トルコ占領地とシリア政府の支配地とを隔てるアレッポ県のアブー・ザンディーン村の通行所が4年ぶりに再開(2024年6月27日)

アレッポ県では、シリア人権監視団、イナブ・バラディー(6月27日付)によると、トルコ占領下の「ユーフラテスの盾」地域の拠点都市の一つであるバーブ市の地元評議会が、トルコ占領地とシリア政府の支配地とを隔てるアブー・ザンディーン村の通行所を4年ぶりに再開され、貨物車輛複数輌がトルコ占領地からシリア政府支配地に入った。


 

 

これに対して、一部住民が、アブー・ザンディーン村の通行所への車輛の進入を阻止しようとして、バーブ市のアレッポ交差点近くで座り込みキャンプを設営したが、シリア国民軍の憲兵隊と警察が強制排除した。

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一方、「ユーフラテスの盾」地域のアアザーズ市、バーブ・サラーマ国境通行所とトルコ本土を結ぶ国際幹線道路(アアザーズ市のシャット検問所の名前をとって「シャット街道」と呼ばれている)では、アブー・ザンディーン村の通行所の再開に併せるかたちで道路の拡張工事が始められた。

工事は、ロシアとトルコの合意に基づくもので、トルコから「ユーフラテスの盾」地域、シリア政府支配地を経由して、ヨルダン、さらにはアラブ湾岸諸国に物資を輸送するのが目的。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下の「平和の泉」地域内のスルーク町で、住民らがシリア国民軍の行動に抗議するゼネストを行った。

ゼネストは、26日にシリア国民軍の戦闘員とタイ部族の民兵の戦闘に巻き込まれて、薬局を経営する男性とその子供が死亡したのを受けたもの。

AFP, June 27, 2024、ANHA, June 27, 2024、‘Inab Baladi, June 27, 2024、Reuters, June 27, 2024、SANA, June 27, 2024、SOHR, June 27, 2024などをもとに作成。

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