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反体制勢力の動き
民主的変革諸勢力国民調整委員会の青年局の代表団が7月25、26日にスワイダー市を訪問し、ドゥルーズ派のシャイフ、アブー・ワーイル・ハンムード・ヒンナーウィー師と会談した。
クッルナー・シュラカー(7月29日付)が報じた。
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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長は『ニューヨーク・タイムズ』(7月29日付)に、ジュネーブ2会議に「無条件」で参加し、アサド政権の代表団と交渉する用意があると述べた。
シリア革命反体制国民連立はこれまでは、アサド大統領の退任、「現地でのパワー・バランスの変化」を大会参加の条件としてきた。
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『ワタン・アラビー』(7月29日付)は、複数の活動家の話として、アフリカ出身の戦闘員が政府軍側について戦っていると報じた。
同報道によると、これらのアフリカ人戦闘員はコートジボワールなどの出身者で、ダマスカス郊外県フジャイラ村などで戦闘に参加、死傷しているという。
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民主的変革諸勢力国民調整委員会の広報局は声明を出し、アサド政権が委員会メンバーファーティマ・ムヒーッディーン・サリーム女史(反シオニズム国民協会)を逮捕したと発表、批判した。
シリア政府の動き
ダマスカスで進歩国民戦線中央指導部が開催された。議長はスライマーン・カッダーフ副書記長が務めた。
これに関して、クッルナー・シュラカー(8月2日付)は、新たに中央委員会メンバーに任命されたシリア民族社会党ハルダーン派のナズィール・アズマ党首が、アサド大統領による任命が凍結されたと門前で告げられ、会合への出席を認められなかったと報じた。
国内の暴力
ヒムス県では、SANA(7月29日付)によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区で軍が反体制武装集団の掃討を完了、同地区の治安を完全に回復し、勝利宣言をした。
また、ヒムス市のカラービース地区、ワルシャ地区、ジャウラト・シヤーフ地区、クスール地区、タルビーサ市、タッルドゥー市、タッルダハブ市、ラスタン市で、軍は反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
一方、シリア人権監視団によると、ヒムス市各所、カースィーン村、地方各所、ラスタン市で、軍、国防隊、ヒズブッラーの戦闘員と反体制武装集団が「これまでもっとも激しい」戦闘を行い、軍が砲撃・空爆を行った。
またヒムス市マズラア地区とワアル地区の間の検問所で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、複数の兵士が負傷した。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ザーウィヤ山、マアッラト・ヌウマーン市、ラーム・ハムダーン市などに軍が砲撃・空爆を加え、反体制武装集団と交戦した。
また同監視団によると、カフルシャラーヤー市近郊の岡を軍が制圧する一方、反体制武装集団はカラーミード軍事基地包囲を続けた。
一方、SANA(7月29日付)によると、カニーヤ村、バシュラームーン村、タマーニア町、カフルルーマー村、カフルナブル市、タッフ市、マガーラ村、イフスィム町、マルイヤーン村、マアラブー市、バザーブール村、ハミーディーヤ市、ウンム・ジャリーン村、アブー・ズフール航空基地周辺などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ハースィル村で自由シリア軍クルド戦線旅団がシャームの民のヌスラ戦線と交戦し、前者の司令官1人、後者のアミール1人(外国人)を含む戦闘員3人が死亡した。
またタッル・ハースィル村では、シャームの民のヌスラ戦線の検問所でクルド人1人が殺害された。
一方、『ハヤート』(7月30日付)によると、「誠実な約束作戦司令室」は、「不信心者粉砕」作戦と銘打って、アレッポ市ライラムーン地区などの軍拠点への攻撃を開始し、同地方の施設多数を制圧する一方、アレッポ市ザフラー地区の空軍情報局を砲撃した。
他方、SANA(7月29日付)によると、タッル・ハナースィル市、アブドゥー・ムーサー村、ヒジャーラ・カビーラ村、ジュッブ・アワド村、カルバーティーヤ村、ラシャーディーヤ村で、軍が反体制武装集団の掃討を完了し、これらの村の治安を回復した。
また、ハーン・アサル村、アナダーン市・フライターン市街道、カフルハムラ村、マンナグ村、マンスーラ村、アレッポ中央刑務所周辺、フライターン市で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。
アレッポ市では、ラーシディーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、カーブーン区、バルザ区などで軍と反体制武装集団の交戦が続いた。
一方、SANA(7月29日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
またザーヒラ地区、カッサーア地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、4人が死亡、17人が負傷した。
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ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(7月29日付)は、シリア軍消息筋の話として、ダマスカス県ムライハ市で反体制武装集団と面談する映像がネット上にアップされていたムスタファー・アブドゥルカリーム准将が、脚を撃たれて重傷を負い、死亡した、と報じた。
アブドゥルカリーム准将は、反体制武装集団との停戦について協議するため軍によって派遣されていたとされる。
またシリア人権監視団によると、ドゥーマー市郊外、ジュダイダト・ファドル町、ムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市、ハジャル・アスワド市などで、軍が反体制武装集団と交戦、軍が砲撃・空爆を行った。
一方、SANA(7月29日付)によると、ドゥーマー市郊外、アドラー市、ダイル・サルマーン市、マンスーラ村、ズィヤービーヤ町、フジャイラ村、スバイア市、ナブク市郊外、ヤブルード市郊外で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダルアー県では、SANA(7月29日付)によると、ヌアイマ村、アクラバー村、フラーク市、バサーラ市、サイダー市、ハーヌート市、スィースーン市、ヒルバト・ガザーラ町、イズラア市、ラジャート高原一帯で、軍が反体制武装集団と交戦し、ヨルダン人、リビア人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハマー県では、SANA(7月29日付)によると、タッル・カサービーヤ村、ジュッブ・スライマーン村、アービディーン村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダイル・ザウル市では、SANA(7月29日付)によると、ダイル・ザウル市ラサーファ地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(7月29日付)によると、ハサカ市ナースィラ地区にある民主統一党の「人民の家」で、即席爆弾が爆発した。
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ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(7月29日付)によると、反体制活動に共鳴するイタリア人宣教師パウロ・ダルリオ氏(ダイル・マール・ムーサ-修道院修道長)がラッカ市で何者かに誘拐された。
同報道によると、パウロ氏は、シャームの民のヌスラ戦線と面談するため、ラッカに向かっていたという。
その他の国内での動き
クッルナー・シュラカー(7月29日付)は、シリア・テレコムが国際電話料金を平均で700%値上げすることを決定したと報じた。
AFP, July 29, 2013、al-Hayat, July 30, 2013、Kull-na Shuraka’, July 29, 2013, July 30, 2013, August
1, 2013、Kurdonline, July 29, 2013、Naharnet, July 29, 2013、The New York Times, July 29, 2013、Reuters, July 29, 2013、SANA, July 29, 2013、UPI, July 29,
2013、al-Watan al-‘Arabi, July 29, 2013などをもとに作成。
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