BBC:行方不明の米国人フリー・ジャーナリストのオースティン・タイス氏がアサド前政権によって拘束されていた(2025年6月2日)

BBCは、独自に入手した極秘の諜報文書により、2012年8月に首都ダマスカス近郊で消息を絶ち、現在も行方不明の米国人フリー・ジャーナリスト、オースティン・タイス氏が、アサド前政権によって拘束されていたことが初めて確認されたと伝えた。

逮捕の約7週間跡、オンラインに投稿された映像には、目隠しをされ、手を縛られたタイス氏が、武装集団にイスラームの信仰告白を強要される姿が映っていた。

だが、この映像について、米当局者や専門家らは捏造された可能性があると疑問を呈していた。

BBCは、ラジオ番組(Radio 4)シリーズの取材の一環として、シリア人調査員とともに情報機関の施設を訪れた際に、今回の資料を入手した。

「オースティン・タイス」とラベルされた一連の文書の中には、「極秘」と記された文書もあり、2012年にダマスカス市内の収容施設にタイス氏が拘束されていたことが記されていた。 情報筋によると、タイス氏はダマスカス郊外県のダーライヤー市近郊で国防隊によって逮捕され、ターフーナ地区の収容施設に拘置されていたとされる。

この間、胃腸の不調を訴え、医師の診察を2回受けたとされ、血液検査ではウイルス性感染症が確認されたという。

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