軍、国防隊、ヒズブッラーの戦闘員がヒムス県ハーリディーヤ地区の大部分を制圧、アレッポ県では軍が複数地点でシャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊(2013年7月28日)

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反体制勢力の動き

シリア人権監視団によると、7月16日から28日にかけての民主統一党人民防衛隊とシャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国の戦闘で、120人が死亡した。

うち120人のうち79人がサラフィー主義戦闘員で、そのなかには非シリア人も含まれるという。

これに対して、人民防衛隊の死者数は41人。

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クッルナー・シュラカー(7月28日付)は、ラタキア県で活動する反体制武装集団がシリア革命反体制勢力国民連立のムスタファー・サッバーグ前事務局長が代表を務めるシリア・ビジネスマン・フォーラムとの調整を通じて、「第10旅団」を結成したと発表した。

国内の暴力

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、軍、国防隊、ヒズブッラーの戦闘員がヒムス県ハーリディーヤ地区の大部分を制圧した。

同監視団によると、軍は、ハーリディーヤ地区、旧市街を中心に反体制武装集団と交戦、地対地ミサイルによると思われる爆発音などが聞こえた。

戦闘は、ジャウラト・シヤーフ地区、ワーディー・サーイフ地区などでも行われ、反体制武装集団の戦闘員3人が死亡した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市バーブ・ナイラブ地区を軍が地対地ミサイルで攻撃した。

一方、SANA(7月28日付)によると、アウラム・スグラー村・ダーラト・イッザ市間の街道、カフルハムラ村、ドゥワイリーナ村、ナッカーリーン村、アナダーン市、フライターン市、ハーン・トゥーマーン村で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市では、サラーフッディーン地区、アンサーリー地区、マサーキン・ハナーヌー地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ワーディー・ダイフ航空基地周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(7月28日付)によると、軍がカフルヌブーダ町、ジャービリーヤ市、ル=ジャーヌーディーヤ町、ジスル・シュグール市郊外で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カーブーン区、ジャウバル区で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(7月28日付)によると、カーブーン区、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、サイイダ・ザイナブ町周辺、ダーライヤー市で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(7月28日付)によると、シャーム解放旅団が東グータ地方への潜入を試みたが、軍がこれを撃退した。

またドゥーマー市郊外、ハラスター市、ヤブルード市で、軍が反体制武装集団の追撃を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(7月28日付)によると、具がマスハラ村、マスハラ丘で反体制武装集団の掃討を完了、両村の治安を回復した。

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ヒムス県では、SANA(7月28日付)によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区、ハミーディーヤ地区、ジャウラト・シヤーフ地区、クスール地区、バーブ・フード地区、ダール・カビーラ村、ガントゥー市、タルビーサ市、ラスタン市で、軍が反体制武装集団の追撃を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またヒムス市、マズラア交差点で、反体制武装集団が車に仕掛けた爆弾がバク初市、女性2人が死亡、複数が負傷した。

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ダルアー県では、SANA(7月28日付)によると、サイダー町、バサーラ市、ハーヌート市、サナマイン市、シューマラ市、ダルアー市、ムハッジャ村、ナワー市、タスィール町、ブスル・ハリール市で、軍が反体制武装集団と交戦し、バヤーリク・イスラーム旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(7月28日付)によると、サルマー町、スッカリーヤ町、フルワ村、ラビーア町で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(7月28日付)によると、ダイル・ザウル市クスール地区にあるシリア赤新月社ダイル・ザウル支部に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾した。

レバノンの動き

『ナハール』(7月28日付)は、レバノンの当局が、ベカーア県東部でシリア人が無許可で営業している店舗など377軒に対し、8月15日までに営業許可が得られない場合は閉鎖処分とすることを決定したと報じた。

諸外国の動き

イラク国民議会で刑務所の脱獄について調査を行っている委員会メンバー(ハーキム・ザーミリー)は『ハヤート』(7月28日付)に「アブー・グライブ刑務所、タージャー刑務所の脱獄者約100人がシリアに逃れ、シャームの民のヌスラ戦線に加わったとの情報がある」と述べた。

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イラク・クルディスタン地域政府の宗教関係省の報道官は、シャームの民のヌスラ戦線に従軍していたクルド人戦闘員40人が離反し、帰国したと発表した。

同報道官によると、クルド人戦闘員は自らの意思で戦闘員参加していたが、ヌスラ戦線が「シリアのクルド人同胞に対する戦闘に関与していることが明らかになり、帰国した」という。

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『イクティサード』(7月28日付)は、エジプト在住のシリア人の話として、エジプトに避難していたシリア人が空路でシリア、ないしは第三国への出国を開始している、と報じた。

AFP, July 28, 2013、al-Hayat, July 28, 2013、July 29, 2013、al-Iqtisad, July 28, 2013、Kull-na Shuraka’, July 28, 2013、Kurdonline, July 28, 2013、al-Nahar,
July 28, 2013、Naharnet, July 28, 2013、Reuters, July 28, 2013、SANA, July
28, 2013、UPI, July 28, 2013などをもとに作成。

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