イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線が、シリア革命家戦線支配地域での進軍を続け、シリア革命家戦線の本拠地ダイル・サンバル村を制圧、武器、戦車などを捕獲した。
ヌスラ戦線はこれにより、ザーウィヤ山のほぼすべての町・村を手中に収めた。
また同監視団によると、ヌスラ戦線の構成を受け、「穏健な反体制派」であるシリア革命家戦線の戦闘員数十人が離反し、ヌスラ戦線に加入した。
一方、ドゥラル・シャーミーヤ(11月1日付)によると、シリア革命家戦線は、ヌスラ戦線と交戦することなく、ダイル・サンバル村、マガーラ村から撤退、両村はヌスラ戦線によって制圧されたという。
なお、これを受け、シリア革命戦線のジャマール・マアルーフ司令官はビデオ声明(http://www.youtube.com/watch?v=yGNT5ko0-SE)を出し、「我々はアッラーのおかげで、ザーウィヤ山をバッシャール・アサドの悪党、そしてバグダーディーの悪党(イスラーム国)から解放していた」としたうえで、ヌスラ戦線によるザーウィヤ山制圧に関して「お前(アブー・ムハンマド・ジャウラーニー)は、ザーウィヤ山の村を一つたりとも開放していない…。ヌサイリー体制と同様、占領しに来ただけだ」と主張した。
これに対して、ヌスラ戦線は、共闘するジュンド・アクサーと共同声明を出し、ザーウィヤ山一帯でのシリア革命家戦線に対する作戦を停止すると発表、ジャマール・マアルーフ司令官らシリア革命家戦線メンバーに対する裁判を行うための法廷を設置したと発表した。
AFP, November 1, 2014、AP, November 1, 2014、ARA News, November 1, 2014、Champress, November 1, 2014、al-Durar al-Shamiya, November 1, 2014、al-Hayat, November 2, 2014、Kull-na Shuraka’, November 1, 2014、al-Mada Press, November 1, 2014、Naharnet, November 1, 2014、NNA, November 1, 2014、Reuters, November 1, 2014、SANA, November 1, 2014、UPI, November 1, 2014などをもとに作成。
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