シリア政府の動き:米国によるシリア爆撃は敵対行為(2014年9月11日)

アサド大統領はダマスカス訪問中のスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表と会談した。

アサド大統領は会談で、シリアおよび中東地域の現状のなかでテロとの戦いが最優先課題になったと指摘し、テロがシリア人どうしの対話を通じた国民和解への支援を脅かしているとの見方を示した。

一方、デミストゥラ共同特別代表は、テロとの戦い、国民和解の推進と並行して、政治プロセスを通じたシリア国内外のすべての当事者による紛争の平和的解決にむけた行動への努力への意思が表明された。

会合には、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣(兼副首相)、ブサイナ・シャアバーン大統領府政治報道補佐官、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣らが同席した。

SANA(9月11日付)が伝えた。

会談後の記者会見で、デミストゥラ共同特別代表は、「テロ組織に対抗しなければならない。このことは明白だ。国際社会は次第にこの分野において互いに接近しつつある…。軋轢はなく、治安措置、そして迅速で、効率的で、集団的な政治的トラックを統合することを通じたテロとの戦いがあるのみで、それがテロリストを国民から孤立させるのに資する」と述べた。

また「政治的解決に至るためシリア人を支援する」との意思を示した。

SANA, September 11, 2014

SANA, September 11, 2014

 

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アリー・ハイダル国民和解問題担当国務大臣は、10日のバラク・オバマ米大統領の演説に関して「シリア政府の同意を得ていないいかなる行為もシリアに対する敵対行為だ…。国際法に従うと、シリアとの協力、協調、同意が、軍事的であれ、非軍事的であれいかなる活動においても不可欠だ」と述べた。

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表との会談後、記者団の質問に答えたハイダル国務大臣はしかし「シリアに対する敵対行為にシリアが報復するか否かは、その時になってみなければ話すことはできない」とも述べた。

AFP, September 11, 2014、AP, September 11, 2014、ARA News, September 11, 2014、Champress, September 11, 2014、al-Hayat, September 12, 2014、Kull-na Shuraka’, September 11, 2014、al-Mada Press, September 11, 2014、Naharnet, September 11, 2014、NNA, September 11, 2014、Reuters, September 11, 2014、SANA, September 11, 2014、UPI, September 11, 2014などをもとに作成。

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