米軍はイラン・イスラーム革命革命防衛隊が使用するダイル・ザウル市内の施設を爆撃、シリア軍と「イランの民兵」が報復としてウマル油田、CONOCOガス田の米軍基地を攻撃、米軍、シリア民主軍と激しく交戦(2023年11月9日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、米軍の戦闘機がシリア政府の支配下にあるダイル・ザウル市のブール・サイード通りにある軍の指揮所複数ヶ所と武器庫を爆撃し、イラン人とともに働くシリア人3人を含む9人が死亡した。

また、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるウマル油田に違法に設置されている米軍(有志連合)の基地からマヤーディーン市一帯の「イランの民兵」の陣地複数ヶ所に対して砲撃が行われた。

この直後、ウマル油田内でも複数回の爆発が発生した。

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これに関して、米中央軍(CENTCOM)は午前2時にX(旧ツイッター)のアカウント(https://twitter.com/CENTCOMArabic/)を通じて声明を出し、イラクとシリアにおける米国人に対する一連の攻撃を受けて、CENTCOMが、イラン・イスラーム革命防衛隊と同隊に所属するグループが使用しているシリア国内の施設1ヶ所を爆撃した、と発表した。

CENTCOMはまた、米国民を守るため、攻撃に関与した者に対してあらゆる必要な措置を講じ、自らが選んだ時間と場所に対して報復を行うと強調した。

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ロイド・J・オースティンIII米国務長官も声明を出し、ジョー・バイデン大統領の指示を受け、F-15戦闘機2機で、イラン・イスラーム革命防衛隊などが使用しているシリア東部の施設1ヶ所を自衛爆撃したと発表した。

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一方、マヤーディーン・チャンネル(11月9日付)は、CONOCOガス田に違法に設置されている米軍基地がロケット弾と無人航空機(ドローン)複数機の攻撃を受けたと伝えた。

また、ダイル・ザウル市に対する米軍の爆撃に対する報復として、米軍基地もロケット弾6発の攻撃を受けたと伝えた。

さらに、シリア軍が米軍の占領と対決する抵抗勢力とともに、CONOCOガス田とウマル油田の米軍基地をロケット弾やドローンで攻撃、米軍および人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と激しく交戦した。

AFP, November 9, 2023、ANHA, November 9, 2023、‘Inab Baladi, November 9, 2023、Qanat al-Mayadin, November 9, 2023、Reuters, November 9, 2023、SANA, November 9, 2023、SOHR, November 9, 2023などをもとに作成。

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