シリア軍がシャーム解放機構の支配下にあるイドリブ市の住宅街を多連装ロケットで砲撃し、15人あまりが負傷、アレッポ県での砲撃でも8人が死亡(2023年12月17日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーム解放機構の支配下にあるイドリブ市の住宅街を多連装ロケットで砲撃した。

砲撃は、シャイフ・ティルト地区、工業地区、ワーディー・ナスィーム地区などに対して行われ、砲弾複数発が市場に着弾、民間人14人が負傷した。

ホワイト・ヘルメットによると、この砲撃で、子供5人と女性1人を含む15人が負傷した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構がシリア政府の支配下にあるナフシャッバー村近郊でシリア軍兵士1人を狙撃し、殺害した。

また、シャーム解放機構に所属するアンサール・イスラーム旅団がクルド山地方のシール・スィハーブ丘一帯でシリア軍に対する特攻自爆(インギマーシー)攻撃を行い、士官(少尉)1人を含む兵士5人を殺害した。

この攻撃は、シリア軍のイドリブ市への砲撃に対する報復として実施された。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍のイドリブ市への砲撃に対する砲撃として、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるヌッブル市、ザフラー町を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

対するシリア軍も、シャーム解放機構の支配下にあるダーラ・イッザ市、カッバーシーン村、アブザムー村を砲撃、ダーラ・イッザ市で女性2人を含む住民6人、アブザムー村では2人が死亡、多数が負傷した。

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ロシア当事者和解調整センターのワディム・クリット副センター長は、北西部の緊張緩和地帯で、ヌスラ戦線(現シャーム解放機構)とトルキスタン・イスラーム党によるシリア軍陣地への砲撃を6件(アレッポ県1件、イドリブ県1件、ラタキア県4件)確認したと発表した。

AFP, December 17, 2023、ANHA, December 17, 2023、‘Inab Baladi, December 17, 2023、Reuters, December 17, 2023、RIA Novosti, December 17, 2023、SANA, December 17, 2023、SOHR, December 17, 2023などをもとに作成。

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