米国務省は声明(24日)を出し、シリア国内で活動するシャーム・イスラーム運動、ムジャーヒディーン・ワ・アンサール軍の2組織、そしてダーイシュ(イスラーム国)活動家10人を「国際テロ組織」のリストに追加し、資産凍結、商取引禁止の対象としたと発表した。
リストに追加された2組織と活動家10人は以下の通り:
1. シャーム・イスラーム運動
2. ムハージリーン・ワ・アンサール軍
3. アムル・アブスィー(ダーイシュのヒムス県指導者)
4. サリム・ベンガレム(ダーイシュ・メンバー、フランス人、シリアで活動)
5. ムハンマド・アブドゥルハリーム・ムマイダ・サーリフ(アル=カーイダ、シリアで活動)
6. ラヴドリム・ムハクセリ(Lavdrim Muhaxheri、ダーイシュ・メンバー、コソヴォ系アルバニア人、シリアで活動)
7. ムラード・マルゴシュヴィリ(チェチェン人、シリアで活動)
8. ヌスレト・イマモヴィッチ(ボスニア人、シリアで活動)
9. ムハンナド・ナジュディー(サウジ人、アル=カーイダ・メンバー、シリアで活動)
10. アブドゥッサマド・ファトフ(アル=カーイダ・メンバー、スカンジナビアが拠点)
11. アブドゥルバースィト・アッズーズ(アイマン・ザワーヒリーによってリビアに派遣)
12. マアーリム・サルマーン(シャバーブ・メンバー、アフリカ人)
また米財務省は、インドネシア人3人、ヨルダン人2人、グルジア人1人を含む11人を、アル=カーイダ系組織への資金提供に関与したとして、資産凍結などの制裁対象リストに加えた。
『ハヤート』(9月26日付)が伝えた。
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シャーム自由人イスラーム運動政治局メンバーのアブー・ウマル氏はジャズィーラ(9月25日付)に対し、ダーイシュ(イスラーム国)との同盟を結ぶ意思はないとしたうえで、米国が主導する有志連合もシャーム自由人イスラーム運動の拠点を攻撃対象とはしていないと述べた。
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シリア人権監視団は、23日以降のシリア領内に対する米軍主導の空爆でダーイシュ(イスラーム国)戦闘員84人、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員57人、民間人13人が死亡していると発表した。
なお同監視団によると、9月23日の米軍などによるシリア空爆での死者総数は141人、でうち外国人は129人だという。
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「シリアの友連絡グループ」9カ国外務大臣は、ニューヨークでシリア革命反体制勢力国民連立のハーディー・バフラ議長と会談し、ダーイシュ(イスラーム国)などへの対応などについて協議した。
会談に参加したのは、米英仏、トルコ、サウジアラビア、ドイツ、イタリア、ヨルダン、UAEの外務大臣。
会談後、声明を出し、ダーイシュとアサド政権の双方に対抗するため、「シリア革命反体制派国民連立が指導する穏健な反体制派」を共同支援するとの意思を表明した。
声明では、「アサドには過激派と積極的に戦う意思も能力もない」と断じる一方、「アサドの政策はシリアの問題の原因であって、解決策ではない」と主張した。
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AFP(9月25日付)は、UAE筋の話として、23日の米軍主導によるシリア空爆に女性パイロットのマリヤム・マンスーリー空軍大佐が参加していた、と報じた。
ただし、マンスーリー大佐が司令官を務める飛行連隊が作戦に参加したもの、彼女自身が戦闘に参加したかは不明だという。
AFP, September 25, 2014、AP, September 25, 2014、ARA News, September 25, 2014、Champress, September 25, 2014、al-Hayat, September 26, 2014、Aljazeera.net, September 25, 2014、Kull-na Shuraka’, September 25, 2014、al-Mada Press, September 25, 2014、Naharnet, September 25, 2014、NNA, September 25, 2014、Reuters, September 25, 2014、SANA, September 25, 2014、UPI, September 25, 2014などをもとに作成。
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