米中央軍(CENTCOM)は午後9時1分にX(旧ツイッター)のアカウント(https://twitter.com/CENTCOM/)を通じて声明を出し、CENTCOMが6月16日にシリア領内で爆撃を実施し、ダーイシュ(イスラーム国)の幹部で仲介者の1人ウサーマ・ジャマール・ムハンマド・イブラーヒーム・ジャナービーを殺害したと発表した。
U.S. Central Command Airstrike in Syria Kills Senior ISIS Official
On June 16, U.S. Central Command conducted an airstrike in Syria, killing Usamah Jamal Muhammad Ibrahim al-Janabi, a senior ISIS official and facilitator. His death will disrupt ISIS’s ability to resource and… pic.twitter.com/aCFpvCFfTz
— U.S. Central Command (@CENTCOM) June 19, 2024
**
これに関して、イナブ・バラディー(6月19日付)などによると、シリア民主軍は、爆撃がアレッポ県アフリーン郡で行われたと主張した。
**
ホワイト・ヘルメットは16日、フェイスブック公式アカウント(https://www.facebook.com/SyriaCivilDefense)を通じて、アレッポ県アフリーン市近郊のタルナダ山にあるクワイト・ラフマ村近くで、所属不明の無人航空機1機が男性を攻撃し、殺害したと発表していた。
発表によると、ホワイト・ヘルメットは、遺体をアフリーン市の病院に搬送した。
**
シリア革命反体制派勢力国民連立(シリア国民連合)傘下のシリア暫定内閣は17日に声明を出し、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がクワイト・ラフマ・キャンプを攻撃し、男性1人が死亡、複数が負傷したと発表していた。
**
シリア人権監視団によると、クワイト・ラフマ・キャンプ一帯への砲撃で、シリア国籍の男性1人が死亡した。
死亡した男性が所持していた身分証明書には、アフマド・アリー・フサイン、1983年生まれ、ヒムス県ヒムス市カラム・ザイトゥーン地区出身との記載があったが、シリア北西部では身分証明書の偽造は容易であるため、真偽は不明。
**
UAEドバイのマシュハド・チャンネル(6月20日付)によると、殺害されたのは「アブー・ライス・ジャナービー」、本名ウサーマ・ジャマール・ムハンマド・イブラーヒームなるイラク国籍で1983年生まれの男性で、ダーイシュの設備管理の責任者を務めたのち、アフマド・フサインという名で偽造IDを取得して身元を隠し、警備員として働いていたという。
家族は、ジャバーニーがダーイシュのメンバーだったことを否定しているが、シリア国民軍の憲兵隊は、遺体の個人識別(身元確認)を行うためサンプルを採取したという。
AFP, June 19, 2024、ANHA, June 19, 2024、‘Inab Baladi, June 19, 2024、al-Mashhad, June 20, 2024、Reuters, June 19, 2024、SANA, June 19, 2024、SOHR, June 19, 2024などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.