高等司法院がシリア革命軍事作戦司令室(シリア軍事作戦局総司令部)に自由シリアの憲法(暫定憲法)草案を提出(2024年12月16日)

シャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線、「シリアのアル=カーイダ」)を主体とするシリア軍事作戦局総司令部(「攻撃抑止」軍事作戦局)による首都ダマスカス制圧とバッシャール・アサド政権の崩壊を受けて、ダマスカス県マッザ区の裁判所に設置された高等司法院が、シリア革命軍事作戦司令室(シリア軍事作戦局総司令部)に対して自由シリアの憲法(暫定憲法)草案を提出した。

暫定憲法草案の全文は以下の通り:

慈悲深く慈悲あまねきアッラーの御名において

シリア革命の目標に基づき、現代的で民主的な市民国家を樹立するというシリア国民の権利を信じ、シリア革命軍事司令部は移行期を規律するため、本暫定憲法宣言を発表する。

第1章 基本原則
第1条
シリアは主権を有する独立国家であり、平等な市民権の原則に基づく。その領土のいかなる部分も譲渡してはならない。

第2条
国家の宗教はイスラーム教としつつ、非イスラーム教徒の宗教活動の自由を尊重する。

第3条
国家元首の宗教はイスラーム教とする。

第4条
国家の公用語はアラビア語とし、シリア社会の諸構成集団の固有の言語を認め、その文化的権利を保障する。

第5条
イスラーム法(シャリーア)を立法の源泉とし、非イスラーム教徒の市民の権利については、その身分を彼らの信仰に即した法律に基づいてこれを保証する。

第6条
国家の政治体制は政治的多元主義、権力分立、自由で公正な選挙を通じた平和的な政権交代に基づく。

第7条
国家は人権の保護、言論と表現の自由、平和的集会の自由を保証する。

第8条
国家は女性と子どもの権利を保護し、すべての市民の平等をいかなる差別もなく保証する。

第2章 権力の構成
1. 行政府
第9条
行政府は愛国的な有能者によって構成される移行内閣に委ねられ、移行期間の国家業務を運営する。

第10条
移行内閣は以下の任務を遂行する:

1. 国家の日常業務の運営。

2. 国民の代表との協議による恒久憲法(案)の起草。

3. 自由で公正な総選挙の監督。

第11条
移行内閣は暫定立法評議会に対して透明性と説明責任を負う。

2. 立法府
第12条
立法府は、軍事諸派の代表、裁判官、弁護士、各分野の専門家で構成される暫定立法評議会に委ねられる。

第13条
暫定立法評議会の任務は以下の通りとする:

1. 移行期を規律するための暫定法律の承認。

2. 移行政府の業務を監視し、革命の原則を遵守させること。

3. 関係機関との協議による恒久憲法の枠組みの策定。

第14条
暫定立法評議会は、移行期における最高立法機関とする。

3. 司法府
第15条
司法府は独立しており、その業務へのいかなる干渉も許されない。

第16条
司法制度は高等司法評議会の監督下で再編され、公正性と透明性を確保する。

第17条
司法の判決はシリア国民の名において下され、すべての関係者に対して拘束力を有する。

第18条
移行期間を通じて以下の特別裁判所を設置する:

1. 革命特別裁判所:旧体制を象徴する指導者およびシリア国民の虐殺に関与したすべて者の裁判を担う。

2. テロ・ダーイシュ(イスラーム国)撲滅裁判所:ダーイシュおよびテロ活動に関与した者を裁く。

第19条
これらの裁判所は、公正で透明性のある裁判を保証するため、国際基準に適合した国内法に基づいて運営される。

第3章 権利と自由
第20条
国家は、言論と表現の自由、独立した報道、平和的デモの権利を、公共の安全を損なわない範囲で保証する。

第21条
すべての市民は、人種、宗教、言語、性別によるいかなる差別も受けず、法の下で平等な権利を享受する。

第22条
国家は、文化的・社会的権利を含む少数派の権利を保護し、政治生活への積極的な参加を保証する。

第23条
私有財産は保護され、法律に基づき、公共の利益に反しない限りにおいて接収されず、損害を受けた者には公正な補償が行われる。

第4章 非常事態宣言
第24条
非常事態は、本宣言の日付から1年間、シリア全土でこれを発令する。

第25条
非常事態は以下を目的とする:

1. 治安と安定の回復。

2. テロ活動の撲滅。

3. 公共財産および私有財産の保護、民間人の安全の確保。

第26条
非常事態にかかる措置の実施は、移行政府が暫定立法評議会と連携して下す決定に基づいて設置される専門委員会が監督する。

第5章 移行期
第27条
移行期間は2年を限度とし、移行政府の決定と暫定立法評議会の承認によって延長可能とする。

第28条
移行期間中に恒久憲法(案)を起草し、国民投票にかける。

第29条
移行期間中に公正で自由な総選挙は、国内外の監視の下にこれ実施し、すべての構成集団の公正な代表の実現を保証する。

第6章 一般規定と後文
第30条
国軍以外の武装民兵の設立はこれを禁止し、国軍は愛国的基準に基づいてこれを再編する。

第31条
国家はシリア国民の利益と栄光ある革命の原則に反しない限り、すべての国際条約・協定を遵守する。また、2011年以降に屈服的な協定は、シリア国民の意思に反する合意とし、その意思主権の原則のもとにこれを無効とする。

第32条
本暫定憲法の規定に反するすべての法律および制度は廃止される。

第33条
本宣言は発表日をもって施行され、恒久憲法が承認されるまでこれを有効とする。

シリア革命軍事司令部発表
発行日(西暦およびイスラム暦の日付を記入)

AFP, December 16, 2024、ANHA, December 16, 2024、‘Inab Baladi, December 16, 2024、Reuters, December 16, 2024、SANA, December 16, 2024、Sham FM, December 16, 2024、SOHR, December 16, 2024、al-Watan, December 16, 2024などをもとに作成。

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カッラスEU外交安全保障上級代表:ロシア軍の基地の閉鎖がシリアの新政権と外交関係を結ぶ条件(2024年12月16日)

カヤ・カッラス外交安全保障上級代表(EU外務大臣)は、EU外相理事会後の記者会見で、シリア情勢について、シリア領内にあるロシア軍の基地の閉鎖を提起するとしたうえで、EUがシリアの新政権と外交関係を結ぶ条件としたいとの意向を示した。

AFP, December 16, 2024、ANHA, December 16, 2024、‘Inab Baladi, December 16, 2024、Reuters, December 16, 2024、SANA, December 16, 2024、Sham FM, December 16, 2024、SOHR, December 16, 2024、al-Watan, December 16, 2024などをもとに作成。

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エフィモフ駐シリア・ロシア大使は首都ダマスカスに留まり職務を続行(2024年12月16日)

TASS(12月16日付)は、アレクサンドル・エフィモフ駐シリア・ロシア大使が、首都ダマスカスに留まり職務を続行していると伝えた。

これに先立ち、ロシア外務省は、ロシア在外公館の一部職員のダマスカスから退避したと発表していた。

RIAノーヴォスチ通信(12月16日付)、タス通信(12月16日付)が伝えた。

RIA Novosti, December 16, 2024、TASS, December 16, 2024をもとに作成。

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所属不明の航空機がダイル・ザウル市工業地区の貯蔵施設、穀物サイロ、ブーカマール市近郊に残存する「イランの民兵」の拠点複数ヵ所に対して8回の爆撃を実施(2024年12月16日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、所属不明の航空機が、アサド政権の支配下にあったダイル・ザウル県のダイル・ザウル市工業(スィナーア)地区にある貯蔵施設複数ヵ所、穀物サイロ複数ヵ所、ブーカマール市近郊のハリー村と「グリーン・ベルト」地帯に残存する「イランの民兵」の拠点複数ヵ所に対して8回の爆撃を実施した。

AFP, December 16, 2024、ANHA, December 16, 2024、‘Inab Baladi, December 16, 2024、Reuters, December 16, 2024、SANA, December 16, 2024、Sham FM, December 16, 2024、SOHR, December 16, 2024などをもとに作成。

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米中央軍(CENTCOM)はシリア政府の支配地だった地域でダーイシュの拠点と要員を狙って爆撃を実施し、12人を殺害したと発表(2024年12月16日)

米中央軍(CENTCOM)は12月16日付で声明第20241216-01号を発表した。

声明の内容は以下の通り。

CENTCOM部隊は12月16日、シリアにおいてISIS(ダーイシュ(イスラーム国))の既知の拠点および要員を標的とした精密爆撃を実施し、ISISのテロリスト12人を殺害した。 ISISの指導者、要員、および拠点に対する今回の爆撃は、ISISを撹乱、弱体化、壊滅させる継続的な任務の一環として実施され、テロ組織が対外的な作戦を行うことを防ぎ、シリア中部での再編成の機会を模索させないようにすることを目的としている。 なお、最近の爆撃は、体制派およびロシアが支配していた地域で実施され、ISISに対する圧力は維持されている。 戦闘被害評価が進行中であり、民間人の死傷者が出たとの兆候はない。 「CENTCOMは、地域の同盟国およびパートナーと協力し、ISISが再編成し、シリアの現在の状況を悪用することを決して許さない」とマイケル・エリク・クリラ将軍は述べている。

AFP, December 16, 2024、ANHA, December 16, 2024、‘Inab Baladi, December 16, 2024、Reuters, December 16, 2024、SANA, December 16, 2024、Sham FM, December 16, 2024、SOHR, December 16, 2024などをもとに作成。

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イエメンのアンサール・アッラー(フーシー派)はイスラエルのテルアビブにある軍事標的に対してパレスチナ2極超音速弾道ミサイル1発での攻撃を行ったと発表(2024年12月16日)

イエメンのアンサール・アッラー(フーシー派)のヤフヤー・サリーア報道官は午後8時31分、X(旧ツイッター)のアカウント(https://twitter.com/army21ye)を通じて声明を出し、イスラエルのテルアビブにある軍事標的に対してパレスチナ2極超音速弾道ミサイル1発での攻撃を行ったと発表した。

 

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これに関して、イスラエル軍はテレグラムの公式アカウント(https://t.me/idfofficial)を通じて以下の通り発表した。

午前8時18分、イエメンから発射された1機のUAVをイスラエル海軍のミサイル艇が地中海で撃破した。UAVはイスラエル領内には侵入しなかった。

午後4時19分、イエメンからの攻撃を受けてイスラエル中部の複数地域で警報が発令された。

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シャーム解放機構の収容施設に収監されている家族の釈放を求めるビデオ公開(2024年12月16日)

テレグラムの「シリア革命の咆哮者たち」(https://t.me/s/mzmgr_syria)は、シャーム解放機構の収容施設に収監されているファーティフ・タルマーニーニー氏の娘が父親を含むすべての逮捕者の釈放を訴えるビデオを転載した。

同じく、シャーム解放機構の収容所に収監されている、イドリブ県ハルブヌーシュ村出身のアリー・ダッルーのきょうだいも釈放を訴えた。

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アレッポ県アイン・アラブ(コバネ)市に展開していた米主導の有志連合が完全撤退し、シリア民主軍は市内の拠点に掲揚していた星条旗を回収(2024年12月16日)

アレッポ県では、テレグラムの「シリア革命の咆哮者たち」(https://t.me/s/mzmgr_syria)によると、アイン・アラブ(コバネ)市に展開していた米主導の有志連合が完全撤退し、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は市内の拠点に掲揚していた星条旗を回収した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍とシリア国民軍は、タッル・アブヤド市南に位置する北・東シリア地域民主自治局支配下のタルワーズィーヤ村、カンタリー村を砲撃した。

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シリア人権監視団:アレッポ県タッル・リフアト市一帯地域からトルコ占領下のアレッポ県アフリーン市などに帰還・移住した住民20人以上がシリア国民軍によって不当逮捕(2024年12月16日)

シリア人権監視団は、アサド政権崩壊とアレッポ県タッル・リフアト市一帯地域の北・東シリア地域民主自治局支配地域の消失を受けてトルコ占領下のアレッポ県アフリーン市などに帰還・移住した住民20人以上が12月8日以降、同地で活動するシリア国民軍の憲兵隊によって不当に逮捕されていると発表した。

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ダルアー県イズラア市郊外のクウェート農場で集団墓地が発見され、身元不明の遺体35体が回収される(2024年12月16日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、イズラア市郊外のクウェート農場で集団墓地が発見され、身元不明の遺体35体が回収された。

農場は、軍事情報局傘下の民兵によって使用されており、遺体のなかには、10年以上前に埋葬されたものも含まれているという。

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ダイル・ザウル県ブサイラ・ズィーバーン地区のアサーイシュ地区長がシリア民主軍から離反し、シリア軍事作戦局総司令部(「攻撃抑止」軍事作戦局)に合流すると発表(2024年12月16日)

ダイル・ザウル県では、テレグラムの「シリア革命の咆哮者たち」(https://t.me/s/mzmgr_syria)によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア地域民主自治局)の支配下にあるブサイラ・ズィーバーン地区の内務治安部隊(アサーイシュ)のムハンマド・アフマド地区長が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍から離反し、シリア軍事作戦局総司令部(「攻撃抑止」軍事作戦局)に合流すると発表した。

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一方、シリア人権監視団によると、県東部のザッル村の給水所で、女性の遺体が発見された。

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イスラエル軍地上部隊がダルアー県マアリーヤ村に侵入する一方、隣接するアービディーン村では住民が抵抗(2024年12月16日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍地上部隊がバアス市郊外で地雷の撤去作業を行い、複数回の爆発音が確認された。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍地上部隊がマアリーヤ村に侵入し、村内に集結、巡回し、一部住民に尋問を行った。

イスラエル軍地上部隊はマアリーヤ村に隣接するアービディーン村にも入ろうとしたが、住民の抵抗に遭い、これを断念した。

AFP, December 16, 2024、ANHA, December 16, 2024、‘Inab Baladi, December 16, 2024、Reuters, December 16, 2024、SANA, December 16, 2024、Sham FM, December 16, 2024、SOHR, December 16, 2024などをもとに作成。

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シリア人権監視団:アサド政権崩壊後に回収された公文書から、各地の刑務所で拷問によって死亡した収監者400人の身元を新たに確認(2024年12月16日)

シリア人権監視団は、アサド政権崩壊後に回収された公文書から、各地の刑務所で拷問によって死亡した収監者400人の身元を新たに確認したと発表した。

AFP, December 16, 2024、ANHA, December 16, 2024、‘Inab Baladi, December 16, 2024、Reuters, December 16, 2024、SANA, December 16, 2024、Sham FM, December 16, 2024、SOHR, December 16, 2024などをもとに作成。

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北・東シリア地域民主自治局は10項目からなる対話イニシアチブを提案、シャーム解放機構主体の旧反体制派との協力に前向きな姿勢を示す(2024年12月16日)

北・東シリア地域民主自治局は声明を出し、10項目からなる新たなシリアを建設するための対話イニシアチブを提案、首都ダマスカスを制圧したシャーム解放機構主体の旧反体制派との協力に前向きな姿勢を示した。

北・東シリア地域民主自治局が提案した10項目は以下の通り。

1. シリア領土の統一と主権を維持し、トルコとその「傭兵」による攻撃からこれらを防衛すること。
2. シリア全土での軍事作戦を停止し、包括的かつ建設的な国家対話を開始すること。
3. 寛容の姿勢を取り、シリア国民どうしの憎悪や裏切りの言説を避けること。シリアは多様性に富んだ国であり、この豊かさと多様性を公正で民主的な基盤の上で守るべきである。
4. 移行期に関する統一的なビジョンを確立するため、シリアの政治勢力がダマスカスに集う緊急会議を開催すること。
5. 政治プロセスにおける女性の積極的な参加を実現すること。
6. 資源や経済資産は、シリア全土に公平に分配されるべきで、シリア国民全員のものであることを強調すること。
7. 住民や強制的に追放された人々が自分たちの地域に戻ることを保証し、その文化遺産を保護し、人口構成を変える政策を終わらせること。
8. シリアの情勢変化を踏まえ、「テロとの戦い」を引き続き強調すること。とりわけダーイシュ(イスラーム国)の再興を防ぐため、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍および有志連合との共同協力を継続すること。
9. 占領状態を終わらせ、シリアの未来を描く決定をシリア国民に委ね、善隣関係の原則を適用すること。
10. アラブ諸国、国連、有志連合、ならびにシリアの問題に関わるすべての国際的な有力勢力による建設的な役割を歓迎し、彼らがシリア国民に助言や支援を提供し、多様な社会成員や勢力間の意見の調整を図ることで、安定と安全を維持し、シリアへの外部干渉を停止する積極的かつ効果的な役割を果たすよう促すこと。

AFP, December 16, 2024、ANHA, December 16, 2024、‘Inab Baladi, December 16, 2024、Reuters, December 16, 2024、SANA, December 16, 2024、Sham FM, December 16, 2024、SOHR, December 16, 2024などをもとに作成。

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シャーム解放機構が行政を委託するシリア救国内閣のアブー・ザイド保健大臣はラタキア市を訪れ、医療セクターのニーズを精査(2024年12月16日)

アブー・ムハンマド・ジャウラーニーことアフマド・シャルア氏が司令官を務めるシリア軍事作戦局総司令部(「攻撃抑止」軍事作戦局)を主体とするシャーム解放機構が自治(行政)を委託するシリア救国内閣のザイド・ハサン・アブー・ザイド保健大臣は、ラタキア県のラタキア市を訪れ、同県の保健局の関係者と面談、医療セクターのニーズを精査した。

AFP, December 16, 2024、ANHA, December 16, 2024、‘Inab Baladi, December 16, 2024、Reuters, December 16, 2024、SANA, December 16, 2024、Sham FM, December 16, 2024、SOHR, December 16, 2024などをもとに作成。

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シリア中央銀行は為替レートを発表:1ドル=12,562シリア・ポンド、1円=81.74シリア・ポン(2024年12月16日)

シリア中央銀行は為替レートを発表した。

発表されたレートによると、1ドルは12,562シリア・ポンド、1円は81.74シリア・ポンドで、「攻撃抑止」の戦いが始まって以降の急落は是正され、戦闘以前よりも若干のシリア・ポンド高となった。


AFP, December 16, 2024、ANHA, December 16, 2024、‘Inab Baladi, December 16, 2024、Reuters, December 16, 2024、SANA, December 16, 2024、Sham FM, December 16, 2024、SOHR, December 16, 2024などをもとに作成。

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内務省はダマスカス県での警官、治安部隊への加入を希望する者に、警察大学(個人訓練コース)への入学募集を開始すると発表(2024年12月16日)

内務省はダマスカス県での警官、治安部隊への加入を希望する者に、警察大学(個人訓練コース)への入学募集を開始すると発表した。

AFP, December 16, 2024、ANHA, December 16, 2024、‘Inab Baladi, December 16, 2024、Reuters, December 16, 2024、SANA, December 16, 2024、Sham FM, December 16, 2024、SOHR, December 16, 2024などをもとに作成。

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シリア大統領府はシリア出国の経緯についてのアサド大統領の声明を発表(2024年12月16日)

シリア大統領府のテレグラムの公式アカウント(https://t.me/SyrianPresidency/)は、辞任したアサド大統領のシリア出国に関する声明を発表した。

声明はアラビア語と英語で発表された。

フェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/SyrianPresidency/)でも公開されたが、発表から約30分後に、10月24日以降の投稿と併せて削除された。

声明の内容は以下の通り。

シリア出国に関するバッシャール・アサド大統領声明

モスクワ:2024年12月16日

テロがシリアに拡大し、2024年12月7日土曜日の夜までに首都ダマスカスに達したことを受け、大統領の行方や所在についての疑問が浮上し、真実からかけ離れた誤情報や噂があふれ、国際テロリズムが「シリア解放革命」なるものを仕立てるプロセスを支えることになった。
祖国にとっての歴史的な分岐点において、真実には居場所があるべきで、簡潔な声明を通じて説明が必要となることがある。こうした状況、そして安全上の理由でその後の連絡が完全に途絶えてしまったことが、説明を不可能とし、簡潔に要点を述べるだけでは十分なものとはならない。だが、後に機会が訪れれば、すべての詳細を明らかにするつもりだ。
まず始めに、私が計画的に国を離れたというのは事実ではない。また、戦闘の最後の数時間で国を離れたという噂も誤りだ。私は12月8日日曜日の早朝までダマスカスに留まり、自らの責務を果たし続けた。ダマスカスにおけるテロの拡大に伴い、ロシアの友人たちとの調整し、ラタキアに移動し、戦闘状況を追跡しようとした。だが、フマイミーム航空基地に到着した朝、軍の撤退が確認されたのである。
全戦線が崩壊し、軍の最後の拠点も陥落した。軍の状況は悪化を続け、ロシア軍基地への無人航空機の攻撃も激化した。基地からどの方面にも脱出できなくなった状況下で、モスクワは基地の指揮官に対し、12月8日日曜日の夜、ロシアへの避難路を即時に確保するよう指示した。これは、ダマスカス陥落の翌日である。最後の軍事拠点が陥落し、その後、国家機関は完全に機能停止に陥った。
一連の出来事の間、亡命、あるいは退任について、私自身からも、そしていかなる個人、勢力からも提案されることはなかった。唯一の選択肢は、テロの攻撃に対抗するため防衛戦を継続することだった。
この文脈で強調したいのは、戦争が始まった日から、自身の安全のためだと言って、救済すべき祖国を売り渡すことを拒否した者、そしてさまざまな誘惑や提案に妥協するのを拒否した者。彼らこそが、もっとも激しく危険な戦闘地域でテロリストと数十メートルの距離で対峙した最前線の将兵らを支え続けてきた者だということだ。こうした者こそが、家族や国民とともに、砲撃のなかであっても、そして首都へのテロリスト侵攻の危機が迫っていても、逃げ出さなかった者なのだ。
14年に及ぶ戦争の間、パレスチナやレバノンでのシリア以外の人々の抵抗、そして自らを支えてくれた同盟者を見捨てなかった者は、自らが帰属する国民を裏切る者になることも、国民、そしてその軍を裏切る者になることもないだろう。
私は、これまで一日たりとも地位や個人的な役職を求めたことはない。私は愛国的プロジェクトの担い手であり、これを信じる国民からによって支えられてきた。この国民が、自らの国家を維持し、自らの国家機関と自らが選んだものを最後の瞬間まで守る意志と能力を持っているを確信してきた。しかし、国家がテロの手に陥ち、何も提供できなくなってしまえば、地位というものは空虚で意味のないものとなる。それを担ってきた者がそこに留まる意味もない。これは、いかなる状況においても、シリアとその国民への真の愛国的帰属を放棄することを意味しない。それは地位や状況に左右されない確固たる帰属意識であり、シリアが自由で独立した国家として復活することへの希望に満ちた帰属である。


AFP, December 16, 2024、ANHA, December 16, 2024、‘Inab Baladi, December 16, 2024、Reuters, December 16, 2024、SANA, December 16, 2024、Sham FM, December 16, 2024、SOHR, December 16, 2024などをもとに作成。

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