勢を維持している。

午後3時27分

軍事筋:
武装テロ組織は自らのプラットフォームやウェブサイト、そして一部の報道機関を通じて虚偽の情報キャンペーンを展開し、ダマスカス郊外の民間人の間に恐怖と不安を広めようとしている。
ダマスカス郊外全域に駐留する我らが軍部隊の撤退に関するいかなる情報も事実無根である。

午後3時54分

軍事筋:
南部地域で活動する我らが軍部隊は、軍事計画と命令に従い、再配置と再展開を実施している。これらの動きや目撃情報のすべては通常のものであり、軍の活動の一環として行われているものである。しかし、敵対勢力はこれを利用して、市民の間に噂を広めようとしている。

午後5時8分

軍事筋:
一部のテロ組織に関連するスリーパーセルが、自らのメディア・チャンネルを通じて、ダマスカス郊外やその他の県の広場や通りの映像を公開し、テロ組織の構成員がこれらの地域を掌握したと主張している。こうした行為は、市民の間に混乱を引き起こし、恐怖を広めることを目的としている。

午後8時1分
シリア軍武装部隊総司令部はビデオ声明を発表。

声明の骨子は以下の通り:

ここ数日、とりわけに今朝から、国民は、国の安全と市民の平穏を揺るがし、混乱と恐怖を広めることで、敵対的なアジェンダに奉仕しようとする組織的な情報戦に直面している。敵対勢力の関連メディアは、シリア全土での出来事に関する誤解を招く映像や虚偽の情報を継続的に発信し、混乱を助長しようとしている。 シリア軍は、ハマー県、ヒムス県、そしてダルアー県北部の農村地域を中心に、敵の拠点に対する精密作戦を高い頻度で遂行し、数百人の敵を殺傷し、数十台の車輛、多数の施設、倉庫、武器・弾薬を破壊する成果を挙げている。 シリア軍は、ダマスカス郊外県や南部地域全域での展開を強化し、敵がそのメディア、ツール、潜伏細胞を利用して一部地域で引き起こそうとしている混乱に対処し、いかなる事件の発生も防ぐ取り組みを行っている。 総司令部は、国民に対して、シリアを標的とした計画の規模を認識し、噂を信じず、それに惑わされないことの重要性を強調している。そして、国民が自身の安全を守り、未来を保証するために献身している軍を信頼するよう呼びかけている。


午後11時2分

軍事筋:
「テロリストがヒムス市に侵入した」とのテロ組織の関連メディアが流布している報道は事実無根である。状況は安全かつ安定しており、我らが軍は同市の周囲に展開し、強固な防衛ラインを築いており、さまざまな種類の武器で強化されている。

AFP, December 7, 2024、ANHA, December 7, 2024、‘Inab Baladi, December 7, 2024、Reuters, December 7, 2024、SANA, December 7, 2024、Sham FM, December 7, 2024、SOHR, December 7, 2024などをもとに作成。

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「攻撃抑止の戦い」軍事作戦局を主導するシャーム解放機構のジャウラーニー指導者は実名(アフマド・シャルア)の名で初めて声明を出す(2024年12月7日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、「攻撃抑止」軍事作戦局によって制圧されたガントゥー市(ヒムス市北)をシリア軍が激しく砲撃し、住民4人が死亡した。

これに対して、「攻撃抑止」軍事作戦局は、自爆型無人航空機複数機でヒムス市内の空軍情報部の拠点複数ヵ所、シーア派住民が多く暮らすムフターリーヤ村の民兵の検問所を爆撃、またアラウィー派やシーア派住民が多く暮らすヒムス市内の街区を砲撃した。

一方、フーシュ・ハッジュー村、ヒムス市北の農業研究所一帯、ヒムス市バイヤーダ地区、ハーリディーヤ地区などではシリア軍と「攻撃抑止」軍事作戦局が激しく交戦、「攻撃抑止」軍事作戦局の戦闘員4人が死亡した。

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「攻撃抑止の戦い」軍事作戦局はテレグラムの専用アカウント(https://t.me/aleamaliaat_aleaskaria/)を通じて、以下の通り発表した。

午前0時32分、ダルアー市が完全に解放されたと発表。

午前6時41分、ハマー市およびヒムス市の郊外、シリア南部の解放の戦闘が始まったと発表。

午後1時35分、「我らが部隊」はダルアー県のサナマイン市に突入し、これを解放、首都ダマスカスの南の入口まで20キロの距離に到達したと発表

午後1時56分、ヒムス県のカルヤタイン市からシリア軍を放逐したと発表。

午後2時53分、ダマスカス郊外県のサアサア町の軍事情報局支部を制圧したと発表。

午後3時6分、ヒムス県のカルヤタイン市一帯を制圧したと発表。

午後3時19分、首都ダマスカス包囲の最終段階に入ったと発表。

午後3時35分、特殊部隊がヒムス市内で敵の戦線の背後から特殊作戦を実行したと発表。

午後3時53分、シャーム解放機構のアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者のメッセージを発表。

ジャウラーニー指導者の実名である「アフマド・シャルア指導者」の名義による初の声明。

内容は以下の通り。

自由人革命家の兄弟たちへ
諸君らは自らのジハードにおいて最善を尽くし、敵に痛撃を与えた。アッラーはその恩恵と美徳をもって諸君らに勝利と征服を授けた。捕虜たちは諸君らによって解放され、不正と専制の闇が正義と尊厳の光に変わり、虐げられたすべての人々に喜びと幸福をもたらした。世界は今や諸君らの勇気に注目している。アッラーは、その命令が完遂され、不正を行う者たちを根絶し、諸君らを勝利させることを望んでいる。
この道を進み続けよ。誇りと高潔さの最前線に向かい、解放の道を進め。捕虜を解放し、束縛を断ち切る戦いを続けよう。いまだ多くの追放者や虐げられた者たちが、諸君らの到来を待ち望んでいる。アッラーが諸君らに授けた、解放された町々を、警察や治安部隊に委ね、自らの義務を果たせ。
私は諸君らに断固として命じる。たった1発の弾丸たりとも無駄にせず、敵の胸に向けて放つことを忘れるな。ダマスカスが諸君らを待っている。


午後4時13分、南北で活動する戦闘員らに対する指示を発表。

内容は以下の通り。

北部および南部、並びに全戦線で任務に就く我らが軍が達成した進展を受け、軍事作戦局は、新たに解放された全地域に関して以下の指示を発出する。
空砲は禁止である。それは、住民を恐怖に陥れ、安心している人々の命を危険にさらす行為だからである。
すべての革命家および戦闘員は、解放された都市の中心部を速やかに明け渡し、犯罪者体制の打倒に向けた進軍を完遂するため、前線へ向かうこと。
公共施設およびその財産に手を触れることは禁止である。それらは国民に帰するものであり、我々にはそれを守り、発展させる責任がある。
いかなる家屋、住居、不動産であれ、所有権にかかわらず、掌握すること、そして私有財産に対する侵害は禁止である。
これらの指示に違反する者は、責任追及と処罰の対象となる。
アッラーに勝利と力の貫徹を願おう。

午後4時18分、ヒムス市内で敵の戦線の背後から複数の作戦を開始。

午後5時18分、シャーヒーン大隊が無人航空機からヒムス市郊外と見られる場所で爆撃を行う映像を公開。

午後6時51分、ダルアー県、スワイダー県、クナイトラ県の都市での安全確保を完了し、3県を完全に解放したと発表。

午後6時55分、ハマー市内での発砲と軍用車輛での巡回を禁止していると発表。

午後7時8分、ヒムス市周辺の第26師団基地、マシュラファ村、および13町村に進入したと発表。

午後7時8分、政府関係機関、国際機関、国連関連の事務所を保護する義務を有すると主張、シリア国民のために活動を継続するよう求める。

午後8時40分、ジャウラーニー指導者が実名のアフマド・シャルアの名で声明を発表。

内容は以下の通り:

我らが英雄的な革命家たちへ
諸君らはヒムスとダマスカスの門前に立ち、犯罪者体制の崩壊は間近に迫っている。ここで、諸君らへの忠告を繰り返す。兄弟たちよ、解放者として都市や村に入る際には、我らが住民に対し、慈悲と思いやり、柔和さをもって接さねばならない。
アサド体制の将兵へ
家に留まり、扉を閉め、言葉を慎む者は安全である。また、犯罪者体制から離反を宣言し、武器を置いて投降した者も安全である。

午後8時46分、ハマー市内のシリア軍兵士、治安機関要員、警察に対して、12月14日までに一時保護カード発行申請を行うよう求める。

午後9時31分、イドリブ県郊外、アレッポ県郊外にシリア体制関係者のための和解センターを設置したと発表。

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ヒムス市のアラウィー派宗徒が多く暮らすザフラー地区の名士らは共同声明を出し、反体制派が同市に侵入した場合、中立を守ると表明した。

AFP, December 7, 2024、ANHA, December 7, 2024、‘Inab Baladi, December 7, 2024、Reuters, December 7, 2024、SANA, December 7, 2024、Sham FM, December 7, 2024、SOHR, December 7, 2024などをもとに作成。

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