2013年6月29日のシリア情勢

反体制勢力の動き

民主連合党のサーリフ・ムスリム共同党首は『ハヤート』(6月30日付)に、人民防衛部隊がハサカ県アームーダー市を保護下に置いており、武装集団の進入を阻止するために同市への通行を禁止していると述べた。

また28日のアームーダー市でのデモに関して、シリア・クルド・イェキーティー党など一部のクルド人組織が反民主連合党の煽動を行うために誇張していると非難した。

一方、シリア・クルド国民評議会のシリア革命反体制勢力革命連立への参加交渉に関して、「クルド人の名のもとに対話を行うのを認められた唯一の当時者だと主張するが、それは誤りだ」としたうえで、民主連合党がこの交渉に一切関与していないことを明らかにした。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ロシア、イラン、ヒズブッラーがヒムス市攻撃に「あからさまに介入」していると主張、またアサド政権が化学兵器を使用しようとしていると警鐘を鳴らした。

また、シリアの友連絡グループに対して、飛行禁止空域を設置し、「政府軍の拠点に的確な軍事的打撃」を与えるよう求めた。

国内の暴力

『ハヤート』(6月30日付)は、軍がヒムス県ヒムス市完全制圧、ハマー県とアレッポ県分断、そしてアレッポ市制圧に向けて攻勢を激化させた。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市のハーリディーヤ地区、バーブ・フード地区、ハミーディーヤ地区、ブスターン・ディーワーン地区に対して、軍が砲撃・空爆を激化させた。

また軍は四方からヒムス市に進軍、ハーリディーヤ地区、サフサーファ地区、ワーディー・サーイフ地区、バーブ・フード地区、ジャウラ・シヤーフ地区で軍と反体制武装集団が激しく交戦、バーブ・ドゥライブ地区に進入しようとした軍戦車を反体制武装集団が破壊した。

一方、SANA(6月29日付)によると、軍がヒムス市ハーリディーヤ地区、バーブ・フード地区、ワルシャ地区、カラービース地区、ジャウラ・シヤーフ地区、ハミーディーヤ地区に進軍し、複数の反体制戦闘員を殲滅、その拠点を制圧した。

また、タドムル市郊外、ラスタン市、キースィーン市、ガジャル村、タルビーサ市、カルヤタイン市周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、ヒムス市アッバースィーヤ地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、市民3人が死亡、6人が負傷した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カーブーン区、バルザ区で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃・空爆を行った。

一方、SANA(6月29日付)によると、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアマーラ地区の学校、カーブーン区のフマースィーヤ通商工業統合社に迫撃砲弾が複数発着弾した。死傷者は出なかった。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤ・シャーム市などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月29日付)によると、アドラー市郊外、ドゥーマー市、シャイフーニーヤ村郊外、ハラスター市、フサイニーヤ町、ズィヤービーヤ町、ダイル・サルマーン市、フジャイラ村で、軍が反体制武装集団の拠点・武器庫などを攻撃・破壊し、複数の戦闘員を殺傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ガブガーブ市内のバアス党支部周辺の検問所数カ所を反体制武装集団が襲撃した。

一方、SANA(6月29日付)によると、スィヒム・ジャウラーン市、シャブラク村、スィースーン市、ジッリーン村、アーリヤ市、ラフィード市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバー(ヨルダン人)など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(6月29日付)によると、シャワーギラート市、アルカミーヤ村、アイン・ダクナ村、マンナグ航空基地周辺、アレッポ中央刑務所周辺、カフルハラブ市、ワディーヒー村、アウラム・スグラー市、ナッカーリーン村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、ラーシディーン地区、マルジャ地区、カーディー・アスカル地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、「シャリーア委員会」メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(6月29日付)によると、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(6月29日付)によると、ムウタリム村、カフルシャラーヤー市、マアッラト・ニウマーン市、サルジャ市、マアッラトシューリーン市、カフルルーマー村、ブワイティー村、アブー・ズフール市、ウンム・ジャリーン村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、SANA(6月29日付)によると、ハサカ市の裁判所前で反体制武装集団が仕掛けた爆弾が爆発し、市民1人が死亡、7人が負傷した。

レバノンの動き

北部県トリポリ市のバッカール地区・ジャバル・ムフスィン地区間で衝突があり、2人が死亡、6人が負傷した。

AFP(6月29日付)が報じた。

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レバノン国軍は声明を出し、シリア領内で「自由シリア軍」にレバノン軍兵士が身柄拘束されたとして公開されたビデオや写真について、「ねつ造だ」と否定した。

諸外国の動き

『ハヤート』(6月29日付)は、ヒズブッラー・イラク機構が、イランで義勇兵を教練し、シリアに派遣しようとしていると報じた。

バスラ県出身の元民兵によると、「主にバスラ県とバグダード県出身の若者数百人」の教練・派遣が予定されているが、「イラク政府との調整、協力のもとに行われていない」という。

AFP, June 29, 2013、al-Ḥayāt, June 29, 2013、June 30, 2013、Kull-nā Shurakā’, June 29, 2013、Kurdonline,
June 29, 2013、Naharnet, June 29, 2013、Reuters, June 29, 2013、SANA, June
29, 2013、UPI, June 29, 2013などをもとに作成。

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